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エミュレータ機

【レビュー】今年イチぶっ刺さった『ZPG A1 Unicorn』

エミュレータ機

中華ゲーム機の定番メーカーといえば、AnbernicやMiyooが有名で、人気がありますよね。

しかしもうひとつ、圧倒的クオリティとデザイン力を誇るメーカーがあるんです。それがGKDやZPGシリーズを出しているチーム。

Anbernicのように安定した供給や販路はなく、ユーザーサポートも弱いのですが、なんやかんやいろいろ触ってきて、一番、あぁ~理解ってる・・・!となることが多く、

今回も待望のハードでかなり期待値高めでしたが、実際に手に取ってみても、久しぶりに脳にドーパミンがドバドバ放出されたような、刺さりに刺さったハードです。

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動画版

スペック&主な特徴

ZPG A1 Unicornとは

ZPG A1 UnicornはAndroidを搭載したいわゆるエミュ機と呼ばれている端末で、ZPGシリーズの商品の一つとなっています。ZPGは過去にもキメラモデルのZ-Pocket Game、ZPG Proなどがあります。

約4インチ(720×720)の正方形ディスプレイを搭載しているのが特徴的で、チップセットは中華タブレットなどでよく採用されているHelio G99が搭載されていて、

RAMは6GB、ストレージは128GB、MicroSDスロット搭載、バッテリーは4500mAh、ホールセンサースティックやジャイロ、ファンによる冷却機能なども搭載。

カラーは現状ホワイトのみですが、どうやらクリアカラーなども展開されるようです。

レビューではビジュアルがかなり似ているAnbernic RG Cubeとの比較などもしていきます。

開封&内容物

では早速開封していきます。メーカー提供による先行レビューですが、特に何も指定されていないので自由に本音で行かせてもらいます。

今回は本体と別売りのケースも同封されていました。ケースはハニカム構造が編み込まれたようなテクスチャ、ロゴのエンボス加工など結構こだわっていて、良い質感です。あと中に専用カバーも入ってました。

箱のデザインも凝っていて、ユニコーンを模したロゴを大きく魅せたデザインで、ガッチリとした硬い箱になっています。プリントの質も高く、気合が入っている印象。

内容物はこちら。USB-C to USB-Cケーブル、ガラス保護フィルム、簡易的な説明書と合格証、本体です。

本体外観

手に取った瞬間、こ・・・これだ!となりました。シェルは素地のプラスチックですが質感が良く、若干ツヤ感があるサラサラとした手ざわり。

そして多少のグリップ感を担保しながら厚みを抑えているので、空洞感なくミッチリとした感触、更に厚みを感じさせない面取りされたフォルム、無駄なくバランス良く配置されたボタン類、完璧です。ぐうの音も出ない。

側面を見ると、シェルの噛み合い部分は若干の粗さを感じる箇所もあるにはありますが、軋みなどはなくかなりガッチリとしているので全く気になりません。

ボタンレイアウトは右側にニンテンドー配置のABXYボタン、アナログスティック、スタートセレクトボタン、スピーカー、
左側にアナログスティック、十字キー、バック・ホームボタン、スピーカーです。

アナログスティックの位置はいわゆるSwitch型の配置、十字キーは円形のXBOXコントローラー風です。

よくみてみると、ABXYのボタン印字はドット調になっていて、GKD Pixelと同じデザインです。かわいい。そしてシェル側に⚪︎×△◻︎とあるのも気が利いたデザインだと感じます。

背面にはファンの吸気口、そして写真ではかなり見難いですがエンボス加工でロゴなどが入っています。

シンプルかつネジ穴なしの背面も美しく素晴らしいですね。

上側面には左からL1L2、ファンの排気口、電源ボタン、ボリュームボタン、メニューボタン、R2R1とあり、

下側面にはイヤホンジャック、USB-C、MicroSDスロットがあります。

画面部分の厚みはガラスフィルム込で18.7mm

左右側面にはなにもなしで、上下にインターフェイスがまとめてあるのもナイス。

左右の側面も薄く見えるようカーブが付いていて、グリップの厚みが気になりません。

他ハードとの比較

同じく正方形ディスプレイの先駆者、RGB30と比較してみます。縦横寸法的にはほぼ同等ですが、RGB30はグリップが無いフラットで板的なデザインなのに対してUnicornは流線的なフォルム。

システムの使い勝手としてもRGB30はLinux機なので全然違います。

実機と並べてみると、大体ゲームボーイアドバンスくらいです。が、やはりこちらも同様厚みの差でかなりサイズ感は違う印象になります。あと白は膨張色なので、小さく見えるクリアと並べるとかなりサイズ差を感じます。

そしてRG Cubeと並べたのがこちら。A1 Unicornは発表当初からかなり期待していたのですが、あとからAnbernicによりかなり似たハード RG Cube が発表され、こちらのほうが早く発売されて話題を持っていきました。

しかしこうして並べてみると、やはりA1 Unicornはオリジナルだけあり、かなりデザイン的に洗練されている気がします。

まずボタンレイアウトは左右共に軸が通っており、均等に並んでいてやや上側にボタン類を寄せているので引き締まって見え、下部のスピーカーの開口が装飾的でアクセントになっています。ベゼルも黒を上下ギリギリまで引き伸ばしているので画面占有率が大きく見えて良いです。

また画面部分の厚みはほぼ同じ18mm程度なのですが、面取りされているおかげでA1 Unicornの方が薄く見え、手に取った感触としても大きめのグリップがあるRG Cubeとなるべく薄くグリップを作っているA1 Unicornで、後者のほうがより小さく感じます。

まぁとは言え、デザインは好みの問題、なにより操作感が大きく異なるのでどちらが優れているとかではないです。

操作感

重量はガラスフィルム込で258グラムでグリップがあるのでほどよい重量感、疲れることはなさそうです。RG Cubeが263グラムなのでほぼ同等。

好み的にはグリップの膨らみは無くても良いくらいですが、このくらいの膨らみであれば背面のデザインを凹凸で作っているようにも見えて良いですね。

ボタンはとにかく最高。ABXYはJoy-Conよりは若干大きめのサイズ、ボタン間が狭めですが問題なく操作でき、なにより押し心地がマイクロスイッチなんですよね。チャキチャキとしたマウスのクリックのような感触で、軽く押せて押した感触がしっかりあるのは本当にたまらん。

カチカチボタン大好き、なによりマイクロスイッチ好きとしてはこの一点のみでも激推しできます。実際エミュ機での採用は初ではないでしょうか。

レイアウトが上側に寄って配置されているのは操作性的にも良いですね。ボタンはもちろん、下側のアナログスティックや十字キーを使う際の負担も少なく、結構快適です。

スタートセレクトボタン、ファンクションキー類は一般的なタクトスイッチで、カチカチとした感触です。ちょうどよい硬さと音だと感じます。全体的に静音性はRG Cubeより高めです。

アナログスティックは最近良く採用されているホールセンサースティックで、他の中華ゲーム機と同じもののようです。フチにつぶつぶテクスチャが付いているもので、倒し角度など使い勝手的にはJoy-Conのスティックと同等です。

RG Cubeのスティックともおそらく同じですが、あちらは光りますね。

十字キーはXBOXコントローラーライクな円形デザイン。しかし押し心地はクリッキーなタクトスイッチではなく、ABXYボタン同様のラバー。

一般的な十字キーというよりは浮いているような感覚で、硬さは柔らかすぎず硬すぎずちょうどよいと感じます。

ショルダーボタンは横並びでボタンというよりは形状に高さの差があり、しっかりと押し分けることが可能です。L2を押そうと思ってL1を押しちゃうなんてこともありません。

押し心地はボタンと同様の感触で、チャキチャキとした感触。同じパーツが採用されているのかもしれません。

RG Cubeは縦並びのショルダーボタンで、L2R2はトリガー仕様になっている点にも差があります。

地味に良いと感じるのがメニューボタンの位置です。こちらはR2ボタンの隣あたりにあり、普通に握り直さずに使える位置で、メニューボタンを押すことでスリープ解除もできるのでAndroid機としてはなかなか使いやすいと思います。

RG Cubeでは右側面に電源ボタンが付いていたので、ちょっと位置が悪いなと感じていたんですよね。

画面・スピーカー

画面

ディスプレイはかなり明るめ、視野角良好、解像度も高めで良い液晶だと感じます。保護ガラスフィルム貼り付けでシェルとぴったりになる設計も良いです。おそらく他の正方形ディスプレイと同じですね。

正方形ならではの独特さをAndroidでも楽しめるのが本製品最大の特徴です。

あえて不満点を挙げるとすると、ベゼルの不均一さですね。下部のみ大きく取られているので、上下左右同じベゼル幅だと良いなと感じます。この点においてはRG Cubeは均一幅ですが、実際使ってみるとRG Cubeよりも狭ベゼルに感じるのが不思議です。これも面取りされたシェルデザインのおかげですかね。

スピーカー

スピーカーは特別良い音質ではありませんが、前面のステレオスピーカー、フロントスピーカー。配置的に手で塞がる位置でもなく、音が耳にダイレクトに伝わってくる感じが有り良いと感じます。

使用感

基礎知識・注意点等

Androidスマホユーザーならスムーズ

基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等を導入する際には初期設定などが必ず必要となってくるので、知識調べる力が必要です。

起動:電源ボタンを長押し
終了:電源ボタンを長押しして電源を切るを選択
スリープ:電源ボタンを一度押し
明るさ調整:上から下に2回スワイプして一番上のスライドバー
戻る、メニューを開く:ホーム/戻るボタン押し
ホーム画面に戻る:ホーム/戻るボタン長押し

Androidにはシステムレベルの遅延がある

Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。

また、本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。

エミュレータで遊ぶには

一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。

吸い出し機(ダンパー)

エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら

ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Readerレビュー記事はこちら)をおすすめします。

Attention Required! | Cloudflare

(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)

また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。

PC(あると快適)

データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。

MicroSD

ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。

MicroSDリーダー

MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

セットアップ・メニュー画面について

最初に起動すると初期セットアップが立ち上がり、数個のアプリをインストールできますが、ほぼ素Androidです。設定から日本語化もできますし、Playストアも入っていますが、それ以外は無いので全部自力でセッティングする必要があります。

Anbernic製品であればある程度基本的なアプリがプリインストールされているので、その点も大きな違いですね。

メニュー画面は超シンプルなもので、アプリをインストールするとどんどん追加されていき、下から上にスワイプするとインストールされているアプリ一覧が表示されるもの。

あと一応コントローラーをNintendo配置(右がA)とXBOX配置(下がA)で変更できますが、ドライバーの問題なのか、コントローラーがXBOXコントローラー認識ではないのでその分アプリによっては若干設定が難しい時があると感じました。

タッチパネルをボタンに割り当て、外部映像出力はデフォルトの状態では不可能でした。RG Cubeではできます。

ベンチマーク

AnTuTuベンチマークV10は

総合スコア 377357
CPU 128971
GPU 65503

となりました。パフォーマンスが変更可能なので、もちろんハイパフォーマンスで検証しています。

PCMarkバッテリーテストは途中で落ちてしまい検証不可でした。

ゲームをプレイ

動作感自体はよく動きます。GC、Wiiのタイトルをいくつか遊んでみましたが、概ねグラフィックをVulkan、その他ちょっとの設定で動作し、液晶解像度が高くないので内部解像度は1xで十分綺麗に感じます。PS2も同様ですが、タイトルによっては厳しいと感じます。

またRG Cubeはこちらよりスペックが高く、AnTuTu 47万点くらいなので、少しでもパワーが強いほうが良い場合にはRG Cubeとなります。

しかしまぁ、快適に遊びたい場合はOdin2、AYANEO Pocket Sなど、ハイエンドチップ搭載端末でパワーで解決したいと感じてしまいます。

やはり最適に感じるのはゲームボーイなどの正方形に近いディスプレイのハード、PICO-8、もしくはファミコンスーファミなどを正方形ピクセルで遊ぶ際などです。

ほぼ画面いっぱいに表示でき、かなり大きく感じて遊びやすいですし、性能が十分にあるのでシェーダをかけて良い感じにしたり、早送りや早戻しなど便利に遊ぶことも可能。

ベゼルオーバーレイを設定すればアスペクト比が合わないハードであってもなんか良い感じに遊べます。

DSも縦に並べて遊べますし、タッチパネルも使えますがやはり画面としては少し小さいかな?と感じます。DS3DSに関しては実機以上に快適に楽しめるものは無いと思っているので、これ以上触れません。

感想

私のために作ったのか!?と思うレベルの良さで、感触の良さ、ボタン配置や押し心地など、ディテールの詰め方が非常にZPGらしい、筐体の完成度の高さを感じます。

同じような仕様でありながらCPU性能がRG Cubeよりも低いというのがありますが、正方形ディスプレイという特殊、限定的な仕様においては、ちょうど良いバランスにも感じます。これでディスプレイが3:2とか4:3であればまた話は変わってきますが。

今年のハードと言えば同じチーム?のGKD Pixelも最高なので、今後もGKD・ZPGを追い続けたいです。久しぶりに痺れました。

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ヨシダ

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