やっぱ携帯ゲーム機のアスペクト比(画面の縦横比)は4:3だなって思うこと、ありますよね。
今回のRG405Mは、4インチの4:3液晶、そしてSoCにUnisoc T618を搭載しているということで、
簡単に言うと5インチ未満中華ゲーム機の中で最高性能を持つ端末、ということです。
ただ個人的に気になる点もいくつかあり、ここが良ければ満点だったなぁ〜って感じる箇所がいくつかありました。ということでレビュー進めていきます。
販売ストア
購入は上記リンクよりアンバーニックオフィシャルストアを推奨。
中華メーカーにしては珍しくしっかりとしたサポート、保証を受けることができます。
Amazonでの購入も可能かもしれませんが、基本的に少し割高です。
動画版レビュー
スペック&主な特徴
項目 | RG405M |
---|---|
システム | Android 12 |
対応ゲーム | Android専用ゲーム、Android用エミュレータ各種 |
ディスプレイ | 4インチ IPS タッチスクリーン |
解像度 | 640×480 |
CPU | Unisoc Tiger T618 2.0GHz |
RAM | 4GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB eMMC |
バッテリー | 4500mAh |
インターフェース | USB Type-Cポート、イヤホンジャック、TFカードスロット、デュアルスピーカー |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi (2.4/5G) 802.11a/b/g/n/ac, Bluetooth 5.0(技適未取得) |
サイズ | 163 x 76 x 15.9 mm |
重量 | 260g |
色 | ブラック/グレー |
材質 | アルミ合金 CNC加工技術 |
RG405MはAndroidを搭載したゲーム機で、特徴的なのは4インチ4:3のディスプレイに加えて外装シェルの素材がアルミになっていることです。
アルミであるメリットはとにかく高級感。重くて質感のいい金属シェルは本当に所有欲を満たしてくれます。
RG = Retro Game
40 = 4.0インチ
5 = Unisoc T618
M = Metal
▲また、端末名称の意味はこのようになっていて、5、つまりT618を搭載した他のハードはRG505です。
他に気になる点としてあげると、ストレージが地味に128GBになってるあたりですね。
基本的にこのようなハードにはMicroSDに吸い出したゲームイメージを入れて使ったりするので内部ストレージはそこまで必要ないんですが、
Android端末において内部ストレージなんか多ければ多いほど良いので、助かります。

開封&内容物
では内容物から見ていきます。

▲こちらが箱です。いつも通りのアンバーニックデザイン。見間違えたりしないのだろうか?と思いますが、今回はかなり薄めの平べったい箱になっているので、それも判断材料のひとつなのかも。

▲内容物はこちら。本体、説明書、USB-Cケーブル、保護ガラスフィルム、クリーナーです。

本体外観
安定のビルドクオリティ、流石

▲RG405Mは4インチでありながらベゼル細めに攻めているので、本体の大きさとしてはコンパクトな部類。
そして何よりアンバーニックさんの十八番と言ってもいい金属シェル。
安定のビルドクオリティの高さで何度手にしても感動するというか、もう惚れ惚れするくらいに高い完成度です。
このサイズ感のハードでアンバーニック製に敵うものは居ないのでは…?とまで感じます。

ただそれと同時に、いつも以上に重いな…って思ったのも事実です。iPhone 14 Pro Maxが240gなので、それよりも更に20g重い端末です。
原点回帰なボタン配置

▲前面には右側上にABXYボタンがニンテンドー配置、下アナログスティック、その下にスタートセレクトボタン。
左側には上にアナログスティック、下に十字キー、その下にホーム/戻るボタンです。
まず一番最初に一番大きな違いなんですが、ボタン・アナログスティックがスイッチ的な配置となっています。

▲こちらが過去に販売されたRG503とRG353M。これまでは十字キー、ボタンが上の配置となっていて、それが好きでアンバーニック製品を選んでいた人も多いようなので、この変更が受け入れられなければその時点で無しになってしまいます。
ちなみに私はスイッチ配置のほうが好きだったり好きじゃなかったり。

▲最初のRG350がこの配置だったので、ある種の原点回帰ですよね。
左右には何もなし

▲背面には製品情報の印字と滑り止めのラバーが付いています。

▲上側面は左からL1L2、排気口、電源ランプ、USB-C端子、ボリュームボタン、電源ボタン、R2R1です。
下側面には左からスピーカー、イヤホンジャック、MicroSDスロット、スピーカーです。
珍しく左右の側面には何もなく、上下にインターフェイスが集約されている感じです。
一回り大きくなった感

▲こちら上からRG353M(前モデル)、RG405M、RetroidPocket 3+です。
そこまで寸法的にはRG353Mと変わらないと思っていましたが、実際に手にしてみると割とサイズアップ感があります。

ただ厚みがほぼ変わっていない上、ベゼルも細くなっているので、嫌な感じのサイズアップではありません。まだまだ、コンパクトなうちに入るサイズ感ではあると思います。

PSPのサイズ感

▲これ何かのサイズ感に似てるな…と考えていたら、PSPっぽいなと気付きました。
まぁ画面サイズ異なる上、縦幅や細かい形状は違うんですが、横幅がほぼほぼ同じなので持ったときの感覚がPSPを想起させます。

操作感
安定感のあるしっかりとしたボタン

▲RG405はカーブを描く側面、そしてファンクションキーが上下に集約され、手が当たる部分にはなにも無いことにより丁度いいグリップ感があります。
金属シェルなので相変わらず冷たいですが。

▲操作感としてはいつも通りに良好です。遊び少なめでしっかりとした押し心地。
今回は光沢感のあるABXYボタンなので指に吸い付くような触り心地です。

▲十字キーも同様に安定感がありますが、通常のプラスチックシェル端末とは違って重めです。金属シェル特有の重みなのかと。

▲ショルダーボタンは横並びではありますが、段差がついたものとなっているので比較的使いやすいです。
スタートセレクトボタンが固くてうるさい
気になるボタンはスタートセレクトボタンです。上記動画を見ての通り、硬めでカチカチとしたボタンで、若干の押しづらさと音の大きさを感じます。これが安っぽくて嫌だな、と感じる方も居るかもしれません。
画面・スピーカー

▲RG405のディスプレイは画面占有率が高く、画面の横にコントローラーがついているようなビジュアルが魅力的です。

▲同じ画面表示、そして明るさ最大でRG405Mと旧モデルのRG353Mを並べてみました。かなり輝度も高くなり、彩度も申し分ない見え方です。
ただ解像度はRG353Mと同様の640×480のまま。画面が大きくなった分、解像度の低さに目がいきます。3.5インチの端末と比べ、液晶のドット感、ジャギー感が分かり、遊ぶゲームによっては滲んで見えます。
スピーカーは多少改善はされた
スピーカーはRG353Mのこもった感じの音に比べて多少改善されました。ニュートラルでバランスの良い音色となり、スピーカー派の人にとってはより良いゲーム体験となりました。まぁ・・・好みではありますが。
使い方
基礎知識・注意点等

Androidスマホユーザーならスムーズ
基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等は初期設定で導入済みですが、ストレージ設定などは自分で行わなければならないため知識と調べる力が必要です。
Androidにはシステムレベルの遅延がある
Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。
また、本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
・吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2、セガサターン等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
・PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
・MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。

・MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

アプリ・エミュレータは初回起動時インストールされる

RG405では初めて起動する際にセットアップが開き、アプリが一通りインストールされます。
Google純正アプリやPlayStoreも導入されているので、そちらからのインストールも可能です。
専用のランチャーアプリもあり
他にもエミュ専用のランチャー(メニュー画面)があり、そちらを使うといかにもエミュ機なインターフェイスで使えるようになります。

▲上から下にスワイプするとこのような設定パネルが各種出てくるので、この左下のGame Modeをオンにすると

▲専用のランチャーが立ち上がります。

▲ランチャーはいくつかテーマを変更することができるので、気にいるビジュアルがあればこちらを使うのも良いかと。
また個人的にはDaijishoというランチャーアプリを気に入っているので、それをメインで使っています。
行った初期設定
とりあえず最初に行った設定を羅列しておきます。
Androidスマホと同様の操作で日本語化、時間設定、バッテリー%表示などが可能でした。
・設定(歯車マーク)からsystem、languageを日本語に
・日付と時刻、日時を自動的に設定をオフに、タイムゾーンで日本を選択
・ジェスチャー、システムナビゲーションをジェスチャーナビゲーションに
・バッテリー、バッテリー残量をオン
・アップデートと書かれたアプリをタップしてアップデート
AnTuTuベンチマーク結果

AnTuTu V9.5.7のスコアは
総合スコア:221058
GPUスコア:43190
総合スコア的には、Snapdragon820、665あたりの性能でしょうか。過去他端末で計測した総合スコアは以下です。
Anbernic RG353M:96676
Anbernic RG505:214742
Retroid Pocket 3+:230888
RG405と同じT618を搭載した端末とほぼ同じ数値が出ています。
バッテリー持ちを計測
PCMarkによるバッテリー持続時間をテストしてました。100%→20%までが8時間。
基本スマホやタブレットで行うアプリだと思うのでゲームメインで使う場合はもう少し減るかもしれませんが、携帯ゲーム機としては文句なしのバッテリー持ちです。
また、画面解像度が小さいおかげか、同じT618を搭載したRetroid Pocket 3+よりも20分多い結果となっています。

実際の動作タイトル
性能を数値で言われても分からん・・・って方も多いかと思うので、実際に色々動かして検証していきます。
Android用ゲーム

▲幻塔や原神といったAndroid用の3Dゲームタイトルでも一応は遊べました。が、遊んでいるとたまに処理落ちする感じがあり、アクションゲームなだけあって少し厳しいと感じます。

▲原神ではコントローラー非対応なんですが、ボタンマッピングをしてコントローラー操作で使えるようにすることもできます。しかも原神であれば設定済みのファイルが有るので、自力で割り当てる必要もありません。
が、やはり画面の小ささもあってか誤操作が割と多く、快適とは言えない感じでした。

▲ヴァンパイアサバイバーのように軽めのゲームであれば問題なく動きますが、文字が潰れて読めません。なので、基本的にAndroid用ゲームをメインで遊ぼうと思うと厳しそうです。
軽いハードな上、解像度640×480であっても、そこそこうまく表示してくれるゲームタイトルであれば、という条件付きといった感じでしょうか。
エミュレータ

▲ゲームキューブは要設定ですが、風のタクトなどの比較的軽め?のタイトルであれば問題なく遊べそうです。

▲PS2もドラクエ5のようなタイトルであれば遊ぶことが可能。

▲同様にキングダムハーツも遊べますが、同じT618を搭載したRetroid Pocket 3+よりも動きが悪いように感じます。

▲勿論ワンダと巨像は遊ぶのに厳しいレベルで処理落ちします。

▲じゃあ何を遊べば良いんだ、と思いますがこのように、スーファミのタイトルに強めのシェーダーをかけてブラウン管っぽい表示にしたり・・・(要設定)といった遊び方がなかなか楽しいと感じます。
使うシェーダーによってはかなり重くなりますが、パワフルなT618であれば問題なく動きます。
▲またPS1用エミュレータDuckStationを使用して解像度を上げるだけでなく、PS1特有の歪みを解消して遊ぶことも可能です。
感想:更に進化したレトロゲーム機

RG405Mは、よりパワフルになった正統派なレトロゲーム機という感想です。
PS2なども遊べるものの、若干のスペック不足感、何より画面解像度の低さが気になります。
なのでレトロゲームをバキバキにフィルターをかけて遊んだり、アップスケールしたり、早送りしたり巻き戻したり、これまでは性能不足で出来なかったことを余裕を持ってできるようになったのが、性能的な大きなメリットかと。
あとはベゼルがかなり薄くなったので、画面サイズが上がってもほぼ3.5インチ端末と同じサイズ感、アナログスティックの配置などが気に入ればという感じでしょうか。
ただ、Androidは設定がめんどくさくて嫌だ、好きじゃない、という場合にはLinuxのRG353M一択になるので、完全なる上位互換とはならないな~と感じる端末でした。あと予算との兼ね合いですね。
