過去に私がネクストミヨーミニだとかなんとかかんとか言っていたハードを覚えていますか?その名もGKD mini Plus。
最高のデザインと、ドックに接続してアナログスティックを追加できるというギミック。そして性能も高い。一見かなり良さそうな中華ゲーム機です。
あんだけ煽っといて続報聞かねえな!なんで買ってねえんだ?と疑問に感じている人も多いでしょう。
何故かと言いますと、そもそもいつ販売開始されたのかが不明で、その上公式ストアのラインナップから除外されていて、謎に購入不可能状態だからです。売る気が・・・無い?
販売ストア
私が購入したのは中国のAmazonことアリエクスプレス内のストアで、購入金額は本体が約14000円、ドックが約2500円。本当に届くのか?という不安が若干ありましたが、普通に届きました。
白で良ければAmazonでも買えます。金額もほぼ変わらないので、普通にAmazonで買ったほうが良いかも知れません。
動画版
スペック&主な特徴
GKD mini Plusとは
GKD mini Plusとは、丸っこいデザインが特徴の縦型ゲーム機で、過去に販売されたGKD miniのCPUアップグレード版です。そして毎度おなじみ、中国のLaozhang氏による製品です。
レトロゲームやRPGツクール、PCゲームの移植を遊んだりできます。本端末をざっくり説明すると
・OSはLinuxの独自ファームウェア
・3.5インチでVGAの画面
・PSP、DCあたりまでそこそこ動く
・丸っこくて洗練されたデザイン
・別売りのドックに接続してアナログスティックを使える
・コスパはあまり良くない
基本的に前モデルのGKD miniとは変わらず、別売りのドックでアナログスティック付きのハードとして使えるようになる、というのが大きな進化です。
またCPU性能的にはメタルハードとして販売されているGKD mini Plus Classicと同様です。
GKD mini Plusのスペック
名称 | GKD Mini Plus Classic |
---|---|
システム | Linux |
対応ゲーム | PC 移植ゲーム、FC~PSP、DC、N64などの各種エミュレーター |
ディスプレイ | 3.5インチ IPS (640 x 480) |
CPU | RK3566 Quad-Core、1.8GHz |
RAM | 1GB |
ストレージ | Linux 16GB MicroSD + 外部MicroSD |
バッテリー | 3000mAh |
インターフェース | Bluetooth、Wi-Fi |
サイズ | 87 x 112 x 20 mm(最厚部分、実測値) |
重量 | 177g(実測値) |
GKD mini Plus はLinuxベースのシステムを搭載、SoCにRK3566を搭載していて、ざっくりエミュで説明するとレトロゲームからPSP~DCあたりまで遊べるくらいの性能。ただ、アナログスティックがない状態だと遊べません。
3.5インチのIPSディスプレイ(解像度640×480)を備えており、ちょうど良いバランスとなっています。
本体カラーはブラック/グリーン/イエロー/ピンク/ホワイトの5色。ドックも同様ですが、何故か白とピンクしか見つかりませんでした。
しかし何故今これを?
何故今レビューしてるんだ?買い置きしていたのか?と疑問に思う方も居るかと思いますが、
ちょっと前にクラウドファンディングで出資していたGKD mini Plus Classicが届きまして、システムはあまり良くないものの、Laozhangのデザインは本当にイケてるな、と再確認したんですよね。
で、元々このPlusになる前のモデルも欲しかったので、これを期に触ってみようかなと決心したということです。あと、事前情報でPlusのOSは本当にだめだと聞いていたので、ではClassicのOS入れたらある程度快適になって普通に使えるのでは?という裏テーマがありました。
開封&内容物
では開封していきます
本体は箱とケースがセットで届きました。贅沢ですね。箱のデザインもかなり贅沢で、全面がグラフィカルで派手なグラフィックとなっています。この右下のキャラクターはLaozhang氏かな?
内容物はこちら。保護ガラスフィルム、USB-Cケーブル、説明書、本体です。
ちなみに専用ケースはグラフィカルなのがかなり珍しいですが、質感としてはけっこうチープです。しっかりと保護はできると思いますが、印刷部分はビニール系?でかなり軽く、薄い。
ドックはこちら。箱にはドックのみが入っています。
本体外観
本当にデザインが良い
まず最初に抱いた印象としては、本当にそのままなんですが、デザインが良い!!!です。
シンメトリーなボタン配置、丸みを帯びた形状、ベゼルはMiyoo Miniなどに比べたら広いものの、縁までガラスが広がっているので嫌な感じもしません。とても良くできています。
ビルドクオリティ的にも概ね問題ありません。ただ、画面の下側を押すとギシギシ言うんですよね。下側が固定されていないような感触があり、少し不安です。
質感は若干プラスチック感が強くて残念ですが、デザインでカバーできているような印象です。
表面は右側にABXYボタン、左側に十字キー、中央にファンクションキー2つ、スタートボタン、セレクトボタンがあります。
ファンクションキーが2個あるのは、組み合わせて使えるファンクションキーと、メニュー画面を開くためのメニューボタン。ボタンなんかなんぼあっても良いですからね。
できるだけフラットにしつつ操作性を担保
背面にはGKDのロゴ、その上にR1R2L1L2があります。
ショルバーボタン部分だけ隆起していて、後付したんか?みたいなデザインに見えますが、実際に手にしてみるとかなり手に馴染むフィット感で、後述しますが縦型ハードの中ではかなり上位の操作性です。
デザインだけでなく、普通に操作性も良いのがすごい。
左側面にはR3L3、右側にはボリュームボタンがあります。
上側面にはMicroSDスロットが2つと電源ボタン。
下側面にはイヤホンジャックとUSB-C、左右にスピーカー。隅にはストラップホールもあります。
合体するとでかい
さて、ではドックを装着してみたいと思います。このドックは正直スカスカで、本体と比べるとかなりチープです。あくまでアナログスティックを追加できるだけの機能しかない、というのもあるのかもしれません。
ドックと本体は固定する機構などは全く無く、ただUSB-Cが刺さるかを確認しながら強めに押し込むだけです。結構固め。
合体するとこのようなビジュアルになりました。う~ん、なんともユニーク。
せめて色を合わせればもう少し一体感があったかと思いますが、何故か白とピンクしか見つけられなかったので、白黒の組み合わせなら良いかな?と思いこの選択。いっそのことピンクで合わせたりしたほうがインパクトあってよかったかも?
なんというか、ドックが思っていたよりも大きいんですよね。横から見るとわかりやすいんですが、カーブを描いたフォルムになっているので、かなりボリューミーなゲーム機になります。
ボリューミーになったから操作性も上がって良いのでは?と思うかもしれませんが、カーブの曲線が手にフィットするとは言いにくく、正直微妙です。
どうせここまでやるのであれば、もう少ししっかりとしたグリップにするなどして、サイズアップしたならではのメリットを感じれるようにしてほしかったと感じます。
このように、USB-C端子とイヤホンジャックはドック側にも付いていて、合体した状態でも使えるような仕様になっています。
GKD mini Plus Classicと比較してみてもこの通り。
かなりサイズが大きいんですよね。ドックを装着して同じサイズくらいになると想定していたので、このボリューム感には少し驚きました。
操作感
意外にも手に馴染む
デザインを優先しているのでコントローラー部分が小さく、操作性に難ありかと思いきや、意外にもしっかりと握れるショルダーボタンの形状や角のカーブが相まって手に馴染みます。
アナログスティックまでの位置が遠い
ドックをつけるとこうなります。ショルダーボタン部分に指を引っ掛けた状態だと、少し背面のボリュームが大きすぎる、下に長過ぎるように感じます。あと、アナログスティックまでの位置が遠いです。
ボタンの押し心地的には問題ないですが、少し柔らかめで遊びが大きい印象です。メタルシェルのClassicと同じパーツが使われてそうですが、あちらの方がもっと安定感がある印象。
十字キーも若干柔らかめです。慣れればそこまで気にならない程度ではありますが、ボタンは全体的に若干チープに感じます。
ショルダーボタンは低音タクトスイッチで、遊びはあるものの形状や配置のバランスが良いので使いやすいです。
画面・スピーカー
画面は3.5インチのVGAという、中華ゲーム機において今となってはかなりスタンダードなスペックのもの。最大輝度は若干低く感じますが、特に不満はありません。
ベゼルは若干大きめですが、画面上部分にバッテリー残量のランプが4つ付いているのがユニークです。
スピーカー
スピーカーの音質はまぁまぁですが、このサイズの縦型ゲーム機にしてはステレオスピーカーを搭載している上、ちょうど持ち手の形状が音声を手前に運ぶようになるので、結構良い感じに聞こえます。
使い方
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
付属するMicroSDは質が高くない(突然壊れる可能性が高い)上、内部にゲームイメージが含まれている場合が有るので非推奨です。
容量は128GBくらい有れば十分かと。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
遊べるゲームについて
デフォルトで搭載されているエミュレータはファミコンなどのレトロゲーム~PSP などのエミュレーターです。
一通り確認してみたところ、2DレトロゲームやPS1、DCくらいまでは問題なく動作しますが、PSPとなるとタイトルによっては処理落ちし、遊びにくい事が多い印象です。というか、アナログスティックの関係などで、あまり相性が良くないかもしれませんね。
他にもEasyRPGなどコンシューマ以外のエミュレータも搭載されていたので、幅広い遊び方が可能となっています。
かなり厳しめなファームウェア
この端末はLinuxベースのOSで、最初にOpendingux風の画面が立ち上がり、しかも中国語ベースで構成されているという、中々使いにくい仕様となっています。
そのままでは正直厳しいので、試しにClassicの方のファームウェアを導入してみると、普通に使うことができました。
一応数少ないPlusユーザーのために、ClassicのOSをイメージ化しました。Plusを買う人は、手慣れた人だと思うのでファームウェア導入の詳細は省きますが、32GBのMicroSDにRufus等の書き込みソフトで書き込めばそのまま使えます。
これもこれで結構クセがありますが、いわゆるEmulationStation(ES)を使ったメニュー画面がベースとなるので、かなり快適になるかと。
基本的な操作
とりあえずClassicのOSで、ES(普通に起動したら立ち上がる方)上の基本的な操作やファンクションキーをメモしておきます。一応ちゃんと日本語化も可能です。
・電源オン:OSがインストールされたMicroSDがTF1に入った状態で電源ボタン長押し
・電源オン(Lovely Child):電源ボタンを長押しし、画面が点灯したらAボタン
・電源オフ:セレクトボタンを押してSHUTDOWN SYSTEMを選択
・ゲーム起動:メニュー画面で選択してAで起動
・ゲーム内メニュー起動:ファンクションキーF1(右側)を押す
・ゲームを終了:ファンクションキーF2(左側)とスタートボタンを同時押し
・明るさ調整:ファンクションキーF2(左側)とボリュームボタンを同時押し
・日本語化:メニュー画面でスタートボタン、UI Settings → Language で日本語に
・データ転送:本体とPCをUSB-Cケーブルで有線接続のみ
とりあえず基本皆ESを使うと思うので、参考にできるサイトはEmuelecのGithubページ等でしょうか。
■ゲームイメージを認識しない場合■
・フォルダの名前を小文字にする:GB → gb など
・フォルダの名前を探す:Lovelychildに移行後、探したいハードでセレクトボタン、Edit 〇〇 gameを開き、Game Dirに記載されているフォルダ
・そもそも認識しないなら、Fat32でMicroSDをフォーマットしなおしてみる
スリープが快適
最近はメイン機なくらい使っているGKD mini Plusですが、その理由の一つとしてスリープモードが意外と快適に使えるというのもあります。
一応不安なので、スリープにする前にステートセーブはしますが、電源ボタン一度押しでスリープしておくとちゃんとゲームは中断されるし、バッテリーの減りも少ないので、なんとなくゲームのプレイスタイルが合っていて快適です。
感想
ある程度軽くて、持ち運びもし易い、2Dのレトロゲームならオーバースペックなくらい動く、スリープも使える、そして何よりデザインが可愛い。
若干の質の甘さやファームウェアの駄目さ、ちょっと割高感などあるものの、総合的に見たらやはり結構良いハードだと感じました。
というか実際一軍エミュ機になっています。
しかしやはり一番の問題はファームウェアですね。Classicのファームウェアを導入することである程度快適に使えていますが、これが無かったとなると絶対に使わず眠っていたと思います。
今となっては売る気もほぼ無く?販売もかなり限定されているハードとなっていますが、本当にポテンシャルは有るし、何より圧倒的にデザインが良いと思うので、もうちょい頑張っても良かった、というかもうちょい頑張れば覇権取れたんじゃね?と妄想を膨らませています。