私本当に縦型携帯ゲーム機が好きで、ANBERNICの中華ゲーム機『RG351V』も相当気に入ってたんですよね。現代に蘇らせた初代ゲームボーイみたいな感じがして。
でもちょっとだけ不満があって、それはベゼルの広さと、ちょっとサイズが大き過ぎるかなって点。やはり大きいだけあって操作性もそこまで悪くないし、別に嫌ではないんですが、やはり小さいゲーム機の方が手に取りやすいんですよね。
その後継機のRG353Vは、画面サイズそのまま、CPU性能はスペックアップして、寸法的には小さくなっているんです。
Miyoo Miniよりはサイズが大きいので、Miyoo Mini小さすぎてすぐに手放しちゃったな~って人も、こちらは多少遊びやすいのでは?と思う絶妙な大きさ。良いぞ、これ。こういうの作って欲しかったんだ私は。
販売ストア
▲購入はオフィシャルストアを推奨します。案件だから、という理由もありますが、シンプルにサポートの対応が良い&配送が早いので。
販売しているのはRG353Vと廉価版のRG353VSの二種類。Androidも使いたいなーって人はRG353Vを選ぶのが良いと思いますが、個人的にはRG353VSで良いんじゃないかな、って思います。レビューに目を通して検討してみてください。
スペック&主な特徴
基本的にはRG353Pをゲームボーイ風にした携帯ゲーム機でスペックはほぼ変わらず。3.5インチVGAの液晶でレトロゲームとの相性良し、CPUはRK3566を搭載していて、ゲームタイトルにもよりますがPSP~DCが普通に遊べるくらいパワフル。
今回は廉価版のRG353VSが販売されているのが大きなポイントで、大きな違いと言えばLinux/Androidのデュアルブートか、Linuxオンリーかです。
あとはVSだとカラーがクリアブラックとグレーの二種類に限定されてしまうので、どうしてもクリアパープルとホワイトが欲しい!!!もしくはどうしてもAndroidでやりたいことがある・・・!という明確な目標が無い限りはVSで良いと思います。
動画版レビュー
開封&内容物
今回もAnbernicさん提供です。箱、内容物から丁寧に見ていきます。
▲箱はこちら。いつものAnbernicデザインです。シンプルに端末の線画像が印刷されています。
▲内容物はこちら。本体、保護ガラスフィルム、保護フィルム用のクリーナー、説明書、USB-Cケーブルです。この部分ピンボケしていて申し訳有りません。
すぐに保護フィルムを貼っちゃったので、はい・・・。ちなみに保護フィルムは結構貼りやすかったです。
本体外観
ゲームボーイカラーを想起するクリアパープル!
▲クリアカラーって良いですよね。特にクリアパープル。私はクリアパープルのゲームボーイカラーを持っていたのでかなり刺さりました。結構紫強めの色味に見えていますが、実際はもっと暗めで、ほんのり紫がかっている雰囲気です。
端末の色自体はゲームボーイカラーライク、端末の形状はゲームボーイポケットをベースに作ったように見えます。
シンメトリーでシンプル、極まってるね
▲今回は初代ゲームボーイのような右下側にカーブが付いていて、左側は鋭い、みたいなアシンメトリーなデザインではなく、十字キーやボタンも含めて左右対称な、極めてシンプルなデザインとなっています。
一番上の真ん中にファンクションキー、
左右対称にABXYボタンと十字キーが並び、その間に電源ランプ、
その下に綺麗にスタートボタンとセレクトボタンが並んでいて
一番下にまた左右対称でアナログスティック、その間にスピーカー。
かなりコンパクトにボタンがまとまっているのが好みです。
背面もなるべくシンプル
▲背面には製品のラベルと、ショルダーボタンがR1R2、L1L2と並んでいます。こちらもシンメトリーで、なるべく揃ったシンプルなデザイン。こだわりを感じて好き。
▲上側面には左からイヤホンジャック、MiniHDMI端子、コントローラー用のUSB-Cです。
下側面には充電用のUSB-C。
▲左側面にはボリュームボタン、
右側面には左から外部MicroSDスロット、内部MicroSDスロット、リセットボタン、電源ボタン。
他の縦型ハードとのサイズ比較
▲サイズ感が気になっている方がいると思うので、とりあえずずらっと横に並べてみました。
左からRG280V(見切れている)、Miyoo Mini、RGB20S、ゲームボーイポケット、RG353V、ゲームボーイカラー、RG351V、Analogue Pocketです。
ゲームボーイポケット・カラーとほぼ同じサイズ感で、RG351Vと比べるとほんの少し小さい感じがあります。が、実際に手にしてみると体感としては結構小さく感じるんですよね。
クリアカラーなのも小さく感じさせる要因の一つだと思うので、より小さい端末が好きな方はクリアブラック・クリアパープルを選ぶのが良いかと。
操作感
レトロゲーム特化型
▲操作感としてはそれぞれのボタンに干渉しないいいバランスですが、操作のクセ、持ち方によっては親指の関節あたりがアナログスティックに干渉してしまうかもしれません。
私が一通り遊んでみた感じでは特に問題なく、十字キー上でアナログスティック下とレトロゲームに特化したボタン配置で良い感じです。
▲ボタン自体はいつものアンバーニッククオリティで、音が少なめでしっかりとした少し固めの押し心地、アナログスティックもいつも通り、高さを抑えた設計になっています。
LRボタン多用はきつい
▲人差し指をL2R2ボタンにがっつり引っ掛けた状態でグリップすると親指が中央により過ぎて窮屈です。Rボタンをよく使うPSPのディシディアを少し遊んでみましたが、指への負荷はかなりかかる感じなので、やはりアクションゲーム向きとは言いにくい操作感です。
L1L2が横に並んでいるので奥にあるL2が押しにくいかと思うかもしれませんが、L2は指先で押す、L1は指の第一関節あたりで押す感じで操作できます。
高さがあれば多少L2にもアクセスしやすくなり操作性は向上したかもしれませんが、そこはデザインを優先したのでは?と勝手に予想しています。私個人的には頻繁にショルダーボタン使うゲームをあまりやらないのでそこまで気になりません。
画面・スピーカー
ベゼルの狭さが最新感!
▲液晶は640×480、アスペクト比4:3のVGA画質なのでレトロゲームに最適で、かなりベゼルが狭い、トレンドのMiyoo Miniをある意味継承したデザインになっていて最新のハードっぽくてとても良い。携帯ゲーム機においてはベゼルなんか狭ければ狭いほど良いですからね?
ただ若干気になるのが、ちょっと暗いというか、彩度が低い感じです。RG353Pと比較して見てみても若っっっっ干暗い。私は基本的にバキバキ明るい液晶でプレイしたいので、そこがちょっと不満です。まぁ、許容範囲ではありますけど・・・。
▲ゲームボーイポケットの最新の液晶に交換したバージョンと比較してみるとベゼルの狭さがかなり効いています。これは言い過ぎですが、上半分スマホ画面の携帯ゲーム機みたいな雰囲気とも表現できます。そんなことは無いか。
▲こちらがAnbernicのVシリーズ。左からRG351V、RG353V、RG280V。こうして並べてみるとベゼルの狭さで最新の端末だってことがわかりますよね。
▲ちなみにRGB20Sと並べてみるとこんな感じ。RGB20SはPowkiddyにしてはかなり良い質感じゃんとか言いましたが、こうしてほぼ同じ形状のRG353Vを触っているとかなりチープに感じます。
やはりAnbernic、小さいものを作るのは上手いですね。
スピーカーはまぁ普通・・・だけど画面側についているのは良い
スピーカーの音質は正直あまり良くないんですが、画面側に付いているので音がダイレクトに来るんですよね。他の横型端末とかだと、大体側面の上か下に付いているので、聴き心地が違います。
これも縦ハードにあるあるの良さですね。
使い方
RG353VとRG353VSどっちがおすすめ?
このハード、廉価版ではない方のRG353Vはレトロゲーム専用のエミュレータ機にしたいならLinux運用、より多くの事をしたいならAndroid運用。
しかし、RG353Pの時にも感じましたが、正直このハードはLinuxオンリーで良いと思います。Androidも動かせると、より多くのエミュを使えるようになったり、Android用のゲームを遊ぶことができたりと幅が広がりますが、正直性能不足と、解像度の低さを感じてしまいます。
そもそもAndroidの知識、調べる根気が色々と必要だったり、本端末、レビュー時点ではGooglePlayストア(アプリストア)が入っていないので、野良アプリからapkでインストールする必要があり、課金アプリは遊べません。
なのでこれ試してみたいな~といった明確な目的がない場合にはRG353VSで良いかと。
▲縦型でPSPやると新鮮な感覚で楽しいです。Linuxでしっかりと動きます。ただPSPの解像度は480×272なので一致せず、ぼやっとした表示になる点だけ注意。
遊ぶために必要なもの
遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
・吸い出し機
原則中華ゲーム機というのはエミュレータ機なので、吸い出しを行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1だけを遊びたい!って人はDVDリーダーがあればなんとかなります。
・PC
データを管理するのに必要となります。無くても頑張れば使えますが、有ったほうが間違いなく便利でしょう。ゲーミングUMPCとか持っていたら一石二鳥かもしれませんね。高いですが・・・。
AYANEO 2021 PROのレビューはこちら
・MicroSD
ゲームイメージ用、もしくはカスタムファームウェアを別のMicroSDへ導入する際に必要となります。
・MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
基本操作
▲説明書を掲載しておきますが、とりあえず初心者のために最低限の基本操作を箇条書きにしておきます。
・タッチパネル操作
画面操作はLinuxではタッチパネル非対応、Androidではタッチパネル対応。
・電源起動
RG353Vでは普通に起動するとLinux、ファンクションキーを押しながら起動するとAndroidが立ち上がります。
・電源を切る
Androidでは自由に電源ボタン長押しして電源を切ればいいですが、Linuxではいつものように、
セレクトボタン→SHUTDOWN SYSTEM
を選択して電源を切る必要があります。
・ゲーム内メニューを開く(Linux)
ファンクションキーを押す、もしくはファンクションキー+Bボタン
・ゲームを終了する(Linux)
ゲーム内メニューでQuit RetroArch、もしくはプレイ中にファンクションキー+スタートボタン
▲ファンクションキーをワンクリックでメニューを起動できる。地味にこれが使いやすいんだなぁ
プリインストールゲームもあるよ!
実はゲームがプリインストールされてました。えっ!?違法じゃないの!?って思うかも知れませんが、こちらは所謂PD ROMと呼ばれるもので、フリーで配布されている自作ゲーム、Homebrewゲームとなります。なので手に入れてまず最初は、外部MicroSDを刺さず、これらのPD ROMで動作確認を済ませたほうが良いかも・・・て感じです。ちなみに入っていたのは以下。
HDMI出力可能
▲本端末は上部にあるMiniHDMI端子でHDMI出力が可能です。
Linuxモードではモニターに接続した後起動することで映すことが可能。映している途中でケーブルを外しても本体側に表示されません。また起動後に接続しても表示されません。
▲Androidではミラーリングされて自由自在・・・ですが、アスペクト比が違い横に引き伸ばされるのが少し気になります。
感想:正直めちゃくちゃ期待通り
ということで、非常に強い熱量で書き続けてしまったんですが、いわゆる期待を裏切らないゲーム機でした。縦型携帯ゲーム機が好き過ぎてすごい量になってしまっていますが、かなり上位で気に入った端末です。やはりAnbernicは小さい端末が得意ってことですね。
今後発売されると言われているRG353V Mini?は本端末のアナログスティックを省いたバージョンくらいのサイズ感みたいなので、Miyoo Miniクラスに小さい端末も作ってみて欲しいものです。