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エミュレータ機

【レビュー】考え抜かれたマイクロハンドヘルドの頂点『FunKey S』

エミュレータ機

今更FunKey Sを手に入れました。

小さいもの好きとしては絶対に触っておかないといけないな、とは思っていたんですが、やっと買う機会を無理やり作って手に入れました。

想像通り、最高のプロダクトです。他では代替が効かない、独自コンセプトと完成度の高さが素晴らしい、ここ最近で一番気に入ったゲーム機かもしれません。

販売ストア

FunKey S
Fits in the pocket. Unveils the best of Retrogaming

円安なのでレートによって金額はかなり上下しますが、金額は65ユーロで、送料別です。私が注文したときは1.2万円程度でした。

動画版

スペック&主な特徴

FunKey Sとは

FunKey Sはいわゆるマイクロハンドヘルドと言われるジャンルのハードで、簡単に言うととにかく小さいキーホルダーサイズのエミュレータ機。クラウドファンディングで資金調達して開発されました。フランスの会社で、なんと5人で作ったとのこと。

クラムシェル、いわゆるゲームボーイアドバンスSPを小さくしたような折りたたみ型で、更にこのサイズ感にしてPS1まで動くパワフルさが特徴。

カラーは多色展開で、じわじわと追加されているのも大きな特徴です。

FunKey Sのスペック

項目FunKey Sの仕様
システムFunKey-OS (Linuxベース)
対応ゲームレトロゲームエミュレータ(複数の古典的なゲームシステムに対応)
ディスプレイ1.54インチ IPS、解像度240×240
CPU1.2GHz ARM Cortex-A7 MPCoreプロセッサ
RAM64MB DDR2
ストレージマイクロSDカード使用(サイズはユーザーによって異なる)
バッテリー410mAh
インターフェースマイクロUSBポート(充電とデータ転送用)
サイズ閉じた状態:42.5mm x 44.5mm x 13.8mm(幅×奥行×高さ)
重量約30g(公式サイトからの参照値)

開封&内容物

では早速開封していきます。

▲箱はこちら。箱も本体同様小さめで、シンプルでありながらもしっかりとデザインしている事を感じれて良いですね。

▲内容物はこちら。本体、説明書類、MicroUSBケーブル、交換用のボタン4色セットです。

交換用のボタンが入っているのは知らなかったので、ちょっとしたサプライズ感あって嬉しかったです。ちなみにボタンのオリジナルカラーは白。

本体外観

とにかく小さい

▲手に取った感想は、とにかく小さい!です。これまでいくつもの小さいゲーム機を触ってきましたが圧倒的に小さいです。

こちらより先に、RG Nanoを触っていたので、まぁ多分同じくらいのサイズ感だろうと思っていましたが全然違います。

折りたたむと本当にキーホルダークラスのサイズ感、そして印象的なのがかなり薄い点ですね。

ちなみにこれはvarious氏によるボタンを換装しています。

▲こちらが折りたたんだ状態の表裏。画面側にはFunKey Sの文字が彫り込まれていて、反対側にはCEマークなどが記載。ネジ止めはなんと2点のみで、ほどんどがバッテリーで埋まるようなミッチリとした設計になっているのが驚きです。

▲上側面にはLRボタンのみで、L2R2はありません。下側面には左側にストラップホール、右側にインジケーターが見えています。

▲左側面には何もなく、右側面にはMicroUSBがあります。今時Micro・・・?って思うかもしれませんが、これもどうやら本体の厚みを抑えるための仕様とのこと。

後述しますが、MicroSDを簡単に取り外せるように外部に直接むき出しにしているのではなく、内部に入れてバックパネルを外さないと取り外せないというのも、薄く小さくするという設計理念を反映させた結果らしい。

そう言われたら納得せざるを得ない。

▲開いてみるとこちら。ボタンレイアウトは右側にABXYボタン、十字キー、上にファンクションキー、下にスタートセレクトボタン

クリアボディなので、内部基板にFunKeyと印字されているのが見えて良いですね。

▲ちなみにクリアピンクもあります。ピンクの方が色の問題かもしれませんが、なんとなく透明度が高いような印象です。

他ハードとの比較

この小ささを伝える上で一番重要なのは他のハードと比較することだと思うので、今回はいつもより多めに並べてみたいと思います。

ゲームボーイアドバンスSPも今となってはかなり小さいハードではありますが、実際にFunKeySと並べてみるとこのサイズ感の違い。とても巨大に見えます。

▲あんなに小さい小さいと言われてきたMiyoo Miniと並べてみると、Miyoo Miniですら大きく見えます。またカラーは同じくクリアブルーではありますが、結構色味が違ってMiyoo Miniの方が圧倒的に濃く、若干緑っぽく感じます。

▲手元にある中で一番近いゲーム機はたまごっちでしょうか。開くと縦に長くなるので若干FunKey Sの方が大きく見えますが、薄さが段違いなので体感としては圧倒的にFunKey Sの方が小さいです。

▲ほとんど中身がFunKey Sと同じ端末のAnbernic RG Nanoと比較するとこちらです。開いた縦横サイズで言うと若干FunKey Sの方が大きいですが、厚みが違い、

そしてNanoの方が重量がかなり大きいので結果大きく感じます。しかしその分高級感は言うまでもありません。

▲所有しているものの中で一番サイズ感が近いと感じたのはなんとニンテンドーストアにガチャガチャとして販売されているコントローラーボタンキーホルダーです。閉じた時の寸法がほぼ同じで、そういった意味でもやはりFunKey Sはキーホルダーとして使えるように設計されているんだなと感じました。

キーホルダーにしてはかなり高いですけどね。

操作感

▲操作性としては見てわかるとは思いますが、このサイズなので良くないです。ボタンもかなり小さいですし、握ると言うよりはつまんで遊ぶ感覚。

しかしボタンはドームスイッチとなっていてプチプチとした感覚なので、どのボタンを押しているかがわかりやすいですし、ボタンサイズ的には使える限界の小ささといった印象。

まぁそれでもアクションゲームを遊ぶのは縛りプレイに近い感覚なので、RPGやシミュレーションなど激しくないタイトルを遊ぶモノとして使うのが良さそうです。

▲一番厳しいと感じるのはショルダーボタンです。結構硬めで力が要るので、LRを多用するゲームで遊ぶとすぐに指が痛くなってしまいます。

画面・スピーカー

画面

▲画面解像度は240×240と低め・・・ではありますが、この画面サイズだと十分綺麗だと感じます。しかしPSなどのテレビゲームを遊ぶ際には320×240は必須となってくるので、横の解像度が足りず若干潰れた感じになってしまいます。

しかし正直この画面サイズでテレビゲームを遊ぶにはかなり目が疲れるので、ゲームボーイやゲームギアなど、正方形に近いディスプレイの携帯ゲーム機を遊ぶと良い感じに遊べるな、と感じました。

輝度結構高めで、明るさ抜群、視野角も良好なので、その点においては見易くて良いと感じます。

ただやはり最低でも320×240は欲しかったな・・・と思う気持ちはあります。

スピーカー

スピーカーはシングルで片側にしかありませんし、このサイズなのでまぁレトロゲームのスピーカーという高音強めでザラザラとした音色ではありますが、

画面側にあるので直接聞こえる感じが良いですし、片側にしか無いものの穴は左右にあるので塞がれにくい感じが良いです。

使い方

エミュレータで遊ぶには

一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。

吸い出し機(ダンパー)

エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら

ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Readerレビュー記事はこちら)をおすすめします。

Attention Required! | Cloudflare

(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)

また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。

PC(あると快適)

データを管理するのに必要となります。

MicroSD

ゲームイメージ用に推奨。交換する場合は、OSを再インストールする必要がある点は注意。

MicroSDリーダー

MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

FunKey OS最高

FunKey SにはLinuxベースの独自OS『FunKey OS』が搭載されています。これが使いやすいのなんので、非常にコンセプト通りの動きをしてくれます。

この端末には電源ボタンが無く、画面を開くだけで起動します。そして、終了したいときは同様に画面を閉じれば終了できます。例えゲーム中であっても同様に閉じる事で自動中断セーブされ、開くと自動中断ロードされ、続きから始めることができます。

この仕組みがかなり良く、キーホルダー型ゲーム機としてのコンセプトに沿っていて良いなと感じました。ちょっとしたスキマ時間に、さっと取り出してすぐにしまえる、このカジュアルさが他のハードに無い快適さとなっていて、

私自身も細かくゲームを中断しながら遊ぶことが多いので、用途としてハマりました。

ちなみにファームウェアはオープンソースなので、様々なCFWが有志によって開発され公開されています。

GitHub - game-de-it/FunKey-OS: Fork of the FunKey repo to build my custom OS.
Fork of the FunKey repo to build my custom OS. Contribute to game-de-it/FunKey-OS development by creating an account on ...

▲私が使っているのはこちら

USB接続でデータ転送

最初の方に、MicroSDスロットが無いという話をしましたが、それではどうやってゲームを入れればいいのか。いちいち背面を取り外して遊ぶの?と思うかもしれませんが、流石にそうではなく、

PCとUSB接続してファンクションキーを押したメニュー画面からMOUNT USBを押すことでデータ転送できる仕様となっています。

しかし当初届いたとき、マウントできず、何をしても改善されなかったのでなんだろうなと思っていたら

▲どうやらこのチップが悪さをしていたようです。左が間違った取り付け方で、右が正しい取り付け方。90度回転して取り付けられていたようで、これによりマウントができなかったとのこと。

そんなことある・・・?と思いながらもメーカーの対応を待っていたところ、どうやら新品交換対応してくれたのでありがたく・・・

▲ありがたくこのチップを取り外してみました。このチップは、あくまで静電気によるショート防止のためのものらしいので、ここ日本は島国。基本じめじめとしているので、まぁ大丈夫でしょうと思いカッターで切断し、取り外してみました。すると問題なくPCで読み込めるようになりました。

正しい向きではんだ付けし直す方法もありますが、みてくださいこれ。このサイズですよ。とてもじゃないですが、他のチップもだめにしそうで怖いので一番シンプルな方法で対処してみました。
※あくまで自己責任で

日本のように返事が即答というわけではありませんでしたが、ちゃんと対応してくれたので、購入した皆様もなにか不具合があったら積極的に問い合わせてみましょうね。

PS1まで遊べるパワフルさ

▲このFunKey Sの凄いところは、この小ささ・薄さPS1まで動く点です。画面が小さすぎて遊びにくいなどはさておき、案外問題なくPS1が動き遊べるのでそういった意味でもかなり新鮮なんですよね。

気になる点を言うと、小ささ・薄さを優先した結果バッテリー容量がかなり少ないので、実働2時間程度でバッテリーが切れてしまいます。

まぁちょっとした時間ちょっとだけ遊ぶキーホルダーというコンセプトなので、そこを犠牲にした、という判断だったとは思いますが、割とこまめに充電が必要になるのがちょっとだけ不便だと感じました。もうちょっと持ってほしい。

感想

正直、どうしてこれまで買わなかったのかと思うほどに気に入っています。めちゃくちゃヘヴィーに遊んでいるわけではないんですが、ちょっとした休憩に数分程度遊んだり、カバンの中に入れて持ち歩いたりと、手元にある時間としてはかなり長いハードです。

もちろん画面が小さすぎるし、コントローラー部分も小さすぎてガッツリ没入して遊ぶという快適性からはかなりかけ離れたゲーム機ではありますが、それとは正反対、スキマ時間かるーく遊ぶカジュアルなゲーム機としてはかなり研ぎ澄まされているなと感じます。

万人受けするかと聞かれたらそうではないと思いますが、刺さる人には確実に刺さる独自の魅力があるプロダクトだなと思いました。

ヨシダ

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