今年もこの時期がやってまいりました。
ハンドヘルドとは携帯ゲーム機を総称したもので、ここではコンシューマの携帯ゲーム機、Android/Linuxの中華ゲーム機、クラウドゲーム機、ポータブルゲーミングPC(UMPC)などオールジャンルから取り上げます。
今年発売したものをランキング形式で発表しますが、あくまで私が考えるベストとなります。実際に売れた数やコミュニティの盛り上がり方など様々な要素を考慮しますが、なんだかんだ自分がどれを一番気に入ったかを第一軸として共有します。
動画版
ハンドヘルドランキングトップ5
ではトップ5を順に発表していきます。そのハードの特徴と、それについて語りたいことを好きに語っていきます。
5位
本当は1位です。
2024最初くらいに出たハードで、本当に興奮したし今だに触りたくなるのは本当に圧倒的。
GKD Pixelは縦型のハンドヘルド、2.4インチのかなり小型の部類でありながらも、ギリギリ普通に遊べるサイズを追求したモデル。そしてメタルシェルでずっしり重厚感があり、かなり所有欲が満たされる神ハード、だと思っています。
同様にANBERNICのRG NANOが金属シェル、小さいボディのキーホルダーサイズのデザインで、同じように所有欲を満たされる良いモデルなんですが、NANOの方はボタンのサイズ小ささなどもありギリギリ普通に遊びにくいサイズ感で、Pixelはある程度ちゃんと遊びたい人も満足できるバランスなのがかなり極まっていると思います。
システムはLinuxの独自UIのものを搭載、ディスプレイは2.4インチの320×240とここ最近のハンドヘルドの中では低めの解像度、しかし最初は不満だったディスプレイ解像度の低さも味に感じてきて好きです。
SoCはIngenic X1830、バッテリーは1300mAh。CPU性能的には高くなくアナログスティックは搭載されていないので、あくまでPS1まで遊べるレトロゲーム機です。
サイズ感的にはRG Nanoよりも大きく、Miyoo Miniよりも小さいちょうど中間のサイズ感。これが良いんですわ。本当に。これまで無かったサイズ感の所に切り込んできたというのも、新鮮さを大きく感じる要素の一つですね。
さて、本来1位だったはずのこいつが何故1位じゃないのかというと、まず価格の高さ。販売開始当初、大体1.3万円くらいで販売されていて、まぁ正直性能などを加味すると結構割高。
そして何より、現在生産終了していて購入できません。新しく新色も出たりしていて、買い足したいなと思っていたのですが、そもそも売ってない。かろうじてアリエクに売っているストアがありますが、価格は2.5万円。流石にこの金額では買えないなぁと思います。再生産願います。
・かろうじて売っているAliExpressのストア。買えるのかどうかはわかりません
4位
RG35XXSPは名前通り、GBASPライクなデザインの折りたたみハンドヘルド、しかしみて貰えたら分かるようにオリジナルのSPよりも若干大きくて、若干厚いんですよね。
その微妙な差異が違和感になり、最初はあまり気に入ってませんでした。同じ寸法で作って欲しかったなと。
しかしまぁ使っているうちに慣れていき、これはこれで悪くないかな?という気持ちになり、そして何より、待望の折りたたみハンドヘルド、価格も1万円程度で、性能とのバランスを考慮してもかなりちょうどいいですし、珍しくカラー追加もされるほどの人気もあるので選出せざるを得ないよな、とトータル評価でランクイン。
基本的なスペックは3.5インチの640×480、バッテリーは3300mAh、チップセットはRG35XXシリーズ同様にH700が搭載され、カラーはクリアブラック、クリアブルー、シルバー、グレーに加え、クリアホワイト、クリアレッド、クリアグリーンが追加されています。
ディスプレイや性能自体は他の中華ゲーム機同様ですが、折りたたみ式なので他の製品と比べるとまた違う使い勝手。畳むとコンパクトなのはもちろん、画面が保護されるので、多少そのまま裸で持ち運んでも大丈夫でしょうといった安心感があります。
何よりこのフォルムのハードで遊んでいるというプレイフィールが独特で、ついつい遊びたくなる、開きたくなる魅力があると思います。
・公式ストア
・AliExpress
3位
極端に小さい、金属シェルを採用している、などでこれまでめちゃくちゃに感動したことはこれまで何度かありましたが、シンプルにデザインが良すぎる、という点で強烈に感動したのはこのハードが初めてです。
側面が削り出しのメタルフレーム、そしてディスプレイ面はコントローラー部分も含め全面ガラスデザインで高級感もミチミチ。この全面ガラスデザインというのはおそらくこのハードきっかけ?でRetroid Pocket 5、AYN Odin 2 Portalなど続々と新しいハードで採用されていて、影響力の強さも選出ポイントです。
AYANEO Pocket SはAYANEO社による製品で、OSにAndroidが搭載されていて、Android用のゲーム・アプリやエミュレータで遊ぶ事を目的として作られたハードです。
Nintendo Switchライクな横型ハードで、6インチディスプレイの狭ベゼル、何よりもiPhoneを連想させるようなミニマルでラグジュアリーなデザインが大きな特徴。「iPhone5にPS VitaのボタンをSwitchっぽく配置した」とも言われたりしてて、すごい納得。
そしてチップセットも強力で、クアルコムと協力しSnapdragon G3x Gen2というゲームに特化したものが採用されています。レビュー作成時点であるAndroidゲーム機の中で最も強力なものの一つとなっています。
しばらく遊んでいて、正直不満はあるにはあります。やはりずっしりとした重さは感じるなとか、ハイエンドなゲームを遊んでいると発熱は強いなとか、スティックが最近よく採用されている倒れ角度大きいものではなくSwitchのようなものなのでちょっと古く感じちゃうな?などなど。
価格も10万円クラスと高いですし、万人にオススメできるかと聞かれると全くオススメできない。普通に10万円のハイエンドスマホとかiPhoneとか買った方がコストパフォーマンス的な意味では絶対に良いとは思います。(iPhoneは10万円では買えないが・・・)
いくらゲーム専用機という強みがあるとはいえ、このハード関してはある種の嗜好品のような気持ち良さを求めた仕様。ちなみに同様のスペックくらいのAndroidハンドヘルドで言うとOdin2が挙げられ、単純にそちらの方が安くてクオリティも普通に高い、オススメ度で言うとそちらの方が高いんですが、満足度、好みで言うとこちらが圧倒的。
あとは注目をかなり多く集めたということも選出ポイントですね。つまりすごいバズったって事です。
2位
正直めっちゃくちゃ悩みました。Retroid Pocket miniもRetroid Pocket 5もあまりに良すぎる。(以下、Retroid PocketはRPと略します)
中華ゲーム機としては中価格帯くらい、RPminiが199ドル、RP5が219ドル(どちらも送料別途)であるものの、スペックとのバランスもすこぶる良く、ハードの出来も素晴らしく、所有欲も満たされる。
というか基本的にずっと所有欲の話してるなって思ったそこのあなた、本当にそうですね。
しかしRetroid社の製品に関しては、基本的に価格と性能のバランスも良く、チップセットに今回のモデルではSnapdragonを採用したため使い勝手がより良くなりました(エミュレータ的な意味で)
そして何よりRP miniに関しては、このサイズでガッツリ動くハンドヘルドって現状では他に無いんですよね。それでいて4:3比率のディスプレイですし、有機ELで発色良く、非常に高解像度。競合が居ないといった意味でも強いです。
スペック周りの説明をすると、Retroid PocketシリーズはRetro + Androidの名前の通り、Androidを搭載したゲーム機。
3.7インチの1280×960と高解像度な有機ELディスプレイを搭載していて、名前にあるように小ささが特徴です。前面はコントローラーも含めガラス貼りで、高級感があるデザインが特徴的です。
チップセットはSnapdragon865、メモリ6GB、ストレージ128GB、MicroSD対応、Androidバージョンは少し古めで10。バッテリーは4000mAh、Wi-Fi 6 & BT 5.1、ホールセンサースティック。
そしてRetroid Pocket 5についても超ざっくり説明すると、中身は大体RP miniと同じで、ディスプレイが5.5インチのアスペクト比が16:9となっています。
じゃあ結局、RP miniとRP5どっちが良いんだい?って聞かれたら、本当に、本当に決められない。Retroid Pocket 5も思いの外良いバランスで、ベゼルレスな感じがかっこいい。
より小さく、より高性能を追求しているレトロゲーム特化型携帯ゲーム機のRP miniと、全てを網羅的に楽しむ事をRetroidなりに追求したRP5といった印象です。完全に好みの問題ではありますが、感動が大きかったのはやはり競合がいないハードを作ってくれたといった意味でRP miniですね。
デザイン面で言うと、RP2シリーズまでの、初代ゲームボーイを横型にしたようなデザインが一番好きだったんですが・・・。
ちなみに今年の年始?にRP4Proのレビューをしていたがそれはどうなんだと言う話ですが、RP5の方が絶対に良いです。ほぼほぼ同じサイズ感でありながら画面サイズ・解像度アップしたのはかなり大きく、性能面でもアップしています。
金額もめちゃくちゃ大きく変わっているわけではないので、よほどRP4のデザインが好きだというわけでない場合にはRP5を選ぶのが最良だと思います。
・Retroid Pocket Mini
・Retroid Pocket 5
1位
悩みに悩み、トップに選んだのはTRIMUIシリーズの最新モデル、Brick。これに関しては届いて最初に手に取った瞬間、本当に感動したり、テンションがぶち上げ!
・・・したハードではなく、しっかりと期待していたハードで、しっかりと期待通り良い機体だったという意味で高評価です。
本当に私個人の好みが詰まっています。まず縦型でゲームボーイライクなフォルム、言うならばAnalogue Pocketライクなビジュアルで3.2インチの小型、ディスプレイは圧倒的高解像度の高輝度。そしてボタン類はJoy-Conライクなプチプチとしたドームスイッチ、遊び心のあるLED搭載、交換可能なショルダーボタンと付加価値まであり。
それが1万円以下で買える。アリエクのセールクーポンを使えばもっと安くいける。金額性能のバランス的にも良いです。
スペックを説明すると、TRIMUI BRICKはLinuxベースOSを搭載したいわゆるエミュ機で、TRIMUIチームによる商品の一つ。
3.2インチで解像度1024×768のディスプレイと、小さめの画面サイズでありながらもXGAでかなり高解像度。PPIは400。
ボディサイズも小さめの109.9×73.2×11.8mmで159グラム、バッテリーは3000mAh、チップセットはAllwinner A133P、ステレオスピーカー。過去モデルのModel SやSmartから着々とスペックアップしています。
他にもファンクションキーが多く搭載されていたり、LEDの搭載、交換可能なショルダーボタンなど、独自の機能が搭載されています。
カラーはホワイト、ブラック、レッド、ブルー。
交換可能なショルダーボタンは分解不要で取り外せて、好みによって変えられるのも楽しいし、中華ゲーム機の好きなところが詰まっている良いハード、という印象です。
不満がないことはないです。十字キーはもうちょっとラバー感が少ない方が良いなとか、ショルダーボタンがちょっと戻りが悪い、OSがなんかちょっと未完成っぽいな?とか。まぁ振り返ってみるとTRIMUIっていつも未完成な気がするので想定通りではあります。
しかしTRIMUIシリーズは総じてクオリティが高い。割と最近になってちょっと古いモデルのTRIMUI Smartを買いましたがこちらも良いクオリティ、実際に使ってみるとライトなハンドヘルドとして使う想定の思想をしっかりと感じる良いモデル。
あとはカード型スケルトンがかっこいいTRIMUI Model Sのアップグレード版をだな・・・
サイズ感的にもすごく良いんですよね。大体Miyoo Mini PlusやRG35XXと同じくらいのサイズ感ではあるんですが、横幅の狭さなどからか、より小さく感じます。
何よりこのサイズでこのディスプレイ解像度はかなり新鮮、ハイスペックに感じるし、地味にフロントスピーカーでステレオなのも嬉しい。そして信じられないくらいスリープが持つ気がする。
Miyoo Mini以降の縦型ハンドヘルドとして刷新された感じもあり、使い勝手の良さもあり、比較的手頃な金額と鞄に忍ばせたくなるサイズ感(忍ばせるとは言ってない)。素晴らしい。
総括
2024年はとにかく多い。今年レビューした数で言うと34台。2023年は20台くらいですよ。頭おかしくなりそう。
こうして振り返ってみると、順当にアップグレードしたようなモデルやら、かなりキワモノ系の尖ったモデルやら色々あって、正直ランクインはさせなかったけどかなり好き、みたいなハードが結構色々あるんですよね。例えば・・・Mini GBとか。
正直もうハンドヘルド機って、スペック的にはもうかなり選択肢が豊富になり、特別に感動すること最近はあまりなくなってしまっているんですよね。
なのでこれまでに無かった仕様だったり、デザイン、組み合わせに心躍ることが多く、ランキング選出したメンバー(?)もそういった選出理由が必然的に多くなっていました。
来年も変わらず、心踊らされる事を期待しています。
なんでこれが入ってないんだ!!などの不満があったら是非コメントで言ってください。