ゲーム機で安い安いって言いますけど・・・結局1万円切ってる、とかのレベルで結局安くないじゃん!と感じるそこのあなた、こいつはほんまに安いです。
なんと2000円で買える。
流石にこれは誰もが頷く安さでしょう。最近はレトロハードの中古ですら結構高騰してきているので、それらと比較しても安い。
しかし安かろう悪かろうという言葉があるように、実際値段なりに質は低い・・・が、低価格ハードの中ではかなり健闘している方だと思うので紹介します。
ブートローダーバグの修復やファームウェアアップデートでエミュ動作改善されたことも色々あるのでそちらも解説していきます。
販売ストア
なんか私が買ったストアで買えないようになってました。詐欺ストアに気を付けながら色々探してみてください。クーポンとかも。
動画版
スペック&主な特徴
Data Frog SF2000とは
SF2000はいわゆる格安中華ゲーム機で、低価格の代わりに低スペック・クオリティ、OSの自由度の低さなど、現状主流となっているAnbernicなどのハードとはまた別の、逆に言うと本来のエミュレータ機です。
ディスプレイは3インチでIPS、解像度320×240と小さめ、バッテリー容量は1500mAh。
CPUはSL4350という謎で、対応エミュレータはFC、SFC、MD、GB、GBC、GBA、MAME。
カラーや付属品はかなり様々なバリエーションが出ているので、いろんなストアをチェックしてみてください。
開封&内容物
では早速開封していきます。
箱はこちら。水色ベースの箱で、意外としっかりとした作りです。内部はいわゆるプラの緩衝材で保護されています。
内容物はこちら。説明書、USB Type-Cケーブル、AVケーブル、MicroSDアダプターです、本体です。
AVケーブルでテレビ出力可能というのも安い中華機あるあるですね。
本体外観
本機はSFとあるように、スーファミをモチーフにしたデザイン。まぁ実際カラーリングは海外のSNESなんですが。
それはさておき、質感としては勿論チープです。ザラっとした安っぽいプラスチックで、精度も高くなく作りは荒いです。ですが実際価格相応だと感じます。二千円ですからこんなもんでしょう、といった印象です。
右側にはABXYボタン、スタート・セレクトボタン、左側には十字キー、アナログスティックがあります。
ボタン周りのグレー部分はどうやらシェルの上からステッカーを貼っているのか、若干ズレています。が、感触としてはシェルと同じ手触りで、おそらくシェル同様プラスチック製でしょうか。使っているうちに剥がれてきたり欠けてきたりする心配は無さそうです。
背面にはスピーカーの開口とバッテリーの蓋があります。バッテリーはネジ止めしてあり交換可能、中に入っているのは18650タイプのリチウムイオンバッテリーで、容量は1500mAh、互換性が高いものが採用されています。急速充電を使うと充電モジュールが壊れる可能性があるとのことで注意しましょう。
スピーカーは実は右側の開口はフェイクで、左だけに搭載されているモノラルスピーカーです。他にもネジの位置が左右非対称だったりと、節々に気になる点があります。
上側面にはショルダーボタンでLRのみ、下側面には左から電源スイッチ、USB Type-C、MicroSDスロット、AV端子、ボリュームダイヤルがあります。
充電がUSB Type-Cで行えるのは良いですが、電源がボタンではなくスイッチなのはやはりチープ中華ゲーム機って感じがしますね。
フォルム的にはかなり不思議な形状をしています。握りやすさを考慮して斜めの形状になっているというのもあるにはあると思いますが、基本的にはバッテリーのサイズに合わせた作りになっているんでしょうね。バッテリーにかけて膨らむ、三次元的な形状になっています。
手元に何故かスーファミ本体はあるのにコントローラーが無く、バッファローのUSBコントローラーはあったので並べてみます。こうして並べてみてやっと気付きましたが、新品だからとはいえSF2000は結構青っぽいシェルですね。
ボタンや十字キーは基本的にクローンのようなので同じサイズで、シェルのサイズ感は若干大きめです。が、中華ゲーム機全体で言えば一般的なサイズ感でしょう。
操作感
握り心地は悪くないです。やはりスーファミコントローラーらしく円形のフォルムになっているので、手に馴染みますし、背面の膨らみは考えられている・・・とは言い難いバランスですが、しっかり握れて重量も157グラム程度と軽く、許容できます。
ボタン類はスーファミコントローラーのクローンなので感触としては結構似てます。大きめサイズで少し柔らかいラバーの押し心地で、携帯機でこのサイズのボタンを採用しているハードは中々無いのでこの点に関しては刺さる人も居そうです。
ちなみに私のモデルはAとXが凹み形状、BとYが膨らみ形状だったんですが、個体差?間違い?なのかわかりませんが、3つ凹み形状だったりする事もあるようです。
スタート・セレクトボタンはスーファミコントローラーや初代ゲームボーイ同様、ボタン自体がラバー。
十字キーもスーファミコントローラークローンで、同じサイズ・形状です。柔らかめのラバーの押し心地で、なんだか沈み込みが大きくふにゃふにゃとした感触。一応シーソーも可能ですが、入力精度が荒くて誤入力が結構あるように感じます。
ちなみにABXYボタンと十字キー、そしてその下にあるラバーは純正のスーファミコントローラーと互換性があるようで、交換して楽しんだり、ちょっとした高さの調整をしたりとこの価格だからこそ気軽に改造して楽しんでいるユーザーが多いようです。
アナログスティックはswitchスタイルのものが採用されていて、押し込みには対応していません。
ショルダーボタンは硬めのタクトスイッチ。カチカチと大きな音が鳴り、これもまたチープさを感じさせます。
画面・スピーカー
画面
ディスプレイは3インチの320×240と、小さくて解像度も低いもの。ですが一応IPS型らしく、発色は良い、そして明るさも視野角も良好と、格安のハードにしては見やすいと感じました。ちょっと前までこの価格帯のハードはTN型で、暗くて見難い液晶パネルだったように思います。ちなみに明るさは変更できません。
画面占有率も高くなく、もっとベゼル狭ければ良いのになぁとは思いますが、まぁこれはこれで味として良いでしょう。
気になる点はやはりラミネーションディスプレイではないので、実際のディスプレイとの間に隙間があり、その上保護がガラスではなくプラスチックなので、傷が付きやすそうです。なので保護フィルム推奨ですが・・・ただでさえ安いハードなので気にせず使うか、もしくは100均の保護フィルムを切って貼るなりするのが良いかと。
スピーカー
スピーカーはこのハードで一番気になる箇所の一つです。音質はレトロゲームを遊ぶ目的、価格を考慮すればそこまで悪くないのですが、ただのモノラルスピーカーで、音が片方からしか聞こえない・・・
だけならまだ良いのですが、どうやら左のチャンネルしか出力されないらしく、ステレオ対応のハード・ゲームタイトルだとどうやら音が正常に再生できないらしい。
まぁとはいえ、どちらにしろタイトルによってはエミュレーションの問題でぶつぶつしたり、遅れて聴こえたりするので、そんなに気にすることでもないのかもしれません。
ちなみにイヤホンジャックはありませんが、かわりにボリュームがダイヤル式なのも一つの評価ポイントですね。
使用感
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
遊べるエミュレータについて
安価なデバイスなので対応ハードも少なめで、クローズドソースの独自OSなので新しいエミュレータの追加などもできません。現在カスタムファームウェアを制作しているようですが、難航しているのか中々進捗を聞きませんね。
遊べるハードは、アーケード、GB、GBC、FC、MDはフルスピードでプレイでき、普通に動作します。GBA、SFCも動きますが、タイトルによっては起動しなかったり重かったりと、相性があるようです。
ファームウェア更新・ブートローダーパッチ推奨
さらに最新のファームウェア1.71以前ではSFCがかなりスローに動作する不具合もあったようです。更新したら特に問題なく遊べるようになったので、基本的に最新ファームウェアへの更新を推奨します。
ファームウェアはMicroSDに書き込まれているので、基本的には他の中華ゲーム機同様、空のMicroSDにRufusなどの書き込みソフトを使ってイメージファイルを書き込むだけです。
ちなみに付属してきたMicroSDは16GBと記載されていますが実際は32GBらしい。そんなことある・・・?って感じです。容量詐称で実容量より大きく表記することはよくありますが、少なく表記するなんて・・・。
また、ブートローダーにバグがあるらしく、修正パッチを当てないと起動しなくなるバグを抱えているようです。パッチはデータをダウンロード・解凍してフォルダをMicroSDにコピー、起動するだけなので簡単です。最初にやっておきましょう。
起動しなくなった場合にも対処法があるらしいので、チェックしてみてください。
ストックOSはかなり独特というか、ほとんど何もできません。メインメニューでは画面には4つのタイトルが並び、そこから直接ゲームを起動、もしくはスタートボタンを押して、導入したゲーム一覧を表示といった形。
デフォルトでは4つのタイトルを変更することもできません。何故なら表示されている画像はそれぞれ独立したファイルではなく、壁紙に埋め込まれた画像だからとのこと。うーん、かなりシビアな作りですね。
しかしこれらに任意のタイトルを割り当てることができるアプリなども有志によって開発されていて、このアプリによってサムネの設定、そしてテーマの変更、BGMの変更、ブートロゴの変更、更にブートローダーバグの修正などもできるらしいです。非常に助かります。
ゲーム中にスタート+セレクトボタン同時押しでメニューが開きますが、そこでできるのはゲームの終了と中断セーブ・ロードのみ。アスペクトの変更もできないので、常にフルスクリーン、そしてボヤボヤとフィルターがかった状態で遊ぶことしかできません。
しかもエミュレータ側、つまりハード側のセーブにバグがあり、GBA以外でセーブができません。なのでセーブして遊びたい場合にはメニューから中断セーブ(ステートセーブ)をするしかないという仕様になっています。
残念な仕様・・・ではありますが、安い価格帯のハードだと、そもそも中断セーブすらできない、データの入れ替えもできないなんてことはザラなので、そういった視点で見ると優秀な方だと感じました。
感想
まぁ、こんなもんだろ、と分かっていながら購入したので、がっかりも喜びもしませんでした。
が、なんですかね、こういったクローズドソースのOSを有志がいじり倒したり、CFWが開発されていてもっと快適に使える見込みがあったりと、非常に懐かしい感情になりました。
しかしまぁ価格を考慮すると、割に動くし、割に画面も良い、データの入れ替えもステートセーブもできるので本当に最低限ではあるけれど遊べる、そしてCFWが出てもっと調整できたり新しいエミュが追加されだしたりすれば、更に快適に遊べそうって意味では、お値段以上の価値はあるハードだなと思いました。
なんてったって二千円ですからね。決してオススメはしませんけど、分かっていながら買う分にはそこそこ楽しめそうなハードです。決してAnbernicやMiyoo、そしてPowkiddyのハードと同じジャンルだと考えないでください。あくまで同価格帯のハードの中では、最上級の製品だと感じました。