小さいガジェットだいすきクラブのワタシですが、今回、デカいゲームボーイライクなハードのレビューをします。
まぁデカいから、あんま刺さらんだろうな・・・と、思っていたんですが、造形とパーツの良さがビシッとキマっていて、画面もデカい、ベゼルが狭い、画面が明るい、と意外と気に入るポイントが多くてハマっています。
というかまぁ普通に、ジェネリックアナログポケットって感じです。
販売ストア
Anbernic公式ストア
金額は通常価格では10,399円+送料。
(8月26日 7:00 pm 販売開始、3日間はセール価格での販売です)
動画版
スペック&主な特徴
ANBERNIC RG40XX Vとは
RG40XX VはLinuxベースOSを搭載したいわゆるエミュ機と呼ばれている端末で、Anbernic社のXXシリーズの商品の一つとなっています。
4インチ(640×480)のディスプレイと、XXシリーズの中では最大の画面サイズで、バッテリーは3200mAh、ステレオスピーカー、LED付きアナログスティックなど搭載。
カラーはクリアブラック、ブルー、ホワイト。
チップセットにH700というものを搭載していて、名称にXXと付いているシリーズ全て共通です。なので、もちろん使い慣れている方は馴染みやすいでしょうし、何よりここ最近ではXXシリーズ用のカスタムファームウェアが色々と出てきているので、OSを変更して楽しむ、より快適に、好みに応じて楽しむといった遊び方ができるのも大きな特徴ですね。
開封&内容物
では早速開封していきます。メーカー提供による先行レビューです。特に何も指定されていないので自由に書かせてもらいます。
今回は本体と別売りのケースも同封されていました。シンプルなハードケース。特別感は特になく普通です。
箱のデザインはこれまで通りのシンプル線画デザインです。
内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、説明書のみ。保護ガラスフィルムはありませんでしたが、XXシリーズのディスプレイは大体ラウンドエッジガラスを採用していることが多いので、貼るならガラスよりもフィルムの方がいいと思います。
本体外観
今回は珍しく、というか初?のホワイト統一カラーがあったので迷わずホワイト。ちなみにブルーも統一カラーで、ボタンまで青いです。悩みました。
Analogue Pocketライクにオールホワイトなデザインはかなり新鮮です。一気にオシャレハードな雰囲気になり、おもちゃっぽい雰囲気が薄めでクールです。
質感はいつもどおりのサラッとした感触で、高級感があるようには感じませんが、作りがしっかりしてます。背面には若干の空洞感を感じますが、安価なXXシリーズなので値段相応に感じます。
ボタンレイアウトは右側にABXY、左側に十字キー、中央にメニューボタン、スタートセレクトボタン、
下部にアナログスティック、スピーカーがあります。
ボタンと十字キーメイン、下部に付加的なアナログスティックという配置ですね。ちなみに片側アナログスティックというのはAnalogue Pocket DMGライクな配置であり、もっというとAnbernicの過去のRG351Vライクな配置です。
アナログスティックは操作性のためか少し内側に寄っていて、確かに操作性向上には寄与していますが右側の余白が凄い気になるので、どうせならデュアルアナログスティックにしてくれれば良かったのにな・・・と思います。
あともっと言うと、コントローラーの大きさと画面の大きさ半々くらいの比率なので、もうちょっと画面占有率が大きくなるようにコントローラー部分が小さいほうが好みかな?とか。これもまぁボタン下部の余白が気になるという話のうちの一つですね。
背面も特徴的。ショルダーボタンR1R2L1L2も統一色で形状も一新していて、スタイリッシュになっていて、指の収まりも良く、かなり好みです。角度がついたフォルムはなんとな~くAnalogue Pocket DMGっぽいな?と思わなくもないですが、まぁはい。
そしてそれ以外はいつもどおりで、滑り止めのためのラインが入っていて商品情報が記載されたステッカーが貼られています。
左側面にはボリュームボタン、システム用MicroSDスロット、右側には電源ボタン、リセットボタン、ストレージ用MicroSDスロット。
上側面にはインジケーターとMiniHDMI、下側面には充電用のUSB-C端子とイヤホンジャックです。
コントローラー部分は厚めですが、嫌な厚みには感じません。実測値22mmで、Analogue Pocketとほぼ同じ厚みです。もしかしてAnalogue Pocketで慣れてるから良い感じに見えるのかも。
他ハードとの比較
Analogue Pocketと並べてみたのがこちら。このアナログポケットはメタルシルバーでベゼルも黒、プラスチックホワイトモデルではベゼル白なので印象が違うかもしれませんが、サイズ感はまさにアナログポケットです。
手に持ったときの厚みも同等、画面サイズはアスペクト比や解像度が違うものの、アナログポケットよりも大きいです。
同じく縦モデルのRG35XXと比べると全体的に大きくしたのがわかります。あとスタートセレクト、メニューボタンの位置が少し上に上がってボタンが密集したのも変化ですね。
初代ゲームボーイと比べたのがこちら。やはり縦横サイズはほぼ同等、そしてスピーカーの開口もオマージュを感じて良いですね。
GBA・・・ではなくRG35XXSPと並べたのがこちら。なんとなくですが、遊ぶ感覚としてはSPに近いです。画面の位置の近さや、コントローラーと画面がパキッと分かれている感じからでしょうか。
操作感
グリップはフラットではありますがやはり厚み、そもそも本体サイズが大きいので、しっかり握れて遊びやすいです。35シリーズで小さいなぁと思っている人はこちらで満足できると思います。
ボタン類は言うまでもないくらいいつも通りです。ツルッとした質感のボタンで、遊び少なめ、しっかりとした硬めのラバーの押し心地。押した感触としても密度感があり好きです。
言うとすると、全体の白の統一感の中でボタンだけが光沢、グレー印字なのが少し浮いているように見えるので、ボタンまでマットにしろとは言わないまでも、せめてもっと薄いグレーであれば、見た目的には良かったかなと思います。細かい話ですけど。
スタートセレクト、メニューボタンも同様のラバーです。
アナログスティックは今主流のホールセンサースティックタイプではなく、従来のJoy-Con型スティック。安価なXXシリーズでは全てこちらが採用されています。
しかしまぁ使い勝手としては十分問題なく、RG40XX H同様に光ります。オールホワイトのボディがより際立ってカッコいいですね。光るのが嫌であればもちろん光を消すこともできます。
十字キーもボタン同様のラバー。ちょっと他ハードよりも若干柔らかめで、ちょうどいいと感じます。シーソーも可能です。
そして地味に良いポイントがショルダーボタン。横並びではありますが、シェルごと斜めになっているのでL1L2と押し分けやすく、人差し指の収まりがよく、出っ張りも大きすぎないので見た目的にも締まって見えて良いです。気に入っています。
押し心地は両方ともタクトスイッチのポコポコとした感触。ちょっとシェルの内部で大きく鳴る感じがチープに感じます。もっと静音性が高いタクト、XX Hのような感触にしてほしいなとは思います。
画面・スピーカー
画面
画面は4インチのVGA画質でレトロゲームにピッタリ、中華機としては平均的な輝度。RGB30のような正方形ディスプレイはかなり別格に明るい液晶で、そこまででは無いですが十分な明るさです。
そしてやはりベゼルの小ささにより、他ハードよりもさらに画面が大きく感じますし、縦型ハードという性質上、ディスプレイの位置が目の位置に近く来るのでより大きく感じます。
ディスプレイのフチはラウンドエッジで膨らんでいるので、本体シェルとツライチではなく若干出っ張っています。こちらの仕様も従来のXXシリーズ通りです。
4インチの4:3比率なので、GBをベゼルオーバーレイ付きで遊ぶとこのように、かなりアナログポケットのバランスに近くなります。解像度の高さは圧倒的アナログポケットの優勝ですが、GBをピクセルパーフェクトで動かしてこのサイズですし、というかアナログポケットはベゼル幅かなり大きいのでベゼルに関してはアナログポケットよりも優れてると言えるでしょう。
重量もアナログポケットより軽いので、アナログポケットに近いビジュアル、サイズ感で、より安く、より気軽に遊べるマシンである、と言えるでしょう。
スピーカー
スピーカーはステレオではないものフロントスピーカー、レトロゲームを遊ぶ分には十分に感じます。フロントスピーカー好きなので助かります。デュアルアナログスティックにしなかったのはスピーカーの位置が被るからというのもあるんでしょうか?
イヤホンジャックがあるのでもちろんイヤホンで遊ぶことも可能。
使用感
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
メニュー画面の構成
搭載されているのOSはAnbernicによる独自LinuxOS。シンプルで左右に動かすといかにも中華ゲーム機らしい愛嬌のあるポニョっと言う効果音が鳴ります。もちろん消音可能ですし、日本語化も可能です。
左からGame Roomsというメインのゲーム一覧、RA Gameは見ての通りレトロアーチ、App Centerは音楽再生や設定アプリなど、Favoritesはお気に入り、Historyは過去に起動したタイトルの履歴、Search、Settingsと並んでいます。
基本的な使い方
使い方はいつも通りシンプルで、タイトルを選択して起動、ゲームをプレイ中にメニューボタンを押すことでメニュー画面が表示され、中断セーブなど可能。RAから開くとRetroArchのメニューが開きます。
App Center内のAppsからはシェーダーのオンオフやクイックシャットダウン機能など好みに設定できるようになっています。シェーダやベゼルはデフォルトでオンになっています。
ボタン組み合わせによるショートカットキーも機能します
メニューを開く、閉じる | メニューボタン |
早送り | メニュー+R2 |
スロー | メニュー+L2 |
中断セーブ | メニュー+R1 |
中断ロード | メニュー+L1 |
中断セーブスロット変更 | メニュー+十字キー左右 |
FPS表示 | メニュー+Y |
スクリーンショット | メニュー+B |
ポーズ | メニュー+X |
ゲーム終了 | メニュー+スタート |
明るさ調整 | メニュー+ボリュームボタン |
※※原則RetroArchのみの動作で、一部エミュレータでは異なります
ゲームイメージの導入はTF1のMicroSD内の該当する各種フォルダ、もしくは別途用意したMicroSDをTF2側に入れると、同様に対応するフォルダが生成されるので、そこに入れます。
ゲームをプレイ
チップセットはRG35XXPlusやRG35XX Hなどと同じなので、動作も同等です。なのでざっくり言うとPS1までのゲームであればバッチリ動作、PSPや64もタイトルにはよるもののそこそこ動作してくれるパワフルさ。
アナログスティックが左だけではありますがしっかり搭載されているので、どのハードも快適に遊ぶことができます。
感想
従来通りのXXシリーズ、縦型の4インチ版ではあるんですが、やはり色味も相まってジェネリックアナログポケット感が楽しいです。4インチ画面の大きさを最大限に楽しめるハードになっていると思います。
基本的にXXシリーズはどれも性能変わらず、お好みで選んで貰えれば、というモデルだと思います。
横型で小さい2.8インチのRG28XX、そして折りたたみのRG35XX SPなどと比べると、本モデルの個性は若干薄いんですが、より大きい画面で、縦型ゲーム機で遊ぶならではの心地よさがあり、なんか妙にしっくり来るんですよね。