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エミュレータ機

【レビュー】王者の帰還『ANBERNIC RG35XX H』

エミュレータ機

伝統的な中華ゲーム機がアップデートされました。

この端末は言わば私が発信を始めるきっかけになった、現代の中華ゲームの始祖とも言える『RG350』から続く3.5インチ、4:3ディスプレイ横型のコンパクトなエミュ機で、買いやすい手頃な価格、そしてANBERNIC社ならではの質感の良さ、ビルドクオリティ。

提供頂いた案件ではありますが、非常にバランスが良くて素晴らしいマシンだと断言できます。これを作って欲しかった。本当に。

販売ストア

提供:ANBERNIC

(発売予定)NEW ANBERNIC RG35XX H
RG35XX H  技術仕様 カラー ブラック /クリアパープル / クリアホワイト スクリーン 3.5インチIPS全視野角、OCA全密着/ 640*480 CPU H700 quad-core ARM Cortex-A53、 1.5GHz...

動画版

スペック&主な特徴

ANBERNIC RG35XX Hとは

RG35XX Hとは、Anbernic社による横型のゲーム機で、いわゆるエミュレータ機と呼ばれている端末です。

仕様的にはRG35XX Plusの横型バージョンという形で、チップセットは同様H700というものが採用、画面は3.5インチのVGA画質。

いわゆるPS1くらいまでのレトロゲーム用ハードで、タイトルによってはPSPや64も遊べるかも?くらいの性能。

RG35XX Plusとの違いは、スピーカーがシングルからダブルに、デュアルアナログスティックが搭載になった、そして横型なので35XXよりも操作性が良いといった点でしょうか。

カラーリングも特徴的で、ブラック、クリアパープル、クリアホワイトと35XX同様にクリアホワイトが登場しています。

そして金額が送料込みでも1万円程度で購入できるという、比較的安価な部類の端末です。

開封&内容物

では早速開封していきます。今回はメーカーによる提供です。

箱と専用ケースはこちら。箱のデザインはここ最近のRG35XX PlusやRG Nano同様、若干赤めでゴールドの差し色が効いているデザイン。専用ケースは別売りでピッタリ収納できますが、質感は良くはないです。価格相応といった感じでしょうか。

内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、保護フィルム、クリーナー、説明書です。

保護フィルムはとりあえず貼り付けてみましたが、ディスプレイがラウンドエッジ加工されたものなので、オフセットされた位置になります。個人的には気になるので外しました。

本体外観

これだよこれ!感。横型、スタンダードな四角い形状、使いやすいボタンレイアウト、そして安定したAnbernicらしい質感の良さ。まさにRG350から続く伝統的な中華ゲーム機!といった印象。

ボタンのクオリティとか、ベゼルがより小さくなっているだとか、細かなディテールがアップグレードされているので、過去に販売されたRG350などと比べるとかなり垢抜けた感じがあり、良いです。

というか、まぁ実際はRG353Mとまったく同じ作り。しかしクリアシェルとメタルシェルで印象は大分異なります。

ボタンレイアウトは右側にスタートボタン、ABXY、アナログスティック、左側にはセレクトボタン、十字キー、アナログスティック。

背面には滑り止めのラバーが付いていて、中央にモデル情報などが記載されています。両面テープの貼り方が凄く気になります。貼るにしてももうちょっとキレイに貼ってくれませんかね・・・

上側面にはL1L2、イヤホンジャック、コントローラー等用USB-C、MiniHDMI、充電用USB-C、ファンクションキー、R2R1。

下側面にはスピーカー、システム用MicroSD、ストレージ用MicroSD、スピーカーです。

左側面にはボリュームボタン、右側面には電源ボタンとリセットボタンがあります。

他ハードとの比較

RG353Mと並べると、シェル形状がまったく同じことが分かります。細かな点では違っていて、アナログスティックが353Mではホールセンサーのちょっと良いやつですが35XX HではJoy-Conクローンの一般的なもの、ディスプレイがフラットなものとラウンドエッジ加工のもの、ショルダーボタンの形状、ボリュームボタンの形状が微妙に違うなど。

あとメタルシェルとプラスチックのスケルトンシェルで重量感と見た目の印象がかなり違います。353Mのデザインは本当に気に入っていましたが、重すぎて手軽に使えるとは良いがたいバランスだったのでプラスチックモデルを出してほしいなと発売当初から思っていたので、本当に良いです。

スケルトンなので視覚的にも軽く見えて好き。

RGB30と比べるとこのようなバランス。幅はほぼ同等、縦の長さがRGB30のほうが結構長め、厚みも大きめです。

同スペックのRG35XX Plusと並べるとこのような感じ。厚みの薄さや余白の少なさから、なんとな~く35XX Hのほうがスマートでコンパクトな印象がありますが、まぁ縦と横で全くフォルムが違うのでなんとも言えません。

透け感自体は35XXと同等だろうな、とは思っていたので想像通りですが、質感が違います。35XXでは結構荒めのシボ加工テクスチャでしたが、35XX Hではもっと細かく、マットな質感。同じクリアホワイトではありますが、35XX Hの方が高級感があるように感じました。

操作感

重量はガラスフィルム無しの実測値で183グラム。このサイズの携帯機でこの重量は妥当というか、ちょうどいい重量感だと思います。ちなみに353Mは230グラムほど。この寸法でのプラス50グラムはかなりでかい。

握った感じは横型なので、やはりゲームボーイライクな縦型ハードよりは操作性が良いように感じます。

しかしかなり縦の長さが小さめなので人によっては小さく感じるかもしれません。RGB30のように縦にゆったり長かったり、353Pのようにコントローラーのような形状はしていないのでそちらに比べると操作性は良くないです。

ただ個人的にはこの余白が少なくてこじんまりしている感じが好きです。

背面にはANBERNIC端末でよくあるグリップ兼滑り止めのラバーが付いていて、サラサラとしたボディに僅かなグリップ感を与えてくれます。とは言うものの、まぁ正直これまでの端末も含めあってよかった~と感じたことはありません。

ABXYボタンは彫り込みではありませんが、はげる心配はありません。ツルッと光沢感があり、指に吸い付く感触が使いやすいです。押し心地はいつも通りのラバーの感覚で、硬めでしっかり押せて遊びも少なく安定感のある押し心地、ボタンの戻りも良いです。

スタートセレクトボタンなどは光沢ではありませんが、ボタン同様ラバーの押し心地で使い勝手が良いです。

十字キーも安定感の有る軸感しっかりめなラバーの押し心地。シーソーも可能です。

アナログスティックはJoy-Conライクなものが採用されていて慣れ親しんだサイズ感、高さが抑えてあり使いやすいです。押し込みももちろん対応。

ショルダーボタンは段差があるもので、カチカチと高い音がするタクトスイッチです。人によっては音が大きく感じるかもしれませんが、ダイレクトに手に伝わってくる感触は良く感じます。

全体として、いつも通りのAnbernicクオリティですね。パーツ自体もおそらく従来のもの同様かと。

画面・スピーカー

画面

ディスプレイは3.5インチ、解像度640×480、アスペクト比4:3のVGA画質です。輝度は適度な明るさで一般的、視野角良好です。

解像度的にはレトロゲームに最適で、ブラウン管で遊んでいたゲームであれば良い感じに表示できますし、そこそこパワフルなのでブラウン管風のシェーダ(エフェクト)をかけて遊んだり、ピクセルパーフェクトで表示して余った部分に独自のベゼルを表示して埋めることもできます。

ディスプレイで気になる点と言えば、ラウンドエッジ加工されたディスプレイなので保護フィルムを貼り付ける場合はオフセットされちゃうんですよね。353Mではフラットなので、まるで貼っていないかのようにピッタリ保護フィルムであるのに対して、出っ張っています。

なので無しで使うか、貼りたい場合はガラスではなくプラスチックのものが良さそうですね。隅が目立ちにくいという点で。

スピーカー

スピーカーも一般的なゲーム機のステレオスピーカーといった感じで、普通です。音色としてはシャリシャリしたり耳に刺さる感じではなく、若干こもり気味のサウンド。

スピーカーの開口は下側面にあるので直接耳に伝わってくる感じもありませんが、手で塞がることもありませんし、音量も大きくできますしまぁ特に問題は感じません。

使用感

基礎知識・注意点等

本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。

エミュレータで遊ぶには

一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。

吸い出し機(ダンパー)

エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら

ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Readerレビュー記事はこちら)をおすすめします。

Attention Required! | Cloudflare

(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)

また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。

PC(あると快適)

データを管理するのに必要となります。

MicroSD

ゲームイメージ用に推奨。

MicroSDリーダー

MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

メニュー画面の構成

本端末はRG35XX Plus同様、Anbernicによる独自OSが搭載されています。Game Roomsがスタンドアロンエミュ?なのか分かりませんが、その隣の見覚えのあるアイコンがRetroarch。

その他にはいつものように、お気に入り、履歴、検索、設定と並びます。

メニュー画面はレイアウト自体はMiyoo Miniライクの横並びですが、いわゆる古き良き中華エミュ機っぽさがただよっていて、ポニョ!ポニョ!と効果音が鳴るものです。エミュの表示・非表示のカスタマイズはできず、壁紙を三種類、アイコンを数種類変えれる程度。

この画面はアイコンと壁紙を変更したものです。

メニューボタン、ホットキーの組み合わせなど

上側面のファンクションキーはいわゆるメニューボタンとして機能して、スタンドアロンエミュでメニューボタンを押すと独自UIの簡易的なメニュー画面が表示されステートセーブやちょっとした設定が行なえ、Retroarchで起動するとRetroarchのメニュー画面が表示されます。

Retroarch側ではメニューボタンがホットキーになるので、ボタンの組み合わせで様々な事が可能となり便利です。

ゲームをプレイ

動作感としてはRG35XX Plusと全く同じで、タイトルにはよるしカクツキはあるものの、PSPや64までそこそこ動作してくれるパワフルさ。PS1までのゲームであればバッチリ動作で、スーファミなどでのリワインド(巻き戻し)プレイも余裕です。

体感的にはAnbernicのRG353シリーズ、つまりRK3566によりも若干弱いくらいで、かなり近く感じます。いつも通り、RetroarchとGame Rooms内のエミュは動作感が多少違うので、ハードによって色々使い分けてみるのが良さそうです。

アナログスティックもあるので、PS1のアナログスティックが無いと遊べないタイトルを遊びたい場合には快適ですし、なるべくすべてのゲームをアナログスティックで遊びたい人にも快適です。

またOSに自動ベゼル設定など様々な機能が増えていて、このOSのまま遊んでほしい意志を強く感じますし、大分設定も最適化されてきていて使いやすくなってきてはいますが、カスタムファームウェアGarlicOSに対応するのを待ちたいと思います。

公式ファームウェア・カスタムファームウェア等

・公式FW

RG35XX_PLUS - Google ドライブ

・Koriki/Batocera Lite

rg35xx-cfw
rg35xx-cfw has 12 repositories available. Follow their code on GitHub.

・GarlicOS

Just a moment...

感想

RG353Mは非常にコンパクトで気に入っていましたが、金属シェルで重くて冷たいし、何より価格が高い。しかし今回のRG35XX Hは同じシェル形状でプラスチックシェルなので軽いし、価格も1万円程度なので安い。そして安心のAnbernicクオリティ、シェルの質感も良いので手に取りたくなる。

性能は落ちますが、レトロゲームだけを遊ぼうと思えば十分ですし、OSは正直イマイチだけど将来的にGarlicOSに対応することを考えると使い勝手もかなり良くなるでしょう。

古き良き、伝統的な中華ゲームの最新版という立ち位置で、金額・性能のバランスも良い。忖度無しでとても良いです。紛れもなく1軍入り。

(発売予定)NEW ANBERNIC RG35XX H
RG35XX H  技術仕様 カラー ブラック /クリアパープル / クリアホワイト スクリーン 3.5インチIPS全視野角、OCA全密着/ 640*480 CPU H700 quad-core ARM Cortex-A53、 1.5GHz...
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