めちゃくちゃ今更ですが、ANBERNIC RG552を手に入れました。Anbernic初のAndroid搭載機種、そしてAnbernic史上最高のスペックです。
しかし販売まで時間がかかり期待が高まりすぎたためか、価格とスペックの見合わなさのためか評判が良くなく、コミュニティもそこまで盛り上がっていないような印象。
今更なので、そういったスペック情報のみで分かるコストパフォーマンスはさておき、実際にどうなのか、実用性や品質の面を重視してレビューを進めていきます。
販売ストア
販売価格は25000円~28000円という、中華ゲーム機の中ではトップクラスでの価格。SoCだけ見てみると、かなり低いので、価格が発表されたあとは所謂Androidスマホと比較して高すぎやしないかとザワザワしてました。
個人的な印象としては、実際に触ってみると確かにコストはかかっているな、と感じました。理由は後述します。
・Banggood
クーポン:BG46decb 価格: $199.99 期限:4/30
▲在庫有りの場合はBanggoodが早く届く・安いのでオススメです。
・Aliexpress
・Amazon等
▲少し高くはなりますがAmazonでも販売されている(販売されていないことも多いので、適宜覗いてみるのが良いかと)ので、安心して購入したい場合はこちらですね。
スペック&主な特徴
Anbernicはこれまでも中華ゲーム機の中ではトップクラスにクオリティの高い物を出しているメーカーで、後悔したくないならとりあえずアンバーニックってくらい信頼感があります(個人の意見)。
また今回の商品名の意味はこちら。
RG = Retro Game
55 = 5.5インチ(実際は5.36インチ)
2 = SoCでナンバリングされていて、今回はRK3399。1はRK3326、0はJZ4770。
▲他はP(プラスチック)などもついていることも有りますが、今回はついていなくて、プラスチックシェルです。なので今後メタルシェルは出さないのかも?
基本スペック
システム:Android・Linuxのデュアルブート
画面:5.36 インチ(1920×1152)
SoC:RK3399
RAM:4GB
ストレージ:内部64GB 外部MicroSD
バッテリー:6400mAh
寸法:198 x 85 x 20 mm(実測値)
重量:367g(実測値)
▲今回の大きな特徴はやはり大画面、そしてAndroidとLinuxのデュアルブート。ただし併用することは難しそうなので、あくまでも選択肢があるといった感じ。個人的にはAndroidのまま使うのが良さそう。
あとバッテリー容量が大きいのもいいですよね。スマホよりも大きなバッテリー容量は安心感あります。
動画版レビュー
開封&内容物
▲箱はいつも通りのシンプルアンバーニックデザイン。内容物、スペックやボタン各部の説明が書かれています。
▲同梱物はこちら。RG552本体に加えて、説明書、保護ガラスフィルム、充電用のUSB-C、MicroSDと充電器。充電器は45Wのものが入っていて、所謂高出力のものです。スマホなどでの高速充電にも使えて便利。
本体外観
想像以上にでかい。
▲まず最初に感じた印象としては、でかい。写真で見るよりもかなりでかい。というか、見た目がいつもどおりのアンバーニック製ゲーム機な事もあり、RG350くらいのサイズ感を想像してしまうのかもしれません。相当でかい。
Switchよりは小さいものの、Switch Liteくらいのサイズ感ではないでしょうか。
寸法で比較してみると
Switch Lite:208mm ✕ 91.1mm ✕ 13.9mm
RG552:198 x 85 x 20 mm
となっています。RG552は厚みが大きいせいで、より大きく感じるっていうのが体感的にありそうです。
質感・ディテールはかなり良い
▲相変わらず質感の高さには安定感が有り、パット見金属っぽいシェルでは有りますが、プラスチック製です。触ってみるとしっとりとしていて、非常に高級感があります。ビルドクオリティも高く、満足感の在るビジュアルです。
▲画面側にはABXYボタン、スタートボタン、セレクトボタン、十字キーと左右アナログスティックといったスタンダードなボタン配列です。
これまでのボタンとは違い、ABXYボタンに色が付けられていて、ディテールへの拘りとデザインの差別化を感じます。
▲背面には滑り止めのラバー、間にファンの給気口があります。給気口もデザインして作られている感じが好感を持てます。
左右側面のボタンはガタつき有り
▲左右側面には音量ボタン、電源ボタンが有り、両方とも少し遊びが大きくガタつきます。ですが個人的にはそういうものかぁといった感じで、特に気になりません。
▲上側面にはR1R2、充電用USB-C、USB-C、イヤホンジャック、MiniHDMI端子、排気口、L2L1とあります。
下側面にはスピーカー、MicroSD、リセットボタン、ファンクションキー、MicroSD、スピーカーと並んでいます。
操作感
サイズ感に少し戸惑う
▲これまでとは違い大きな機種なので操作感が異なり少し違和感が有りましたが、それも最初だけで普通に快適に操作できます。
ボタンは安心の押し心地だが、アナログスティックの位置が少し悪い
▲ボタン類は安定のアンバーニッククオリティでした。遊び少なめちょい固めでしっかりと押せる感覚。
しかし十字キーが少し誤入力されることがあり、押しづらいかな?とは思いますが、基本的にこれまでのアンバーニック製品と同じパーツが使われているようではあります。
アナログスティックもいつもどおり同じものが使われていて、押し込み可能、凹んで低くなっているため使いやすいですが、位置が少し下すぎる気がします。バランスは悪くなりますが、全体的にもう少し上もしくは画面側にあると使いやすかったかもしれません。
ファンクションキーの場所は致命的
ファンクションキーはめちゃくちゃ使いづらいです。リセットボタンの横にあるので、間違ってリセットを押してしまう可能性があるのも問題かなと感じます。
しかしこのファンクションキーを良く使うのはlinuxのデフォルトosの場合で、ファンクションキーをセレクトボタンに割り当てているカスタムファームウェアもあるようなのでLinux運用したい方はカスタムファームウェアを導入すると快適に使えるようになるかもしれませんね。
画面
大画面・高解像度・高輝度のかなり良い液晶
▲画面は非常に良い。タッチパネル対応の大画面で視野角良好、発色や画面輝度も良く、解像度も高いのでどんなゲームでも大画面できれいに表示させることができる。
この液晶の良さだけでかなり救われた感があります。
保護ガラスフィルムは推奨
画面部分は少し窪んでいて、ガラス保護フィルムを貼ることでシェル部分とフラットになるので、できればガラス保護フィルムを貼ることをおすすめします。
これまでの中華ゲーム機はよく画面を押し込むと滲むことがあり液晶の頑丈さに不安がありましたが、今回はそんなことないので安心できます。
使い方
Android↔Linuxの切り替え
Android → そのまま起動
Linux → LinuxがインストールされたMicroSDを入れてから起動
デフォルトはAndroidとして起動して、TF1スロットに付属のmicrosdを差し込むことでLinuxモードとして起動することができます。
linux↔androidの切り替えは途中では行うことができず、それぞれmicroSDを差し込んでいるか否かで判断されます。
Androidは重いアプリを使わない限り快適
AndroidにはデフォルトでPlaystoreやいくつかエミュレータなどのアプリがインストールされていて、多少の設定は必要なもののそのまま使うことも可能です。
低いスペックのAndroidにしてはやけにキビキビとしていて、重いアプリなどを使わない限り案外快適です。
あとWifiが搭載されていますが、2.4GHzのみなのでダウンロード速度が非常に遅くて、アプリをインストール際にかなり時間かかります。まぁどちらにしろ技適も無いので、そういう使い方をしたい場合は別途wifiドングルを購入したほうがいいかもしれません。高くないですし。
▲コントローラー対応のアプリやゲームは通常通り対応しているのでマイクラやその他アクション系のゲームにはかなりマッチしてます。ちなみにマイクラはたま~に処理落ちする程度には動きます。色々と試してみましたが3Dゲームが弱い印象。
アップデートについて
Googleplayが入っていない場合は手動でアップデートする必要があります。私は入っていましたし、バージョンも最新(1.11)っぽかったんですが、どうやらボタンマッピングができるバージョン(1.13)が出ていたよう。
アプデ方法などは後日別記事で掲載します。
そちらは不安定らしいのですがどうせならと思い試してみました。ちなみにアップデート後はデータが初期化されるので、注意して下さい。
アップデートツールは何故かうまく動かず、デスクトップに移動させて実行したら無事使えました。
Linuxモードでこれまでの中華ゲーム機と同じようなエミュ機に
▲こちらのLinuxモードはBatoceraと呼ばれるもので所謂これまでのRG351等と同じようなインターフェースでつかうことができるようになります。
個人的には、Androidアプリが使えなくなるこちらのモードでわざわざやる必要があるかな・・・?と疑問に感じたので、Androidをメインで使っています。
感想:使い方によってはアリ
万人受けはしない
前評価通りやはり微妙な点が多くて、実際に使ってみても未完成感が強い端末といった印象。
しかしめっちゃ使えないというわけではなく、大画面・高画質に価値を見いだせるのであれば、RG351の大画面版(性能もアップ)といった感じで使うことが出来るし、Androidとして使うとしても重くないAndroid用のアプリを遊ぶ端末だと考えればまぁ悪くはないです。
それこそマイクラ、テラリア等専用機にしても良いですし、気分次第でBatocera(Linux)として運用して気分転換しても良い。
質感やボタンなど、いつもどおりのアンバニックオリティなので所有欲自体も満たされます。質感で言うと同じくらいのサイズ感のRGB10MAXと比較しても圧倒的な差です。
使う人が何を重要視するかによって気に入る/気に入らないが凄く分かれる端末で、これまでのような万人受けする端末とは言えない感じです。
個人的には金額よりも、ファンレスでもう少し小型・軽量化してZ-Pocket Gameの上位互換のような存在になって欲しかったなという気持ち。
ファン要る?
そして使ってみて思ったんですが、ファン要るのか問題。
重ためのゲームをやるとかなり熱を帯びて落ちてしまったりするらしいですが、そもそも原神のような高負荷なゲームは処理落ちがひどく、快適に遊べるとは言えません。
となると比較的軽めの2DゲームやMinecraftなどを遊ぶことになりますがそう考えると、要るのか、ファンってことになります。
まずこれを付けたことによるコストアップだし、消費電力も増えるし、ファンが付いているのに熱を帯びて落ちてしまうのでは、意味がない。もう少し良いSoCを採用してファンレスで使えるようにするのが良かったのではないかと思わざるを得ない。
AnbernicがUMPCを出すという噂もありますし、もしかするとUMPCのテストのための仕様ではないのか・・・?と勘ぐったりもしてしまいますね。
今の所まぁまぁ気に入ってはいますが、今後のAnbernicさんの活躍に期待です。