最近のトレンドと言うと、やはりフロント面が全面ガラスディスプレイなんですが、とうとうANBERNICさんも採用したモデルを出しました。その名もANBERNIC RG476H。
基本仕様的には前回のモデルRG477Mの廉価版?みたいな感じで、ディスプレイはそのまま、チップセットは前のモデル、金属シェルではなくプラスチック+ガラスの仕様になった、割とカジュアル目なAndroidゲーム機です。相変わらず色んなところを参考にしたモデルに感じます。
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商品提供:ANBERNIC
価格は公式ストアにて通常価格が25,499円+送料、金額はセール等でよく変わるので購入時に各自チェックお願いします。

動画版
スペック&主な特徴
ANBERNIC RG 476Hとは
ANBERNIC RG 476Hは、Android 13を搭載した中性能クラスの携帯型ゲーム機。Unisoc T820 SoCを採用し、価格を抑えつつも比較的重い世代のゲーム機エミュレーションに対応できる性能を備えています。
ディスプレイは4.7インチのLTPSインセル液晶を採用し、解像度は1280×960。最大120Hzのリフレッシュレートに対応し、レトロゲームに最適な4:3比率で、滑らかで発色の良い映像を楽しめます。
チップセットにはUnisoc T820(6nmプロセス)を搭載し、GPUはMali-G57 MC4。RAMは8GB LPDDR4X、ストレージは128GB UFS2.2を内蔵し、最大2TBまでのmicroSDカードによる拡張にも対応します。
入力面ではホール効果ジョイスティックを採用し、ショルダーボタンは縦並び。6軸ジャイロセンサーや振動機能も備え、幅広いゲーム操作に対応します。またヒートパイプと冷却ファンを組み合わせたアクティブ冷却機構を採用しており、安定したパフォーマンスを維持できます。
バッテリーは5000mAhを搭載し、約6時間の連続駆動に対応。USB Type-Cポートは急速充電に加え、1080pのDisplayPort出力に対応しているため、外部ディスプレイに接続して遊ぶことも可能です。
カラーはブラック、インディゴ、レトログレーの3色展開。筐体はガラスフロントとプラスチックバックの組み合わせで、重量は約290gと軽量で持ち運びやすい設計になっています。
開封&内容物
では開封していきます。今回はレビューサンプルとなり、製品版とは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください。

今回は本体と別売りのケースも同封されていました。いつも通りの黒いハードケースです。

箱のデザインは商品画像がプリントされたシンプルなデザインです。いつも通りのスタイルといった感じ。

内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、説明書。保護フィルムは付属しませんでした。いつもは付属するので、珍しいですね。
本体外観
ファーストインプレッション

今回はインディゴカラーが送られてきました。いわゆるゲームキューブコントローラー的なカラーリングで、ボタンはスーファミ配色な鮮やかなモデルです。
色より何より、やはり全面ガラスですよね。今回ANBERNIC初の全面ガラスなのでどんな雰囲気かなと思っていましたが、最初の印象は結構良いです。これまでにないような印象があります。
質感はディスプレイ部分はガラスなのでもちろん良いですが、逆にそれ以外の部分、プラスチックの部分が対比的にチープに感じます。あとは同様の仕様で色々出しているAYANEO製品と比べても、AYANEOは大体塗装のマットな感触なのに対してこちらは素地っぽいプラスチックなので尚感じます。結局手に当たる部分で一番多い面積は側面から背面にかけてですからね。
個人的な要望としては、本当にスマホのように全面と背面はガラスで、側面が金属だったりすればいいのになーって思っていたり。
ボタンレイアウト・インターフェイス

ボタンレイアウトは
右側にニンテンドー配置のABXYボタン、アナログスティック、
下部にスタートセレクトボタン、
左側に方向キー、アナログスティック、
下部にファンクションキー、バック・ホームボタンです。
アナログスティックの位置はANBERNICらしく両方とも下の配置。画面占有率が高く見える密度感でグッドです。

背面には中央にファンの吸気口、滑り止めはありません。シンプルな背面です。

上側面には左からL1/L2、電源ボタン、ボリュームボタン、インジケーター、ファンの排気口、R1/R2
下側面には左右にスピーカーがあり、MicroSDスロット、USB Type-C、イヤホンジャックと並んでいます。

左右側面には何もありません。
グリップはなくフラットな形状。コントローラー部分の厚みを実際に測ってみると約16mm。プロポーションとしては厚すぎず薄すぎずといった印象です。
他ハードとの比較

RG477Mと並べてみると、全く同じレイアウトで、踏襲されたデザインかと思っていましたが意外と大きく印象は異なります。もちろんメタルシェルなのでそもそもそ重量感や存在感が違うというのはありますが、しかし全面ガラスなだけでここまでスッキリとした印象?になるのかと思いました。

サイズ感的にはAYANEO Pocket ACEと全く同程度です。・・・というか、そのまま過ぎませんかね?ボタンレイアウトだけでなく、ABXYの縁を囲んだディテールとか、ショルダーボタンが縦並びであったり、ファンの位置であったり。類似点は多めですが、ディスプレイに関しては横幅がほぼ同じ、縦幅はRG476Hの方が大きいんですよね。
操作感
重量はジャスト300グラム。スイッチライトよりも重く、思っていた以上に重量は大きいです。5000mAhのバッテリーの重みですかね。
がしかしそれほど気にならないといいますか、妥当な重量に感じます。同じディスプレイを採用したRG477MやRG Slideが300グラム後半とかなり重いというのもありそうですが、これくらいなら快適にプレイできると思います。
操作感としてはSwitchなどで慣れ親しんだバランス。両方スティック下なのが好み分かれそうですね。

ABXYボタンはツルッとしてわずかに膨らみがあるボタンで、遊び少なめ。いつものAnbernicで硬めラバーの押し心地、遊びも少なくて反発力も良く、気持ちの良い感触です。
スタートセレクト、ホームバックボタンはカチカチとしたタクトスイッチです。鳴りは大きめで、若干のチープさを感じます。サイズや硬さはちょうど良く押しやすいと感じます。

十字キーもツルッとした、フラットな形状、ボタン同様ラバーの押し心地。シーソーも可能で、しっかりと押した感触があり、入力は良好に感じます。ボタン・方向キーに関しては比較的静音性高めに感じます。
アナログスティックはSwitchライクなフォルムで、倒し角度は大きめ。突起が大きいので結構独特です。

ショルダーボタンはL1がカチカチと大きめな音がするタクトスイッチ、R2はトリガーボタン。RG477Mと違い縦並びでスイッチライトのような形状です。
画面・スピーカー
画面サイズ・解像度

本モデルでの大きな特徴はディスプレイ。画面サイズは4.7インチの4:3比率はかなり独特で、これまでにない大画面。
解像度に関しては1280×960(Quad-VGA)と、1080Pではないものの4.7インチなので十分に高解像度に感じて良いです。
ベゼル
ベゼルの大きさは上下非対称なのが気になります。下部が大きめで、上はかなり攻めれています。Slideでも同様だったので、ディスプレイの仕様上の問題なのでしょう。
明るさ・発色
輝度は記載がありませんが、高く映せるので非常にありがたいです。私は眩しいくらいの明るさで遊びたい人間なので、助かります。
LTPS液晶というディスプレイを採用していて、液晶でありながら発色の良さがあるように感じます。こちらの液晶は高精細・省電力・応答速度が速いなどの特徴があるらしい。実際リフレッシュレートも120Hz対応です。
スピーカー
スピーカーは下側面なので、ステレオではありますがフロントスピーカーでは無い点が残念です。しかし手にはもちろん干渉しませんし、入れるとしたらどこに入れるんだという感じなので良いです。
音質は低音が弱い音色で、特段良くはありません。ただ音質悪くて気になるということもないので許容といった感じです。
使用感
では早速初回起動からの使い方を紹介していきます。
初回起動時
初めて起動する際にセットアップが開きアプリ・エミュレータが自動でインストールされます。が、まぁ基本的にはAndroidなので細かい設定は全部自力でする必要があります。パーミッションの設定、ディレクトリ設定、そしてエミュレータ自体の設定などなど。
Google純正アプリやPlayStoreも導入されているので、そちらからのインストールも可能です。
メニュー画面

基本的にはピュアAndroidな使い勝手です。デフォルトのランチャーはシンプルなもので、アプリ一覧もなく、アプリをインストールするとどんどん右側に追加されていく形式。あまりにもシンプルすぎるので、別途何か好みのランチャーを導入するのが良さげです。
あとは画面左のボタンを長押しで、エミュ機のようなメニュー画面が現れます。これはAnbernic社のAndroid機に導入されているRG LauncherというAnbernic製のフロントエンドアプリ。
一応テーマ変更や表示項目の変更などは可能ですが、設定できる部分が少ないと感じます。
ちなみに開くメニュー画面は変更することが可能で、私はお気に入りのDaijishoを開くようにしました。
タッチパネル割当て可能

タッチパネルへのボタン割り当ては可能です。
上から下へスワイプして出てきた設定パネルの中にKeymappingの項目があるので、そこを長押し、Switchを押すことでタッチパネルに割り当てできます。
AnTuTuベンチマーク結果
AnTuTuベンチマークはHighモードで測ってみると
総合スコア 1103330
CPU 267467
GPU 337610
となりました。
総合が約110万点くらい、CPUが26万点くらい、GPUが33万点くらい。
ゲームをプレイ

鳴潮もコントローラー対応で画質設定を落とせば遊べます。UI周りも文字が潰れることなどはなく見ることができて普通に快適です。
アスペクト比が4:3なのでエミュレータには本当に最適で、性能的にPS2やGCなどはもちろんタイトルや設定にも寄りますが結構遊べるので、良いバランスだなと思います。多少RG477Mよりも性能は劣りますが、正直レトロゲーメインならこれくらいあれば十分なのでは、という気もします。これ以上を求めるなら、Snapdragonの採用を期待したいといいますか。
ファンの音・熱
デフォルト状態はそこまで気になりません。動かないようにもできますし、調整は効きます。手元の暑さなども特段気になりません。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。

MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

感想
正統派の横型ハンドヘルドの最新かつトレンドを追ったモデルという感じです。特別新鮮味はないですが、やはり全面ガラスは好きなので結構刺さってはいます。メタルモデルが重すぎた、というのもあるかもしれません。
スペックは抑えめ、4:3のディスプレイとしてはかなり大画面でキレイなので、なるだけ大きくレトロゲームを、携帯ゲーム機で遊びたい人にとってはもってこいじゃないかなと思います。Androidですけどね。そういう意図をなんとなく感じます。
最近は結構高めスペックなAndroid端末がたくさん出てきているので、そういう意味であえて落としたスペックと落とした価格で隙間を狙ってきたような感じの端末だな、と思いました。