OBSのシーン切り替え、BGMの音量調整、Photoshopのブラシサイズ変更。
それ全部、ワンクリックで済んだら最高じゃないですか?
ElgatoのStream Deckなど、こうした操作をスマートにしてくれるデバイスはちょいちょいありますが、
そんな中登場したのが、COOLER MASTERの「MasterHUB」。
物理的な操作感とカスタマイズ性を極限まで高めた、まったく新しいタイプのコントロールデバイスです。
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価格は最安のCreator Kitで約4万円とやや高価ですが、自由度と拡張性の高さ、あと最近良く触っている自作キーボードの値段(安くて3万円くらい)を考えると、ここまでできてこの値段はむしろ安いまである。
動画版
スペック&主な特徴
COOLER MASTER MasterHUBとは
COOLER MASTER MasterHUBは、Cooler Masterが開発したモジュール式のクリエイター向けコントロールデバイス。動画編集、音楽制作、ライブ配信、ゲーミングなど多彩な用途に対応し、キー・フェーダー・ローラー・ノブといった各種モジュールをBaseユニットに自由に組み合わせて使用可能。
各モジュールは磁石とポゴピンによって着脱でき、作業内容に応じてレイアウトを変更できるのが特徴。操作性に優れた物理デバイスとして、直感的なショートカット操作やリアルタイムな音量調整、回転操作による細かな数値入力などを実現します。
対応モジュールは以下の通り:
- 液晶付き15ボタン(カスタムアイコン表示・RGB対応)
- 5連フェーダー(音量や明るさ調整に)
- 2連ローラー(スクロールやズーム操作向け)
- ノブ/エンコーダーダイヤル(回転/押下操作に対応)
対応アプリはOBS、Twitch、Premiere Pro、Photoshopなどで、ショートカット割り当てやプロファイルの保存・切り替えも可能。
接続はUSB Type-Cで、各モジュールのRGBやディスプレイ設定はPCアプリから制御。ソフトウェアは現在もアップデート中で、今後さらに対応アプリやカスタマイズ性の向上が期待されています。
カラーはブラック基調で、筐体やモジュールの外観もシンプルかつメカニカルな印象。なお、KickstarterではPro Kitや将来的な追加モジュールも展開予定。
開封&内容物
では早速開封していきます。今回はレビューサンプルをお借りしまして、製品版とは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください。

箱はこちら。本体がしっかりとプリントされたしっかりめなパッケージです。

クリエイターキットの内容物はこちら。
USB-C to USB-Cケーブル、説明書類、ベース、15キー、2ローラー、5フェーダーです。

これとは別途、3連ノブとエンコーダーIPSディスプレイもあります。
本体外観
ファーストインプレッション

正直モジュール式というだけでワクワクしますよね。物量の多さと入れ替えギミックの楽しさで、それだけで楽しめるような感覚があります。
実際に開封して手に取ってみた印象としても、やはりかなり興奮します。それぞれのパーツのつくりもよく感触もいい、実際に使う前からこれは…たのしい!ってなりました。
質感に関しては全体的に素地プラスチックで、金属のような高見え素材を使っているわけではないので、過度な期待は禁物ですが、ビルドクオリティ的には良好です。
使用感
では早速ですが、使いながら改めて機能やモジュールを確認しながらレビューを進めていきます。
ベースにモジュールをくっつけて使う

本製品はベースと呼ばれるユニットに、モジュールをくっつけて使います。モジュールは磁石+端子で接続されるようになっていて、このベースの一見ランダムで不可解に見える配列に、結構自由に組むことができます。これが不思議と。どういう設計でこんなバラバラっぽい配列になってるんだ。

SFっぽい雰囲気でかっこいいですね。素材感でいうと側面は半透明なプラスチックになっていて、底面が光っているような演出になります。全体的に黒+LED・ディスプレイのメリハリで構成されていて、視覚的にもわかりやすくなっています。

接続は磁石だけだと不安定なのではと思うかもしれませんが、端子部分の凹凸と、各所に点在している突起が噛み合うことで、しっかりと固定されるようになっていて、逆さにしても落ちることはありません。

縦横両方で使うことが可能で、縦と横両方に接続端子があります。
背面に傾斜をつけるラバーをマグネットでくっつける場所が2箇所あります。これに関してはマグネットが結構弱く、傾斜をつけても結構ゆるい傾斜なので正直モジュールのディスプレイが見辛いです。なのでもっと角度を大きくつけれるスタンドなどがあればなと思いました。
専用ソフトをインストール
本機を使うには専用ソフト『MasterHub』が必要なので、公式ページからダウンロードしてインストールします。
ソフトは日本語にも対応しています。使い方としては比較的直感的でわかりやすく、右側の項目を左側に表示されるモジュールへとドラッグアンドドロップするだけ。プロフィールもいくつか保存可能で、デフォルトでフォトショップなどの設定が作られています。
各モジュールについて

では各モジュールについて触れていきます。
15 x Key モジュール
カスタマイズ可能な液晶付きボタンを15個搭載した、言わば核となるメインモジュール。配信・編集・ゲーム操作など、最も汎用性が高い中心モジュール。
- 各ボタンにカスタムアイコン表示(IPS液晶)が可能
- OBSのシーン切り替えやアプリ起動、ショートカット割当など幅広く対応
- RGBライティングやラベル表示、アニメーションも設定可能
- キーごとに異なる機能・色・タイトルを設定でき、見やすさも◎
5 x Fader モジュール
5本の物理スライダーでリアルタイム調整が可能。音楽系や配信者、VJ用途にも人気が出そうなモジュール
- 音量や明るさ、エフェクト強度などの連続的な値変更に対応
- それぞれのフェーダーに機能を割り当て可能(例:BGM・SE・ボイス音量など)
- スライダーはスムーズで抵抗感あり、操作の気持ちよさが◎
- 視認性を高めるLEDインジケーター付きで現在値がひと目でわかる
2 x Roller モジュール
水平方向の回転でスクロールやズーム操作ができる。編集作業やクリエイティブ用途において“無意識に回せる”直感ツール
- 水平回転のエンコーダーが2つあり、それぞれに別の操作を割当可能
- 例:左ローラーでタイムラインの左右移動、右でズームイン・アウト
- フェーダーよりもコンパクトに配置でき、細かい数値操作に強い
- 音量・スクラブ・トラック送り・画面拡大縮小など、細かな連携が得意
3 x Knob / Encoder Dial モジュール
ノブ(つまみ)型のエンコーダーで、回転&押し込み操作が可能。ノブ好きにはたまらない“つまみ系”操作感。エフェクト微調整や音響系に最適
- ダイヤルのように回転操作でき、左右の回転に別々のアクション割当が可能
- 押し込み操作にも別の機能を割り当てられる
- Encoder Dial版は小型LED画面付きでアイコン表示可能(操作状況が視覚化される)
- ブラシサイズ変更、色相調整、レイヤー切り替えなどに便利
実際に使ってみる
私はライブ配信はしないので、動画編集や画像編集をはじめとした作業用デバイス的な使い方となりますが、
実際に使ってみた感想としては、各モジュールの反応は非常に良好で、操作と反映のラグはほぼ感じません。フェーダーやローラーの回転・スライドは適度な重みがあって気持ち良いです。ソフトの柔軟性も十分だと感じます。
そしてやはり最大の魅力、モジュールを物理的に組み替えるのが楽しいです。
「今日は動画編集だからノブ多め」「配信用にはフェーダーを中央に」といった具合に、“形から作業スタイルに最適化できる”のがMasterHUBの強み。もはや作業用のデバイスレゴ。
ボタンに表示されている画像も変えれるので視覚的にもわかりやすくて楽しく、キーボードの延長的なデバイスかと思っていましたが、どちらかというと物理ボタンが採用されたディスプレイの延長のような感覚で、あると嬉しい感じのデバイスだなと思いました。
感想
COOLER MASTERのMasterHUBは、いわゆる「Stream Deck的な配信デバイス」と、「左手用のクリエイター・ゲーミングデバイス」の中間に位置する、デバイス。
自由にモジュールを組み替えられる構造にすることで、ユーザー自身が「どんなデバイスにするか」を物理的に決められるのが魅力的。
ゲームをするときはキーとノブを組み合わせた左手用デバイスとして、配信中はフェーダーとボタンを追加してストリーミングパネルに、編集作業時にはローラーでタイムライン操作用のコントローラーに、用途に応じて“形そのものを変えられる”柔軟性が、魅力です。
正直、レビューで借りたくらいでの短期間では使いこなせません。しかし色々便利にカスタマイズするのが好きな人にとってはいろんな用途で、日々検討しながら使っていく楽しさみたいなのがあると思いました。