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エミュレータ機

【レビュー】評価せざるを得ない『Retroid Pocket 5』

エミュレータ機

Retroid社から待望の5が出ました

まぁRetroid Pocket Miniあるしな、と思っていたんですが、実際に届いて手に取ってみるとしっかりテンション上がり、しっかり満足する、やはりRetroidはすげえや・・・となりました

高い画面占有率、リッチなディスプレイ、価格に対してちょうどいい性能と、こちらもこちらで理想的なバランス

Miniと5では性能がほぼ同じなので、どちらかで良いかなと思っていたものの、実際に触ってみるとしっかり使い分けできそうで、共存できるハードになっていて流石と感じます

販売ストア

Retroid Pocket 5 Handheld
Retroid Pocket 5 Specifications & Features: CPU: 1*A77@2.8G 3*A77@2.4G  4*A55@1.8G GPU: Adreno 650 RAM: 8GB LPDDR4x@2133...

販売は原則公式ストアのみとなっています。金額は通常価格が219ドル、送料別です。

動画版

スペック&主な特徴

Retroid Pocket 5とは

Retroid Pocket 5はRetroid Pocketシリーズの携帯ゲーム機、Retro + Androidの名前の通り、Androidを搭載したゲーム機です

5.5インチの1920×1080と高解像度な有機ELディスプレイを搭載していて、Retroid Pocketシリーズの正式ラインのモデル。前面はコントローラーも含めガラス貼りで、高級感があるデザインが特徴的です。いわゆる初期Vita的な作りですね

チップセットはSnapdragon 865、メモリ8GB、ストレージ128GB、MicroSD対応、Androidバージョンは13。バッテリーは5000mAh、Wi-Fi 6 & BT 5.1、ホールセンサースティック

Miniとの違いはディスプレイサイズが3.7インチから5.5インチの他に、メモリが6GBから8GB、Androidバージョンが10から13、バッテリーが4000mAhから5000mAhといった感じでしょうか

カラーはGC、16Bit、ホワイト、ブラックの4色

開封&内容物

では早速開封していきます

箱はこちら。いつものRetroidシリーズ通りのしっかりとした箱です。開封する際蓋がマグネットになっている点など、独自のこだわりで魅せています

内容物はこちら。簡易的なマニュアル、USB-Cケーブル、本体です。

フィルムは付属しないので、保護したい場合は別途公式のものを購入するか、サードパーティ製のものを購入する必要があります。ちなみに私は裸で使いますが、持ち運んで使う場合には貼った方が良いかもしれませんね?

本体外観

今回選んだカラーはブラック。相変わらず黒の全面ガラス+有機ELの組み合わせがめちゃくちゃ親和性高く綺麗です。

やはり全面ガラス貼りデザインは高級感が溢るる、かなりテンションが上がります。もちろん黒に光沢なので指紋は目立つのですが、視覚的にも触覚的にも気持ち良いです。

サイズ感も最高で、ギュッ詰まった感じがあり、ベゼル幅も小さくコントローラー部分もかなり小さくまとまっているので、視覚的にも手に取った感触的にもコンパクト。すげ〜気持ちいい・・・。

重量は結構軽く感じながらも、チープには感じない密度感があります。素晴らしい。

画面付いていない状態だと、画面が無いように見えます。美しい。

ボタンレイアウトは右側に、スタート、ABXY、アナログスティック、バック、

左側に、セレクト、十字キー、アナログスティック、ホーム。バック・ホームの隣はスピーカーです。フロントスピーカー良いですね。

アナログスティックはほぼ縦並びですね。

背面には大きくファンの吸気口、排気口もその上にあります。Retroid Pocketのロゴが彫り込みで入っています。

ネジ穴はありますが、手が当たる部分には無いように工夫されています。

上側面には左から、L1L2、ボリュームボタン、電源ボタン、R1R2、

下側面には、MicroSDスロット、イヤホンジャック、USB-C。

電源ボタンは若干離れすぎのように感じ、もうちょっとR1R2に近い方が良いなと思ったりします。

今回のモデルでは過去のシリーズとは違い、グリップが大きく作られています。miniも同様ですね。

ディスプレイ部分の厚みは約15.5mmで薄め。緩やかなカーブのデザインになっているので、より薄くリッチなビジュアルに見えます。

ちなみに3+では14.6mm、4Proでは16mm。グリップの膨らみもなく圧倒的に薄いスレート型のデザインが独特で、かなり好みだったのでそこはちょっと・・・ではありますが、グリップにしてはさりげない膨らみなので悪く無いです。

他ハードとの比較

サイズ感としてはかなり絶妙、カーブの具合なども含めてVitaくらいの感覚です。寸法的には若干違うんですけど。

Retroid Pocket Miniと並べたのがこちら。

レイアウトは全く同じ、ディスプレイが全面ガラスなのも全く同じですが、ボタン・十字キーの周りが切り替わっていたり、背面のグリップ部分が違うテクスチャになっていたりと、地味に差別化がされています。

画面サイズ・・・というよりはディスプレイのパーツサイズに合わせてベゼルが設定されているのか、Miniの方がベゼルが大きく見えます。そしてそれに伴って若干Miniの方が縦に長く、コントローラー部分も若干大きくなっています。

前モデルのRetroid Pocket 4 Proとはほぼほぼ同じサイズ感、でありながら画面サイズが4.9インチから5.5インチにアップしています。本体サイズももっと大きくなっていると思っていました。良いですね。

AYANEO Pocket Sと並ぶとまるで兄弟、亜種?のような雰囲気。

こうして写真で見ると案外同じくらいのサイズ感に見えますが、実際に手に持った感じだとVitaとSwitch Liteのような体格差を感じます。おそらく角の丸みが大きく影響していそうです。

ゴールドのスイッチライトはかっこいいです。

操作感

グリップは最近よくみる隆起したデザインで、中指がこの隙間に収まるようなフィット感です。本体側面のカーブ具合がいい感じに指にフィットして持ちやすいです。

滑り止めテクスチャはよくあるコントローラーなどに採用されているものよりもかなり優しめの粒々感。

重量は約270グラムと軽くは無いもののサイズを考慮すると十分軽め。グリップも効いていて、より軽く感じているんだと思います。

ABXYボタンはサラッとして平たいボタンで、遊び少なめ、しっかりとした硬めのラバーの押し心地。十分な感触ではありますが、パチパチと音が鳴る感じと、若干戻りにくい感じ気がします。miniよりも若干硬さは軽めなような。

スタートセレクト、ホームバックボタンはカチカチとしたタクトスイッチです。ボタン自体がかなり小さめ、若干硬めではありますが、押しやすく、チープで安っぽい感触や音ではありません。

十字キーはVitaライクな形状・寸法、感触もドームスイッチのプチプチとした押し心地。シーソーも可能で、入力は良好に感じます。

アナログスティックは中央が凹んだもので、Joy-Conや一般的なハードとは違った形状、倒れ角度が大きめです。過去のRetroid Pocket 4/ProやOdin2と同様なトップ。

あと左アナログスティックが下なので、遊ぶタイトルや持ち方、操作のクセによっては快適度が変わります。結構密なレイアウトなので、倒れ角度が大きいこのスティックは疲れやすいと感じる人もいそうです。

やはり左アナログスティックをメインで使うゲームであるとSwitchのようにスティックが上の方が快適だと感じます。

しかしカーブがかった形状とグリップの膨らみがあるおかげでRP 4 Proよりは負担がかかりにくいように感じます。

ショルダーボタンはL1R1カチカチと音がするタクトスイッチ。感触は良いと感じます。

L2R2はストロークが長いアナログトリガー。

画面・スピーカー

画面

とにかく綺麗です。でかい輝度、有機ELによるバキバキの発色、画面サイズにしてはめちゃくちゃ高い解像度、そして全面ガラスが視覚的に満たしてくれます。ありがたい。

そして冒頭にも述べたように、黒の全面ガラス+有機ELの組み合わせがめちゃくちゃ親和性高いんですよね。全面ガラスなのでディスプレイ部分とそれ以外の切れ目を感じず、そして有機ELは本当に黒が黒いのでアスペクト表示の関係でできた余り部分も、まるで無いように見えます。

画面上下のベゼルの厚みもMiniと違って薄く気持ちの良い見え方。

スピーカー

スピーカーはフロントスピーカーで音質はそこまで良くないですが、ステレオサウンド感が心地良いです。手が覆い被さることもないので塞がれる位置でもなく、スピーカーにおいても満足度が高めです。

イヤホンジャックがあるのでもちろんイヤホンで遊ぶことも可能。

使用感

基礎知識・注意点等

Androidスマホユーザーならスムーズ

基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等は初期設定で導入済みですが、ストレージ設定などは自分で行わなければならないため知識調べる力が必要です。

起動:電源ボタンを長押し
終了:電源ボタンを長押しして電源を切るを選択
スリープ:電源ボタンを一度押し
明るさ調整:上から下に2回スワイプして一番上のスライドバー
戻る、メニューを開く:戻るボタン1回押し
ホーム画面に戻る:戻るボタン長押し

Androidにはシステムレベルの遅延がある

Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。

また、本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。

エミュレータで遊ぶには

エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。

吸い出し機(ダンパー)

エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら

ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Readerレビュー記事はこちら)をおすすめします。

Attention Required! | Cloudflare

(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)

また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。

PC(あると快適)

データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。

MicroSD

ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。

MicroSDリーダー

MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

アプリ・エミュレータは初回起動時インストールされる

初めて起動する際にセットアップが開き日本語を設定可能、アプリ・エミュレータを選んでインストールできます。が、まぁ基本的にはAndroidなので全部自力で設定する必要があります。パーミッションの設定、ディレクトリ設定、そしてエミュレータ自体の設定などなど。

Google純正アプリやPlayStoreも導入されているので、そちらからのインストールも可能です。

そしてこちらがデフォルトのランチャー。一般的なAndroid用のランチャーを超シンプルにしたようなもので、アプリ一覧や検索などはなく、時計ウィジェットだけがある、必要最低限なもの。

専用のランチャーアプリもあり

他にもエミュ専用のランチャー(メニュー画面)があり、そちらを使うといかにもエミュ機なインターフェイスで使えるようになります。

こちらはエミュレータ一覧やアプリ一覧などをカスタマイズしながら設定できる、エミュ機のフロントエンドとしての機能をメインとしたランチャーです。

スイッチライクなビジュアルでシンプル、使い勝手としては悪くありませんが、エミュレータ用のフロントエンドランチャーは他にも様々あるので個人で気に入るものがあれば変更してみるのも良いかと思います。ちなみに私のお気に入りはDaijisho。

パフォーマンス・ファン・スティック設定等

上から下にスワイプしてクイック設定から簡単に変更可能な項目がいくつかあり、

パフォーマンスモードで消費電力を上げて強くしたり、ファンの強さを変更したり、スティックのLED色を変更したり、明るさを変えたり、消したりが可能。

他にもゲーム中に画面右から左へスワイプする事でフローティングメニューのようなものが表示され、様々な設定が可能となります。その中でタッチパネル操作をコントローラーに割り当てることも可能で、コントローラー対応していない原神も遊べるようになります。

DP出力でモニターやテレビに繋ぐことも可能

AnTuTuベンチマーク結果

AnTuTu ベンチマークスコアは
総合スコア 829284
CPUスコア 237055
GPUスコア 262361

総合約80万・CPU23万・GPU26万となりました。最新のハイエンドと比べると大きくはないですが、ミドルハイくらいの数値でしょうか。Android携帯ゲーム機としてはかなり強めな部類です。

ちなみにRetroid Pocket 4 ProはMediaTek Dimensity 1100を搭載で、総合73万点、CPU20万、GPU22万だったので、数値的に大きくグンと上がった感じはしません。

ゲームをプレイ

動作感自体は十分動きます。ゼンゼロなどのコントローラー対応スマホゲームも最高画質は無理なものの遊べますが、設定を落とせば問題なく動作します。

ディスプレイサイズ的には体感的にはスマホくらいで、十分見やすく感じます。

あまり深く検証はできていませんが、GC、Wiiのタイトルをいくつか遊んでみると、概ねグラフィックをOpenGL、その他ちょっとの設定で動作します。

PS2はタイトルによっては厳しいこともありますが、設定を適切に行えばそこそこ遊べる感じがあります。あまり4Proとベンチマークが大差ないと思っても流石Snapdragon、モッサリしていたものが普通に動くようになっていたりします。

あと有機ELのおかげでディスプレイ表示の余りが無いように見えるものの、やはり16:9ではあるので4:3のゲームを遊ぶ場合には個人的には気になります。フルスクリーン表示もしたくないので・・・。

逆に16:9のPSPやWiiを遊んだり、Androidのゲームを遊ぶ場合には最適だと感じます。RP Miniではスマホゲーはちょっとインターフェイス的に厳しく感じるので、この点は結構大きいように感じます。

ファンの音・熱・バッテリー持ち

ファンの音はSportにすると多少大きくはなりますが、小さい方だと思います。音有りで遊んでいれば気になりません。ほぼ動かないようにもできますし、Smartにしておけば自動で熱くなったら動くようになります。

発熱は高負荷のゲームを遊ぶとほんのりと画面側が暖かくなりますが、手元は熱くなりません。

バッテリー持ちはPerformanceに設定した状態でゼンゼロを遊ぶと、1時間で100%→70%でした。

感想

正直、ぐぬぬ、流石Retroidさん、評価せざるを得ないクオリティと満足感、恐れ入りましたといった感じです。

ほぼ性能が同じくサイズ違いのRP Miniと拮抗するかと思いましたが、全然別物、戦っている土俵が違う感じです。

より小さく、より高性能を追求しているレトロゲーム特化型携帯ゲーム機のMiniと、全てを網羅的に楽しむ事をRetroidなりに追求した携帯ゲーム機といった印象です。

16:9ディスプレイのAndroidハードは他にも多く出ていますが、Vitaサイズにグッと詰め込まれている感が非常に独特です。あ、Odin 2 miniもVitaサイズか。

AYANEO Pocket Sのような、より大きい16:9の画面、より高い性能で上位互換機になりうるハードがあるから、一番のお気に入りハードにはならないだろうなぁ〜と思っていましたが、圧倒的に軽くて取り回しの良いこちらのハードもかなり捨て難い。

もうちょっと使い込んでみないと結論は出ませんが、そもそもこの価格でこの満たされ感は正直他では絶対に味わえません。

Retroid Pocket 5 Handheld
Retroid Pocket 5 Specifications & Features: CPU: 1*A77@2.8G 3*A77@2.4G  4*A55@1.8G GPU: Adreno 650 RAM: 8GB LPDDR4x@2133...
ヨシダ

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