ANBERNICさんにRGB30のような、ゲームボーイとかを大画面で遊べる正方形ハンドヘルド出してほしいな〜とずっと思っておりまして、RG Cubeなど出たもののCPU的にはかなりハイエンドで、ちょっとオーバースペック。
そして今回、RG Cubeの廉価版のようなモデル。スペック・金額的に完全に対抗馬になる感じのモデルが出ました。
販売ストア
商品提供:ANBERNIC
金額は公式ストアにて10,499円+送料。金額はセール等でよく変わるので購入時に各自チェックお願いします。
動画版
スペック&主な特徴
ANBERNIC RG CubeXXとは
RG CubeXXはLinuxベースOSを搭載したいわゆるエミュ機と呼ばれている端末で、Anbernic社のXXシリーズの商品の一つとなっています。
正方形ディスプレイを採用しているのが最大の特徴で、基本的なスペックは3.95インチ、解像度は720×720、バッテリーは3800mAh、チップセットはXXシリーズ同様にH700が搭載され、カラーはブラック、グレー、ホワイト
過去に発売されたRG Cubeとの違いは主にスペックではありますが、十字キーの位置や寸法、ファンの有無など細かく変わっていて、同じ型を流用しているわけではないのも特徴。
開封&内容物
では開封していきます。メーカー提供の先行レビューです。
本体箱と専用ケースです。ケースはRG Cubeと全く同じもの・・・と思いきや、十字キーの位置が変わっているので作り直してますね。強いな。
本体箱はいつも通りの線画が描かれたデザインです。
内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、説明書。保護フィルムは含まれていませんでした。
本体外観
今回は色は選べません!みたいな感じでメーカーから言われて、白が良いな〜と思っていたら白が!わかってる〜!
やはりボタンも含めたオールホワイトは非常に刺さります。シンプル、ミニマルな雰囲気を醸しながらも存在感がある、ANBERNICならではのしっかりとしたプラスチックの質感との相性が良いです。この路線は好きなので本当に続けてほしい。
画面の滲みはもちろんなく、軋みもなくかなりガッチリしています。安定感のあるクオリティ。
ボタンレイアウトは右にABXY、アナログスティック、スタートセレクトボタン、左に円形の十字キー、アナログスティック、Mボタン。メニューボタンです。
RG Cubeでは左スティックが上でしたが、本モデルでは両スティック下側。CPUスペック的にハイエンドなゲームを遊ぶ事を想定されていない、レトロゲームが完全にメインになってくるため、このような仕様変更がされていることがわかります。
些細な点ではありますが、棲み分けというか、用途で使いやすさがかなり変わってくる点だと思うので、良いなと感じます。
背面には中央に商品情報が記載されていて、グリップ部分が粒々とした違うテクスチャに切り替わっています。ネジ穴は左右に均等配置で、六角です。
左右には特に何もなし。
RG Cubeでは右側面に電源ボタンがあったので、手が当たる部分に何もなくなったのも良い点ですね。
上側面には左からL1L2、電源ボタン、ボリュームボタン、USB-C、リセットボタン、mini HDMI、R1R2
下側面には左右にスピーカーがあり、左からシステム用MicroSD、イヤホンジャック、ストレージ用MicroSD
他ハードとの比較
RG Cubeと並べたのがこちら。ぱっと見アナログスティックの位置が変わっただけのように見えますが、実はプロポーションも変わっています。
ボタン・スティックの距離も若干変わっていて、そもそも縦幅が若干大きくなっています。ディスプレイ下部が若干大きくなっていて、それに伴って若干プロポーションを変えたような感じでしょうか。
ディスプレイの位置が変わったのかなと思っていましたが、そもそも若干大きくなっていました。しかし並べて気づいた程度なので、デメリットのようには感じません。ベゼルカラーが黒になったのも大きいのかも。
厚みは変わらず、グリップの感触など、手に取った感触としては変わりません。ただ重量は20グラムくらい軽くなっているので体感結構違います。
同じくXXシリーズ、オールホワイトのRG40XXVと並べてみました。ほぼ同じ仕様、同じボタン、同じスティックで統一感があります。同じ4インチではありますが、アスペクト比が全然違うのでサイズ感もゲーム体験も全然別物です。
RGB30と並べてみたのがこちら。RGB30はグリップの膨らみもなく、カーブも付いていない角張ったデザインですが、Cube XXは丸みを帯びたデザインなのでかなり印象は違います。価格やおそらく同じディスプレイ、同程度のCPUスペックなど似たようなバランスではありながらも全く違ったハードといった印象です。
私の嗜好としては、デザイン的には角張った、出っ張りがほぼないフォルムのRGB30の方が好きですが、カラーリングや質感、操作感の良さ的にはCube XXの方が好きです。
操作感
グリップはSteamDeckのような膨らみがあるデザインで、重量は245グラムでしっかりグリップなので、軽く感じます。グリップ背面の指が当たる部分が一部ザラザラとしたテクスチャに切り替わっていて、滑りにくくなるような工夫がされています。
ちなみにRG Cubeは263グラム。20グラムの違いはごく少ないように思うかもしれませんが、結構分かります。少なくなった分グリップも削ってフラットなボディにして欲しかったと個人的には思います。
ボタン各種はいつものAnbernic。全体としてスイッチライト、Joy-Con同等のサイズ感のものが採用されています。
ABXYはツルッとした触り心地のボタンでラバー、遊びも少なくて反発力も良く、しっかりとした押し心地。ただおおきく取ったグリップのせいか、ABXYに限らず全体的に音の鳴りが大きいように感じます。
十字キーはXBOXコントローラーライクな円形デザイン。しかし押し心地はクリッキーなタクトスイッチではなく、ABXYボタン同様のラバー。
シーソーは可能で入力も問題なく、RG Cubeよりも若干柔らかくなったような気がします。ぐるぐると回すような入力が入りやすいような感じがあります。格ゲーの入力はやらないので分かりません。
スタート・セレクト、ホームボタンなどはカチカチとしたタクトスイッチです。
アナログスティックはJoy-Conのスティックと同等のフォルムや感触、倒れ角度で、光ります。
ショルダーボタンもタクトではなくラバーの感触。軸が内側にあり、回転しながら倒れる感触です。
L1もL2も両方ともボタンで、ここもRG Cubeとの差異ですね。CubeではLBRBがカチカチしたタクト、LTRTがトリガーボタンでした。
あと電源・ボリュームボタンの位置もショルダーボタンの隣に来てくれたのでありがたいです。
画面・スピーカー
画面
ディスプレイはかなり明るめ、視野角良好、解像度も高めで良い液晶だと感じます。おそらく他の正方形ディスプレイを採用したモデルの液晶と解像度・画面サイズが同じなので、同じものが採用されているのでは?と推測します。
XXシリーズ(ほぼ)共通ですが、ラウンドエッジのガラスなので保護フィルムを貼りたい場合にもピッタリで貼ることができません。なるべく自然に貼りたい場合にはガラスではなく薄いフィルムを推奨します。
スピーカー
スピーカーはフロントスピーカーではありませんが、グリップ下なので手に干渉せず、側面にあるタイプですが聞こえやすいと感じます。
音質は低音が弱くてこもった感じの音色で、良くはありませんが音量は大きく出せます。もう少しクリアな音で聴ければ嬉しいかなとは思いますが、レトロゲームを遊ぶ分にはこれくらいで十分でしょう。
使用感
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
メニュー画面の構成
搭載されているのOSはAnbernicによる独自LinuxOS。シンプルで左右に動かすといかにも中華ゲーム機らしい愛嬌のあるポニョっと言う効果音・・・ではなくなり、ちょっとスマートな感じの効果音。UIも正方形ディスプレイに合わせて変わりました。もちろん消音可能ですし、日本語化も可能です。
左からGame Roomsというメインのゲーム一覧、RA Gameは見ての通りレトロアーチ、App Centerは音楽再生や設定アプリなど、Favoritesはお気に入り、Historyは過去に起動したタイトルの履歴、Search、Settingsと並んでいます。
スティックはLEDで光る仕様にデフォルトでなっていて、メニューの設定画面から様々な光り方に変更できます。勿論光るのが嫌であれば消すことも可能。
基本的な使い方
使い方はいつも通りシンプルで、タイトルを選択して起動、ゲームをプレイ中にメニューボタンを押すことでメニュー画面が表示され、中断セーブなど可能。RAから開くとRetroArchのメニューが開きます。
App Center内のAppsからはシェーダーのオンオフやクイックシャットダウン機能など好みに設定できるようになっています。シェーダやベゼルオーバーレイはデフォルトでオンになっています。
ボタン組み合わせによるショートカットキーも機能します
メニューを開く、閉じる | メニューボタン |
早送り | メニュー+R2 |
スロー | メニュー+L2 |
中断セーブ | メニュー+R1 |
中断ロード | メニュー+L1 |
中断セーブスロット変更 | メニュー+十字キー左右 |
FPS表示 | メニュー+Y |
スクリーンショット | メニュー+B |
ポーズ | メニュー+X |
ゲーム終了 | メニュー+スタート |
明るさ調整 | メニュー+ボリュームボタン |
※原則RetroArchのみの動作で、一部エミュレータでは異なります
ゲームイメージの導入はTF1のMicroSD内の該当する各種フォルダ、もしくは別途用意したMicroSDをTF2側に入れると、同様に対応するフォルダが生成されるので、そこに入れます。
ゲームをプレイ
チップセットはRG35XXPlusやRG35XX Hなどと同じなので、動作も同等です。なのでざっくり言うとPS1までのゲームであればバッチリ動作、PSPや64もタイトルにはよるもののそこそこ動作してくれるパワフルさ。
アナログスティックが左右しっかり搭載されているので、どのハードも快適に遊ぶことができます。
そして何より正方形ディスプレイ。正方形に近いゲームボーイや、PICO-8、もしくはファミコンスーファミなどのゲームを正方形ピクセルで遊んだ場合にはかなり正方形に近いアスペクト比になるので、レトロゲームとの相性はバッチリ、そしてDSも良い感じに表示できたり。まぁタッチパネルは付いていないので快適とは言えませんが。
感想
もう何度目のXXシリーズだよ・・・連発しすぎだぜ・・・とはまぁ普通に思いますが、この端末自体はシンプルなオールホワイトカラーがかなり好みですし、待望の?ANBERNIC流RGB30対抗馬的なハードで、これだよこれ感があります。
逆にいうとかなり豊富な選択肢、どれを選んでもまぁ割と悪くなく、価格的にも買いやすい価格帯なので、もう本当に見た目で選んでいいと思います。というかそれくらいしか差が無いです。
廉価版のRG CubeXXではなくRG Cubeを選んだ方が良いんじゃないか?とか思うかもしれませんが、AndroidとLinuxなので完全に別物です。両方買うと聞かれたら流石に別のモデル選んだ方が良いんじゃないか?とは思いますが、比較対象としてはXXシリーズの中で検討した方が良いと思います。
あとはセール時に価格で決めるとか、アナログスティックの有無で決めるとか、画面サイズが大きい方が良いか小さい方が良いかとか。
にしてもこの連発具合はすごいですね。本機に加えて、完全新作としてコントローラーも自社開発して発売してますからね。ペースが凄すぎる。