M17、知っていますか。私は知りませんでした。
結構安めで買えるエミュレータ機で、まぁ安いエミュ機って言うと大体色んな意味で良くないことが多いんですが、それでも今回手に入れた理由は商品の紹介ページにおなじみ『Emuelec』の記載があったので、その一点のみです。
結果で言うと、まぁ、まぁまぁまぁ、こんなもんだろっていう感じではあるんですが、ちょっとおもしろい点とかはあったので共有したいなと思います。
販売ストア
提供:Banggood M17
クーポンコード:BG0a8bad(1/31迄)
動画版
スペック&主な特徴
M17とは
M17は、スイッチライト風の携帯ゲーム機で、いわゆるエミュレータ機と呼ばれている端末です。
4.3インチとスイッチライトよりも一回り小さいサイズ感で、6000円~7000円くらいで購入できる安さが一番の特徴。
安い中華ゲーム機といえば〇〇in 1系を思い浮かべますが、どうやらEmuelecの記載があるのでまぁまぁ使えるのかな?くらいの期待感で入手しました。
CPUは良くわからないので性能的にはどのくらい動くのか不明ですが、まぁ金額を考慮してもそこまで動くものではないでしょう。あとバッテリー容量が結構少なめなのも気になります。
項目 | M17 |
---|---|
システム | LINUX/Emelec 4.3 |
対応ゲーム | PSP/PS1/N64などのエミュレータ |
ディスプレイ | 4.3インチ IPS、解像度480×272 |
CPU | クアッドコア Cortex-A7、最大1.2GHz |
RAM | 2GB |
ストレージ | Micro SDカード |
バッテリー | 1500mAh |
インターフェース | USB-C、MicroSD、イヤホンジャック |
サイズ | 不明(製品情報に記載なし) |
重量 | 不明(製品情報に記載なし) |
開封&内容物
では早速開封していきます。今回はBanggoodさんによる提供です。
箱はこちら。え~っと・・・見慣れたアサシンが居るような・・・ノーコメでお送りします。
内容物はこちら。本体、USB-C、説明書
本体外観
ボディはチープなプラスチックシェルで、精度も低いです。前面シェルと背面シェルの噛み合い部分もまばらですし、ディスプレイのガラスはめ込み部分も若干隙間があります。
・・・というか、ディスプレイこれガラスじゃなくて触ってみた感じプラスチックですね。それだけならいいですが、傷つきやすそうなので注意が必要ですね。
ボタンレイアウトは右側にボリュームプラス、XBOX配置のABXY、アナログスティック、スタートボタン。
左側にボリュームマイナス、アナログスティック、十字キー、セレクトボタン。
アナログスティックは押し込み非対応です。
右下にあるM17の大きな文字がとても気になります。
背面にはスピーカーがあるのみ。左右に開口がありますが、実際に穴が空いているのは片方だけでシングルスピーカーです。
上側面には左からL1L2、USB-C、イヤホンジャック、MicroSD、電源スイッチ、R1R2とあり、下側面には何もありません。
左右側面にも特に何もありません。
他ハードとの比較
デザイン的には小さいスイッチライトのようですが、実際に並べてみると結構小さいです。
ディスプレイサイズはスイッチライトは5.5インチ、M17は4.3インチ。M17は結構大きいように見えますが、フチまでディスプレイが広がっているわけではありません。
スイッチライトに比べるとボタンレイアウトも絶妙にバランスが崩れてますし、ディスプレイ下部のM17の印字がとても気になります。
操作感
手に持った感じとしては、重量は実測値で180グラムと軽く、手に負担はかかりにくいです。が、なんというか全体的にボタンが下過ぎるような気がします。
ABXYボタンは彫り込みがあるタイプで、ラバーの押し心地。遊び少なめ、戻りは若干悪いです。ラバーの精度の問題でしょうか。まぁそこまで悪くはないです。
ボリュームボタンはかなり浅めで、逆にスタートセレクトボタンは出っ張りが大きくて押しやすくなっています。
大体はスタートセレクトボタンが上にあるので間違えてボリュームボタンを押してしまいます。というか、ボリュームが画面をまたいで左右で分かれているのが使いやすいとは言えません。
十字キーもラバーの押し心地。ストロークがちょっと短いくらいで一般的。幅が若干細めなのがユニークです。シーソーはしにくく、全方向同時押しされそうになります。
アナログスティックは押し込み非対応ですが一般的なものです。高さを抑えるための加工もありません。若干傷がついているように見えますが、元々付いていました。
ショルダーボタンは硬めのタクトスイッチでL1もL2もストロークは短め、音も大きくガチガチとした押し心地。L1R1は高めの音でガチガチと鳴りますが、L2R2は低めの音でバコバコと鳴ります。
形状的にはスイッチライトを模していて、指に引っかかりやすいです。
画面・スピーカー
ディスプレイは4.3インチの解像度480×272というかなり特殊なもの。画面大きめで解像度が低いので、ドットの粒感がかなりわかります。
ドットの粒感というか、スキャンラインのような横線がすごく見えます。ブラウン管表示みたいな雰囲気になり、まぁなんかこれはこれで味があって良いかも?と思わないことも無いことも無いような。
まぁそれはそうとして、ラミネーションディスプレイじゃないので画面がかなり奥にあるように見えるのが微妙です。最近はラミネーションばかりなので、やはり一昔前のディスプレイのように感じます。
スピーカー
スピーカーはシングルスピーカーで、背面にあるので聴こえ方としては微妙です。あと音量を上げると手がビリビリとする感じがあります。音の振動がシェル全体に伝わってこのようになるのかと。
音質としても良くはなく、ザラザラとしていてこもった感じの音色です。スピーカーが背面にあるおかげか、耳に刺さるような感覚はありません。
使用感
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
EmuelecベースのOS
どうやらEmuelecをベースにしたOSのようで、起動時にEmuelecのロゴが堂々と登場します。なのでいわゆるEmulation Station + Retroarchの構成。ですがまぁしかし起動はかなり時間がかかるし、起動失敗することも多いです。原因は分かりません。
電源がボタンではなくスイッチなのも一昔前感があります。ただメニュー画面内に電源を切る項目が無いので、切りたい場合は電源スイッチを直接切るしかありません。
ゲーム内メニュー
ゲーム内メニューはスタートセレクトボタン同時押しで表示されます。ゲーム再開、ゲーム終了とステートセーブ、ステートロードのみの超簡素な項目。設定変更などは何もできません。
ゲームをプレイ
アスペクト比がかなり特殊。16:9に近いですかね?何を遊ぶにしてもフルスクリーン表示になるので、かなり横長な画面となります。正方形に近いゲームを遊べば遊ぶほど引き伸ばされ感は顕著になります。しかし正しいアスペクト比にする手段は有りません。
あれ?なんかPSPは結構良い感じで表示されるじゃん・・・と思っていたんですが、冷静に考えたらこれPSPと同じ画面サイズ・解像度じゃないですか。もしかしてこれ・・・いや、なんでもないです。
ちなみに性能的には弱く、一応PSPも動くには動きますが、かなりのカクツキがあり、快適とは言えません。十字キーとアナログスティックが同じ割当がされているし、おそらくPPSSPPで動いていますが設定画面が開くわけでもないので調整できることもありません。
感想
かなり安い部類のエミュレータ機にしてはEmulation Stationが動くっぽい商品画像だったので、多分いわゆる〇〇in 1系のハードではないんだろうな、という期待感で入手してみたんですが、まぁ質感や操作感的には同等です。古き良き中華ゲーム機感。ある意味では期待通りです。
ゲームイメージを自由に変更できる点においては多少メリットはありますが、設定変更などは何もできませんし、ただ普通に遊ぶ分にはPS1くらいまでのレトロゲームであれば別に普通に動きますが、16:9のディスプレイで横に引き伸ばされた表示で遊ばなければいけないのは、微妙だと感じました。それくらい設定変えられるようにしてくれればいいのに・・・とは思います。
ただ、この馴染みがある?ディスプレイがエミュ機に流用?されているのはなんだか新鮮な感覚でした。