5インチの携帯ゲーム機と言えば何でしょうか?そうですね。Playstation Vitaですね。今回紹介するRG505は、めっちゃ簡単に言うとVitaの有機EL液晶を使って、OSにAndroidを搭載したコントローラー一体型の携帯ゲーム機です。
5インチでOSがAndroidなら「スマホにコントローラー装着したほうが良くね~?」という意見もまぁまぁ有りますが、やはりゲーム機として作られたものとスマホでは全然違うんですよね。
例えばキーマッピング機能がシステムに組み込まれていたり、最近のスマホのアスペクト比(縦横比)が21:9くらいなのに対してRG505は16:9なのでPSPをピクセルパーフェクトで遊べたり、専用のランチャーが用意されていたり。
なのでエミュ専用にしてもいいし、SteamLinkでストリーミングプレイしてもいいし、Youtube見ても良いしと、幅広い使い方が出来るのがAndroid端末の面白さです。
販売ストア
販売ストアはAnbernicオフィシャルストアを推奨します。サポート対応が良い&配送の早さなどが特徴です。
スペック&主な特徴
本端末に搭載されているチップセット『T618』は格安タブレットなどに良く搭載されているもので、Retroid Pocket 3+や今後発売予定のPowkiddy X28にも採用されています。Androidアプリで言うと原神が遊べて、GCやPS2のゲームがタイトルに依りますがそれなりに動く程度の性能。
他メーカーとの大きなアドバンテージはVita初期型の有機EL液晶(互換品?)を搭載していることです。これによる発色の良さ、そしてPSPを遊ぶ際にピクセルパーフェクトで遊ぶことが可能となります。
デメリットとしてはアプリストアのGoogle Play非搭載が挙げられますが、ファームウェアアップデートにより対応するとAnbernicより回答がありました。
追記:製品版では搭載されているようです。
動画版レビュー
開封&内容物
Anbernicさんのサンプル提供です。箱、内容物から丁寧に見ていきます。
▲今回はRG505本体とケース(別売り)が付属していました。大体このような中華ゲーム機のケースは黒ですが、今回はシルバー・黄・黒・赤と見たことのない配色のケースで、ちょっとテンション上がります。
▲箱はこちら。見てください。薄いのにも驚きますが、いつもの線画デザインではなく、様々なハードのイラストが描かれています。この時点で気合が入っているように感じました。
▲内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、保護ガラスフィルム、説明書です。
本体外観
シェルは流石の上質さ
▲今回は3色展開でGB風グレー・イエロー・グリーンの三色で、私が選んだのはSwitch Lite風配色のイエローです。正直に言うと、なんで黒出さなかったの???とは思いますが、まぁAnbernicなりのチャレンジなのでしょうか。
プラスチックシェルの質感としては文句なしのクオリティ。ツルッとはしていますが光沢感の無いマットな仕上がりで、明るめな色なのでチープ感強いかな?と思いきや、安っぽさは感じません。大きさ、厚みに対しては軽く感じますが、初期Vitaよりも30g程度重い286gです。
レトロゲームに適したボタン配置
▲スイッチライト風の色味ではありますが、ボタン配置は十字キーが上でアナログスティックが下なので、レトロゲームをより遊びやすい配置となっています。
右側にはABXYボタン、STARTボタン、その隣に電源ランプ、
左側には十字キーとセレクトボタン、その隣にはマイク、
左右下にアナログスティックが配置されています。
また、RG503と同様、液晶の下部分に大きくベゼルが取られています。これはVitaの液晶を採用していることに起因していそうです。
▲背面にはAnbernicロゴとモデルの説明、滑り止めグリップが左右に付いています。
▲上側面には左からR1R2ボタン、イヤホンジャック、充電用USB-C、R1R2ボタン、
下側面には左右にスピーカーの穴が有り、左側にMicroSDスロット、真ん中に電源ボタンがあります。
▲左側面にはボリュームボタン、
右側面には戻るボタンとファンクションキーがあります。
かなり大きく感じる
▲ほぼ同じ画面サイズのVita、Retroid Pocket3、本端末より大きなSwitch Liteと比較しても、かなり大きく感じます。
▲ベゼルの大きさにより高さ方向に大きくなっていますが、それよりも手に持ったときに強く感じるのは厚み。
▲右側がRetroid Pocket3です。厚みは実測値で以下。
ただ薄くなればなるほど、グリップ感や放熱性能などは下がるので、このあたりは遊ぶゲームの種類にも関係してきそうです。
操作感
レトロゲームなら問題なしだが・・・
▲ある程度厚みがあるおかげでグリップ感は担保されています。レトロゲームなど、十字キーでゲームをプレイする分には特に問題ないように感じます。
がしかし、縦に長いので使い方に依ってはかなり厳しく、L2R2ボタンに指を引っ掛けながらアナログスティックを操作する使い方だと、親指がつりそうになります。
ボタンは若干軽め
▲ボタンは安定して良い押し心地ですが、シェルの関係なのか若干軽め、というか押したときの音がシェルの空洞に響くような音でちょっとチープに感じます。
▲十字キーも同様に若干柔らかめに感じますが入力には全く問題なく、アナログスティックはいつも同様Switchクローンなものが使われています。
画面・スピーカー
流石の発色の良さ
▲流石有機EL。発色が非常に良く、黒や白が綺麗に表示されます。これはこの端末ならではの優位性ですね。
強いて言うなら、輝度が最近のスマホほど高くないってことくらいですが、気になるほどって感じではありません。RG353Mよりも明るいです。
PSPのピクセルパーフェクトがバキバキ
▲左がRetroid Pocket 3、右がRG505。RG505はPSPの倍スケールの解像度なので、完全にピクセルパーフェクトで遊ぶことが出来ます。PSPやりたくてピクセルパーフェクトに拘る人は、どう考えてもRG505一択です。
スピーカーはそこそこ良い
シェルが大きいおかげなのか、それともプレミアムステレオサラウンド?とスペック表に書いてあるように、ある程度良いスピーカーを採用している。のかは分かりませんが、スピーカーの音質は良いように感じます。
しっかりと左右で音が割り振られているように聞こえて、音量を上げると響き方がダイナミックな感じに聞こえます。
使い方
基礎知識・注意点等
Androidスマホユーザーならスムーズ
基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等は初期設定で導入済みですが、ストレージ設定などは自分で行わなければならないため知識と調べる力が必要です。
Androidにはシステムレベルの遅延がある
Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。
日本語対応していない(記事執筆時点)
問題点としては記事執筆時点での初期ファームウェアでは日本語対応しておらず、インターフェイスが英語表記となってしまっているので注意が必要です。完全に日本語で使いたい方は頑張れば日本語に設定することもできますが、基本的に困ることはありませんし、今後のアップデートで使えるようになる可能性もあるのでそのまま使うのが良さそうです。
Google Play非搭載(記事執筆時点)
ファームウェアアップデートで対応するらしいですが、サンプルの時点ではGoogle Play非搭載なので、Minecraft等の有料ゲームを使いたい場合、現時点では不可能です。
ただ、無料のアプリを使いたい場合にはApkPureやAptoideといった野良アプリを導入できるアプリがプリインストールされているので、そちらで検索すれば大体は導入可能です。
追記:製品版では搭載されているようです。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
・吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1だけを遊びたい!って人はDVDリーダーがあればなんとかなります。
・PC
データを管理するのに必要となります。無くても頑張れば使えますが、有ったほうが間違いなく便利でしょう。ゲーミングUMPCとか持っていたら一石二鳥かもしれませんね。高いですが・・・。
AYANEO 2021 PROのレビューはこちら
・MicroSD
ゲームイメージ用、もしくはカスタムファームウェアを別のMicroSDへ導入する際に必要となります。
・MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
プリインストールされているエミュレータアプリ一覧
▲このようにアプリがプリインストールされています。それぞれの機能は以下。使い方は各エミュごとに異なるので、一つ一つ調べながら使う必要があります。地味に戻るボタンが便利。
とりあえずエミュ機の人はファンクションキー
▲とりあえずエミュ機として使いたい場合には、右側面にあるファンクションキーを押すとこのランチャーが立ち上がります。これは所謂従来のLinuxエミュ機のようなインターフェイスで使えるようになるもので、フォルダの設定のみ行えば、ゲームが一覧で表示されます。
もう一度ファンクションキーを押すとデフォルトのホーム画面に戻り、なかなかおもしろいギミックです。
antutuベンチマーク結果
antutu Ver9.5.2のスコアは
総合スコア:214742
GPUスコア:42965
総合スコア的には、Snapdragon820、665あたりの性能でしょうか。
PS2、GCがそれなりに遊べて楽しい
スコアだけ並べられても・・・って感じの人も多いと思うので、動作テストをいくつか行いました。
▲とりあえずPS2をいくつか遊んでみましたが、キングダムハーツではたまに処理落ちするな?くらいで、個人的には全然許容出来るくらいには遊べます。ほかゲームキューブも風のタクトは問題なく遊べるレベル。
ボタンマッピングも使える
▲性能的に原神も遊ぶことができて、ボタンマッピングも可能で、しっかりとコントローラーに割り当てて遊ぶことが可能です。
ボタンマッピングの方法は以下。
PCゲームをリモートプレイも良い
▲SteamLinkの野良アプリをインストールしてサイバーパンク2077をリモートプレイしてみました。結構問題なく遊べて良い感じです。コントローラー設定もアプリ側で可能なので、意外と使いやすいんですよね。
感想:押さえるところは押さえてる
実際に使ってみて、いわゆる金額・性能のバランスはちょうど良いと感じました。必要最低ラインのCPU性能、有機ELの発色が良いディスプレイ、質の良いシェル等、押さえるところは押さえた端末といった印象。
大きなベゼルや本体の厚み、見た目のバランスは良いけど操作性はあまり良くない、等が許容できれば、良いモデルだと思いました。
あとカラーが3種類ともかなり明るめなものしか展開されていないので、気に入る色が有れば、といった感じでしょうか。
個人的には、コスパや大きな画面サイズに拘らないのであればRG353Mを推したい気持ちです。