ゲーミングスマホってありますよね。それのうちの一つが今回紹介するRedmagic 8S Pro。ゲーミングスマホって言ったってただ性能が高いだけのスマホでしょ?って思うじゃないですか。
私もそう思っていましたが実際に使ってみると、ゲームをよくする人のためにできるだけ快適になるようスペックを調整したり機能を持たせたスマホで、
中華ゲーム機なりUMPCなり何なりと色々使っている身としては、ゲームをするためのスマホ、というよりは限りなくスマホに近いゲーム機といった印象でした。
販売ストア
提供: Redmagic
公式サイト: https://bit.ly/45c6VdU
動画版
スペック&主な特徴
ゲーミングスマホ?
では何がゲーミングなのかを普通のスマホと比較しながら説明すると、
- パフォーマンス:
ゲーミングスマホ: ゲームの高いパフォーマンス要求に応えるため、最新の高性能チップセットや大量のRAMを搭載。
普通のスマホ: 日常のタスクやアプリの使用に適したスペック。 - 冷却システム:
ゲーミングスマホ: ゲームプレイ中のオーバーヒートを防ぐための高度な冷却システムを持っています。今回のスマホはファン。
普通のスマホ: 基本的な冷却機能を持つことが多い。 - ディスプレイ:
ゲーミングスマホ: 高リフレッシュレートや低レイテンシーを持つディスプレイを搭載しており、ゲームの動きが滑らかに表示されます。
普通のスマホ: 一般的なリフレッシュレートを持つことが多い。 - バッテリー:
ゲーミングスマホ: 長時間のゲームプレイに耐えるための大容量バッテリーを搭載。
普通のスマホ: 一日の使用に適したバッテリー容量を搭載。 - デザインとエルゴノミクス:
ゲーミングスマホ: ゲームプレイを強化するための特徴(例: ショルダートリガー、RGBライティング)を搭載。
普通のスマホ: シンプルで洗練されたデザインを持つことが多い。 - ソフトウェアと最適化:
ゲーミングスマホ: ゲームのパフォーマンスを最適化するための特別なソフトウェアやモードを搭載。
普通のスマホ: 一般的な使用に適したソフトウェアを搭載。
文字で並べられても、といった感じだと思うので、このあたりを意識的にレビューで触れていきます。
Red Magic 8S Proのスペック
以下に主要な特徴を簡潔にまとめます。
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Android 13, Redmagic OS 8 |
ストレージ | 256GB/512GB (MicroSDスロットなし) |
ディスプレイ | – タイプ: AMOLED, 120Hz, 1300 nits (peak) |
– サイズ: 6.8インチ | |
– 解像度: 1116 x 2480 pixels (20:9) | |
メインカメラ | – 50 MP (wide) |
– 8 MP (ultrawide) | |
– 2 MP (macro) | |
セルフィーカメラ | 16MP、第2世代アンダーディスプレイカメラ(UDC) |
RAM | 12/16GB |
チップセット | Snapdragon 8 Gen 2 |
バッテリー | 6000 mAh |
充電 | 65W wired, 100% in 40 min |
その他の特徴 | デュアルSIM、指紋センサー (ディスプレイ内)、ステレオスピーカー、3.5mmジャック、NFC、USB Type-C 3.2 |
スペック上での気になる点は、お財布ケータイ機能がなく、防水防塵もありません。
つまり普通のスマホよりオーバースペック気味に機能が搭載されていたり、むしろ普通のスマホでも普通に入っている防水防塵性能を犠牲にしてまでファンを取り付ける、パンチホールを消す、などの工夫がされています。
動画版
開封&内容物
ではまず箱と内容物をみていきます。
▲こちらが箱。全体がシルバーでメカニックなデザインの箱です。Redmagicの文字は偏光しゲーミングな雰囲気。金がかかっています。
▲内容物はこちら。説明書類、USB-C to USB-Cケーブル、電源、SIMピン、本体、専用カバーです。
本体外観
めちゃくちゃ四角い
▲まず手にとって思ったのが、非常に四角い。iPhoneも含めた大体のスマホは四隅の角はなるべく丸く抑えられていて、なるべく手に刺さらないように優しい雰囲気がありますが、こちらのスマホはめちゃくちゃに四角い。昔のXperiaみたいな角の立ち方です。
▲背面デザインもかなり特殊で、黒のガラスでヘアラインが円状に入っていて、中心がファンになっているというユニークなデザイン。しかし指紋はまぁまぁ付きます。
ゲーミングなLED
▲カメラは縦並びで3つ配置。上から超広角、広角、マクロです。シンプルにレンズの突起が有るデザインは結構好きです。
マクロのそのまま左にファンが配置されていて、透けています。ファンが稼働するとLEDが点灯し、また違った雰囲気になります。
あと通知などがあると文字の部分がグリーンに光ります。ゲーミングですね。
▲側面は金属フレームで高級感を醸し出しています。
上側面にはマイクとイヤホン、下側面にはスピーカー、USB-C、マイク、SIMスロット
▲右側面にはショルダートリガー、排気口、電源ボタン、ゲームマイク、ゲームスイッチ、ショルダートリガー
左側面には吸気口、音量ボタン
付属カバー
▲付属のカバーを装着するとこのような感じになり、左右の側面は守られませんがファンやショルダートリガーに干渉しないような形となっています。
▲このカバースタイルはなるべく厚みも少なく、サイズ感がアップしにくいバランスになっているので結構良いなとは思ったんですが、このプラスチックのカバー自体にめちゃくちゃ傷が付きます。
画面・スピーカー
画面
▲おそらくこの端末一番の特徴だと感じるのが、ディスプレイ。ベゼルは限りなく小さく、四隅のラウンドによるデッドスペースもほぼ無く、しかもカメラのパンチホールも無い。凄く良い。まるで画面だけを持ち歩いているような、そういった感覚になります。
ツイッターやブラウジングでは上に時間表示などが出てくるので特に他の6.8インチくらいのスマホと変わりないなくらいに思っていましたが、映画や動画、そしてゲームをした際にかなり嬉しくなるディスプレイです。遮るものがなにもないってこんなに美しいんですね・・・。
また後述しますが、こういったディスプレイなので一体型コントローラーとの相性が非常に良く、あぁなるほどな・・・ってなりました。
ちなみに保護フィルムがデフォルトで貼付け済みなのがありがたい。
スピーカー
スピーカーは下側面と通話口の二箇所から音が出るステレオスピーカーで、ダイレクトに音が耳に入ってきますし、動画鑑賞やゲームには十分な聞き心地です。
もう少し低音が強く出ればな、とは思いますが十分音質が良く、音量も大きく出るので特に不満はありません。
使用感
ベンチマーク
▲AnTuTuベンチマーク結果はなんと160万点。正直なんかもうこれで何をしろと?と感じるスコアです。実際に普段遣いとして使ってみても何の不自由も無いしヌルヌル、というか、8gen1を搭載したZenfone9との違いはもはや特に感じません。原神も最高画質で問題なく遊べます。
バッテリー持ち
またバッテリー持ちもかなり良いなーと思ってPCMarkで測ってみても、100%から20%までで8時間40分。そんなもんか、と、思いましたが、リフレッシュレートを120Hzから60Hzに変更して測り直してみると11時間以上持ちました。使用環境に寄りますが、普段遣いとするならもっと持続するかと。
しばらく使っていて気付いたのが待機時の消費電力がかなり低く、寝て起きて触っても5%くらいしか減ってない・・・みたいな感じです。
バッテリー容量が6000mAhと多めなのが要因なのか、それとも独自OSによる制御が優秀なのか分かりませんが、普段遣いだけならば3日は余裕で持つのでは・・・?といった感じです。
あと65W急速充電対応なので、100%になるまで40分で充電できます。早すぎる。
あと別のランチャーを入れたいなと思っていたんですが、OSによるチューニングのおかげなのかしばらく使っているとデフォルトのホーム画面に戻ってしまいます。ここは少し不満。
片手では厳しい
▲6.8インチというファブレット的もしくはPro Max的サイズ感、厚み実測値9.7mmと厚め、重量実測値227gと重めである等のことから、片手で使用するのはまぁ厳しいです。普段使いで使用するとなると左手で持ち、右手で操作するのがデフォルトとなりそうです。
画面内指紋認証、顔認証対応
パンチホールとかが無いからインカメラ無いのかーと思いきや、なんとディスプレイの裏側にカメラが配置されているので顔認証は可能、指紋センサーも画面内にあるので、親指を画面に添えるだけで認証されます。
どちらの認証も欲しい!という方にとっては満足できる仕様ですね。
指紋認証の速度はボタン型の指紋センサーに比べると多少遅く感じますが、十分早いと感じます。
MicroSD使えない
外部容量としてMicroSD使えないのが悲しいですが、まぁ下位モデルでも256GBあるので、Androidとしては普通に十分だと感じました。
カメラ
▲ハイエンドなCPUのおかげで画質は良い上、カメラも即起動し簡単にさっと撮ることが可能です。撮った写真は他のハイエンドスマホと同じくらいのクオリティで、妥協していない感があり良いと感じました。
▲左がZenfone9、右がRedmagic 8S Proです。夕方ごろの風景ですが、しっかりとブレず光も飛ばず撮れています。設定はデフォルト何も変更せずデフォルトでコントラストが若干強めに出る今っぽい写真だと感じました。
▲近くの物を撮ったのがこちらです。どちらも二倍ズームで撮影しましたが、若干Redmagicの方が明るいかな、くらいの写りです。
インカメラはディスプレイの内側に存在するのでかなり白っぽくなってしまい、とてもインスタ投稿できたものではないですが、ゲーミングスマホで自撮りする人はまぁ居ないでしょう!という割り切りの思想が見えて良いですね。
冷却ファンが面白い
▲本端末のおそらく最大の推しがこの冷却ファンです。冷却ファンが搭載されていることにより高解像度、過負荷のゲームを長時間プレイしても発熱量を抑えられて、発熱によるカクツキやゲームが落ちるといった現象を防ぎます。
実際触ってみてもこれによりかなり発熱を抑えられますが、ホコリとかが溜まっていきそうなのがちょっと心配です。
ゲームに特化した機能を多数搭載
また、本端末はゲーミングスマホというだけあってゲームに特化した機能を多数搭載しています。
ゲームスイッチ
▲ゲームスイッチはスライドさせることで、ゲームのメニュー画面のようなビジュアルとなり、ゲームにフォーカスできるようになり、設定を行った上で起動できたりと、豊富な機能が搭載されています。
とは言っても、一度諸々設定すれば通常のメニューから起動しても反映されるっぽいので、無理に使う必要は無いかな、と感じます。
言うとすれば、スライドさせることで一瞬でメニュー画面に戻ることができるので、メインスマホとして使っている際、ゲーム機としてオンオフできるスイッチ、みたいな使い方ができる点がメリットですね。
オーバーレイ
▲ゲーム中に設定変更したいのであればこのように左右上から中心に向かってフリックすることでオーバーレイが表示されます。こちらは同様の設定が可能で、リフレッシュレートの変更やファンのオンオフ、スクリーンレコードまで可能です。
リフレッシュレートは最大120Hzで、自動に設定しておけば用途によって自動で切り替わってくれてバッテリーの消費量も抑えられます。便利。
ショルダートリガー
▲そしてまた独自機能なのが、ショルダートリガーです。
こちらはいわゆるボタンではなく、振動でのフィードバックがあるタッチセンサーなのですが、設定をすることでタッチパネルにショルダートリガーを割り当てて、LRボタンのように使うことが可能となります。
主にFPSなどで活躍しそうな機能ではありますが、残念ながら私はFPSをやらないのであまり使うことがなさそうです。一応使えるので、一部ゲームでは使ってみようとは思いますが・・・。
一体型コントローラーで真価を発揮
▲そして何より良いと感じたのが、こちら見てください素晴らしい。ベゼルレス&パンチホール無し&四つ角のラウンド無しディスプレイなので、一体型コントローラーを装着した際に完全にコントローラーのようなビジュアルになります。この一体感がたまらなく良いです。
コントローラー操作に対応しているゲームであれば問題なく遊べますし、独自機能によりタッチパネル割り当ても可能です。可能ですが、細かい設定が出来ない上、色々弄っていたらなんか反映されなくなったり・・・と若干不安定な印象です。
▲GameSir X2と組み合わせるとこのようになります。縦幅がほぼ同一で、こちらもこちらで一体感があります。
▲ちなみにRedmagic Shadow Bladeという一体型コントローラーも有るらしいですが・・・こ、これはGameSirさんが作っているんですかね?ビジュアルが同じ過ぎますね。でもクリアブラックなのがオリジナリティあってちょっと欲しい。
あと今は無理ですけどRazer Kishiも試してみたいですね。そのうち買います。
感想
正直言うと、私は小さいモノが基本的に大好きなので、大きいスマホはな・・・と思っていたんですが、このパンチホールレスな四角いベゼルレスディスプレイ、ゲームフォーカス機能とここまで振り切っちゃうと確かにゲーム機だ・・・という気持ちになりました。
特に一体型と組み合わせた際に、あ、これだよこれこれ、となります。一体感が非常に素晴らしい。まぁかといってコントローラーを装着せずに遊んでも、スイッチでJoy-Conを外してそのまま遊んでいるみたいな感覚になって、これはこれでゲーム機感があって悪くないんですよね。
メインスマホとして使うには個人的には大きすぎる、お財布ケータイが無い、ファンの吸気口に水が入って水没しそうで怖いなどといった事があるので少し私の用途とは合いませんが、ここらへんが気にならない人であればカメラ性能も結構良いので普通に使えそうです。私の印象としては、限りなくスマホとして使えるゲーム機!みたいな感覚。
あとは金額ですよね。下位モデルで11万くらいなので高い・・・と、思いきや、最新のiPhoneは一番安いモデルでも12.5万なので、普通に安く感じてきました。なんかAppleのせいで金銭感覚がバグりつつある最近です。