Powkiddyが新しく折りたたみモデルを出しました。実はかなり先陣を切って折りたたみモデルを出していたのはPowkiddyなんですが、昨今の折りたたみブーム(?)に負けじとなのか、それのアップグレードモデルといった形のV90Sです。
昨今の折りたたみの中では割と独特なモデルで、コストダウン&実際価格も安めというのが最大の特徴。Powkiddyらしい攻め方のハードです。
販売ストア
価格は公式ストアにて通常価格が44.99ドル、プレセールで39.99ドル(購入時レートで約6000円)で購入しました。かなり安い。より安く購入を狙いたい方はAliExpressで。
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動画版
スペック&主な特徴
POWKIDDY V90Sとは
POWKIDDY V90Sは、ゲームボーイアドバンスSP風の折りたたみデザインを採用した、レトロゲーム特化型の携帯ゲーム機です。前モデルである「V90」の後継機であり、より高性能なチップセットと広い互換性を持つのが特徴です。
ディスプレイは3.5インチ 640×480のIPS液晶を搭載し、4:3のアスペクト比により、レトロゲームの表示に最適化されています。フルラミネーション仕様で視認性も向上しています。
チップセットにはAllwinner A133 Plus(クアッドコア Cortex-A53 最大2.0GHz)を採用。メモリは1GB DDR3、ストレージはデュアルmicroSDカードスロットで拡張可能(OS用とゲーム用に分離)、OSはLinuxベースで、Batoceraが採用されています。バッテリーは3000mAhで、USB-Cポートからの充電に対応し、最大6時間程度のプレイが可能です。
折りたたみ式ながら堅牢なヒンジ構造を持ち、ゲームボーイ、ファミコン、スーファミ、メガドライブ、PS1などの2D中心のレトロゲームに加え、ニンテンドーDSやPSPなどの軽量3Dゲームにもある程度対応しています。
カラーはイエロー、レッド、グレー、クリアブラックの全4色展開。
開封&内容物
では開封していきます。

箱は黄色で統一されたデザインで、下部にV90Sの印字があります。

内容物はこちら。USB-Cケーブル、説明書、本体です。保護フィルムは付属せず、最低限の梱包って感じですね。
本体外観
では実際に使いながら見ていきます。
ファーストインプレッション

今回はもちろんクリアカラーがあるのでクリアブラック。
前モデルのV90は結構コンパクトだったのでそれに近いもの想像していたのですが、本モデルは結構…あれ?って感じでした。想像以上にでかい。この時点で結構違和感センサーが働いていたんですが、開いてみると更にあれって感じになりました。
端的に言うと、オリジナルのGBASPよりも大きく、最近手にしたRG34XXSPやMiyoo Flipよりも大きいサイズ感、RG35XXSPと同じサイズ感なんですよね。おやおや。
開いてみるとヒンジの具合は滑らかで悪くないですが、やはりPowkiddyらしく、全体的なシェル質感のチープさは感じます。価格を考慮すると健闘って感じですけどね。
ボタンレイアウト

ボタンレイアウトは、右側にABXY、
左側に十字キー、
中央上部にメニューボタン、
中央にスタート・セレクトボタン、
左下にスピーカー
があります。
下端にインジケーターがあり、閉じていても一応見えるようになっています。いや、クリアシェルだからか?

液晶裏にはPowkiddyのシールが貼ってあり、
背面にはバッテリー蓋があり、蓋にさりげなく製品情報などのプリント。

上側面には左から、L1L2、USB-C(充電用)、USB-C(コントローラーなど用)、R2R1と並び、下側面には特になにもありません。
イヤホンジャックはないので、有線イヤホン派の人は注意。

左側面には、ストレージ用MicroSDスロットとボリュームボタン、右側面には、システム用MicroSDスロット、電源ボタン、リセットボタン。
ディスプレイ部分の厚みは実測値で約7.5mm。グリップ部分の厚みは約19mm。
他ハードとの比較

ではRG34XXSPと並べてみます。サイズ感としては若干大きめ。手に取った印象としても、厚みの大きさで結構異なるように感じます。
RG35XXSPとはほぼ同サイズ、画面サイズも同じく3.5インチで、ベゼル周りも含めここを目指して作ったんだろうな?という印象です。
ざっくりいうと縦幅はほぼ同じ、横幅が大きめといったバランスです。
開き角度などはオリジナルのSPと同等で、特段悪くないと感じます。
操作感
グリップも特になくフラットな形状。厚みがそこそこあるのでしっかり握れて重く感じません、横幅も多少あるので、しっかり握れます。
重量は実測値で190グラムと軽め。

ABXYボタンと十字キーはここが大きな違いですかね、オリジナルを含め、他のSPモデルでは薄いボタンですが、本機は通常のボタンとなっています。
ボタン感触はプチプチとしたドームスイッチではなくメンブレンのラバー感触。Powkiddyらしい軽めで若干遊びのある感触。
スタートセレクト、ホームバックボタンはカチカチとしたタクトスイッチです。非常に硬めで、音の鳴りはかなり大きくチープに感じます。

十字キーの感触もメンブレンのラバーで、こちらもフニャッとした柔らかい感触。シーソーは可能で、入力自体は特に問題ないように感じます。
Powkiddyこれまでのモデルと比較するとやはり若干高さは低いように感じます。

ショルダーボタンL1L2R1R2は段差がついていて、押し分けやすくなっています。感触はタクトスイッチ。同じく音の鳴りは結構大きめです。
画面・スピーカー
画面サイズ・解像度

ディスプレイは3.5インチで640×480でアスペクト比4:3のザ・標準液晶。
中華ゲーム機で一番多く採用されているもので、レトロゲームに最適な解像度ですね。
ベゼル

ベゼルに関しては、折りたたみの仕様上ボタンとの兼ね合いもあるとは思いますが、画面の奥行きが強めな点が気になります。
上下左右均等なベゼル幅なのは良いですね。
明るさ・発色
ディスプレイ輝度は高め、眩しいくらいの明るさとは言えないものの、十分な明るさだと感じます。助かります。
スピーカー
スピーカーはフロントスピーカーで音質は標準的、ちょっとザラっとした音色。シングルスピーカーなのでステレオ感は無いもののダイレクトに聞こえるのが良いです。
手に直接覆い被さることはないので塞がれることはありません。
使用感
メニュー画面

搭載されているのOSはBatocera。基本的にはEmulationStationのグラフィカルなメニュー画面で、RetroArchで動くスタンダードなOSです。日本語化も可能。

使い方はいつも通りシンプルで、タイトルを選択して起動、ゲームをプレイ中にメニューボタンを押すことでメニュー画面が表示される
かと思いきや、メニューボタンは機能せず、セレクト+Xボタンを押すことでメニュー画面が表示されます。あるあるなんですよね、ボタンとして機能はするけど割り当てられていない。割り当てることは可能ですが、デフォルトでメニューボタンをホットキーに割り当てて欲しい。
ゲーム内メニューではRetroArchが開きます。ボタン組み合わせによるショートカットキーも機能します
機能説明 | 操作方法 |
---|---|
メニュー表示/非表示 | Select + X |
ゲーム終了 | Select + Start(ダブルクリック) |
ステートロード | Select + L1 |
アナログスティックと十字キー切り替え | Select + L2 |
ステートセーブ | Select + R1 |
早送り(再度押すと解除) | Select + R2 |
FPS表示 | Select + Y |
スクリーンショット | Select + B |
ポーズ | Select + A |
画面明るさ上下 | Select + ボリューム上下 |
ステートスロット変更 | Select + 十字キー左右 |
※原則RetroArchのみの動作で、一部エミュレータでは異なります
初回起動時について
初回起動時はなぜか起動せず、
別途用意したMicroSDのルートになにかしらのデータを
roms/gb/ゲームイメージ.gb
のようにを導入し、TF2のスロットに入れて起動すると自動的にフォルダ生成されました。
その後は生成されたフォルダにお好みで追加していく感じです。
ファームウェア
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。

MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

ゲームをプレイ

チップセットはA133P、Trimui Brickなどと同じもので、性能的にも同等です。PS1まではバッチリ、64やPSPはタイトルによっては動く程度。
しかしまぁ、アナログスティックがそもそもないので、2Dのレトロゲームを遊べれば十分でしょう。
あと注意点としては、端末を閉じてもスリープになったりしません。Miyoo FlipやRG34XXSPなどはまさにSPのようにスリープされていたんですが、そこは対応していないので注意。
感想
感想としては、やっぱPowkiddyやね〜といった印象。特筆してズバ抜けて良いところは特になく、あくまで価格の安さに特化して、周りのメーカーに追従した折りたたみモデル、といった感じでしょうか。
質感やボタン感触だけでなく、OS的にも閉じてスリープできなかったり、最適化されていないような印象です。使い勝手的にもMiyooやAnbernicのストックOSの方が快適に感じました。まぁPowkiddyのOSはいつもそんな感じで、有志のCFW導入前提って感じですけどね。
ここ最近は空前の折りたたみブーム、ボタン感触の違いやアナログスティックの有無、多様な画面サイズなど色々出ているので、比較検討しながら選んでみてください。