Powkiddyからかなり安めで個性的なハードが出たので珍しいなと思い購入してみました
いわゆる縦型フォームファクタで、端末自体が正方形に近い、ゲームボーイをぎゅっと圧縮したようなプロポーション
珍しいと言っても昔出たモデルの焼き直しのようなスペック構成なので、実際に手に取ってみると新鮮さよりも懐かしさを強く感じる端末です。
販売ストア
・AliExpress
・公式ストア
金額は公式ストアにてセール価格で40ドル。ちなみにAliExpressの方が安いです。5000円ちょっとで買える。私が公式ストアで買ったのより安いです。
動画版
スペック&主な特徴
Powkiddy V10
Powkiddy V10はいわゆるエミュ機と呼ばれている端末で、Powkiddy社の縦型、VerticalモデルのLinux機です。
3.5インチの解像度が480×320で、アスペクト比が4:3ではなく3:2です。そしてバッテリーは3000mAh、チップはRK3326、つまりこのハードはRG351の世代、一昔前のエミュ機の仕様なんですよね。
カラーはグレー、カーキ、クリアブラック、クリアパープルの4色展開。
性能的にも現行機から劣りますが、価格の安さと、何よりGBAがピクセルパーフェクトで遊べるのが大きい特徴だと思います。
開封&内容物
では早速開封していきます
箱はいつも通り超絶シンプルでPowkiddyのロゴとモデル名の記載のみ。ちょっとつぶれてますがしっかりした硬い箱です。
内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、説明書のみ。安価モデルならではの最低限のセットという印象です。
本体外観
クリアブラックはボタンがブルーという、あまり見ない組み合わせだったので選択。
まず最初に手にとって思ったのは、思ってた通り大きいな、です。
というのもプロポーション的にAnbernicのRG280Vを想像する画面・コントローラーのバランスですが、あちらが2.8インチ、こちらが3.5インチでしかもアスペクト比も違うので、全然印象違うだろうな~と想定していたからです。
質感はつや消しのクリアで、ヌルっとマットな触り心地。密度感やビルドクオリティは最近のPowkiddyといった感じで、悪くないです。
ボタンレイアウトは右側にABXY、プラス、
左側に十字キー、マイナス、
下部にスタートセレクトボタン。
中央にフロントスピーカー、そして右下には初代ゲームボーイモチーフなラインが入っています。
背面にはバッテリーカバー、モデル情報の印字、ショルダーボタンがL1L2、R1R2と並んでいます。
左右側面には何も無し。
厚みはグリップ部分は22mm、ディスプレイ部分は14mm。厚めではありますが、嫌な感じはしません。
上側面には左から充電用USB-C、コントローラー等用USB-C、リセットボタン、電源ボタン
下側面にはシステム・ストレージ用MicroSDスロット、イヤホンジャックです。
ストレージがシングルなのもちょっと古い仕様といった感じがしますね。
他ハードとの比較
プロポーションが似てるAnbernic RG280Vと並べてみたのがこちら。やはり一回り大きいような印象、それに加えてV10はショルダーボタン部分が出っ張った作りになっているので、その分RG280Vはよりスマートに感じます。
同社PowkiddyのRGB20SXと並べてみたのがこちら。素材感は同じであるものの、ディスプレイサイズ・比率が大きく異なるので、見た目も遊んでみた感触も全くの別物のような印象です。
一番近いサイズ感なのはMiyoo Mini Plusだと感じました。こちらは同じく3.5インチですが一般的な4:3比率なので少し画面が縦長な上、ほぼベゼルレスなデザインなのでより横幅が少なく抑えられています。
一方V10は3:2の横長ディスプレイで、ベゼルも少し大きいのでより横に大きくなっているのかな、というバランスです。
あと私は持っていないんですが、過去に発売されたRGB20が同じ仕様なので、それ更にミニマルにしたような感じでしょうか。
操作感
ボタン類はいつも通りです。最近流行りの?ツルッとした質感のボタンではなくザラッと、アルファベットは印字ではなく彫り込み、ラバーの押し心地は少し軽めですが戻りも良く遊びも少なめで悪くないです。
スタートセレクト、プラスマイナスはカチカチのタクトスイッチです。結構固め音大きめのバチバチと鳴るタイプ。
十字キーはボタン同様のラバーの感触、シーソーも可能です。
ショルダーボタンは地味に過去モデルと違った仕様になっていて、側面まで滑らかに繋がるようなディテールになっています。手に馴染むような形状になってて良いです。
ちなみにRGB20SXでは出っ張りというかボタン部分が大きく飛び出しています。ひづめのようなビジュアル。
押し心地は同じくカチカチとしたタクトスイッチですが、おそらく形状の問題なのか、過去モデルでは低い音だったのが高い音に変わっています。
画面・スピーカー
画面
画面はやはりGBAをピクセルパーフェクトで遊べて、実機よりも大きいのでかなり良い感じにはなります。GBA専用機と言っても過言では無いと思います。
しかしGBA以外を遊ぶとなると解像度の問題で、ピクセルの崩れが気になってきます。なのでFCやSFCなどを遊ぶのであれば、VGA画質、640×480の液晶を搭載したハードの方が圧倒的に良いでしょう。
個人的に気になるのは輝度の低さです。現行機、特に正方形ディスプレイ等と比べると最大輝度が低いので、明るい場所では多少遊びにくいように感じます。
スピーカー
スピーカーはシングルではあるものの、フロントスピーカーとなっているのでダイレクトに音が聞こえて良いです。
イヤホンジャックがあるのでもちろんイヤホンで遊ぶことも可能。
使用感
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
メニュー画面の構成
搭載されているのはArkOSでした。今流行りのROCKNIXでないのも意外ですね。馴染が有るLinuxの、Emulation Stationなメニュー画面で、縦でカテゴリ選択してタイトルを選んで起動といった形です。シンプルでグラフィカルなメニュー画面。
別のOSでも使えるみたいなので、色々試してみるのもありかと思います。
メニューボタンは?
さて、この端末にはいわゆるメニューボタンとボリュームボタンがありません。なのでどうやって使えば良いんだ?という感じですが、ボタンの組み合わせです。なのでどうやってやろうか・・・と思って説明書を読みますが、書いてあることが全然違うんですよね。
基本的には左側のマイナスとボタンの組み合わせでゲーム終了したりRetroArchのあれこれ、そして右側のプラスと十字キーで音量と明るさ調整といった感じです。
・メニューを開く:マイナス+X
・ゲーム終了:マイナス+スタート
・ゲームリセット:マイナス+B
・クイックセーブ:マイナス+R1
・クイックロード:マイナス+L1
・早送り:マイナス+L2
・停止:マイナス+A
・スクリーンショット:マイナス+Y
・音量調整:プラス+左右
・明るさ調整:プラス+上下
明るさ調整はまだしも、ボリュームボタンは単独で欲しいなと切に思いました。
ゲームをプレイ
遊び心地としては何回も言うように、GBAを遊ぶ場合にはディスプレイ的に最適だと感じます。
性能的にはPS1まではバッチリ動作で、画面比率的に横長なPSPも結構良いんじゃないかと思うかもしれませんが、性能的にPSPや64は厳しいと感じます。あくまで2Dレトロゲーム用と割り切るのが良さそうです。
どちらにしろアナログスティックが無いので、遊べたとしても厳しいですよね。
感想
古いチップで仕様を切り落としてレトロゲームに最適化、そしてその分金額もかなり安価に設定できていて、Powkiddyらしいハードだと思いました。
正直これ買うなら別に古いハードを今買うのと同じなのでは?くらいの仕様ではあるんですが、一応最新のPowkiddy品質でつくられているので、無しではないかな、くらいの感触です。何より安いですし。
下手に安い謎メーカーの中華機を買うより断然おすすめです。