Kindleを買って以来、E Inkディスプレイっていいなぁって思ってるんですよね。
目に優しく、本当に紙で読んでいるような感覚が非常に新鮮で、そして何よりバッテリー持ちの良さが液晶と比べるととんでもない大差。
しかしまぁちょっとだけ大きいなって思っているのがありまして、スマホくらいのサイズ感のモデルがあったらいいのになって思っていて、探していたんですよね。
したら提供いただけることになったのでありがたく使っていきます。
販売ストア
・Amazon
・公式HP
価格はレビュー作成時点で、公式ストアの通常価格が65,133.99円。Amazonで62,799円。チップセットの割に高く感じるかもしれませんが、そもそもE Inkを採用した製品は割高です。
動画版
スペック&主な特徴
Bigme HiBreak Proとは
Bigme HiBreak Proは、電子ペーパー(E Ink)を採用したAndroidスマートフォンで、読書体験とスマート機能の両立を目指したハイブリッド端末です。スマホとしても使える本格派E Inkデバイスであり、5G通信や他製品に比べて高性能なチップセットも搭載されています。
最大の特徴は、6.13インチのE Inkディスプレイと、5GデュアルSIM対応という構成で、スマホと読書端末を1台で完結できる点。さらにBigme独自の「SSS高速リフレッシュ技術」により、21fps相当の滑らかな描画が可能で、従来のE Inkとは一線を画す操作感を実現しています。
ディスプレイは6.13インチ・300ppiのE Ink Carta 1200(白黒)を採用。マットな質感と高い視認性で、日差しの下でも快適な読書が可能です。特許取得済みのゴースト除去技術も搭載されています。
カメラはリアに20MP、フロントに5MPのデュアル構成で、OCR(文字認識)に最適化されたスキャニング機能を備えています。ドキュメントのデジタル化が手軽に行える設計です。
プロセッサにはDimensity 1080(2.6GHz/8コア)を搭載し、8GB RAM・256GBストレージを内蔵。Android 14ベースのOS上でGoogle Playにも対応しており、通常のスマートフォンアプリも利用可能。NFC・赤外線・GPS・電子コンパスなども完備し、ナビやスマート家電操作も可能です。
バッテリーは4,500mAhと大容量で、18W急速充電に対応。電力消費の少ないE Inkとの相性も良く、長時間の連続使用に向きます。
カラーはブラックとホワイトの2色展開。Felicaには非対応ながら、グローバルバンド対応のデュアルSIM構成で、日本国内でも広範なネットワークに対応します。
開封&内容物
では早速開封していきます。

箱はこちら。白を基調としたシンプルなデザイン。

内容物はこちら。USB Type-Cケーブル、SIMピン、説明書、本体です。本体はケース付きでした。
本体外観
ファーストインプレッション

ぱっと見は本当にただのスマホといった印象で、正直サイズ感に対してベゼルの厚みなどをみるに、少し野暮ったさを感じ、少し昔のスマホかな?くらいの印象を受けます。
質感に関しても金属を採用しているわけではなく、おそらく全体的にプラスチックなので高級感もありません。まぁかといって極端にチープな感触といったわけでもないので、許容できます。が、過度な期待は禁物です。

背面は完全にフラットでサラッとした手触り。指紋などもつかないような素材感です。カメラレンズも一体なので、ガラスっぽそうですね。側面はツルッとしていて、若干丸みを帯びて握りやすくなっています。
そして一応カメラも搭載されているんですが、このカメラレンズに関しても出っ張りがなく、完全にフラットです。平置きでもガタガタせず、いいですね。
しかしそれは本当にぱっと見の印象だけで、実際に手に取って起動した瞬間に変わります。変わるというか、本当に、何だこのスマホ…って感じです。明らかに異質。
インターフェイス

左上にレンズ、下にフラッシュがあります。
左下に黒でBigmeの印字。結構目立ちますね。カメラと共に、白くしてもっとミニマルな感じにしてくれればいいのに…と個人的には思います。

右側面には電源ボタン、ボリュームボタンがあります。
左側面には割り当て可能なファンクションキーが二つあります。

上側面にはマイク、赤いのはIR(赤外線)とのこと。
下側面にはスピーカー、USB-C、SIMスロット、マイク。
iPhone 15 Proと比較

サイズ感がわかりやすいよう、iPhoneと並べてみました。どちらかというとPro Max的なサイズで、E Inkリーダーとしてはかなり小さめではありますがコンパクトとは言えないかな、といったサイズ感です。
画面・スピーカー
画面

ディスプレイは本当に独特で、6.13インチ・300ppiのE Ink Carta 1200ディスプレイ。そもそもE Inkのディスプレイって独特で、誇張表現抜きで紙を見ている様な感覚なんですよね。モノクロディスプレイで、黒の粒子が動くような感覚。
実際、黒の粒子が動くタイミングで電力消費がされるので、一度表示されたものはそのまま残り、常時表示のような使い方が可能です。実際、スリープ時にずっと時計やカレンダーを表示しておく機能が備わっています。
そしてその性質上、いわゆる液晶のバックライトパネルではなく、フロントライトパネルなのでより紙っぽい見え方になってるんですよね。こればかりは体験してもらわないと実感はできないと思うので表現が難しいですが、いわゆる一般的な液晶や有機ELとは全くもって別物だと考えてもらえれば。
あとデフォルトで反射防止仕様となっていて、これもかなり見え方に与える影響として大きいかなと思います。何か貼られている様にも見えるので、フィルムが貼ってあるのかもしれません。
ただ本当に正直にいうと、見え方としてはKindleの方が綺麗かなと感じました。表示の問題なのか、ディスプレイサイズ、解像度、OSの問題なのかわかりませんが、こちらは若干ジャギー感がある様に感じます。

ベゼル幅に関しては、一般的なスマホと比べると大きめな上、上下左右均一ではありません。しかしまぁ、それがスマホとは違う印象をもたらしてくれますし、全体が白で統一されてるのは個人的に好きです。
ラミネーションはフロントライトの影響か、結構表面のガラスと間が空いているように見えます。これに関しては少し残念ですが、まぁ仕方ないかなとも思います。
ディスプレイの明るさ、見え方に関しては液晶とは全くもって逆で、むしろ明るい日中は太陽光のもとでバックライト無しで見るくらいがかなり見やすく、紙の見え方と同じような雰囲気で楽しめます。
逆にいうと、フロントライトを結構しっかり目に強くしてしまうと、ちょっと画質が荒い感じの液晶、みたいな感じに見えてしまうので、極力フロントライトは小さめで使っています。明るさ自動調整機能も搭載されているのですが、ちょっと明るすぎる感じになってしまうので、手動で調整しています。
スピーカー
スピーカーは下部と通話口のスピーカーがあり、どう考えても動画視聴用途に適していないはずなんですが広がりがあるように聴こえるダイナミックな音色で、悪くないです。逆にどうして。
まぁ動画視聴というよりは、音楽プレイヤー的な使い方も想定しているのかもしれませんね。
イヤホンジャックは無いですが、Bluetoothの対応コーデックは以下です、
・LDAC
・AAC
・SBC
使用感
スマホサイズが便利
本機は一般的な電子書籍リーダーに比べてかなり小さめで、スマホと同じ感覚で使えます。というかSIM対応もしているので、本当にスマホとして使えます。
スマホとしてはスペックやE Inkの仕様から使いやすいとは言い難いので、ネットに繋がる電子書籍リーダーとして、もしくはいわゆるデジタルデトックスのように運用するのが良さそうです。
ただ個人的には、さらに一回り小さいモデルが欲しいなとも感じました。もちろん現時点で文庫本よりも小さいサイズで悪くないんですが、本当に手のひらで収まるサイズのコンパクトでバッテリー持ちが良い電子書籍リーダーとかあったら良さそうだな…って。
指紋認証・顔認証あり

指紋認証はもちろん搭載で、電源ボタンに触れるだけでスリープ解除可能。顔認証にも対応しています。やはり持ち運んで使うことを想定していると思うので、認証系がしっかりしているのは安心感がありますね。
ベンチマーク
この端末のチップセットはDimensity 1080で、
AnTuTuベンチマークを測ってみると
総合スコア:465656
CPU:142185
GPU:96121
総合が約46万、CPUが14万、GPUが9万となりました。
大体G99と同じくらいのスコアですね。ここ近年のスマホとしては価格を考慮すると低めの性能ですが、実はE inkスマホとしては最高レベル。そしていろんな中華Androidガジェットを使っている身としては、思ったより高い実用的なレベルじゃん?って感じました。ええ。
バッテリー持ち
バッテリーはめちゃくちゃとても長持ち。容量の問題ではなく、E inkの仕様上とにかく消費電力が少ないので、余裕で一日持つどころか、電子書籍リーダー的な使い方であれば1週間は余裕で持つ印象です。
スマホ的な動作で持続時間を検証してくれる、PCMarkで持続時間を測ってみたら約10時間でした。あくまで参考まで。
OS・動作感
やはり動作感としては快適とは言えません。キビキビとした動作はなく、どうしてもE Inkの仕様上、残像感があるような感じで、一応スマホ的な操作、ブラウジングや軽いゲームなどは動くものの、もたつく感じがあるので、割り切って使った方が良さそうです。
ただストレージは256GBあって潤沢なので、漫画を大量に詰め込んだり、なんか色々とゲームなど試してみるのは良さそうですね。もちろんプレイストアも入っているので、大体のアプリはインストールできます。
OS的にはE inkでなるべく使いやすいように、シンプルな線画のホーム画面だったりキーボードだったり工夫されていますが、あくまで標準的なAndroidなので、もうちょっと何か工夫できるんじゃないかなって思ったりします。あとなんかたまに翻訳おかしかったり、そもそも翻訳されてなかったりします。なんで。
便利機能

いいなと思った機能としては、側面にボリュームボタンっぽい感じでファンクションキーが二つついていて、それをいろんな機能に割り当てることができます。
デフォルトでは片方音声文字書き起こし機能で、別に使わないので、普通に戻るボタンとかホームボタンとか割り当てました。なんかホームボタンの物理キーがあるスマホって懐かしいですね。
他にもページめくり機能とかあったんですが、Kindleでは機能しないようで諦め、Kindleで本を読む際にはボリュームボタンにめくるを割り当てて解決しました。かなり快適。

他にも特徴的な機能で言うと、アプリによって表示のさせ方をカスタマイズできます。特にカスタマイズしなくても見れれば何の問題もないのですが、場合によってはこう、文字だけ浮かび上がらせたいとかそういった使い方をしたい場合に多少調整できるって感じですね。
カメラ

不思議なのが、カメラが搭載されている点です。正直なんで?って気持ちにはなっているんですが、文書を読み込んだり、バーコードを読み込んだりって感じでしょうか。ポケットカメラみたいな見え方で面白いのでヨシっって感じです。
感想
正直、E inkを採用したAndroid端末はここ最近で一番欲しかった製品なので、かなり期待値が爆上がりしてしまっていて、期待を上回ることはなかったのですが、まぁ欲しかったものそのものではあります。
本当にE inkのディスプレイって独特で、割高ではありながらも、使っていくうちにどんどん染み込んでいくような良さがあります。
本機はスマホの見た目をしているだけで、スマホとは全く違ったデバイスで、あくまで読書やプラスアルファの使い方ができるもの。そして何よりバッテリー持ちも心配しなくていいので、外出先や、旅行とかに持って行ってガシガシ使いたいな、という気持ちです。とにかく積み本が多すぎる。