でっかいやつが帰ってきた!
みなさま覚えてるでしょうか
ちょうど昨年の今の時期くらいにレビューしたかなりビッグなビジュアルのAndroid機『RG405V』
それのアップグレード版のようなものが出ました。その名もRG406V。デザインそのまま、中身がアップグレードされたようなモデル・・・だと思っていたんですが、その他にも色々グレードアップしていました。
販売ストア
価格は公式ストアにて通常価格が24,799円+送料、発売開始から3日間限定で1500円オフです。
動画版
スペック&主な特徴
ANBERNIC RG406Vとは
RG406VはOSにAndroidが搭載されたいわゆるエミュ機と呼ばれている端末で、Anbernic社のメインシリーズの商品の一つとなっています。
4インチディスプレイのVertical、つまり縦型なのが特徴で、チップセットは40『6』とあるようにAnbernicの中で第6世代、『Unisoc T820』が採用されていて、現状同社製品の中で最高性能。RG Cubeも同じチップ。バッテリーは5500mAh。
カラーはクリアブラック、ベージュホワイト、グレーの3色
過去に発売された『Unisoc T618』を搭載した『RG405V』とほぼ同じデザインに見えますが、スペック意外にも細かく変更があり、
・ディスプレイが640×480から960×720
・Androidバージョンが12から13
・スティックがLED搭載&背の高いものに変更
・1080PのDisplayPort出力に対応
などです。
開封&内容物
では早速開封していきます。メーカー提供による先行レビューです。
今回は本体と別売りのケースも同封されていました。シンプルなハードケース。特別感は特になく普通です。梱包の問題なのか、ちょっと歪んでいました。このようなことがあったら、メーカーに言いましょう。
箱のデザインはこれまで通りのシンプル線画デザインです。最近は全部統一されていますね。
内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、説明書、ガラスフィルム。ガラスフィルムが付属するのは助かりますね。
本体外観
今回は定番のクリアブラックを選択。全体的に丸みを帯びていますが、それでいてグリップもしっかり、厚みもしっかりと作っているのでかなりゴツゴツとしている印象です。
いつもどおりのAnbernicのシェルといった印象です。サラサラとした半透明なプラスチックで、ビルドクオリティはしっかり、ひねってみても軋みは感じません。
手に取った印象はRG405Vと全く同じでかなり大きい。グリップもしっかりしているので、一般的な外部コントローラーに近いようなサイズ感に感じます。
ですが、後述しますがRG405Vの時に感じたような大きさには感じません。自分の感性・嗜好が微妙に変わったというのもちょっとあります。
ボタンレイアウトは右側にABXY、左側に十字キー、中央にホーム・戻るボタン、下部にデュアルアナログスティック、スタートボタン・セレクトボタンとあります。
アナログスティックはかなり内側に寄っていて、少しでも快適に操作できるよう工夫されたレイアウトになっています。
背面にはR1R2L1L2と並んでいて、中央にファンの吸気口、そしてグリップの膨らみが大きく作られているのが特徴。
上側面にはUSB-C、ファンの排気口、下側面にはステレオスピーカー、中央にイヤホンジャック。
左側面にはファンクションキー、MicroSD、右側面にはボリュームボタンと電源ボタン。
ファンクションキーは実質インターフェイス切り替えスイッチです。
RG405Vと全く同じです。
他ハードとの比較
同じく4インチの縦ハード『RG40XX V』と並べてみました。ほぼ同じサイズ感ではありますが、角が丸かったり厚みが大きかったりするので、406Vの方が明らかに大きく感じます。
同じくクリアブラックのRG35XXPlusと並べたのがこちら。やはりXXシリーズのクリアシェルとは若干質感が違いますね。シボが細かく、若干リッチな質感に感じます。でもまぁ、触り比べてわかる程度ですが・・・。
操作感
重量は割と大きめでガラスフィルム込の実測値は約297グラム。携帯機としては重めですがグリップがある分重く感じません。Analogue Pocketも同じくらいの重量なので、グリップ無くても耐えられるラインでもあると思います。
ABXYボタンは最近よく採用されているツルッとしたボタンで、遊び少なめ、しっかりとした硬めのラバーの押し心地。押した感触としても密度感があり好きです。ボタンが高め…?と思いましたが、よく見てみると、シェルのボタン中心が窪んでいる立体的なデザインになっているんですね。
その上ボタン十字キーの周りにぐるっと加工用に溝があります。これはスーファミを意識したデザインでしょうか?
スタートセレクト、メニューボタンも形状は違うものの、感触は同等のラバーです。
十字キーも同様のしっかりラバー硬めラバー、シーソー可能です。
アナログスティックは今主流のホールセンサースティックで、その上めちゃくちゃ出っ張っていて、倒し角度がデカイです。パット見は従来のJoy-Con型スティックトップだったので、Joy-Con型なのか~と思っていましたが使ってみると全く違ってビビりました。
いわゆるOdin2やRP4等と同様の倒し角度が高いものだとは思うんですが、それらに加えてそのまま出っ張らせたデザインなのでウルトラ飛び出たスティックに感じます。これまでのどのハードとも違う感触。これは好みが分かれそうです。
倒し角度がかなり大きいので、慎重な操作をしたいゲームには良いかもしれませんが、瞬発力が試されるゲームには適してないかも?しれません。
私は正直倒し角度が大きいスティックの方がぐりんぐりんして好きではありますが、ちょっと携帯ゲーム機としては飛び出すぎていて、持ち運ぶ際、ケースに入れたりカバンに入れたりする際には気になりそうだなと思います。まぁ私は持ち運ばないんですけど。
ショルダーボタンは従来通りタクトスイッチのポコポコとした感触。
よく見るとショルダーボタンはRG405Vから微妙に変わっていて、ボタン自体の形状変更とシェル側の切り欠きがなくなっています。これのおかげで、握っただけでちょっと押されてしまうといった現象も起きなくなっています。地味に気になっていた点が解決されている。
画面・スピーカー
画面
さて、ディスプレイは最大の推しポイントです。4インチで最近良くあるサイズ感ではありますがどれもVGA画質。レトロゲームを遊ぶ分にはそれでも良いかなと感じますが、本機はAndroidなので、Androidゲームを遊ぶと文字の潰れを感じるんですよね。
しかし本機は960×720なのでしっかりとAndroid用のゲームも遊べる感、4インチでこれくらい解像度があると、ギリギリ文字も潰れない最小サイズに感じます。すごく良い。最大輝度も高くて明るくて最高。
なんというか、このディスプレイのおかげで4インチAndroid機としてのチグハグ感が一気に消えたように感じます。すごいバランスが良くなったというか。
ベゼルはシェル側がちょっと気になります。左右と上が不均一、左右がやたら大きいのが気になります。が、今回黒を選んだ理由はベゼルのガラス縁部分?が黒なんですよね。ホワイトとグレーはシェルカラーになっていますが、クリアブラックは黒なので気になりにくいかなと感じます。
画面を左右の下側を押すと滲むのがちょっと不安です。タッチパネルで触らなきゃいけない場面が有るのでなおさら。
スピーカー
スピーカーは結構籠もった音色で少し残念ですが、しかしステレオスピーカーなのでしっかりと音量も出て、音の広がりは有ります。
イヤホンジャックがあるのでもちろんイヤホンで遊ぶことも可能。
使用感
基礎知識・注意点等
Androidスマホユーザーならスムーズ
基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等は初期設定で導入済みですが、ストレージ設定などは自分で行わなければならないため知識と調べる力が必要です。
Androidにはシステムレベルの遅延がある
Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。
また、本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
アプリ・エミュレータは初回起動時インストールされる
初めて起動する際にセットアップが開き、アプリが一通りインストールされます。
Google純正アプリやPlayStoreも導入されているので、そちらからのインストールも可能です。
自力で最初に設定したこと
・設定アプリ(Settings)→System→Languages & Input→LanguagesからAdd a languageで日本語を追加、1に入れることで日本語化
・バッテリー→バッテリー残量をオンでバッテリーを%表示
専用のランチャーアプリもあり
他にもエミュ専用のランチャー(メニュー画面)があり、そちらを使うといかにもエミュ機なインターフェイスで使えるようになります。
こちらは左側面に有るファンクションキーをワンクリックすると切り替わります。元の画面に戻りたい場合は再度クリック。
スティックは光る(消せる)
スティックは光ります。上から下にスワイプしてクイック設定からAmbientLight Settingで色を変更したり、消したりも可能。
AnTuTuベンチマーク結果
AnTuTu ベンチマークスコアは
総合スコア 483270
CPUスコア 188832
GPUスコア 96739
となっています。405Vは大体総合30万点だったので、順当なアップグレードといった感じ。
ゲームをプレイ
動作感自体はよく動きます。ゼンゼロなどのコントローラー対応スマホゲームも最高画質は無理なものの遊べますし、画質設定は低でも画面サイズも小さいので全然耐えれますし、小さくても見れます。いや、文字はかなり小さいです。しんどい。
GC、Wiiのタイトルをいくつか遊んでみましたが、概ねグラフィックをVulkan、その他ちょっとの設定で動作し、画面サイズが小さめなので内部解像度は1xで十分綺麗に感じます。
PS2も同様ですが、やはりタイトルによっては厳しいと感じます。PS2を快適に遊びたい場合はOdin2、AYANEO Pocket Sなど、ハイエンドチップ搭載端末でパワーで解決したいと感じてしまいます。
ですが、ですが、何よりしっかりアスペクト比4:3&高解像度の4インチで遊ぶ良さは本当にあります。結局GCもPS2も基本は16:9ではなく4:3で遊ぶ前提で作られているので、無駄なく最適なスケーリングで遊べるのが本当に有り難い。
ファンの音・熱・バッテリー持ち
ファンの音はStrongにすると強くはなりますが、音有りで遊んでいれば気にならない程度。ほぼ動かないようにもできます。発熱は高負荷のゲームを遊ぶとほんのりと画面側が暖かくなりますが、ファンを動かせばアチアチにはなりません。(ここらへんは基本ガバ判定)
バッテリー持ちはHigh mode&FanをStrongに設定した状態でゼンゼロを遊ぶと、1時間で100%→82%でした。
感想
デカい縦型レトロゲーム機だったRG405Vがパワーアップして、ちょっと上のゲームやAndroidアプリまで遊べるようになったハードといった感じで、非常にバランスが良くなったと思います。
しかしまぁ相変わらずかなりトリッキーなビジュアルと、結構大きなサイズ感、そしてT820搭載ハードの中では安めですが、XXシリーズと比べて安くはないので人を選びそうです。
思ったのは、この4:3高解像度ディスプレイ搭載、同じ仕様で、横型が出て欲しい。RG406H、絶対に使いやすくて良いに決まってます。宜しくお願い致します。