私この沼にハマって以来、ずっと正方形のディスプレイを採用したエミュ機出ないかな〜って思ってたんですよね。
そんなん需要なくね?って思う方も多いかもしれませんが、案外そんなこともありません。
むしろこれまでとは全く違う遊び感覚になり、非常に楽しいです。
そういう感じの端末をPowkiddyさんが作ってくれました。
販売ストア
購入は様々なストアで可能です。慣れや安心を買いたいのであればAmazon、最安を狙いたいのならPowkiddyオフィシャルかAliExpress。ちなみに今回私はPowkiddyオフィシャルにて購入しました。
・Amazon等
・Powkiddy Official Store
クーポンコード:yoshida を使用することで5%オフです。
・AliExpress
動画版
スペック&主な特徴
Powkiddy RGB30とは
RGB30とは、Powkiddy社による横型の携帯ゲーム機で、OSにLinuxが搭載されているいわゆるエミュレータ機と呼ばれている端末です。
4インチの正方形ディスプレイが特徴的で、正方形に近いゲームボーイ、そもそもゲーム画面が正方形なPICO-8を遊んだりするのに最適なハードだと考えられます。
Powkiddy RGB30のスペック
項目 | POWKIDDY RGB30 |
---|---|
システム | オープンソースのLinux |
対応ゲーム | MAME/N64/PS/CP3/NEOGEO/GBA/NES/SFC/MD/NDSなどのシミュレータ |
ディスプレイ | 4.0インチ OCAフルフィット、解像度720×720 |
CPU | ARMクアッドコア 1.8GHz 高性能オープンソースチップ |
RAM | LPDDR4 1GB |
ストレージ | TF1-OS(16GB-256GB対応)、TF2-Game(16GB-256GB対応) |
バッテリー | 組み込みの4100mAリポリマー、充電2時間、持続時間8時間 |
インターフェース | TYPE-C高速充電、TV HD、OTG-USB、3.5MMイヤホン、WIFI 5G+Bluetooth |
サイズ | 145 × 86.5 × 18mm |
重量 | 207g |
CPUスペック的には中華ゲーム機ではよく採用されているRK3566が搭載されていて、エミュレータ的にはバッチリ動くのはPSまで、PSP、64、DCも遊べますが、タイトルによって差があると考えておくのが良さそうです。
カラーはブラック、ホワイト、ブルーの三種類。
開封&内容物
では早速開封していきます。
箱はこちら。クリーム色っぽい硬めの箱にシンプルに商品名だけが記載されています。
内容物はこちら。USB-Cケーブル、説明書、本体です。
本体外観
今回はボタンも含め同じ色であるという理由から、ブラックを選択。DMG風カラーみたいな配色があったらそちらを選択していたはずです。
絶妙なサイズ感
最初に手にした感想としては、想像してたより大きいなって事です。よくよく考えるとハードとしては大きくない、むしろ小さい部類ではあるんですが、従来の3.5インチのハードをそのまま縦に引き伸ばしたようなサイズ感です。
他の方に触ってもらったところ、思ってたより小さい!と言われたので、この絶妙なサイズ感は実際に触ってもらわないと分からないかも。
プラスチックシェルの質感はサラサラしていてそこまで悪くはないですが、Powkiddyクオリティなので、Anbernicほど高くはないです。頑張ってはいますが、やはり若干のチープさを感じます。
表面には右側にスタートボタン、ABXYボタン、アナログスティック、スピーカー
左側にセレクトボタン、十字キー、アナログスティック、スピーカーです。
背面は清々しいほど何もなし、のっぺりとしています。
若干厚みが気になる?
上側面には左からL1、L2、ボリュームボタン、MiniHDMI端子、リセットボタン、電源ボタン、R2、R1
下側面には充電用USB-C、システム用MicroSD、イヤホンジャック、ストレージ用MicroSD、コントローラー等用USB-C
厚みは若干気になりますが、まぁ使う分にはさほど気になりません。
左右側面は若干のカーブが付いていて、角が手に刺さらないように配慮されています。
他のハードとの比較
こちらの比較が分かりやすいですね。上がRGB30、下はANBERNIC RG353Mです。RG353Mと幅も同じくらいで、画面ごと縦に引き伸ばしたようなプロポーションです。
操作感
手に馴染む
縦長で操作しにくいと思いきや、なんだかすごい手に馴染むサイズ感なんですよね。縦に長い分、手全体でホールドできるような持ち心地。重量は200g程度と平均的ですが、軽く感じます。
ボタンはほとんど問題ない
ボタン類は若干の遊びはありカチャカチャというものの、押し心地としては問題有りません。しっかりとした押し心地、ボタンの戻りも良いです。
十字キーも同様に文句なしです。柔らかくなく、しっかりとした押し心地、軸感もあるのでしっかりとシーソーできるので同時押しの心配もなさそうです。
アナログスティックは埋め込みで、高さを抑えられたものです。ホールセンサーではない1世代前のモデルなのが残念ですが、操作性などに特に問題は無いので無問題です。
ショルダーボタンはカチカチとしたタクトスイッチで、若干の安っぽさを感じますが、特別硬いといったこともなく、R1R2で段差が付いていて押しやすく工夫されているので特に問題とは感じません。
不満はスタートセレクトボタンです。固くて音が大きいカチカチとした押し心地で、チープ感があります。ファンクションキーも無いのでセレクト+ボタンのショートカットで色々行う事が多い分、ストレスを感じやすいかもしれません。
画面・スピーカー
画面
画面はこの端末の最大の特徴で、かなり良いです。輝度が結構高いので明るい場所でも見やすいですし、視野角も広いので美しく見えます。
解像度も720×720なので高めな上、ベゼル幅も小さめなので4インチにしてはかなり大きく見えるのがかなり新鮮です。なにせAnalogue Pocketよりも大画面ですからね。相当インパクトがあります。
スピーカー
スピーカーも良いです。特別クリアなサウンドではなく、まぁ音質的には良くも悪くもなく標準的なのですが、大音量が出せるステレオスピーカー、しかも画面側に付いたフロントスピーカー、手の位置も被らないので、個人的にはかなり満足度が高いです。
使い方
基礎知識・注意点等
本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。付属するMicroSDは質が高くない(突然壊れる可能性が高い)上、内部にゲームイメージが含まれている場合が有るので非推奨です。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
JELOSが初期搭載
本端末にはJELOSと言う名前のOSが初期搭載されています。こちらはPowkiddy社が独自に開発したものではなく、有志により開発されているファームウェアです。
なのでこういったエミュレータ機と呼ばれるハードだけでなく、ポータブルゲーミングPCであるGPDシリーズ、AYANEOシリーズ、にも対応し開発しています。
基本的には超シンプルで、ハードを選択、ゲームを選択で起動し、RetroArchでゲームが動くといった形式です。
分からないことがあった場合も、JELOSのgithubページを調べると良いかもしれませんね。
遊べるゲームについて
一通りゲームをプレイしてみました。今回もこれまで同様のチップセットRK3566を採用したハードなので、動作的にはAnbernicのRG353シリーズあたりと大差ありません。
なのでこのディスプレイで遊んでみた感想として挙げていきます。
スーファミなどは、基本的には4:3比率の画面で遊ぶように作られていますが、しかし正方形ピクセルで動かそうと思うとこのように、結構縦に長く伸びるんですよね。
絶対に4:3が良い、正方形ピクセルは逆に違和感がある!という感想もあるかもしれませんが、こういう遊び方もありですよ、ということで。
アスペクト比が3:2という、特殊なゲームボーイアドバンスなどを遊んでみても意外に違和感ないな、と感じました。
というのも、これまでの画面比率の端末では左右にベゼルが大きく余る事が多かったのに対して、上下に残ると、映画の黒帯のような見え方になり、ベゼル余ってる~って感覚は低いんですよね。
もしそれでも気になるようであれば、オーバーレイなどを割り当てれば良い感じ縁が埋まります。
また、このハードでの良いところはDSを遊ぶのにも良い感じに映せるって点です。上下に画面を並べると結構良い感じのサイズ感で、しっかりと文字も読めるし、ピクセルパーフェクトではないもののピクセルの崩れもかなり少なく表示できるんですよね。
タッチパネルは非搭載なのでその点は残念ですが、一応右アナログスティックでカーソル操作のようにタッチパネルを使うことができるので、あくまで一応は使用可能です。
そして、一番フィット感があるのはPico-8。Pico-8というのはそもそも、昔のコンピュータのエミュレータ・・・ではなくファンタジーコンソール、つまり架空のハードで、めっちゃ簡単に言うとRPGツクールのように制作→共有が主目的のソフトです。
いちばん有名なタイトルはおそらくCelesteで、今コンシューマなどで販売されているゲキムズ横スクロールアクションCelesteの原型となったゲームです。
Pico-8で遊ぶ場合は購入しラズパイ用データをROMディレクトリに導入、もしくは互換ソフトFake-8を使用してのプレイとなります。
Fake-8で遊ぶ場合は、レトロアーチ経由でのプレイとなり、カートそのままのデータだと画像データとして認識してしまうので、カートの拡張子を p8.png → .p8 へ変更する必要があります。
あとPico-8のmotionrecはとても面白いのでとてもオススメです。他のゲームで例えるのはアレですが、分かりやすく言うとティアキンのモドレコを利用したパズルアクションゲームみたいな感じです。PCやスマホでも遊べるので是非。
画面出力
画面出力も問題なく可能でした。MiniHDMI端子を接続した状態で起動することで、画面が出力されます。使っている途中で抜き差ししても切り替わらないので、その点だけ注意。
感想
正直買う前から、どう考えてもこれは良いもんだろうと思っていましたが、実際手にとって使ってみると、期待を裏切らないというか、期待通りというか、やはり良いもんだ、という感想になりました。
Powkiddy社の製品はいつもやはりAnbernicに比べると若干質が低く、その分価格も低いんですが、やはり細かな点で私の中では1軍になりませんでした。
しかし最近はじわじわっとちょっとずつ改善され、ボタンの押し心地なども含めなんとなく全体的に許容範囲内のクオリティになっていて、それでいて過去に無いくらい面白いディスプレイを搭載してきたので、合計値としてはかなり満足度が高いです。
これまで様々なエミュ機を触ってきた人であればあるほど興奮する、かなりニッチで良い端末だと思いました。