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エミュレータ機

【レビュー】頭良すぎて頭悪い人が開発したのか?『ONEXSUGAR-Sugar 1』

エミュレータ機

ギミックがあるガジェットって楽しいですよね。折りたたみだったり、スライドだったり。今回紹介するのは、そのどちらでもなく、逆折りたたみ+反転コントローラー。

何言ってるのかわかりませんよね。わたしもわかりません。

簡単に言うと、通常状態ではSwitchのように横持ちの形態で、ロボットのように2画面に変形するといった構成のもの。さすがに変態過ぎる。こんな変態ゲーム機を実現させたのが本当に正気とは思えない。

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ONEXSUGAR: 1st Dual-Screen Transformable Handheld
Snapdragon G3 Gen 3 | Versatile Transforming Modes | Dual-Screen Gaming | Check out 'ONEXSUGAR: 1st Dual-Screen Transfor...

価格はIndiegogoでの早期支援価格が599ドル、通常価格は699ドル。

https://amzn.to/4kTcWEj

動画版

スペック&主な特徴

ONEXSUGAR Sugar 1とは

ONEXSUGAR Sugar 1は、One-NetbookとSugar Cubesによる、Androidベースのデュアルスクリーン携帯ゲーム機です。DSのような縦型プレイとSwitchのような横型プレイを自在に切り替えられる“変形ギミック”が特徴で、クラウドゲームやレトロゲームのエミュレーションにも最適化されています。

メインディスプレイは6.01インチのOLED、サブディスプレイは3.92インチのOLEDで、どちらもタッチ対応。2画面を同時に使うことで、某ダブルスクリーンのエミュレーションも快適に行えます。

SoCにはQualcomm製のSnapdragon G3x Gen 3を搭載し、メモリは16GB、ストレージは512GB、microSDカードにも対応。Android 14をベースとした独自UI「Sugar Console OS」を搭載しています。

入力面ではホールセンサー式スティック、マイクロスイッチボタン、振動モーター、6軸ジャイロセンサーを搭載。コントローラーはマグネット固定式で、180度回転が可能。多様なプレイスタイルに対応できます。

冷却には左右のデュアルファン+ヒートパイプのアクティブ冷却を採用し、発熱を抑えつつ高パフォーマンスを維持。バッテリーは5,600mAhで、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3を搭載。

カラーはブラックとホワイトの2色展開。

開封&内容物

では開封していきます。今回は試作機となり、製品版とは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください。

パッケージなどもなくケース+本体のみだったので、開封は省略です。

本体外観

ファーストインプレッション

ボタンも含め統一されたオールホワイトは想定していた以上におしゃれな印象。かなりの厚みを感じるゴテゴテとしたフォルムであるんですが、すべてがなるべくミニマムな寸法感、そして角張ってソリッドなフォルムに抑えられているので野暮ったさは感じません。

もちろんもう少し薄ければなとは思いますが、変形史上最初のハードとしてこのクオリティは中々ではないでしょうか。

アナログスティックは黒ですが、クラファンの画像を見ると白モデルは白なので、試作機だからですかね。

シェル質感自体は良好で、マットな素地っぽいプラスチックで良いです。空洞感も感じません。気になる点はビルドクオリティで、後述もしますがヒンジ周りというか全体的に軋みがあります。が、こちらは製品版では絶対に改善するとのことで、期待しましょう。

ボタンレイアウト・インターフェイス

ボタンレイアウトは
右側にアナログスティック、ABXYボタン、スタートボタンとSugar Consoleボタン、
左側に方向キー、アナログスティック、バックボタンとセレクトボタン。
画面下部にスピーカーがあります。

大きく変なのが、アナログスティックの配置とボタンの印字。コントローラーを回転させると、ABXYボタンが方向キーになったりと、レイアウトがあべこべになるので文字の印字はなく、図形のみが描かれています。

そしてアナログスティックの位置は右側が上と、逆Switchのようになっていますが、これは2画面時に操作性を考慮した結果のレイアウトなんだろうなと思います。

また、方向キーはマグネット式の着脱で、左右どちらにも装着できるようになっています。冗談みたいな設計ですが、操作性的には思いの外悪くないのがまた面白いです。

本機にはファンが2つついていて、左右両方で冷やすことができます。下部にあるのが吸気口で、上部にあるのが排気口。左側で光っているのは電源インジケーターです。

中央にドカッとあるのは言わずもがな、画面です。こうしてみると背面はメカニックなOne Netbook社らしい装飾になっていますね。

上側面には左からL1/L2、Run-outボタン、ボリュームボタン、電源ボタン、マウスモードボタン、R1/R2
下側面にはUSB Type-C。

正直インターフェイス周りはギッチギチで、かなり無理しているような感じがあり、興奮します。

左側面には閉じた状態ではなにもありません。黒い円形の部分はマグネットの受けです。

ではさて、開いて確認していきます。

まずこちらが背面に備わったディスプレイを開いた状態、

コントローラーを回転させます。

2画面が完成!2画面時もマグネットで固定されていて、緩んだりすることはありません。かなりガッチリとしていて堅牢感があります。

開いた状態では電源ボタンとボリュームボタンが潰れるんですが、なんと新たな電源ボタンとダイヤル式のボリュームが出現します。ゾワゾワしますね。

さらに左側にはMicroSDスロットもあります。

グリップはなくフラットな形状。コントローラー部分の厚みを実際に測ってみると約24mm、結構厚みがあるんですが、

ディスプレイ部分はなんとその半分12mmになり、カーブを描いているので意外にも厚ぼったい感じは軽減されています。

開いた状態での背面がこちら。かなり斬新ですよね。画面があった部分が窪み、グリップではないもののグリップっぽい感じの形状になります。

他ハードとの比較

Switch2と並ぶと若干コンパクトにみえますが、まぁ実際は厚みが倍くらいあるので決して小さいとは言えません。が、悪くないサイズ感ですね。

縦横寸法的にはスイッチライトに近いです。

こうしてAYANEO Pocket Sと並ぶとPocket S の薄さが際立ちます。

では開いた状態で。2DSと比べるとかなりのボリューム差があります。

操作感

重量は実測値で493グラムと結構重め。流石にスイッチ2よりは軽いですが、小さいのでずっしり重量感があります。重量バランスに関しては流石に良くはないですが、最善を尽くしているような感じはします。

というのも、ボタンレイアウト的にはなるべく上側に詰めていて、1画面時には特に問題なく、2画面時にはグリップっぽい形状で握れます。指がショルダーボタンの出っ張りに引っかかるような形状にもなっていますし、案外合理的なフォルムに感じます。

ボタンはフラットな形状で、遊び少なめ。押し心地はマウスクリックライクなマイクロスイッチで、チャキチャキとした感触は気持ち良いです。音はしますが、好みの感触で好印象です。

スタートセレクト、ホームバックボタンはプチプチとしたタクトスイッチです。硬さはちょうど良く押しやすいと感じます。

ただ2つのボタンが一体になった形状で、かなり小さいので使い辛いです。小さくても良いので独立ボタンにしてほしかったなと思います。

マグネット式の方向キーはこう見えて案外使いやすいと感じました。カーブがかった形状で、まるで本当に十字キーかのように使えます。ただ若干ずれたりもするので、もうちょっと改善が必要かなと思いました。

アナログスティックはJoy-Conっぽいサイズ感のもので、これまた独特な感触です。サイズにしては倒れ角度大きめで、スティックトップ自体も少し大きめ。

ショルダーボタンはL1L2どちらもボタン同様のマウスクリッキーなマイクロスイッチです。これがまた独特で、横並びではありますが段差がついていて押し分けられるよう工夫されているんですが、2画面時にも使えるようにちょっとズレた配置になっているんですよね。

そして2画面で使うと、段差が逆になってしまうので、正直それは気になります。

あと先程も言及しましたが、ボタンレイアウトが変わる点も注意。

画面・スピーカー

画面サイズ・解像度

本モデルでの最大の特徴はディスプレイ。メインディスプレイの画面サイズは6.01インチの解像度は2160×1080、アスペクト比は18:9比率で結構独特。いわゆる王道の16:9のディスプレイよりも若干横に大きいものとなっています。

サブディスプレイは3.92インチ、解像度が1240×1080、アスペクト比が8:7。このサイズと解像度を聞いて、勘の鋭い方は気づいたかもしれませんが、そう、あのLG Wingのサブディスプレイですね。そのせいなのか、エッジに丸みがあるのですが、これも製品版で改善されるとのこと。

あと気になる点としては、某ダブルスクリーン端末のように上画面の角度をつけることはできないので、その分手に負担がかかるような感覚があります。これに関しても重量バランスの問題と通ずるものではありますが、気になる人は気になっちゃう問題かもしれません。

ベゼル

ベゼルの大きさは上下部分はおおきめですが、意外にも気になりません。厚みやプロポーションのおかげなのか、ベゼルなんかよりも他に気になる部分が色々あるからなのかわかりませんが、むしろ良い感じにも感じます。白でこの見え方なので、黒だと更にベゼルを感じにくそうで良さそうですね。

明るさ・発色

輝度も十分明るく、有機ELならではの発色の良さもあり、ディスプレイに関しては十分満足できるよいレベルだと思います。

スピーカー

スピーカーは画面下部(2画面時には上部)のほぼフロントスピーカーで、ステレオなので良い感じです。手にはもちろん干渉しませんし、ダイレクトに耳に伝わる聞こえ方は良いです。

音質は低音が弱い音色で、特段良くはありません。音質悪くて気になるということはありませんが、十分なような、もうちょっと頑張って欲しかったような。

使用感

では機能周りについて紹介していきます。

メニュー画面

基本的にはピュアAndroidな使い勝手です。デフォルトのランチャーはシンプルなもので、アプリ一覧もなく、アプリをインストールするとどんどん右側に追加されていく形式。あまりにもシンプルすぎるので、別途何か好みのランチャーを導入するのが良さげです。

一応デフォルト状態でペガサスフロントエンドが入っていましたが専用のフロントエンドランチャーなどもないです。

2画面はどうやって使うのか?

さて、これが最大の問題です。そもそもどうやって2画面を使うのか、という話ですが、2画面モデルの端末を過去に何かしらで使ったことがある人は想像がつくかなと思います。

この2画面は実際に2画面として判定されていて、上下のディスプレイそれぞれで別のアプリを立ち上げることができます。さらに正確に言うと、2画面ではありながらも優先順位があり、メインディスプレイとサブディスプレイって感じで認識されています。

そしてハートボタンを押すとSugar Consoleがポップアップし、ディスプレイ・パフォーマンス・ライト・ゲームパッド・バイパス充電のオンオフなど、システムにまつわる調整ができます。使うにあたっては言わば必須機能。

そしてそのディスプレイ部分で画面の入れ替え・合体などができ、アプリによっては一体のディスプレイとして使うことが可能です。ちなみにその設定はアプリ毎に保存されるわけではなく、その都度変更する必要があります。

AnTuTuベンチマーク結果

AnTuTuベンチマークV10は

総合スコア 1942496
CPU 426488
GPU 829674

総合194万、CPU42万、GPU82万となりました。

ゲームをプレイ

正直プロトタイプというのもあり、システム的にはまだ結構未完成に感じる部分も。実際受け取った当初はプレイストアも入っておらず、検証はまだ全然できていないので本当にざっくりとした動作確認をしていきます。

パワーもあるおかげでゼンゼロもコントローラー対応で動作にも問題なく遊べています。UI周りも文字が潰れることなどはなく見ることができて普通に快適です。

2画面の活用としては、まずゲームをプレイしながら同時にブラウザを立ち上げたり動画を見たりと、同時起動させる感じで楽しむことが可能です。ただ、アプリにもよるとは思いますが上下の画面を同時に使うことはできず、上をタッチしたら上の動作になり、下をタッチしたら下に切り替わるような動作となります。

某2画面を遊ぶ際には外部ディスプレイ拡張機能があるようで、良い感じに表示できました。また、某3Dではデフォルトで設定済みだったアプリを、一体画面表示で使うとそれっぽく2画面表示できましたが、アプリ自体に外部ディスプレイ拡張機能が備わっていないので最適化と言われると微妙です。一応MMJにはその機能があるらしいですが、うまくできませんでした。

このフォルムで使う人、おらんやろ。

エミュレータで遊ぶには

エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。

吸い出し機(ダンパー)

エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら

ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Readerレビュー記事はこちら)をおすすめします。

Attention Required! | Cloudflare

また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。

PC(あると快適)

データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。

MicroSD

ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。

MicroSDリーダー

MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

ファンの音・熱

発熱は高負荷のゲームを遊ぶと全体的に暖かくなります。ファンは強くすると高い風切り音が大きくはなりますがそこまで気になりません。ほぼ動かないようにもできますし、調整は効くので、発熱や遊ぶゲームとの調整次第です。

ただ開いた状態で使う場合、ショルダーボタンにかけた指にファンの排気口がモロあたりしてあったかい感じになります。

感想

正直期待していましたが、期待通りにどうかしてるハードだと思いました。ネタっぽいビジュアルとギミックに見えて、まぁ実際ロマン要素がかなり強めに感じはするものの、最大限実用的にしようという努力が垣間見えるデザインに痺れます。

冷静に考えてみても、ディスプレイをパカパカ開いたり閉じたりしても動作に問題ないですし、コントローラーを回転させるとしっかりボタンと方向キーの機能が切り替わり、反対向きで何も問題なく使えるようになっています。こんな無茶な構成のゲーム機を実現させてしまっているのが何よりの魅力。

快適さだとか、品質の高さだとか、そういったものはもういいんだ。とにかくドキドキしたいんだ、という、もう何にも満足できない人向けの飛び道具。

ONEXSUGAR: 1st Dual-Screen Transformable Handheld
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