小さいガジェット大好きクラブの私達ですが、朗報です。また良い感じのやつが出ました。
ここ最近2.8インチディスプレイを採用した小型エミュ機がいくつか出ていて、その中でもそこまで注目されていなかったダークホース的なハード。
少し前にMagicX XU10という製品をレビューしたんですけど、正直あまり品質やOSが良くなかったので私としてもそこまで期待していませんでした。
しかし今回の『XU Mini M』は中々アツいです。めちゃくちゃ推せる。
販売ストア
金額は通常価格ではAliExpressにて7000円程度。
動画版
スペック&主な特徴
MagicX XU Mini Mとは
XU Mini Mはいわゆるエミュ機と呼ばれている端末で、MagicX もしくはAmpownというブランド名で販売されています。Ampownは様々なハードを販売している代理店(多分)です。
最大の特徴はやはり2.8インチディスプレイで小型な事。解像度は640×480のVGA、システムはLinuxベースの独自OS、バッテリーは2600mAh、チップセットはRK3562というあまり聞き馴染みのないものを採用しています。
あとこのサイズでデュアルアナログスティック、しかもホールセンサースティックを採用しているのは現状このハードだけです。
カラーはオレンジ、グレー、クリアブラックの3色展開。今後クリアカラーを増やす予定もあるとのこと。
追記:有志たちの検証により、XU Mini MのチップはRK3562ではなくRK3326であることが判明しました。どうやら偽装されていたようです。今後別のチップを採用した+バージョンも発売するとのこと。
開封&内容物
では早速開封していきます。
こちらの製品はMiyooMiniのように箱なし、専用ケースに封入されていました。ケース付きってオトクな感じがして良いですよね。ケース自体はAmpownのロゴ入り、説明書への記載はMagicXとなっているので、もしかしてAmpownがグローバル販売を手掛けている的な事でしょうか?
内容物はこちら。USB-Cケーブル、説明書、保護ガラスフィルム、ストラップ、本体です。この価格帯で保護フィルムもストラップもケースもセットというハードは他に無い気がします。
本体外観
私は基本的に明るい色が好きなのですが、クリアカラーがブラックだけだったのでこちらを選択。
まず最初に手にとって思ったのが、想像以上に可愛く、質感も悪くないです。
2.8インチでコロンとしたシェル形状、厚みは19mm(実測値)と結構大きいものの角のアールがかなり大きめに取られているので、丸っこいハード、といった印象を受けました。
質感はつや消しのサラサラとした手ざわり、若干のプラスチックの安っぽさは感じるものの、小ささと密度感でカバーできているような感じです。正直想像以上に良い感触です。
ボタンレイアウトは右側にABXY、スタート、アナログスティック
左側に十字キー、セレクト、アナログスティック
画面下部にGボタン。こちらはいわゆるメニューボタンですね。
標準的なボタンレイアウトで、アナログスティックが両方下にあるレトロゲームに適した配置。
あと凄い地味な点なんですけど、ディスプレイ位置が中心じゃないんですよね。目を凝らして基板を見てみると液晶がかなりスティック開口ギリギリの位置にあるので、どうしても中心からずらさずを得なかったのかもしれません。
写真で見て気になっていたので懸念していましたが、実際に手に届き遊んでいると特に違和感は覚えず、何も気になりません。それよりも画面上下のベゼル幅が違うことの方が気になります。
背面には特に何も無し、通気口の穴が空いています。ネジ止めは4箇所。
上側面には左からL1L2、充電用USB-C、コントローラー等用USB-C、ボリュームボタン、R2R1
下側面には左右にスピーカーあり、電源ボタン、リセットボタン、イヤホンジャック
左側面にはシステム用MicroSDスロット、ストラップホール、
右側面にはストレージ用MicroSDスロット
他ハードとの比較
同じく2.8インチのAnbernic RG28XXと並べてみたのがこちら。横幅は大体同じくらいですがXU Mini Mの方が縦幅と厚みが大きく、持ち比べてみると僅かに大きく感じます。
3.5インチのAnbernic RG35XX Hと並べてみたのがこちら。ボタン仕様はほぼ同等ですが、結構なサイズ差を感じます。
操作感
小さいのですが、厚みがあるおかげでホールド感もそこそこあります。ボタン配置の良さやボタンの硬さも良く、疲れにくく快適です。
ボタンはサラッとしていてトップはフラット、アルファベットは印字ではなく彫り込み、押し心地はラバーの軽め、若干擦れるような感じはあるものの、戻りも良く遊びも少なめで悪くないです。
スタートセレクト、Gボタンはカチカチとしたタクトスイッチ。高い音が鳴りますがPowkiddyのような感触・バチバチとした音の大きさではなく、ちょうど良いように感じます。
十字キーもボタン同様に軽いラバーの感触で、シーソー可能です。
アナログスティックは流行りのホールセンサースティックを採用。耐久性が高く壊れにくいらしいスティック。操作感としてはいわゆるJoy-Con型のものよりも倒れ角度が大きく、これまでのものと違って新鮮で楽しいです。が、このハードサイズ、この位置での配置としてはちょっと操作しにくいと感じる人も居る・・・かも?
あとかなり高さを抑えてあるので、スティックと言うよりはスライドパッドの操作感に近いような気がします。
ちなみにボタン・十字キーのサイズはSwitch Lite、Joy-Con、PSVita等と同等です。
ショルダーボタンは横並び、感触はいわゆるチャキチャキとした音が鳴るタクトスイッチですが、構造が結構独特で、R2はボリュームボタンの方に軸があって回転する感じで押される、そしてR1は逆にMicroSDスロット側に軸があって回転する感じで押される、というふうになっています。
自然に指が置かれる位置にあるので問題なく使いこなせますが、押す場所によっては固く感じます。あまり見たこと無い仕様かも。
画面・スピーカー
画面
ディスプレイはVGA画質、640×480の解像度なのでレトロゲームに最適、そして画面輝度も結構高く設定できて、明るくて良い感じです。明るくて最高。
画面の上下シェル部分が他の2.8インチと比べて大きいですが、このサイズでデュアルアナログスティック搭載してたらまぁトレードオフかな・・・という気がします。
あと個人的に良いなって思うポイントは、ディスプレイとシェルがツライチなところですね。保護ガラスフィルムを貼り付けると段差は付いてしまいますが、ホコリが溜まりにくく、画面が拭き取りやすくて良いなって思います。
スピーカー
スピーカーは標準的です。フロントスピーカーではないですが、下部にステレオスピーカーが搭載されていてレトロゲームには十分な音質、そしてイヤホンジャックがあるのでもちろんイヤホンで遊ぶことも可能。
使用感
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
メニュー画面の構成
搭載されているOSはMagicX独自OS。パット見は馴染が有るLinuxの、Emulation Stationなメニュー画面で縦でカテゴリ選択してタイトルを選んで起動といった形です。
■メニュー画面での基本操作■
決定:A
キャンセル:B
ゲーム検索:Xボタン
エミュレータ設定変更:ゲーム選択画面でGボタン。EMULATOR OPTIONSを選択
明るさ変更:ゲーム選択画面でGボタン、SYSTEM SETTINGSから変更可能
SD切り替え:ゲーム選択画面でGボタン、TF CARD MANAGEMENTから変更可能
シャットダウン:ハード選択画面でGボタン、SHUTDOWN SYSTEMを選択
※言語選択に日本語はありません
■ゲーム中での基本操作■
メニューを開く:Gボタン
中断セーブ・ロード:Save State Load Stateを選択
ゲームを終了:Exitを選択
■ゲームイメージの導入■
MicroSDをPCに接続して、出てきたGAMEドライブ内の各種対応するフォルダに入れる
基本的にはRetroArchが動いてるようですが、ゲーム中にGボタンを押して開くメニューがシンプルなカスタムメニューになっています。いわゆるRetroarchの設定画面は開けません。あとボタンの組み合わせのホットキーなども基本ありません。
しかし画面設定などはES側で設定することができるので、過去のXU10よりも不便ではなく、メインメニューのビジュアルも良いですが、拡張性は低い感じです。爆音起動も無いです。改善の余地はありますが、全然そのままでも普通に使えるという感じです。
カスタムファームウェア
カスタムファームウェアは現在、ゲームで見るITの世界さん(X:@0_game_it)によってPlum OSが公開されていてRetroarchのメニュー対応、PortMasterに対応しました。そのほかにMinUIも開発されているようです。今後のユーザー増加によっては各種CFWの対応を期待できます。
・Plum OS
・Stock OS (プリインストールのものとは別)
ゲームをプレイ
遊び心地としては小さいもののしっかりとスティックがあるので、64まで割としっかり遊べるのは大きいと感じました。
性能的にはRK3566と似たような感じで、PS1まではバッチリ動作、そしてこの小ささでPSPや64も、タイトルにはよるものの動作するので、より小さく、より高性能を求めている人には良いかと思います。2Dレトロゲーム+αで楽しめる小型ハードといったバランスが新鮮です。
アナログスティックが左右にあるのでPS1のデュアルショック専用ゲームも・・・とも思ったのですが、こちらはOSの問題でデュアルショックに変更できず、公式FWのアプデ、もしくは有志CFWに期待です。
追記:有志たちの検証により、XU Mini MのチップはRK3562ではなくRK3326であることが判明しました。どうやら偽装されていたようです。今後別のチップを採用した+バージョンも発売するとのこと。
感想
正直に言うと、全然期待していませんでした。どうせ安い代わりに品質も低いし、ボタンもよくなくて、OSも使いにくいんでしょ?と思っていましたが、その全てが逆で、
安い割に質感は悪くないしむしろギュッと詰まった感じが好印象、ボタンも普通に悪くないしホールセンサースティックは新鮮、ディスプレイ超明るくて良い、OSもまぁ別に色々やろうと思わなければ普通に使えるという。あらゆる面から本気度を感じるハードです。
あまりにもダークホース過ぎる、こういうことがあるからやめられませんね。