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エミュレータ機

【レビュー】期待の超新星だった『KT-R1』

エミュレータ機

実はKT-R1を買っていて、今更ですがレビューをします。

なんですかそれって人も居るかと思うのでざっくりと説明すると、Androidを搭載したいわゆるエミュレータを主目的としたゲーム機で、4.5インチの結構小ぶりなサイズ感でありながらも、小さいハードの中では一番パワフル!といった感じの結構期待されていたゲーム機。

本作がおそらく初のゲーム機を作る小規模なチーム?で、こだわりにこだわり抜いているようなので、注文してからもかな~りの延期があったり不具合があったりと、あまり良い印象は持たれていません。

が、しかしそこまでこだわっているんであればさぞ良い物なんでしょう・・・と思い購入してみたんですが、なんか・・・うーん、期待しすぎたって感じでしょうか・・。あまりオススメできない・・・というかそもそも現在販売されてません・・・。

販売ストア

KT Pocket オフィシャルストア

KTPocket - 酷熵口袋商城

記事執筆時点では販売されていません・・・。

動画版

スペック&主な特徴

KT-R1とは

KT-R1はKT Pocketブランドとして出されたシリーズの第一弾で、Androidを搭載したいわゆるエミュ機と呼ばれている端末です。

横型の4.5インチで、昨今のエミュ機の中では小ぶりな部類、そしてチップセットにHelio G99を搭載。これはよく中華タブレットに搭載されているもので、AnTuTu40万点くらいの、同じサイズ感のエミュ機の中では一番強いかな?という性能感。

それまではスペックが高くて手頃な値段のゲーム機が無く、最大でUnisoc T618という、AnTuTu20万点くらいのチップ搭載ハードしか無く、コスパ的にも最高なのでは!?と様々な面で期待されていました。

そしてユニークなのがディスプレイで、4.5インチ自体が珍しいというのはそれはそれでありますが、解像度が1620 × 1080と高め、そしてアスペクト比がなんと3:2なんですよね。大体は4:3なので、結構珍しいです。

メモリやストレージは選択可能で、その上WIFI・WIFI/SIMモデル、カラー、金属シェルかプラスチックシェル、左アナログスティックが上下どちらかまで調べることが可能。とにかく選択肢が多い。

選択したものと別のモデルが送られてきた!って話もありました。私が実際過去に買った、数種類のモデル展開がされているハードで、買ったのとは別のモデルが送られてきたこともあるので、そりゃあこんだけバリエーションがあれば間違えることもあるでしょう。

開封&内容物

では早速開封していきます。今回購入したのは
メモリストレージ 4+64GB、色赤、レイアウト上アナログスティック 素材Plastic Wifiモデルです。つまり最安モデル。注文してから半年以上待ち、年末に届いてずっと積んでいました・・・。

箱はこちら。結構グラフィカルで気合が入った箱です。

内容物はこちら。USB-Cケーブル、ボタン用のラバー分解用のドライバーとピック、SIMピン、保護ガラスフィルム、本体です。

本体外観

最初に手に取った瞬間からちょっとがっかりしました。明らかに塗装感のあるシェル、ずっしりと重みがあるものの、空洞感があり、若干チープに感じます。そしてビルドクオリティもあまり高くなく、全面シェルと背面シェルの噛み合い部分にばらつきを感じたり、AnbernicやMiyoo、Retroidなど他メーカーのエミュ機と比較しても全体的に質感は高くありません。

いや、特別低いわけではないんですが、色の検討などもかなりこだわってやっていたという途中経過を知っているのでハードルが上がりすぎていた、というのもありそうです。質感だけでなく全体を通してですけど。

ボタンレイアウトは右側にXBOX配置のABXY、スタート、ホーム、アナログスティック、

左側にはアナログスティック、セレクト、メニュー、十字キー。

左アナログスティックの位置は購入時に選択可能で、ABXYは設定アプリからニンテンドー配列に変更可能、同様にスタートセレクト、メニューホームの上下も入れ替えが可能です。ここの調整ができるのは良い配慮ですね。

ただ、メニューボタンではなく戻るボタンが良かったな〜とは思います。なので、別途Buttons remapperというアプリを導入して割り当てています。なんか使っているうちに落ちちゃうのでそこをなんとか解決したい

背面には特に何もなし。ちょっと寂しい感じです。

上側面にはL1L2、電源ボタン、音量ボタン、R2R1と並んでいます。

下側面にはMicroSDスロット、イヤホンジャック、USBーCがあります。

左右側面には何もなし、グリップの形状もなく、フラットです。

フラットなのは好きですが、厚みがかなり大きいんですよね。19mmあり、薄く見えるようなデザインもしていないのでかなり厚く感じます。個人的には結構気になるポイントです。

他ハードとの比較

とりあえず現行の携帯ゲーム機代表として、ニンテンドースイッチライトと並べてみます。一回り小さく、これぞ携帯ゲーム機!というサイズ感。しかしニンテンドースイッチライトの厚みは14mmでかなりスマート。

横幅はほぼPSPと同等です。赤が好きなのでこの色をチョイスしたんですが、こうして並べてみると赤というよりは朱色っぽい感じですね。

近々のハードと比べてみましょう。RG35XXHと並べると、若干大きく見えます。しかし35XXHがかなりコンパクトめなハードなので、特別大きく感じるようなことはありません。

Retroic Pocket 4Proと比べたのがこちらです。案外同じくらいのサイズ感ですが、やはりこちらも厚みがRP4Proよりも大きいのが気になります。

しかし画面においては後述しますが、不思議とRP4Proよりも大きく見えて、サイズ感はなぜか小さく感じるので不思議な関係です。

RGB30と並べたのがこちら。厚みなどのボリューム感的には結構似たような機種ですが、RGB30はかなり縦長なのでかなり別ハードの感覚です。しかしこうして比べるとRGB30はめちゃくちゃ軽く感じますね。

操作感

グリップ感

重量はこのサイズ感にしては結構ずっしりと感じます。実測値はガラスフィルム込みで268グラム。グリップが無いので握りにくいかと思いきや、結構厚みもありますし、ずっしり感じるとはいえ負担にならない程度だとは感じます。そう考えるとメタルシェルバージョンはかなりのずっしり感になりそうです。

ボタン

正直、ボタンが一番残念でした。ABXYボタンはメンブレンスイッチのラバーの押し心地で、かなりふわふわとした感触。遊びも少なくカチャカチャとはしませんが、シェルに干渉しているのか、ザラザラとした引っ掛かりとまでは言えないくらいの感触もありイマイチです。

このザラザラ感はおそらく塗装のシェルとの相性、遊びの大きさだとは思うので、使っているうちに削れて滑らかになってくるはずだとは思いますが、何れにせよボタンの柔らかさが気になります。

十字キーも同様のラバー、というか同じラバーのパーツが採用されていて、こちらもやはりザラつきを感じます。シーソーは一応可能で入力には問題を感じませんが、やはりザラつきが気になります。

アナログスティックはホールセンサースティックを採用しているようで耐久性的にも安心、側面に粒々が付いているタイプのもので感触としては良いと感じます。

ショルダーボタンはかなり音が大きめのチャキチャキとした押し心地で、軽く押せてしっかりと押した感覚になるので良いですが、もう少し静音性高い方が良いなとは思います。

ちなみに左アナログスティックが下のモデルを買った人曰く、十字キーとセレクトが干渉するとのこと。配置や操作のクセによってここらの評価も変わってきそうです。

画面・スピーカー

画面

ディスプレイは本当に良いです。

そもそも4.5インチで1620 × 1080とエミュ機にしてはかなり高めの解像度なので、レトロゲームを遊ぶ際にも大体はいい感じにピクセルを崩さず映すことができますし、普通のスマホゲームを遊んでも文字が潰れたりすることはありません。

しかも3:2のアスペクト比なので、4:3のいわゆるブラウン管比率のゲームを遊んでいても左右の黒帯があまり気になりませんし、PSPなど16:9のゲームを遊んだとしても上下に多少黒帯ができるだけで良い感じという、どちらも遊びたい場合にはかなりバランスが良いディスプレイだと思います。

画面表示の実際のサイズは、RP4proよりも大きく感じるほどです。というか実際、縦の長さはこちらの方が大きいのでレトロゲームなどを遊んだ際には恩恵を受けやすいと感じます。

やっていて思ったのが、DSが結構良い感じかもしれないって事ですね。横持ちで縦に配列することで画面の埋まり方も良いですし、解像度も高いので表示も良い感じです。快適かどうかと言われると分かりませんけど。

強いて気になる点を挙げるならば、若干輝度が低い点でしょうか。もう少し明るくできればなーと思いますが、低いとは言ってもスマホなどと比べると・・・くらいなので気にならない人も多いでしょう。

スピーカー

スピーカーもかなり良いです。まずフロントスピーカーでデュアルスピーカーなので音がダイレクトに伝わってくるのが良いですし、スピーカー自体の音質も良いと感じます。

クリアではっきりとした音色、低音から高音までバランスよく聴こえる感覚があり、このサイズ感のゲーム機であることも考慮すると圧倒的に良いと感じます。

使用感

基礎知識・注意点等

Androidスマホユーザーならスムーズ

基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等を導入する際には初期設定などが必ず必要となってくるので、知識調べる力が必要です。

起動:電源ボタンを長押し
終了:電源ボタンを長押しして電源を切るを選択
スリープ:電源ボタンを一度押し
明るさ調整:上から下に2回スワイプして一番上のスライドバー
戻る、メニューを開く:画面を左から右、もしくは右から左にスワイプ
ホーム画面に戻る:ホームボタン押し

Androidにはシステムレベルの遅延がある

Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。

また、本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。

エミュレータで遊ぶには

一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。

吸い出し機(ダンパー)

エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら

ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Readerレビュー記事はこちら)をおすすめします。

Attention Required! | Cloudflare

(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)

また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。

PC(あると快適)

データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。

MicroSD

ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。

MicroSDリーダー

MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

メニュー画面の構成

基本的には非常にスタンダードなAndroidです。デフォルトのランチャーもシンプルで、左右にアプリアイコンが追加されていき、下から上にスワイプするとアプリ一覧が現れます。コントローラー操作に最適化されているわけでは無いので、フロントエンドランチャーなどを各自導入することを推奨します。ちなみにPlayStoreは使用可能です。

私のお気に入りはDaijishoなので、とりあえずいつもこちらを導入しています。

ボタン割り当ては不可

他のAndroidハードで搭載されている機能のタッチパネルへのボタン割り当ては搭載されていません。

パフォーマンス設定は一応あり、スタートボタンとメニューボタンを同時押しすることで謎のメニューが開き、そこから変更可能です。タッチパネルへのボタン割り当ては無いのでタッチパネル操作が必要なスマホゲームをやりたい場合には注意が必要です。

ベンチマーク・バッテリー持ち

AnTuTuベンチマークはなぜか途中で落ちてしまうので検証できませんでした。なのでGeekbench 6で計測してみると
マルチコア 733
シングルコア 2032
となりました。

バッテリー持続時間はPCMarkで計測してみると100%から20%までで約11時間。Retroid Pocket 4Proでは11時間半だったのでほぼ同等、使っている感覚としても同等だと感じます。使っている感覚は別に測ったわけではないので参考程度に。

動作検証

気になる面はやはり性能だと思うので、色々検証していきます。まずGCのタイトルをいくつか遊んでみましたが、基本的にはたまに処理落ちする程度で普通に遊べます。たまに処理落ちすると言っても今回検証で使ったのはオフィシャルのDolphinなので、もっと設定を調整したり、Handheldなどのフォークを利用すればもっと実用的に遊べると思います。

気になるPS2ですが、要設定ではありますがそこそこ動きます。軽めのタイトルであれば普通に遊べますし、調整してワンダがまぁこれなら遊べるかな・・・くらいの動作感にはなりました。がやはりタイトルによってかなり左右されるので、過度な期待は禁物です。

KTR1 Compatibility Sheet
Welcome Game Compatibility Sheet Link to this sheet, KTR1 Mediatek G99,Maintained by,Shigarui, Foughtimor, fishku, themi...

互換性テストが有志によって公開されているので、気になるタイトルがある場合はこちらをチェックです。

感想

感想としては、ゼロからハードを作るのってやっぱり難しいんだな・・・としみじみ感じました。

もちろんディスプレイの独自性や、スピーカーの良さ、このサイズ感にしてはスペックが高い点など良い点は挙げられますし、実際使っているうちに結構良いかも・・・ってなってきてはいますが、やはり全体的なクオリティの低さ、販路やサポート体制の低さが目立ちます。

あとはそれに加えて、Retroid Pocket 4Proのような、性能・価格のバランスがより良いハードなども出てきてしまったので、現状においてはかなり厳しい戦いだと感じました。

最初からかなりの高水準でハードを出してきたAYNのようなメーカーもありますが、実際Retroidも初期のハードはかなり微妙っぽい評価はされていましたし、今後の改善や新しく出るハードでのクオリティアップにかなり期待しています。

ヨシダ

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