AYANEOさんの製品ってだいたい毎回結構高級路線で、安価なAndroid端末とは全く違ったアプローチといった感じだったんですが、今回のPocket AIR Miniはなんとクラファン69.99ドル(11000円くらい)からと激安で、あくまでレトロゲームのエミュレータに絞った用途のハンドヘルド。
こんな安くで買えるAYANEOさんの製品はどうなのかという感じで、しっかりと見ていきます。
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価格は最安の2GB/32GBモデルがクラファン割で69.99ドル。3GB/64GBの通常価格でも99.99ドルです。
動画版
スペック&主な特徴
AYANEO Pocket AIR Miniとは
AYANEO Pocket AIR Miniは、MediaTek Helio G90Tを搭載した、AYANEO製のAndroidベース携帯ゲーム機です。AYANEOシリーズの中でも最小・最軽量のモデルとして設計され、主にレトロゲームエミュレーション用途に最適化されたモデルです。
ディスプレイは4.2インチの1280×960解像度LCDで、アスペクト比は4:3。最大60Hz。
SoCにはMediaTek Helio G90Tを採用し、GPUはMali-G76 MP4。メモリは2GBまたは3GB、ストレージは32GB/64GB構成で、microSDカードによる拡張にも対応しています。Android 11をベースとし、AYASpaceおよびAYAHome UIによって、ゲームランチャーやキーマッピング、ファンカーブ制御などの設定が簡単に行えます。
操作面ではホールセンサースティックとトリガーを搭載し、ドリフトを防止しながら精密な操作を実現。さらにローターモーターによるバイブレーションや加速度センサーも内蔵しています。AYANEO独自の「Master Controller」設計により、ジョイスティック感度やスティックデッドゾーン、トリガー応答を細かく調整することが可能です。
冷却はアクティブファンによるエアフロー設計で、長時間プレイ時の発熱を抑制。バッテリーは4,500mAhで、PD 18W急速充電に対応しています。I/OポートはUSB Type-C、3.5mmイヤホンジャック、microSDスロットを搭載。通信はWi-Fi 5(5GHz)およびBluetooth 5.0に対応しています。
カラーバリエーションは「Retro White」「Aurora Black」「Retro Power」の3色展開。重量は約269gと軽量で、携帯性に優れています。
開封&内容物
では開封していきます。今回はレビューサンプルとなり、製品版とは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください。

箱はこちら。グラフィカルでしっかりとした高級感ある箱です。

内容物はこちら。バーコード、USB-Cケーブル、本体です。
本体外観
ファーストインプレッション

今回紹介するのはレトロホワイトカラー。モデルは2GB/32GB、最小スペックモデルです。RAM2GBのAndroidなんて超久しぶりですね。
白黒はシンプルな統一されたカラー配色であるのに対して、割と色使いが豊富です。白いボディと赤いボタン。これまでのAYANEO製品で採用されてきたレトロパワー製品とは若干違い、ゲームボーイというよりはファミコンを彷彿とさせるカラーですね。スティックの黄色がかった感じとかかなり独特です。
サイズ感はコンパクトで軽量、シェルの質感も塗装のサラサラした感じで、手触りもよく、パット見の印象は結構良い感じです。
ボタンレイアウト・インターフェイス

ボタンレイアウトは
右側にABXYボタン、アナログスティック、AYA Spaceボタン、=ボタン。
左側に方向ボタン、アナログスティック、ビューボタンとメニューボタン。
基本的な構成はXBOX準拠ではなくニンテンドー配列、スティック位置も左右対称でレトロゲームに最適なバランスとなっています。

本機にはファンがついていて、しっかり冷やすことができます。背面中央にあるのが吸気口で、上部にあるのが排気口。背面シールはノリが残って剥がすのちょっと面倒でした。

上側面には左からLB/LT、LC、ボリュームボタン、電源ボタン、RC、RB/RT
下側面には左右にスピーカーがあり、MicroSD、イヤホンジャック、USB Type-C。
しっかりとイヤホンジャックあってよいですね。

左側面には何もなし。シンプルです。
他ハードとの比較

ではPocket ACEと並べてみましょう。画面サイズが4.5インチのACEと比べると高級感はもちろん違いますが、意外とサイズ感の違いも強く感じますね。Pocket ACEの方が本体サイズが大きく、AIR Miniの方が画面が大きく感じます。アスペクト比の問題や重量や形状の問題だとは思いますが、ほぼ同じくらいだと思っていたので意外でした。

Retroid Pocket Miniと比べたのがこちら。ほぼ同じくらいのサイズ感です。
操作感

重量は実測値で274グラムで背面にグリップもあるので軽いと感じます。
ボタンレイアウト的にはなるべく上側に詰まっていて、指がショルダーボタンの出っ張りに引っかかるような形状にもなっています。フォルム的にもSwitchに近いように感じます。

ABXYボタンは若干丸みを帯びた形状で、遊び少なめ。かなり軽めのラバーの押し心地。過去最高に押下圧が小さくて、静音性が低くてかなり良いです。
ファンクションボタン類はプチプチとしたタクトスイッチです。ボタン自体がかなり小さめでほぼ無音。硬さもちょうど良く押しやすく、チープで安っぽい感触や音ではありません。

方向ボタンはもボタン同様にかなり軽めのラバーの押し心地。シーソーも可能で、入力は良好に感じます。
アナログスティックはホールセンサースティックで、中央が凹んだもの、というかフラットよりな形で、Joy-Conや一般的なハードとは違った形状、倒れ角度が大きめです。過去のRetroid Pocket 4/ProやOdin2と似たようで若干違う小さめなトップ。Pocket ACEと似ていますが、若干大きいような気もします。
かなり窪んだ形状になっていて、他のボタンなどに干渉しないように工夫されています。

ショルダーボタンはLB/RBはメンブレンでLC/RCはカチカチとしたタクト。感触は良いです。
LTRTはストロークの長いアナログトリガー。ですが、レトロゲームメインであればボタンのほうが良かったように感じます。
画面・スピーカー
画面サイズ

本モデルのディスプレイの画面サイズは4.2インチの解像度は1280×960、アスペクト比は4:3比率。
ディスプレイ解像度は高く、これまでにない絶妙に大きなサイズ感で、画面比率的にもレトロゲーム2最適だと感じます。

ベゼルは特別小さくはないですが、ガラスが端まで着ているので見え方としては悪くないです。若干上下が対象ではないですが、まぁこれくらいは許容範囲でしょう。
ディスプレイのキレイさにおいては正直ちょっとコストの差をここで感じます。というのも、若干滲んでいる感じがあるのと、輝度は特別高くないのと、ディスプレイまでの距離に若干奥行きがあるように見えます。普通にレトロゲームを遊んでいればそこまで気になることではないですが。
スピーカー
スピーカーは下側面なので、ステレオではありますがフロントスピーカーでは無い点が残念です。しかし手にはもちろん干渉しませんし、入れるとしたらどこに入れるんだという感じなので良いです。
音質は低音が弱い音色で、特段良くはありません。ただ音質悪くて気になるということもないので許容といった感じです。
使用感
では機能周りについて紹介していきます。
初回起動時
初めて起動する際にセットアップが開きます。特段アプリ・エミュレータが自動でインストールされるようなこともないので、自力で設定する必要があります。
Google純正アプリやPlayStoreも導入されているので、そちらからのインストールも可能です。
メニュー画面

メニューランチャーはAYA Homeという独自のものが初期搭載されています。Switchのように横並びでアプリを並べられて、下に行くことでアプリ一覧を見れるシンプルなデザイン。コントローラー対応しているので使いやすいです。
気に入らなければ、もちろん通常のAndroid用ホームランチャーアプリを使うことも可能です。

Android用のAYA Spaceというアプリもプリインストールされています。こちらは設定することでいわゆるエミュ機のように使えるフロントエンドアプリです。今回のモデルでは自動で導入したゲームイメージが反映されていて、簡単に使えるようになっていました。かなり良い感じなので、しばらくこれで使ってみたいと思います。
AYAボタンによる独自機能

AYAボタンを押すことで、横から簡易メニュー画面のようなものが現れ、パフォーマンスやファンの設定、コントローラ設定、明るさなどなど、さまざまな設定をすることができて便利です。
AYANEO Pocketシリーズ共通の仕様ですね。よく使うのは画面明るさ、スクショ、パフォーマンスモードの変更くらいでしょうか。
AnTuTuベンチマーク結果
AnTuTuベンチマークは
総合スコア 459694
CPU 198415
GPU 53095
総合45万、CPU19万、GPU5万となりました。
チップセット自体はMediaTek Helio G90Tです。G99と同等くらいです。
ちなみにスコアは全てパフォーマンスMaxモードのスコアです。通常モードではもう少し控えめになるかもしれません。
ゲームをプレイ

パワーは正直なく、普通に使っていてもカクつくと感じることはあるので、あくまでレトロゲーム用だなと感じます。レトロゲームにしては、4インチ超えで4:3の最適なディスプレイだと感じてよいです。やはり4:3ですよね。
性能的にPS2やGCなど、ヘヴィなハードを遊ぶには厳しいように感じます。あとメモリ・容量がかなり少ないのでAndroid用のゲームを遊ぶのはそこそこに厳しいように感じます。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。
 ポチップ
					ポチップ
				MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
 ポチップ
					ポチップ
				ファンの音・熱
ファンの音はMAXにすると高い風切り音が大きくはなります。結構大きめで、正直MAXであまり遊びたくないなと思う程度には大きいです。ほぼ動かないようにもできますし、調整は効くので、発熱や遊ぶゲームとの調整次第といった感じでしょうか。
そもそも高負荷なゲームが動かないので、そもそもファンは必要か?という気はしますけどね。
感想
正直に言うと、既にこれくらいのハンドヘルドを持っている人にとっては結構被るのでは無いかと感じます。いわゆるレトロゲーム用エミュ機の定番なスペック感のモデル。最近は結構パワーが強いやつが色々でているので、場合によっては足りないと感じることもあるかもしれません。
しかし逆に言うと持っていない人にとっては、十分選択肢になりうるクオリティと、国内販売される予定の安心感があるモデルで、これから買う人にとってのいい選択肢だと思います。
特段良いと感じたのは、ディスプレイの大きさと、ボタン感触。デザインも含め検討してみるのも良いかと思います。

 
  
  
  
   
					