ポータブルゲーミングPCをメインに販売してきたAYANEOさんがなんと、3.5インチディスプレイの小さいAndroid機を出します。
既存で3.5インチのゲーム機って中華エミュ機で色々出てるやんって思うかもしれませんが、地味〜に仕様が異なっているんですよね。
そして何よりAYANEOクオリティ、高級感、重厚感があるラグジュアリーなハード・・・!という期待で、注目が集まっているハードです。
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AYANEO POCKET MICRO 国内正規版:
現在IGGにてクラファン実施中で、最安出資は189ドルから。国内販売も予定されています。
動画版
スペック&主な特徴
AYANEO Pocket Microとは
AYANEO Pocket MicroはAYANEO社による携帯ゲーム機で、OSにAndroidを搭載、Android用のゲーム・アプリやエミュレータで遊ぶ事を目的として作られたハードです。
ゲームボーイミクロを彷彿とさせるような四角いボディが特徴的な横型ハードで、3.5インチの狭ベゼル、フロント面は全面ガラス、そして側面フレームはアルミの削り出しで、リッチな作りとなっているのが特徴です。
チップセットは中華タブレットなどでよく採用されているHelio G99を採用していて、性能そこそこ、金額的抑えめなのも大きな特徴。AYANEO製ゲーム機の中でも最安では無いでしょうか。
RAMは6GBと8GB、ストレージは128GBと256GB、ディスプレイは3.5インチで解像度960×640と3:2の比率、ゲームボーイアドバンスが240×160なので、ちょうど4倍解像度となっています。バッテリーは2600mAh、アナログスティックはホールセンサー、ジャイロ搭載、指紋センサーもあり。
カラーは基本的にマジックブラック、ソウルレッドの二種類に加え、限定モデルのレトログレーがあります。
開封&内容物
では早速開封していきます。今回は国内正式代理店ハイビームさんにデモ機をお借りしてのレビューとなるので、製品版とは仕様が異なる場合がありますがご了承ください。
箱はこちら。黒ベースのシックな雰囲気。本体のビジュアルが描かれた厚い箱です。
内容物はこちら。USB Type-Cケーブル、説明書、本体です。ちなみに仕様は8GB/256GBのブラック。
本体外観
流石のAYANEOさん、クオリティは想像通り圧倒的で非常に良いです。アルミフレームが側面に回っていて、フロント面はオールガラス。そしてこの四角さと小ささが非常に特徴的で、他では味わえないラグジュアリーさを醸し出しています。
カラーリングは黒ベースでボタンのみ赤、というかえんじ色のシックなバランス、レトロハードっぽい雰囲気でありながらどれとも被らないようなデザインが美しく、唯一無二に感じます。
しかしちょっと気になるのは、厚みの大きさ。最初に手に取った瞬間に、ん・・・?なんか厚くね・・・?となりました。スマホのようなサイズ感の携帯ゲーム機で、そして同社のPocket Sのように、厚みを薄く見せるようなデザインをしておらず、角張ったフォルムとしているのでより厚みを大きく感じるのかなと思います。
ボタンレイアウトは右側にABXY、アナログスティック、下にAYAボタン、カスタム可能な=ボタン、
左側に十字キー、アナログスティック、スタートセレクトボタン。
ABXYのレイアウトはXBOX配置ではなくニンテンドー配置、ビューボタンなどではなくしっかりスタートセレクトボタン、そして両方ともアナログスティックは下のシンメトリーなデザイン。
これまでのAYANEO製品ではXBOXコントローラーライクな配置とボタン機能を踏襲していたので、今回は完全にレトロゲームを意識したバランスで、ここも初の試みなのではと思います。
背面はしっとりとしたプラスチックで良い質感、写真で撮ると指紋が目立つように見えますが、実際に目で見てみるとそこまででもありません。あと今回ネジ穴が背面にあるのが珍しいですね。
中央にあるのは排熱用のファン吸気口、そして隣には製品情報とAYANEO Remakeシリーズである事を主張するステッカーが貼られています。反対側には製品概要ステッカー。
上側面にはL1L2、ファン排気口、電源ボタン兼指紋センサー、ボリュームボタン、R1R2
下側面には左右にスピーカー、中心にUSB Type-Cです。
スタートセレクトボタン類が側面でもフロント面でもなく、エッジに配置されているデザインもスマートで素敵。ちょっと違いますが、ゲームボーイミクロインスパイアという感じでしょうか。
左側面にはMicroSDスロット、右側面には点々(…)ボタン、RCボタン。デフォルトではRCが戻るに設定されています。
MicroSDスロットはラバーの蓋がされた仕様となっていて、剥き出しでは無いので、あまり頻繁に抜き外しをする想定では無いのかもしれません。
角張った四角いデザインといっても、エッジは一応丸められています。そして側面勝ちのディテールになっているので、角が刺さったりフレームと全面背面の隙間が手に当たる感じはしません。
ちなみに厚みは測ってみると18mmでした。
他ハードとの比較
同社、AndroidモデルのAYANEO Pocket Sと並べてみたのがこちら。Pocket Sは6インチでなのでかなりのサイズ差を感じます。
わかりやすいサイズ感として、iPhone15Proと並べてみました。なんとなくサイズ感的にはスマホに近いですが、やはり厚みが大きいので、似たようなガジェットには感じません。
そして同じアスペクト比のゲームボーイアドバンスと並べてみたのがこちら。サイズ感は同程度です。印象は全く異なりますが・・・。
そしてデザインが似てるなと感じていた昔懐かしエミュ機丁果A320と並べてみたのがこちら。こちらもガラスでは無いですが画面を覆うようなフロントになっていて、確かに似た雰囲気を感じます。まぁ、サイズ感が大きく違いますが・・・。
操作感
握ってみた感じ、かなりズッシリとした質量がデカい印象です。このサイズで233グラム、そして握りやすいグリップ形状も作られていないので、重量がダイレクトに手にかかる感じです。
ですが、まぁ悪い感じはしません。ズッシリみっちりしているので高級感に繋がっていて、ズッシリ感じるといっても230グラムくらいなので腕が疲れることはありません。
ABXYボタンはサラッとしたテクスチャ、ボタンは印字ではなく掘り込みで、サイズはスイッチライト同等です。軽く押せるラバーの押し心地ですが、若干反発力が弱いように感じます。
AYAボタン・スタートボタンなどはカチカチとしたタクトスイッチ。
十字キーもボタン同様のラバーの押し心地、シーソーも可能で、サイズ感もスイッチライト同等。全体的に押し心地が深めな感じがします。
アナログスティックはホールセンサーなので耐久性的に安心、スティック自体はSwitchに似たサイズ感、似た倒れ角度のものです。ですがスティックトップが若干小ぶりで、他にない不思議な感触です。
若干ボタンとの位置が近く、遊ぶゲーム・スタイルによっては指が干渉するかもしれません。
ショルダーボタンはカチカチとしたタクトスイッチで、横並びではありますが高さに差が付けられていていたり、L1とL2の隙間にカーブが付いていたり、押し分けやすくなっていて良いです。
画面・スピーカー
画面
全面ガラスでそもそも美しいのに加えて、3.5インチ、狭ベゼルで、一般的なエミュ機がVGA(640×480)なのに対して960×640なので、体感としても結構綺麗です。
一般的なAndroid用ゲームを遊んでも普通に表示できる密度ですし、アドバンスをエミュで動かすとピクセルパーフェクトなのが良いです。
ただ、やはり3.5インチでAndroidを動かす厳しさを少し感じます。やはり完全にコントローラーに対応したインターフェイスではないので、慣れていない人は結構苦しいかもしれません。端の方とかは普通にタップしにくいです。
スピーカー
スピーカーはフロントスピーカーではなく、下側面にあります。音質は十分ではありますが、若干シャリっとした感じに聴こえる、低音が弱い感じです。
ですがまぁ、遊ぶゲームにも依るとは思いますが、十分なクオリティだとは思います。ただ音量が少し小さく感じるのと、イヤホンジャックが無いのが注意点ですね。
使用感
メニュー画面
メニューランチャーはAYA Homeという独自のものが初期搭載されています。Switchのように横並びでアプリを並べられて、下に行くことでアプリ一覧を見れるシンプルなデザイン。コントローラー対応しているので使いやすいですね。
気に入らなければ、もちろん通常のAndroid用ホームランチャーアプリを使うことも可能です。
Android用のAYA Spaceというアプリもプリインストールされています。こちらは設定することでいわゆるエミュ機のように使えるフロントエンドアプリです。が、Pegasusフロントエンドの設定、もしくはEmulation Stationの設定を持ってきたりしなければならないので多少手間が多く、初心者向けではないと感じます。
タッチパネル割当て可能
AYAボタンを押すことで、横から簡易メニュー画面のようなものが現れ、パフォーマンスやファンの設定、コントローラ設定、明るさなどなど、さまざまな設定をすることができて便利です。
コントローラー対応していないAndroid版原神のようなアプリでもコントローラーで遊べるように、タッチパネル操作をコントローラーに割り当てる機能が搭載されていますが、それの設定もここでできます。
が、デフォルトのランチャー・AYA Spaceも含め画面サイズに対してUIが小さすぎる気がするので、この点はPocket Micro用に最適化してほしいなと思います。
ベンチマーク
AnTuTuベンチマークV10は
総合スコア 430839
CPU 137498
GPU 65995
となりました。
ちなみにスコアは全てパフォーマンスMaxモードのスコアです。
気になった点はバッテリーですね。持続時間をPCMarkで測ってみたら100%から20%までで6時間55分でした。バッテリー容量の少なさの割に持つ気はしますが、体感なんとなく短いような気はします。
動作検証
ゼンゼロもコントローラー対応で問題なく遊べます。画面が小さいので画質を上げる必要もなく綺麗に見えるので、想像してた以上に動作としては快適です。が、やはりUI周りの小ささがつらいです。
他にも色々とAndroid用のゲームを動かしてみましたが、ゲームによって快適さはかなり左右される感じです。実際マイクラなどではかなり快適でした。
ではエミュレータを動かしてみます。エミュレータで遊ぶとなるとどのようなハードも程よい画面サイズで遊べますし、性能的にも、PS2やGCの一部ゲームが遊べるくらいのパワーはあるので、この小ささで動かす楽しさも大きくあります。
アスペクト比が3:2のディスプレイなので、4:3のゲームを遊んでも、16:9のゲームを遊んでもちょうどよいなと感じます。
あと全面ガラス、全面黒なので、4:3など表示した際にディスプレイ余り部分が気になりにくいのが地味に良いなと思いました。
感想
色々触ってやはり個人的に気になる点としては何より厚みの大きさですかね。あと5mm薄くして欲しかったようなプロポーションに感じます。
あと3.5インチでAndroidを使うというハードルの高さは確実にあると思うので、この面ではけっこう慣れが必要、玄人向けな使い勝手だと思います。
じゃあ何インチだと快適なんだと聞かれたら多分5インチ以上くらいで、それだと確実にこのサイズで作れないので、それを乗り越えてこそ得られる体験があるハードです。このサイズでゲームを動かすことでしか得られない栄養素が確実にあります。
Androidを搭載した唯一無二のラグジュアリーな携帯ゲーム機というのは間違いないと思います。
これであれば金額的にも妥当だと思いますし、何より所有欲を満たされるハードだと思います。