半年以上待ってやっと届きました。
ヘッドセットに装着するとVR端末になるという、とんでもなく変態仕様なハード『Pimax Portal』
まだVRヘッドセット側が届いていないので、携帯モードのみの使用になりますが、それでも十分過ぎるくらいに楽しめるというか、
とうとうここまで来たか・・・
と感動すら覚えました。携帯モードのみであっても、十分変態ハードです。ちょっとおかしい。
販売ストア
公式で予約開始していたはずですが、日本独自のページができるようでその後といった形らしいです。開始したらまたお知らせします。ちなみに私はクラファンで入手しました。
動画版
スペック&内容物
Pimax Portalとは
Pimax Portalは、上海のVRヘッドセットメーカーPimaxが製作した新しい携帯ゲーム機。
このデバイスは、Nintendo Switchのようにコントローラ部分を取り外して、本体を「Portal View」というVRゴーグルに差し込むことで、VR端末として利用することが可能です。
また、異なる特性を持つ2種類のレンズ(27PPD視野角100度と40PPD視野角60度)を交換でき、VR上の用途によって見え方を変更できます。
さらに、Pimax Portalはテレビゲームのためのドックも開発中で、テレビの前に置いて利用することも可能です。
また、Mini Stationという超小型PCとワイヤレス接続してPCゲーム専用機としても利用することが可能です。
Pimax Portalのスペック
スペックカテゴリー | 詳細 |
---|---|
オペレーティングシステム | Android 10 |
プロセッサー | Qualcomm Snapdragon XR2、最大2.84GHz |
メモリー | 8GB DDR4 RAM(標準)、最大8GB対応 |
グラフィックス | Qualcomm Adreno 650 GPU、最大587MHz |
ストレージ | 128GB SSD、最大256GB |
ネットワーク | WiFiとBluetooth接続対応 |
オーディオ | デュアルスピーカー、マイク配列 |
ディスプレイ | 5.5インチディスプレイ、最大有効解像度: 3840×2160、最大フレームレート(最大解像度): 144、最大色深度: 8ビット、輝度: 400nit、コントラスト比: 1000:1 |
タッチスクリーン | 5点マルチタッチ |
I/Oインターフェース | USB Type-C x 1 |
サイズ | 225mm (長さ) × 89mm (幅) × 14.2mm (厚さ) |
重量 | 367g |
充電 | 5Vdc 3A / 9Vdc 2A |
バッテリー | 3960mAh |
以上のスペックは、”ポータル 8+128G”と”ポータル 8+256G”の2つのモデルに適用されます。
“PORTAL QLED 8+256G”モデルにはさらにQLED + mini-LEDディスプレイ、WiGig対応がスペックとして追加されます。
“PORTAL XL”と”PORTAL DOCK”の詳細スペックはわかっていませんが、それぞれ特定の機能を強化するとのこと。
ちなみに128GBモデルはカラーが白、256GBモデルが黒となっています。今回私が入手したのは128GBモデル。
開封&内容物
今回はとりあえずVRヘッドセットのPortal Viewがまだ完成していないということで、ハンドヘルドの方だけ送ってもらいました。
箱は小さめでシンプルなデザインです
内容物はUSB-Cケーブル、画面クリーナー、クイックガイド、本体です。
保護フィルムらしきものはすでに貼られていました。
本体外観
デザインがカッコよすぎ
まず何よりデザインがかなりイケてます。
スイッチライクなボタン配置、プロポーションでありながら、白と黒の組み合わせ、ティアドロップ型のボタン形状など、他に見ないディテールでときめきます。
素材の切り替えやボタンの多さにより、空白が少ないのも好印象です。
質感・精度はちょっと微妙
対して質感と精度はあまり高くなく、少し残念です。
質感はツルツルとサラサラの中間のような触り心地で、
質が良いプラスチックとは言えないものの、ギッチリと詰まった感がある重量感のおかげで、悪くないのかな?と感じます。
気になるのがシェル精度。シェルの側面を見てみると、均等ではなく、ガタガタと歪んで見えます。
実際に手にしてみると、軋みがあったり手に引っかかりを感じることは無いのでしっかりと組まれているとは思いますが、気になります。
ボタン多い
ボタンレイアウトは右側に○△ボタン、ABXYボタン、アナログスティック、スタートボタン、セレクトボタン、ファンクションボタン。
左側には✕⅄ボタン、アナログスティック、十字キー、メニューボタン?とホームボタン、戻るボタン。
このハードの大きな特徴の一つは、ボタンが多いってことなんですよね。
通常のABXYボタンに加えて謎の○✕ボタンがあったり、下側にはホームボタンや戻るボタンに加えて何に使えば良いのかわからないボタンが沢山と、あります。
背面にはファンの吸気口とカメラ。このカメラはちゃんと撮影できます。
左右の側面には特に何もなく
上側面には左からL、ZL、MicroSDスロットと電源ボタン、R、ZR。背面側にファンの排気口。
下側面には左右にスピーカーがあり、真ん中にUSB-C端子。
ちなみに角に配置されているカメラはVR用に搭載されているものです。
他ハードとの比較
Nintendo Switch有機EL版と比較してみると縦・横幅がそれぞれ少し小さめで、手にした感覚としてはSwitch Liteに近い印象です。
画面サイズもSwitch Lite同様の5.5インチ。解像度はSwitch Liteが720pなのに対してPortalが4Kなので、全然違いますが・・・。
操作感
Switch的な重量感
重量は367gと比較的軽めでありながら、取外し可能なコントローラーなだけありSwitch的な重量感です。
コントローラー部分は軽く、画面部分が重い少しアンバランスな感じです。Switch同様コントローラーにグリップが無いので、人によっては疲れやすいと感じるかもしれません。
ボタンは全てドームスイッチ
個人的に好感を持ったのが、ボタンがすべてドームスイッチでプチプチとした押し心地なんですよね。
十字キーもSwitch同様、独立型のボタンとなっているので人によっては操作しづらく感じるかもしれませんが、私はSwitchで慣れているので問題なく感じます。
LRボタンはカチカチとしたタクトスイッチ、ZLZRボタンはストロークが長いトリガーボタンですが、最後まで押し込むとカチッと音がなります。
アナログスティックは、可もなく不可もなくといった印象です。
片手持ちするとコントローラーが外れる
コントローラー部分はSwitchのように差し込むのではなく、マグネットにより吸着しています。
結構強力なマグネットなので普通に遊んでいれば特に問題なく、取り外しもしやすく便利ですが、片手持ちをすると外れてしまうので、注意が必要です。
画面・スピーカー
このサイズで4Kディスプレイだが
このハードのとても変態なポイントが、なんとこのサイズで4K(3840×2160)のディスプレイ。史上初の4Kディスプレイ搭載携帯ゲーム機らしいです。
初期設定では1080pなので、設定を変更して4Kにしたものの・・・
わからん・・・
確かにエッジが立って、ピクセルのジャギーがまったく見えなくなったものの、バッテリーの消費も早まるし、5.5インチなら1080pで良いかな・・・という印象です。
あとそもそも4Kに対応しているゲームがエミュくらいしか無くない?という問題もあります。
良いスピーカー、しかしボリューム低め
スピーカーもそこそこ良く、籠もったような音色ではなくクリア寄りのサウンドで、耳に刺さる感じも無く良いです。
使用感
独自UIにチューニングされたAndroid
メニュー画面はSwitchのように左右を行き来しアプリを選択して起動、最近使ったアプリが手前側に表示されていく仕組みです。
本端末は基本的にAndroidでありながら、ゲーム機として使いやすいように独自チューニングされているので少し使い勝手が違います。
一番わかり易い例を言うと、スマホを上から下にスワイプするステータスバーが表示されず、代わりにファンクションボタンを押すことで設定画面のようなものが表示されます。
独自ストア、アプリ自体の未対応
また本端末は独自ストアを備えていて、そちらから携帯モード用のアプリやVR用のアプリをインストールすることができます。
その上、PlayStore経由で通常のAndroidアプリもインストールできます。
しかしシステムの問題なのか、アプリによっては起動できません。Netflixは開くことが出来なかったので、Netflixゲームは遊ぶことができませんでした。
日本語化可能
Android側の設定アプリから言語を日本語に設定することで日本語化することが可能でした。
所々微妙な翻訳の場所がありますが、概ね問題なく読むことができます。
日本語に設定しておかないとアプリが英語で立ち上がってしまうことが多いので、まず最初に行いましょう。
ショートカットキー一覧
個人的にボリュームボタンが無いのが不便だなぁと思っていましたが、公式のガイドを見てみるとボタンの組み合わせにより可能でした。
キーポジション | アクション | 機能 |
---|---|---|
L: ✕+⅄ / R: △+○ | 長押し 4秒 | ペアリングモードへの入り |
L: 戻る+メニュー / R: ファンクション+スタート | 長押し 4秒 | ペアリングしたコントローラーのアンペア |
L: メニュー / R: スタート | 長押し 7.5秒 | コントローラーの再起動 |
L: メニュー / R: スタート | 短押し 1秒 | コントローラーのオン/起動 |
戻る | クリック | バック |
ホーム | クリック | ホーム |
メニュー | クリック | TBD(未定) |
ファンクション | クリック | TBD(未定) |
セレクト | クリック | 選択 |
スタート | クリック | スタート |
✕ | クリック | カスタマイズ可能 |
⅄ | クリック | カスタマイズ可能 |
△ | クリック | カスタマイズ可能 |
○ | クリック | カスタマイズ可能 |
ファンクション | プレス | ファンクションボックスの呼び出し |
ファンクション | ダブルプレス | スクリーンショット |
ファンクション+✕ | 同時に押す | ボリューム – |
ファンクション+⅄ | 同時に押す | ボリューム + |
“TBD”は「To Be Determined」の略で、まだ決まっていない機能を示しています。
○△ボタンなどはゲーム上で同じボタンと認識されてしまうようで割り当てることが出来ず、まだまだシステムは未完成だと感じます。
タッチパネルにボタン割当可能
コントローラー対応していない原神のようなアプリでも、タッチパネルにボタンを割り当てることが可能で、一応コントローラーで遊ぶことが可能です。
ファンクションボタンを押してKeyMを押すことで設定画面が開き、各ボタンを押して設定していきます。
この場合だとファンクション・戻る・ホーム以外全部のボタン割り当てれます。
これ以上を望まないくらいにパワフル
AnTuTuベンチマークはこのようになりました。
まさかの60万点超えで、心強い高得点です。点数的には同じAndroidゲーム機と比較すると、OdinProよりも高く、GPD XP Plusと同等といった結果となりました。
なので原神は最高画質でプレイすることが可能、PS2、Wiiなどのエミュレータも要設定ではありますが快適にプレイ可能です。
ワンダと巨像が解像度3倍で遊べる日が来るなんて・・・と感動しました。他にも重めなタイトルで確認すると、Wiiのゼノブレイドで解像度2倍で普通に遊べたりと、新時代来たなぁ感があります。
取り外し可能なコントローラーが面白すぎる
片手で持つと外れちゃうという点はあるものの、取外し可能なコントローラーは本当に面白いです。
Switchのようにカチッと固定されるのではなくマグネットにより接続されているので、より手軽に取り外し、ちょっと別の体制で遊ぶことができて、中々快適です。
マグネットはかなり強力でガチッ!と音が鳴る程に衝撃が有るので、指を挟んだら普通に怪我をすると思います。
テレビ出力もできれば良いんですが、私が試してみたところ対応していないのか、それともシステム的にまだなのか分かりませんが使えませんでした。
システムがまだまだ未完成
一番の問題はここですね。
システムがまだまだ未完成で、ちょっとした不満が多いです。ボタンの割当ができないことがあるとか、タッチスクリーンに割り当てたら謎の動作をしただとか、
まぁ不便に感じる部分も無視して使うことはできるので、あくまでAndroidに慣れた人なら使いこなせるかな、という雰囲気です。
あと個人的に気になる点はMicroSDスロットがSIMピンなところ、そして急速充電非対応というところ。使う電源やケーブルによっては充電されません。なのでマグネット端子を付けて活用しています。
感想
一通り遊んでみて感じたのは、やはり現状最高クラスの性能を持つAndroidゲーム機だということ。
同程度の性能としてはGPD XP Plusがありますが、画面のアスペクト比を考えると、あちらは20:9という横長な比率なのでスマホゲームに適したサイズ、こちらはスマホゲーム+αで楽しめるバランスに仕上がっていると感じます。
ビルドクオリティやシステムの未完成さといった点で少し残念なポイントもありますが、それを上回る画面解像度の高さ、ギミックの面白さなど、このハードにしか無い特徴が多く有ると感じます。
VRヘッドセット届くのが本当に楽しみですね。届いて使えるようになったらまたレビューをします。