今回はANBERNICさんの新作…と思いきや、過去に発売したモデルの廉価モデルをレビューしていきます。
今更…?とか、もう上位互換の機種手に入れちったよw
と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、しばらく使ってみたらやっぱ良いモデルだなと思うと同時に、安くなってスペックー金額のバランスがかなり良くなったような気がして、
これはこれでかなりアリだな、と感じます。
販売ストア
▲Anbernicオフィシャルストアを始めとする海外ストアでの販売がされています。金額は12699円+送料1699円(記事執筆時点)。
動画版
スペック&主な特徴
RG353PSとは
RG353PSは中国Anbernic社によるRGシリーズの携帯ゲーム機で、レトロゲームやRPGツクール、PCゲームの移植を遊んだりできます。本端末をざっくり説明すると
・Linuxを搭載
・3.5インチでVGAの画面
・PSP、DCあたりまでそこそこ動く
・特徴的なフォルム
・品質そこそこ良い
・コスパそこそこ良い
中でも最大の特徴はスーファミコントローラーに画面が付いたようなトリッキーなビジュアルですね。
RG353PSのスペック
項目 | RG353PS |
---|---|
名称 | RG353PS |
システム | LINUX |
対応ゲーム | PC 移植ゲーム、FC~PSP、DC、N64などの各種エミュレーター |
ディスプレイ | 3.5インチ IPS (640 x 480) |
CPU | RK3566 Quad-Core 64 bit Cortex-A55, 主な周波数最大1.8GHz |
RAM | LPDDR4 1GB |
ストレージ | Linux 16GB + 外部MicroSD |
バッテリー | リチウムポリマー バッテリー3500mAh |
インターフェース | 2.4/5G WIFI 802.11a/b/g/n/ac, Bluetooth 4.2 |
サイズ | 174 x 81 x 20 mm |
重量 | 209g |
RG353PSはLinuxベースのシステムを搭載、SoCにRK3566 を搭載していて、ざっくりエミュで説明するとレトロゲームからPSP~DCあたりまで遊べるくらいの性能。
3.5インチのIPSディスプレイ(解像度640×480)を備えており、ちょうど良いバランスとなっています。
本体カラーはグレー/ クリア ホワイト/クリア パープルの三色。
RG353Pとのスペック比較
またRG353PSはRG353Pの廉価版で安くなったバージョンです。
- RAM:
RG353P: 2GB
RG353PS: 1GB - OS:
RG353P: Linux&Androidのデュアルブート
RG353PS: Linux
スペック的には、他の主要な仕様(CPU、画面サイズ、バッテリー容量など)は同じまま、RAMとOSの違いがあります。
RG353Pは2GBのRAMを搭載し、LinuxとAndroidのデュアルブートシステムを提供しています。一方、RG353PSは1GBのRAMを搭載し、Linux OSのみとなり、安くなりました。
正直CPU性能的にAndroid要らないと感じていたので、これはグッジョブだと思います。
開封&内容物
Anbernicさんからサンプルをいただいたので、早速開封をしていきます。
▲箱はいつも通りのAnbernicデザインで、シンプルな線画デザインとなっています。RG353Pはもうちょっとリッチなデザインだったような気がしますが、コスト削減でしょうか?
▲内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、説明書、保護ガラスフィルムです。
本体外観
おもちゃっぽいビジュアルだが・・・
▲最初に見た際、なんか透けて見えてる基板がなんか変だし、ボタンの色も明るいし、すごくオモチャっぽくてチープな雰囲気なのでは?と感じだったんですが、
実際に手にしてみるとやはり相変わらずのビルドクオリティ、質感の高さで、満足できます。透明感もちょうど良く、中々ユニークなハードです。
▲裏面の丸いラバーグリップ、透けて見えるバッテリーまでがデザインのように見えてきて面白い見え方です。
ボタンの色、ベゼル部分のグラフィック
▲表面は右側にABXYボタン、アナログスティック、画面寄りにスタートボタンと電源ボタンがあります。
左側には十字キー、アナログスティック、画面寄りにセレクトボタンとファンクションキー。
ボタンの色が4色、その他十字キーなどがグレーとという配色になっていて、スーファミコントローラーをより意識させるデザインになっています。
ベゼル、基盤の色
▲またRG353PではANBERNICと印字されていた画面のベゼルですが、今回はゲームボーイのようにDOT MATRIX~というデザインに変更になっています。
ずいぶんシェルの透明度上がったな~と思っていましたが、というよりは中の基板の黒から白へ変更となったことが大きく起因していそうです。
▲上側面には左からL1L2、コントローラー用USB-C、リセットボタン、MiniHDMI、ボリュームボタン、充電用USB-C、R1R2。
下側面には左からスピーカー、システム用MicroSD、イヤホンジャック、ストレージ用MicroSD、スピーカーです。
▲左右側面には何も無く、上下でインターフェイスがまとめられているのが良いですね。
RG353Mと比較
▲同じSoCを搭載したRG353Mと並べてみました。
RG353Mはかなりコンパクト、最小寸法で作られている感が良いですね。本音を言うとRG353Mのプラスチック版が出てほしい。
操作感
手に馴染むコントローラー
▲コントローラーのようなシェイプが握りやすく、他の四角いハードと比べてもかなり手に馴染みます。厚みもうまく調整されていて、携帯ゲーム機の中ではかなり操作性が良い方かと。
重量はガラスフィルム込、実測値で218gで、RG353Pの実測値と同じでした。
電源ボタン・ファンクションキーの位置が好き(2回目)
▲ボタンは基本ANBERNICらしい、しっかりとした押し心地、遊び少なめで良い感じです。
またこれRG353Pの時も言ったんですが、電源ボタン・ファンクションキーが画面側に有るのが嬉しいんですよね。細かく遊んだり、メニュー画面出したりしながら遊ぶタイプの人にとっては便利な場所にありそうです。
▲十字キーも同じく良い感じです。Anbernicの十字キーは斜めに入りやすくて嫌だ・・・という人が一定数居るんですが、私はむしろ斜めに入りやすくて好きです。
なんとなくそっちのほうがスムーズに操作できるような気がします。が、まぁ遊ぶゲームの種類にも寄るのかもしれませんね。
縦配列のLRボタン
▲縦配列のLRボタンは、カチカチとしたSwitchのJoy-Conのようなものではなく、ヌルっとした音も小さめのショルダーボタンです。
画面・スピーカー
ちょうど良い解像度、十分な明るさ、タッチパネル無し
▲ディスプレイは3.5インチで解像度がVGAの640×480。毎度おなじみ、レトロゲームに適した解像度・縦横比です。
Androidが使えなくなったことにより、タッチパネルも搭載されていません。
実はスピーカーが良い
あとこれ地味に気に入っている点なんですが、スピーカーが結構クリアな音質で良いんですよね。こういった音色の端末って他に中々無いので、有り難いです。
使い方
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
付属するMicroSDは質が高くない(突然壊れる可能性が高い)上、内部にゲームイメージが含まれている場合が有るので非推奨です。
容量は128GBくらい有れば十分かと。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
遊べるゲームについて
デフォルトで搭載されているエミュレータは
一部の PC 移植ゲーム、 PSP、DC、SS、PS1、NDS、N64、CPS1、CPS2、FBA、NEOGEO、GBA、GBC、GB、SFC、FC、MD、SMS、GG、MSX、PCE、WSC、WIN、NGG など20種類のエミュレーター等です。
遊ぶゲームタイトルによっては動作がイマイチだったりするので、その点は留意しておく必要があります。
基本操作
この端末はいわゆるRG351シリーズ同様のファームウェアで、グラフィカルで直感的なメニュー画面、RetroArchをメインで採用した動作が特徴的です。
使ったことがある人は特に問題なく使えるかと思います。以下に基本的な操作をまとめておきます。
・電源オン:OSがインストールされたMicroSDがTF1に入った状態で電源ボタン3秒ほど長押し
・電源オフ:セレクトボタンを押してSHUTDOWN SYSTEMを選択
・ゲーム起動:メニュー画面で選択してAで起動
・ゲーム内メニュー起動:ファンクションキーを押す
・ゲームを終了:ファンクションキーとスタートボタンを同時押し
・明るさ調整:ファンクションキーとボリュームボタンを同時押し
・ゲームイメージの導入:TF2に空のMicroSDを入れて起動するとフォルダが生成されるのでその中の対応するハードに入れる
・テレビ/モニターへ画面出力:MiniHDMIケーブルで接続した状態で本体を起動
・日本語化:メニュー画面でスタートボタン、System Settings → Language で日本語に
動作テスト
では実際にどのくらい動くのかざっと検証していきます。
▲ドリキャスのジェットセットラジオは問題なく遊べました。画面比率も相まって、中々良い遊び心地です。
▲64は若干カクつくことがありますが、シビアなゲームでなければ基本的には問題なく遊べそうです。ゲームタイトルにもよると思うのでなんとも言えませんが・・・。
▲PSPも大体のタイトルは問題なく遊べますが、重いタイトルは結構処理落ちする印象です。画面サイズ的にも遊びやすいとは言えないので、正直実機で遊んだほうが・・・と感じます。
感想
RG353Pは他の携帯ゲーム機には無いフォルムなので新鮮な気持ちで遊べて、そこそこの性能が有るので色々快適に遊べるって点で良いと思っていたんですが、性能に対して金額が少し高すぎるなと感じていました。
しかしRG353PSは不要だと感じていたAndroid等の機能を削除して最適化され、性能と金額がちょうど良いハードになったのでは?と感じます。
もっとコスパ良いハードはあるにはありますが、Anbernicならではのビルドクオリティ、特徴的なシェルデザイン、3.5インチ画面に対しての性能など、非常にバランスが良いハードだと感じました。
それはそうと、個人的にはRG353Mのプラスチック版が出てほしいって気持ちがずっとあります。