昔のゲーム機には、今では考えられないような少し変わった周辺機器があったんですよね。
セガの「ドリームキャスト」で使われていた VMU もそのひとつです。
小さな画面が付いたメモリーカードとして、セーブデータを保存するだけでなく、
ゲームの情報を表示したり、持ち運んで遊べるミニゲームまで搭載。
VMUPro は、そのVMUを現代の技術で作り直した製品。
大容量でセーブデータを管理できるほか、本体だけで内容を確認したり、
エミュレータで遊んだり、音楽プレイヤーとして使うこともできる、まさに刺さる人には刺さる一品。
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価格は公式ストアにて、94.90ドル、送料別。
動画版
スペック&主な特徴
VMUProとは
VMUProは、8BitModsが開発する Dreamcast用の次世代ビジュアルメモリ(VMU互換デバイス) です。
純正VMUと互換性を保ちながら、カラー液晶、大容量ストレージ、無線通信などを追加した、現代仕様のVMUとなっています。
ディスプレイは1.5インチ・240×240解像度のバックライト付きIPSディスプレイを採用。モノクロだった純正VMUと比べて視認性が大きく向上しています。
本体には240MHz駆動のデュアルコアCPUを搭載し、Wi-FiとBluetooth LEに対応。ストレージはmicroSDカードを使用し、最大2TBまで拡張可能です。仮想メモリーカード方式を採用しており、ゲームごとにセーブデータを自動で管理できます。
Dreamcastに接続している間は通常のVMUとして動作し、取り外すと単体モードに切り替わります。単体モードではセーブ管理のほか、VMUミニゲーム(eVMU)や8bitコンソール(GB/GBC/NES/GG/MS)のエミュレーションにも対応しています。
バッテリーは720mAhを搭載し、エミュレーター使用時で最大約6時間動作。USB Type-Cによる充電に対応し、Dreamcastコントローラーに挿したままの充電も可能です。
カラーはクラシックホワイト・ソリッドブラック・フロストホワイト・スモークブラック・フロストブルー・フロストピンク・エメラルドグリーンと多色展開です。
開封&内容物
では開封していきます。

箱はグラフィカルで良いですね。もう既に年季の入ったビジュアルをしていますが、まぁこんなもんでしょう。
内容物は紙一枚の説明書・ストラップ・本体。説明書にも説明という説明は書いていないので、オンラインのガイドを見に行く必要があります。かなり説明が少なく、戸惑いました。
本体外観
ファーストインプレッション

今回はもちろんフロストホワイトを選択、いわゆるつや消しのクリアホワイトです。最初の印象としては、非常に質感が良くなんといってもこのミニミニサイズ感、たまりません。久しぶりなマイクロサイズは非常に染みます。
今改めて触ってみると確かにめちゃくちゃ小さいサイズ感なんですが、しかし翌々考えてみるとめちゃくちゃ似たサイズ感の中華ゲーム機が出ていたりするので、意外に馴染むような感覚があります。
シェル質感自体は良い感じでチープには感じませんが、精度はそこまで高くないように感じます。若干の噛み合いの隙間があったりします…が、まぁこれくらいのサイズであれば仕方ないでしょう。
ボタンレイアウト・インターフェイス

ボタンレイアウトは
右側にABボタン、上部にスリープ・モードボタン、
左側に方向ボタン
左がAだったりと、オリジナルのVMUを踏襲したボタンとなっています。正直これでゲーム遊ぶにはボタンが少なすぎるのでは、と思うかもしれませんが、しかし良く見てみると色々とボタンが追加されているんですよね。

背面にはボタン電池の代わりにバッテリーが搭載されているのが見えます。その上部はスピーカーの開口。

上側面には端子があるのみで、
下側面には左右にファンクションボタンがあり、中央にUSB-Cがあります。

左側面には電源ボタン、
右側面にはMicroSDスロット。
なんとオリジナルから3つもボタン追加されています。
そういえばストラップ付いてきたけど、ストラップホールって無いですね。どこにつける想定なんだ?
他ハードとの比較

ではオリジナルのVMUと比べてみましょう。基本的なデザイン自体はオリジナルを踏襲していますが、更に大きくなったディスプレイや下部のデザインは異なります。これにより、実際にコントローラーに装着した際には出っ張るのがちょっとだけ気になりますが、まぁやむなしでしょう。

そして気付いちゃったんですが、RG Nanoと同じ画面サイズ・同じくらいのサイズ感なんですよね。おそらくNanoと同じディスプレイを採用しているんだと思います。じゃあNanoでいいじゃんとか言わないでください。
操作感

正直操作性は良いとは言えませんが、しかしこのサイズを考慮すると妥当でしょう。
かなり小さめのボタン、そしてABボタン・スリープとモードボタンはラバーのままで、ある意味ではオリジナルと同じ仕様ですし、実際オリジナルよりは入力しやすいですが、
若干戻りが悪く、アクションゲームをしっかり遊ぼうと思うとかなりの難易度になってしまうと思います。あくまでカジュアルなゲームを軽く遊ぶ程度のモデルだと思っておくのが良いでしょう。
上下左右の入力も一応シーソーは可能なものの、結構な誤入力がされるような印象です。しかしこのサイズの方向ボタンなら仕方ないような気もしますけれども。
あと電源ボタンもかなり奥まっていて、正直押しにくいんですが、しかし電源ボタンをわざわざ押さずともスリープの状態でもかなりバッテリーが持つので、使い勝手の悪さはそこまで感じません。
画面・スピーカー
画面

VMUProは、1.5インチ・240×240解像度のIPSカラーディスプレイを搭載。
純正VMUはモノクロ液晶でバックライト無しの暗い画面でしたが、VMUProではバックライト付きのカラー表示に進化しており、視認性は大幅に向上しています。
解像度もこのサイズにしては高解像度で、ピクセル感も少なく感じて良いです。
ベゼルは感じさせない作りになっていて好印象。
輝度は記載がありませんが、高く映せるので非常にありがたいです。私は眩しいくらいの明るさで遊びたい人間なので、助かります。
スピーカー
スピーカーは背面なので、直接聴こえない上モノラルな点は残念ですが、しかし妙に音質がいいんですよね。搭載されているのは0.7Wのモノラルスピーカーで、44.1kHzのMP3再生まで対応、更にBluetooth LE Audioに対応し、別売アドオンでヘッドホンジャックも使用可能になるとのことで、音にも妥協していない仕様になっています。
音質はサイズ相応で低音は控えめですが、中高音は聞き取りやすく、屋内で遊ぶ分には十分な音量があります。
使用感
では早速初回起動からの使い方を紹介していきます。細かいところが気になる方はオフィシャルのガイドを見てみてください。
初回起動時
実は届いて最初起動しなくて焦りました。初回起動時は充電が必要とのことで充電してから起動しようと思ったんですが、左の電源ボタンをいくら押しても起動しませんでした。
どうしたらいいのかわからず、とりあえず試しに背面のネジを外し、バッテリーコネクタを抜き差ししてみると無事起動しました。何が原因だったのかは分かりませんが、良かったです。その後も特に問題なく起動しています。
ちなみに初回起動時にはタイムゾーン、Wifi設定などが行われます。
メニュー画面

メインメニュー、というか動作感的にはやたらキビキビとしていて気持ち良いです。
本端末はドッキングモードとアンドックドモードがあり、アンドックドモードがいわゆる単体で使う状態で、自動で切り替わります。
操作方法としてはシンプル、というかこれもVMUを踏襲していて、モードボタンを押すとメニュー画面が開き、左右で項目を選択してAで実行という形です。
メニュー項目は次の通りです:
・VMU Browser(セーブ管理)
・Games(ゲーム)
・Apps(アプリ)
・Settings(設定)
・Music(音楽再生)
・Power Off(電源オフ)

VMU Browserではこのようにグラフィカルに、ドリキャスのメニュー画面のようにセーブデータ一覧を眺めることが可能です。

もちろんオリジナルのVMUとドッキングさせてセーブデータの移行なども可能です。
ゲームをプレイ

ではメインの機能では無いんですが、割としっかりと実装しているエミュレータ機能も試していきます。エミュレータは現状ゲームボーイ(カラー)とファミコン、ゲームギアとマスターシステムのみなので、そんなに多く遊べるわけではないんですが、しかし60FPSでキビキビと動作します。
若干グリッチがあったり音にノイズが乗ったりとしていますが、カジュアルに遊ぶ分には十分なくらいだと感じます。

ゲーム中にこれどうやってやめるんだと最初困惑したんですが、左下のファンクションボタンを押すことでメニュー画面が開き、ステートセーブやロード、オプションから画面表示の変更などが可能です。
エミュ機のように良い感じのフィルターを掛けたりすることはできないので、ゲームボーイを遊ぶ際にピクセルの崩れは気になりますが、いわばオマケ機能のようなものでここまで遊べるのであれば十分でしょう。

あとVMU用のミニゲームも遊んでみたいなと思い、実際にソニックアドベンチャーでチャオをVMUProに送ってみたんですが、実際に遊ぼうとするとVMUのBiosが必要と言われて、吸い出し困難なものなので実質的に厳しいものとなりました。ここは少し残念です。
ちなみにソニックアドベンチャーを実機でプレイ中に遊べるチャオパズルは問題なくプレイ可能でした。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
感想
まだまだ使える機能が少なく、今後アップデートやアプリの追加などが可能だそうなので、ソフトウェア的には今後に期待なモデルではありますが、しかしハードウェア的には結構良くできていて満足感があります。
ドリキャス実機でゲームを色々遊びたいと考えている人にとっては、実質無限にセーブできて、減りやすい電池の心配をする必要もない便利デバイスで、非常に良い選択肢だと思います。
エミュ機としてほしいと思っている人にとっては、現状ではちょっと物足りないデバイスかなと思います。が、これまでのエミュ機とも全く違うメニュー画面や動作感といった面白さもあるので、これを機にドリキャスを遊ぶんだ、くらいの気持ちで買ってみるのはありかな、と思います。
