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エミュレータ機

【レビュー】次世代を感じるレトロゲーム機『Retroid Pocket Mini』

エミュレータ機

Retroid社から新作が出ました。

正直デザインとしてはそこまで刺さった端末ではないんですが、実際に使ってみると想像以上にコンパクトなサイズ感は魅惑的だし、高いスペック、リッチなディスプレイ仕様が理想的なバランス。

待ち望んでいたタイプのハードであり、これ他のエミュ機一切触らなくなっちゃうな・・・と感じるほどに幸せです。

販売ストア

Retroid Pocket MINI Handheld
Retroid Pocket MINI Specifications & Features: CPU: 1*A77@2.8G 3*A77@2.4G  4*A55@1.8G GPU: Adreno 650 RAM: 6GB LPDDR4x@2...

販売は原則公式ストアのみとなっています。金額は通常価格が199ドル、送料別です。ちなみに同時にRetroid Pocket 5も販売開始していて、そちらも注文済みなので来月届く予定です。

動画版

スペック&主な特徴

Retroid Pocket Miniとは

Retroid Pocket MiniはRetroid Pocketシリーズの携帯ゲーム機、Retro + Androidの名前の通り、Androidを搭載したゲーム機です。

3.7インチの1280×960と高解像度な有機ELディスプレイを搭載していて、名前にあるように小ささが特徴です。前面はコントローラーも含めガラス貼りで、高級感があるデザインが特徴的です。いわゆる初期Vita的な作りですね。

チップセットはSnapdragon865、メモリ6GB、ストレージ128GB、MicroSD対応、Androidバージョンは少し古めで10。バッテリーは4000mAh、Wi-Fi 6 & BT 5.1、ホールセンサースティック。

カラーはサターン、オレンジ、ブラック、SFC、16Bitの5色。

開封&内容物

では早速開封していきます。

箱はこちら。いつものRetroidシリーズ通りのしっかりとした箱です。開封する際蓋がマグネットになっている点など、独自のこだわりで魅せています。

内容物はこちら。簡易的なマニュアル、USB-Cケーブル、本体です。フィルムは付属しないので、別途購入するか、サードパーティ製のものが出るのを待つしかなさそうです。ちなみに私は裸で使います。

本体外観

今回選んだカラーはブラック。結論から先に言うと大正解でした。黒の全面ガラス+有機ELの組み合わせがめちゃくちゃ親和性高い。

まぁ詳細は後でするとして、やはり全面ガラス貼りデザインは高級感が溢るる、かなりテンションが上がります。もちろん黒に光沢なので指紋は目立つのですが、視覚的にも触覚的にも気持ち良いです。

サイズ感も最高で、このなんというかギュッ詰まった感じがあり、商品写真で見ていた以上に小さく感じます。

しかしその分背面シェルの質感が普通に素地のサラサラとしたプラスチックなのが気になります。というか、同じように全面ガラスのAYANEO Pocket Sを先に触ったからかもしれません。

あちらも背面は同様にプラスチックなのですが、マットでしっとりとした質感なので同じプラスチックでもちょっとリッチな感じがあるんですよね。特段チープな感触である、というわけではないんですが。

画面付いていない状態だと、画面が無いように見えますね。美しい。

ボタンレイアウトは右側に、スタート、ABXY、アナログスティック、バック、

左側に、セレクト、十字キー、アナログスティック、ホーム。バック・ホームの隣はスピーカーです。フロントスピーカー良いですね。

アナログスティックは内側に寄っていて、少しでも快適に操作できるよう工夫されたレイアウトになっています。

背面には中央にファンの吸気口、Retroid Pocketのロゴが彫り込みで入っています。

上側面には左から、L1L2、排熱ファンの排気口、ボリュームボタン、電源ボタン、R1R2、

下側面には、MicroSDスロット、イヤホンジャック、USB-C。

今回のモデルでは過去のシリーズとは違い、グリップが大きく作られています。

ディスプレイ部分の厚みは約17.5mm。想定していたより厚さを強く感じない、緩やかなカーブのデザインになってはいます。

が、これまでは3+では14.6mm、4Proでは16mmとかなり薄め、そして別売りでグリップが販売されていて、他社のハードよりも圧倒的に薄いスレート型のデザインがかなり好みだったので、少し残念です。

他ハードとの比較

サイズ感としては標準的な中華ゲーム機のサイズ感といった大きさで、3.7インチではありますが3.5インチのハードなどと体感としては同等、GBAくらいのサイズです。携帯性が高くて良いですよね。持ち運びませんけど。

前モデルのRetroid Pocket 4Proと並べたのがこちら。やはり横長比率というのもあり、一回り違うサイズに感じます。

AYANEO Pocket Sと並ぶとまるで兄弟のような佇まいになって素敵です。

ゴールドのスイッチライトはかっこいいです。

スマホと並べたのがこちら。

操作感

グリップは最近よくみる?隆起したデザインで、中指がこの隙間に収まるようなフィット感です。本体側面のカーブ具合がいい感じに指にフィットして持ちやすいです。

重量は約220グラムとかなり軽め。確かに重量が大きいハードには手の負担を軽減するために手にフィットするグリップは有効ですが、この重量ならグリップいらないのでは?と個人的には思いました。逆にグリップ無しの交換用バックカバーとか出してくれないかな・・・。

ちなみにPocket 5の方は280グラムなのでグリップは効いてきそうですね。

ABXYボタンはサラッとして平たいボタンで、遊び少なめ、しっかりとした硬めのラバーの押し心地。十分な感触ではありますが、パチパチと音が鳴る感じと、若干戻りにくい感じが気になります。側面に擦れた跡があるので、ちょっと遊びが少なすぎるのかも?

ちなみに、Retroidでは交換用のボタンパーツなどが公式ストアにて販売されています。

スタートセレクト、ホームバックボタンはカチカチとしたタクトスイッチです。ボタン自体がかなり小さめ、若干硬めではありますが、押しやすく、チープで安っぽい感触や音ではありません。

十字キーはVitaライクな形状・寸法、感触もドームスイッチのプチプチとした押し心地。シーソーも可能で、入力は良好に感じます。

アナログスティックは中央が凹んだもので、Joy-Conや一般的なハードとは違った形状、倒れ角度が大きめです。過去のRetroid Pocket 4/ProやOdin2と同様なトップ。

ちなみにスティックはホールセンサーなので壊れにくい(らしい)ものとなっています。

あとアナログスティックが下なので、遊ぶタイトルや持ち方、操作のクセによっては快適度が変わります。若干内側に入り込んでいる&グリップがあるおかげでPocket 4 Proよりも負担がかかりにくいように感じます。

ショルダーボタンはL1R1カチカチと音がするタクトスイッチ。感触は良いと感じます。

L2R2はストロークが長いアナログトリガー。

画面・スピーカー

画面

とにかく綺麗です。でかい輝度、有機ELによるバキバキの発色、画面サイズにしてはめちゃくちゃ高い解像度、そして全面ガラスが視覚的に満たしてくれます。ありがたい。

そして冒頭にも述べたように、黒の全面ガラス+有機ELの組み合わせがめちゃくちゃ親和性高いんですよね。全面ガラスなのでディスプレイ部分とそれ以外の切れ目を感じず、そして有機ELは本当に黒が黒いのでアスペクト表示の関係でできた余り部分も、まるで無いように見えます。

正直ディスプレイ上下のベゼルの厚みはもっともっと狭くしてほしいな・・・という気持ちはかなり強くありますが、これも黒なので他のカラーよりも目立ちにくい、気になりにくいかなと思います。普段は黒ってあまり選ばないのですが、これが黒を選んだ理由まであります。

3.7インチという画面サイズは見やすく、Androidを採用したハードとしてギリギリ使いやすいサイズかなと思います。

やはりAndroidはなんだかんだタッチパネル操作が必須になってくるアプリがちょいちょいあるので、そうなってくると画面が小さすぎると操作しにくいんですよね。そもそもアプリ側がここまで小さい画面で使うことを想定していなさそうな事が多いです。

スピーカー

スピーカーはフロントスピーカーでそこそこ音質もよく、ステレオサウンド感が心地良いです。手が被りそうな位置かなと思っていましたが、実際使ってみると直接覆い被さることはないので塞がれることはありません。スピーカーにおいても満足度が高めです。

イヤホンジャックがあるのでもちろんイヤホンで遊ぶことも可能。

使用感

基礎知識・注意点等

Androidスマホユーザーならスムーズ

基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等は初期設定で導入済みですが、ストレージ設定などは自分で行わなければならないため知識調べる力が必要です。

起動:電源ボタンを長押し
終了:電源ボタンを長押しして電源を切るを選択
スリープ:電源ボタンを一度押し
明るさ調整:上から下に2回スワイプして一番上のスライドバー
戻る、メニューを開く:戻るボタン1回押し
ホーム画面に戻る:戻るボタン長押し

Androidにはシステムレベルの遅延がある

Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。

また、本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。

エミュレータで遊ぶには

エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。

吸い出し機(ダンパー)

エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら

ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Readerレビュー記事はこちら)をおすすめします。

Attention Required! | Cloudflare

(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)

また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。

PC(あると快適)

データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。

MicroSD

ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。

MicroSDリーダー

MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

アプリ・エミュレータは初回起動時インストールされる

初めて起動する際にセットアップが開き日本語を設定可能、アプリ・エミュレータを選んでインストールできます。が、まぁ基本的にはAndroidなので全部自力で設定する必要があります。パーミッションの設定、ディレクトリ設定、そしてエミュレータ自体の設定などなど。

Google純正アプリやPlayStoreも導入されているので、そちらからのインストールも可能です。

そしてこちらがデフォルトのランチャー。一般的なAndroid用のランチャーを超シンプルにしたようなもので、アプリ一覧や検索などはなく、時計ウィジェットだけがある、必要最低限なもの。

専用のランチャーアプリもあり

他にもエミュ専用のランチャー(メニュー画面)があり、そちらを使うといかにもエミュ機なインターフェイスで使えるようになります。

こちらはエミュレータ一覧やアプリ一覧などをカスタマイズしながら設定できる、エミュ機のフロントエンドとしての機能をメインとしたランチャーです。

スイッチライクなビジュアルでシンプル、使い勝手としては悪くありませんが、エミュレータ用のフロントエンドランチャーは他にも様々あるので個人で気に入るものがあれば変更してみるのも良いかと思います。ちなみに私のお気に入りはDaijisho。

パフォーマンス・ファン・スティック設定等

上から下にスワイプしてクイック設定から簡単に変更可能な項目がいくつかあり、

パフォーマンスモードで消費電力を上げて強くしたり、ファンの強さを変更したり、スティックのLED色を変更したり、明るさを変えたり、消したりが可能。

他にもゲーム中に画面右から左へスワイプする事でフローティングメニューのようなものが表示され、様々な設定が可能となります。その中でタッチパネル操作をコントローラーに割り当てることも可能で、コントローラー対応していない原神も遊べるようになります。

DP出力でモニターやテレビに繋ぐことも可能。

AnTuTuベンチマーク結果

AnTuTu ベンチマークスコアは
総合スコア 777367
CPUスコア 231975
GPUスコア 286282

となっています。最新のハイエンドと比べると大きくはないですが、ミドルハイくらいの数値でしょうか。Android携帯ゲーム機としてはかなり強めな部類です。

ちなみにRetroid Pocket 4 ProはMediaTek Dimensity 1100を搭載で、総合73万点、CPU20万、GPU22万だったので、数値的に大きくグンと上がった感じはしません。

ゲームをプレイ

動作感自体はよく動きます。ゼンゼロなどのコントローラー対応スマホゲームも最高画質は無理なものの遊べますし、画質設定は低でも画面サイズも小さいので全然耐えれます。しかし文字はかなり小さいので、インターフェイス的には厳しいように感じます。

GC、Wiiのタイトルをいくつか遊んでみましたが、概ねグラフィックをOpenGL、その他ちょっとの設定で動作し、画面サイズが小さめなので内部解像度は1xで十分綺麗、2xでも動いて最高に感じます。

PS2はタイトルによっては厳しいこともありますが、設定を適切に行えばそこそこ遊べる感じがあります。あまり4Proとベンチマークが大差ないと思っても流石Snapdragon、モッサリしていたものが普通に動くようになっていたりします。

あとアスペクト比4:3で遊ぶ良さは本当にあります。結局GCもPS2も基本は16:9ではなく4:3で遊ぶ前提で作られているので、無駄なく最適なスケーリングで遊べるのが本当に有り難いです。

このハードは2Dのレトロゲームを遊ぶ際にもめちゃくちゃ威力を発揮します。非常に高い解像度によって全てのハードのゲームをピクセルパーフェクト、ドットの崩れがほぼ見えない、バキバキのドットを楽しむことができます。

まさに理想的なレトロゲーム機でありながら、次の世代、PS2・GCまでもカバーできてしまうという、本当にずっとこれが欲しかったんだありがとう。

気になることといえば、なぜかMicroSD上のデータの読み込みにエミュレータによっては時間がかかることがちょいちょいあります。原因は不明です。OSの不具合なのか、SDの相性?劣化?フォーマット?なのかなんなのか。

ファンの音・熱・バッテリー持ち

ファンの音はSportにすると多少大きくはなりますが、小さい方だと思います。音有りで遊んでいれば気になりません。ほぼ動かないようにもできますし、Smartにしておけば自動で熱くなったら動くようになります。

発熱は高負荷のゲームを遊ぶとほんのりと画面側が暖かくなりますが、手元は熱くなりません。

バッテリー持ちはPCMarkで検証すると9時間、動画を流し続けて検証してみると、12時間持ちました。

感想

正直、不満はあります。デザインはグリップとか無しでフラットに薄くしてほしい、4:3ならばRetroid Pocket 2のデザインを踏襲して欲しかったとか、ベゼル幅の大きさが気になるなとか、思うことは色々あります。

が、それを遥かに凌駕するディスプレイの良さと性能の高さ、小ささによる、ロマンだけではなく、実用性も備えたバランスに賞賛せざるを得ません。

さまざまなハードで遊んでいた色んなゲームのセーブデータたちを今集結させているところです。現状最高の一台。

でもこれ触った後にAYANEO Pocket Sを触ったら画面おっきくて快適〜ってなりました。もうさぁ・・・。

Retroid Pocket MINI Handheld
Retroid Pocket MINI Specifications & Features: CPU: 1*A77@2.8G 3*A77@2.4G  4*A55@1.8G GPU: Adreno 650 RAM: 6GB LPDDR4x@2...
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