今、AI PCって結構話題じゃないですか。
基本的にChatGPTなども含め、AIを使った作業を行う場合にはクラウド上で処理される事がほとんどですが、AI PCやAIスマホと言われる奴は、もっと簡単な作業であればスマホやPC本体で処理しちゃおう!というコンセプトで開発されたもの。
今回紹介するミニPC『UH125 Pro』にはCore Ultra 5 125Hが搭載されていて、そのAIに最適なNPUというユニットが搭載されています。と、言うことで色々調べながら試してみました。
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提供:Minisforum
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スペック&主な特徴
Minisforum UH125 Proとは
UH125 ProはミニPCを専門的に出しているメーカー『Minis Forum』によるブランドによるミニPC。過去にも紹介しましたが、基本的にコスパ重視の商品を展開しています。
今回何故このモデルの案件を受けたかと言うと、Intel最新のプロセッサCore Ultraを搭載しているからです。Intelというと、Core i7やi9等、i+数字のナンバリングがメジャーですが今回は全く別物。GPUの高性能化や省電力化に優れたモデルとのこと。
そして何より、NPUと言う人工知能(AI)と機械学習(ML)タスクの高速処理を目的とした専用プロセッサが搭載されています。
インターフェイス等、具体的な仕様については実物を見ながら紹介していきます。
開封&内容物
では早速開封していきます。
箱はこちら。紺色ベースのガッチリとした箱で、箱自体は思っていたよりも大きめです。豊富なバリエーションのためか、詳細な製品情報は背面にシールで貼られています。
内容物はこちら。電源、HDMIケーブル、説明書等、VESAマウント用の金具、本体です。説明書は日本語での記載もあります。
本体外観
まず第一印象、けっこうデカいです。過去にレビューした『Minisforum NAB9』も結構でかいなと思っていましたが、それよりも大きい。
まぁとはいえタワー型、スリム型PCよりも遥かに小さいのでミニPCではあるのですが、正方形に近い形状というのもあり、これはこれでそれなりに場所を取るなと思います。Nintendo Switchとかよりも体感デカい感。
重量も結構あり、実測値で797グラム。バッテリーを内蔵したポータブルゲーミングPC等よりも遥かに大きい重量です。
トップ面はボコボコとウェーブがかったテクスチャになっており、ガンダム的な?ロゴが入った電源ボタンとCopilot専用のボタンが搭載されています。
質感としてもそこまで高級感は感じません。トップ面はプラスチックですし、側面は金属ではあるものの同等の色味の黒なので、金属っぽさがあまり無いというのもあるのかも。
とはいえ、結構大きめなので膨張色の白っぽいシルバーは避けたのかも?とも考えられます。
底面もプラスチックで、ガッツリ網目状?に空いた通気口、ゴム足が付いていて安定感があります。
全面には左から3.5コンボジャック、USB4 ポート、USB3.2 Gen2 ポート2つ、リセット穴。
背面にはOcukinkポート、USB4ポート、RJ-45 LANポート、USB2.0ポート、USB3.2 Gen1ポート、DisplayPort、HDMIポート、電源です。
端子的には十分だと感じます。あと外部GPU等に接続できるOculinkが搭載されているのも特徴的ですね。
左側面にはファンの吸気口、右側面にはSDカードスロットとファンの排気口です。なので置く際には右側を空けておくようにしたいですね。
使用感
ではここからはガッツリと使用感について見ていきます。
セットアップはいつも通り親切
まず最初に起動するとセットアップ画面が立ち上がると思いますが、その際、キーボード入力がおかしくなっています。これは海外製のPCあるあるで、デフォルトの入力が日本語配列じゃないんですよね。なのでその際に対応できるように、ガイドの紙が付属しています。
まずネットワーク繋げずに、アカウント無しで起動しましょう!というのが一つ、もしネット接続してしまった場合にはもう仕方ないのでアカウント入力・・・になるんですが、やはりキーボード問題で@の入力が難しい・・・というので、Shift+数字の2で入力できるよ!と書かれています。ありがたいですね。
画面出力は容易
勿論普通にHDMI出力が可能で、しかもHDMI、DP端子とあるので複数ディスプレイにも対応しています。
そして、USB-C端子一本で出力可能です。モバイルモニターだとケーブルが一本で済みますし、そうでなくてもかなりスッキリとしたデスク周りにできるので、これはありがたいですね。XRealやRokid製品などのスマートグラスで楽しむことなども可能です。
SSD追加可能
今回はカスタマイズできないのか・・・と思いきや、底面から空けてメモリやSSDの交換が可能なようです。勿論これは非正規な方法ではなく、説明書にも記載されています。
あと地味にSSDが追加可能で、小さめな2230であればこのような形で増設することができました。固定ネジを共有して格納するのが不思議で気持ち良い。
ブラウジング・動画視聴などは快適
いわゆる事務作業レベルの用途、ブラウジングや動画視聴はかなり快適だと感じます。読み込みに時間がかかったり、ラグ付いたりすることはほとんどなく、普段使用しているデスクトップのゲーミングPCと同じくらいに快適、ストレスを感じることはほぼありません。
AI機能を試す!ものの・・・
ということで、早速AI機能を試してみよう!と思いました。折角ならCPUでもGPUでもなくNPUの実力を試してみたいですよね?
・・・と思ったんですが、現時点でNPUに対応したソフトはほぼ何も無い。マジか。
いわゆるCopilot + PCという名称で販売されているSurfaceなどの製品では、純正フォトアプリで画像生成したり、ペイントで適当に書いた絵をAIで写実的にしたりできるんですが、それは対応しておらず、じゃあ実際何ができるんだ・・・と思い必死に調べて・・・
どうやらGIMPという無料版フォトショみたいなソフトでStable Diffusionを連携できて、それでNPUを使った画像生成ができるらしい。
とのことで丸2日調べながら試してみて、ようやくできた結果・・・なんと普通にNPUで動かすよりもGPUで動かしたほうが早いという結果に。
まだまだ未発展なんだなぁ・・・と深く感じました。というかうまくいかなすぎてかなり心も折れました。
ゲーム普通に遊べる、マジか
まぁそれはそうとして、とりあえずベンチマークを測ってみました。
FF14黄金のレガシー 1920×1080 標準品質(ノートPC) 6021 やや快適
FF15 1920×1080 軽量品質 4044 普通
となりました。え、マジかという感情です。インテルのGPU自体のグラフィック性能はRyzenに比べると全然高くないので、今回もまぁゲーム向けではないんだろうな、と思っていましたが意外にもしっかり動き、高品質な設定や4K画質でのプレイには流石に問題があるものの、一通り重いとされるゲーム、サイバーパンク2077などを動かしてみたものの普通に遊べます。
勿論Oculinkポートがあるので外部GPUを持っていればそれで遊ぶことも可能ですが、よほどリッチな環境を目指さない限りはゲームも遊べるくらいの性能はあると感じます。
音や発熱も特に大きく感じることはなく無問題です。
ちなみにSSDをCrystalDiskMarkで速度を測ってみたところ、リードが4800くらい、ライトが3900くらい出ていて、まぁ標準的かなという印象です。
感想
ということで、流石にNPUは現状対応ソフトが少なすぎて実用的ではないとは感じたものの、Core UltraシリーズのGPU性能はこれまでとは違うんだなと感じました。そういえばMSIのポータブルゲーミングPC『MSI Claw A1M』もCore Ultraでしたね。
いや、まぁ実際ゲームをメインと考えた際のコスパはRyzenの方が良いのだとは思いますが、Intelであることに価値を見出す人も結構居るかと思います。
フォトショなどの画像編集や動画編集もまぁ普通にできるので、しばらくはこちらをサブのメインPC、サブメインPCで活用したいなと思っちゃったりしました。