小さいものって・・・最高ですよね。
AliExpressにてMini GBという、初代ゲームボーイをとにかく小さくしたようなハードが販売されていたので購入してみました。
最初に言ってしまうと、どう考えてもまともに遊べません。小さすぎる。全然見えない。
しかし、要点をしっかりと抑えて作ってあり素晴らしいのです、これが。大満足です。
販売ストア
購入時の金額は8000円程度。価格には上下があり、ハード自体にもマイナーチェンジがあります。大量生産品ではなくハンドメイドっぽいので、今後販売されなくなる可能性もあります。ちなみに届くまで約1ヶ月かかりました。
動画版
スペック&主な特徴
Mini GBとは
Mini GBはAliExpressにて販売されているキーホルダーサイズのゲーム機。どういう仕組みかは分かりませんが、MicroSDに吸い出したゲームイメージを導入することで遊べるようになるエミュレータ機で、ゲームボーイにのみ対応しています。
サイズは5×3.2×1.3cmで、 画面解像度は160×144でゲームボーイに対してピクセルパーフェクト、画面サイズは図ってみるとどうやら0.85インチっぽいです。小さすぎる。ゲームギアミクロでさえ1.15インチですからね。
商品ページによるとバッテリーは約3時間、分解して容量を見てみると170mAhでした。充電端子はUSB Type-Cです。極小ハードはMicroUSBが採用されがちなのでありがたい。
開封&内容物
では早速開封していきます。
まぁ開封と言うより、左のようにプチプチに包まれた状態でいつもの紙袋に入っていました。ハンドメイドクオリティ。本体のみ、ストラップ装着済みです。
もっと先に入手した人は箱から出していたようなので、ロットによっても変わってそうです。
本体外観
とにかく、とにかく小さい。なんだこの可愛いモノは。まさにキーホルダーってサイズ感です。まぁ落としたら怖いのでキーホルダーとして使うのは中々勇気が要りますが・・・。あと失くしそうで怖いです。
カラーはかなり色々出ていましたが、やはりここはクリアカラーを選択。ボタンカラーはグレーのDMG風と同様に赤、グレー、ブラックの3色となっていますが、基板の色の見え方がゲームボーイブロスのスケルトンカラーを彷彿させるのもかなり良いですね。
ボタン配置のバランスやスピーカーの開口、ディスプレイのガラスレンズまで再現されていて、かなりアガります。
ちなみに初期ロットではディスプレイ下のゲームボーイ印字まで再現されていたようですが、量産にあたってか流石に消されたようです。
カートリッジ部分の再現も良くできていますし、何よりこのクリアカラーの透け感がたまりません。つや消しで半透明なシェルではなく、光沢の透明シェルなのでしっかりと内部が見えてくる感じも良いです。たまりません。
ビルドクオリティとしては正直そこまで高くはありません。よく見てみるとシェルの精度が若干甘く、端部にガタツキがあったり、ちょっとしたホコリっぽいものが入っていたり。
あくまでハンドメイドで生産されているんだろうなというのが見て取れますが、個人的には想定してたより悪くない、十分なクオリティだと感じました。
ディスプレイは160×144よりも大きなものが採用されています。なので余剰部分?は黒いシールが貼られていて気になりにくいよう工夫されていますが、人によっては気になるかもしれないので、その場合にはクリアではないカラーを選択したほうが良さそうですね。
でもまぁ、非クリアのモデルは塗装ムラが有るとの報告がちょいちょい有るのでクオリティ的にはクリアの方が良いのかもしれません?
ボタンもしっかりとゲームボーイで、右側にABボタン、左に十字キー、下にスタートボタン、セレクトボタンが搭載されています。ちゃんとオリジナル同様の位置にスピーカーが配置されているのもグッドポイント。
背面にはカートリッジスロット。こちら取り外せるギミックになっているのもテンション上がります。バッテリーは蓋ではありませんが、滑り止めのラインはオリジナル同様に入っています。
上側面には電源スイッチ、下側面にはUSB Type-Cです。
左右側面にはなにもありません。オリジナルのようにボリュームダイヤルなどはありません。ボリュームの上下はボタンの組み合わせで行えるようになっています。
他ハードとの比較
初代ゲームボーイと並べてみたのがこちら。確かに初代ゲームボーイはデカいんですが、小さすぎるというか。しかしボタン配置のプロポーションであるとか、ディスプレイの作りとか、本当によくできています。ちなみにこのゲームボーイはアリエクで買ったオーロラシェルに換装しています。カコイイ。
こちらがミニゲームボーイ風ハードたちです。右からMiyoo Mini、GKD Pixel、RG Nano。どれも違ってどれも良い。しっかり遊べるサイズはギリギリGKD Pixelまでです。
ちなみに極小ゲームボーイ風キーホルダーのThumbyはもっと小さいです。ですがまぁ、こちらはエミュレータ機ではなく、オリジナルの超シンプルなゲームを遊べるよ~プログラム組めるよ~というハードなので、モノとしてちょっと違いますね。
操作感
このサイズのゲーム機で操作感の事について言うのはなんとなく野暮な気はしますが、一応言及します。
小さすぎて快適に遊べるとは言えたもんではありませんが、意外にもそれぞれのボタンをしっかり押し分ける事はできるんですよね。
ボタンはそれぞれドームスイッチのプチプチとした感触で、しっかりと押した感覚があり、硬さ、ボタン自体の高さもちょうど良いので押し間違えることも無いです。いやまぁ、十字キーは流石に誤入力がありますが・・・。あと十字キー下を押した時にセレクトボタンを誤って押してしまうこともありますが・・・。
しかしまぁ、これよりも小さいThumbyはツメじゃないと押せないくらいの難易度なので、意外とイケるやん!ってなりました。縛りプレイにもってこいですね。
画面・スピーカー
ディスプレイは本当に小さすぎて目がしょぼしょぼします。文字が読めない。老眼とか関係なしに高難易度過ぎる。
しかしただ小さい画面と侮ってはいけません。
というのも、画面横のインジケーターまで再現されていたり、何よりドットバイドットのピクセルパーフェクトなのです。なのでピクセルはパキッと出ています。決して潰れたり、ボヤけたりしていません。素晴らしい。ありがとうございます。
またこのハードで採用されているディスプレイは160×144よりも大きいもので、こうして周りは黒いシールで覆われているので、おそらくインジケーター部分はLEDではなくディスプレイの点灯によるものっぽいですね。それも含めよく工夫されているなと感心します。
スピーカー
スピーカーはこのサイズなので聴ければなんでも良いレベルではあるんですが、オリジナルの初代ゲームボーイ同様フロントにあるのが良いですね。
音量調整はセレクトボタン+十字キー上下で行い、最大音量はこのサイズにしては結構しっかりと出ます。ボリュームレベル自体は10段階くらいあります。
イヤホンジャックはなく、音量は起動時に毎回リセットされるので、外で使う際には注意しましょう。
使用感
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
ゲームイメージの導入
このMiniGB最大の魅力と言っても過言ではないのがこの点、なんとカートリッジ部分がしっかりと取り外せて、しかもMicroSDが読み込めるようになっています。素晴らしいギミック・・・!
若干このカートリッジ部分の造形精度がシェルに比べると低かったり、差し込むのが若干コツがいったり、MicroSD自体は両面テープで固定されていたりと、まぁ気になる点はあるにはありますがしっかりカートリッジ形式でデータを読み込めるような仕様にしたのは本当にあっぱれです。
でこのMicroSDのルートに直接ゲームイメージを導入すれば表示され、遊ぶことが可能です。サブフォルダやgb意外の拡張子には対応していません。まぁそんな大量に入れて楽しむものでも無いでしょう。
起動ロゴ、メニュー画面
起動するとゲームボーイのようにピコーンと鳴り、Micro GBというロゴが表示されます。ここで、このハードはMini GBじゃなくてMicro GBだったのかと気付きます。
というか初期ロットではこのロゴでは無かったはずなので、ファームも書き換わってるんでしょうね。
その後こうして導入されているゲーム一覧が表示されます。デフォルトではPD ROM(フリーゲーム)がいくつか入っていました。ちなみに長過ぎるファイル名は途中で切れて読めません。
ショートカットキー
デフォルトのカラーは初代ゲームボーイらしく緑バックの映りで良いですが、ゲームボーイカラーのように色変更可能です。その他にもさまざまなショートカットがボタンの組み合わせで割当られているのでまとめておきます。
ボリューム変更 セレクトボタン+十字キー上下
明るさ変更 セレクトボタン+十字キー左右
カラー変更 セレクトボタン+A・Bボタン
ゲーム選択画面に戻る セレクトボタン+スタートボタン
遊べるゲーム
実際にいくつかゲームを動かしてみました。どうやらすべてのゲームに対応しているわけでは無いらしく、動かないゲームもあります。以下、色々検証してみたのを箇条書きでメモしておきます。
・基本的にはゲームボーイのタイトルにのみ対応していて、ゲームボーイカラーのタイトルは動きません。
・ゲームボーイ・カラー共通ソフトは動くものと動かないものとあります。一応ポケモン金銀は動きましたが、RTCには対応していないので微妙です
・何故かポケモン赤緑・ピカチュウは動くには動きますが、十字キーの入力がおかしく正常に遊べません。
・セーブデータはMicroSD内に拡張子が無いシンプルな名前のデータが生成されます。セーブできる場合とできない場合があり、なんだろうと思いゲームイメージデータの名前をセーブデータの名前に変えたら読み込んだというのがあるので、もしかしたら対応していない文字とかがあるのかも
・GB Studio製のゲームも遊べます。ですが2MB超えのタイトルは遊べなかったので、全部が全部遊べるわけではなさそうです。というかGB Studio製に限らず、2MB超えのタイトルは起動しません。
・ちなみに分解して中身を確認してみたところ、ラズパイでした。
感想
ということで、個人的にはかなり興奮しましたが、まぁ・・・おすすめはしません。どう考えても遊ぶのには適してませんし、そんな遊びにくいものに1万円近く払うなんて・・・。しかもハンドメイドっぽいので、精度にもばらつきがありそうですし。
と思うのは重々承知なんですが、やはりこのサイズでゲームボーイが動かせるアツさは確実に強いですし、ディスプレイはピクセルパーフェクト、ボタンやスピーカー、インジケーターの配置は完璧、カセットがMicroSDになっていて抜き差し可能な点、充電はUSB-Cで可能など、そうあって欲しい点がしっかりと抑えられているのが本当にたまらなく最高なんですよね。
コレクターアイテムとしては大満足です。しかしハンドメイドレベルの製品という意味では、今後入手性が悪くなってしまう可能性もありますよね・・・。何が言いたいかと言うと、か、買い足しが頭によぎっている最中です・・・。