ANBERNICさんが「RG Slide」という、まるでアレみたいなAndroidゲーム機を出したんですが、今回紹介するのは簡単に言うと、それのスライドしない、スペックが高い版みたいな感じです。
しかもメタルボディなので高級感もバリつよ、そしてANBERNICの伝統的なフォルムやレイアウトをそのまま継承したモデルで、結構望んでいた人は居るんじゃないでしょうか。
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商品提供:ANBERNIC
価格は公式ストアにて通常価格が36,999円+送料、金額はセール等でよく変わるので購入時に各自チェックお願いします。

動画版
スペック&主な特徴
ANBERNIC RG 477Mとは
ANBERNIC RG 477Mは、Android 14を搭載した高性能な携帯型ゲーム機。ハイスペックなSoCやアルミ削り出し筐体、RGBライト付きジョイスティックなど、従来モデルよりも大幅に進化した設計が特徴です。
ディスプレイは4.7インチのLTPSインセル液晶を採用し、解像度は1280×960。OCA全貼合仕様で視認性に優れ、最大120Hzのリフレッシュレートやマルチタッチにも対応しています。
チップセットにはMediaTek Dimensity 8300を採用し、GPUはMali-G615 MC6。RAMは8GBまたは12GB、ストレージはUFS4.0規格の128GBまたは256GBを選択可能。最大2TBのmicroSDカードによる拡張にも対応します。
入力面では大角度のホール効果3Dジョイスティックを搭載し、RGBライティングも実装。6軸ジャイロセンサーや振動モーターも内蔵。さらにヒートパイプと冷却ファンを備えたアクティブ冷却構造で、高負荷時でも安定した動作が可能です。
バッテリーは5300mAhのポリマーリチウム電池を搭載し、約7時間の連続駆動に対応。USB Type-Cポートは27Wの急速充電と1080pのDisplayPort出力に対応しており、外部ディスプレイへの接続も可能です。
カラーはブラックチョコレートブロンズとシルバーウィングの2色展開です。筐体はCNC加工によるアルミ合金製で、高級感のある仕上がりになっています。
開封&内容物
では開封していきます。今回はレビューサンプルとなり、製品版とは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください。

今回は本体と別売りのケースも同封されていました。いつも通りの黒いハードケースです。
箱のデザインは商品画像がプリントされたシンプルなデザインです。いつも通りのスタイルといった感じ。

内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、説明書、ガラスフィルム、専用カバー。ガラスフィルムが付属するのは助かりますね。相変わらずガラスフィルムを貼ってピッタリになる設計で良いです。
あと今回珍しく専用カバーが同梱されていて驚きました。素材はTPU、クリアというよりは白っぽいサラッとしたものとなっています。
本体外観
ファーストインプレッション

今回はチョコレートブロンズが送られてきました。まーた色で遊んでるよANBERNIC。
かなり独特なカラーで、暗い場所だとほぼ黒に見えて光に当たると赤っぽくなる、かなり深めのブロンズ。個人的には新鮮で楽しいです。というか、みたことないですね、こんなカラーの端末って。
最初に手に取った時の印象は、重い!です。4.7インチという大きさでメタルシェルなのでどう考えても重いんだろうなと想定はしていましたが、想定よりもしっかりと重い。メタルシェルはこの重さ自体が高級感に繋がってもいるので、メタルシェル好きでこれを求めているのであれば文句なしだとは思いますが、多少は覚悟しておいた方がいいと思います。
質感自体はいつもどおりのAnbernicのメタルシェルといった印象です。ガッチリとした金属感で、ビルドクオリティはしっかり、空洞感も感じません。
ボタンレイアウト・インターフェイス

ボタンレイアウトは
右側にニンテンドー配置のABXYボタン、アナログスティック、
下部にスタートセレクトボタン、
左側に方向キー、アナログスティック、
下部にファンクションキー、バック・ホームボタンです。
アナログスティックの位置はANBERNICらしく両方とも下の配置。画面占有率が高く見える密度感でグッドです。

背面には中央にファンの吸気口、滑り止めが左右にあります。従来の同系統のハードにおいて、滑り止めはラバーでしたが本機ではザラっとしたテクスチャがついたプラスチックとなりました。

上側面には左からL1/L2、電源ボタン、ボリュームボタン、インジケーター、ファンの排気口、R1/R2
下側面には左右にスピーカーがあり、USB Type-C、イヤホンジャック、MicroSDスロットと並んでいます。

左右側面には何もありません。
グリップはなくフラットな形状。コントローラー部分の厚みを実際に測ってみると約16mm。プロポーションとしては厚すぎず薄すぎずといった印象です。
他ハードとの比較

PSPと並んでみると、横幅は意外にも同程度で、縦に大きいようなバランス。しかし持ってみると圧倒的にPSPの方が小さく感じます。PSP、今持つとめちゃ小さいんですよね・・・。

スイッチライトと並べたのがこちら。スイッチライトを横にぎゅっと縮めたようなバランスです。

サイズ感的にはAYANEO Pocket ACEと全く同程度です。どちらも高級感があります。
操作感

重量はガラスフィルム込みで365グラム。流石にスイッチライトよりは重く、かなりの重量感があります。重量バランスは悪くないですが、重量に対して小さく、グリップも無い分より重く感じます。ちなみに同じ画面サイズのSlideは390グラムです。
操作感としてはSwitchなどで慣れ親しんだバランス。両方スティック下なのが好み分かれそうですね。

ABXYボタンはツルッとしてわずかに膨らみがあるボタンで、遊び少なめ。いつものAnbernicで硬めラバーの押し心地、遊びも少なくて反発力も良く、気持ちの良い感触です。
スタートセレクト、ホームバックボタンはカチカチとしたタクトスイッチです。鳴りは大きめで、若干のチープさを感じます。サイズや硬さはちょうど良く押しやすいと感じます。

十字キーもツルッとした、フラットな形状、ボタン同様ラバーの押し心地。シーソーも可能で、しっかりと押した感触があり、入力は良好に感じます。ボタン・方向キーに関してはかなり静音性高めに感じます。
アナログスティックはSwitchライクなフォルムで、倒し角度は大きめ。突起が大きいので結構独特です。

ショルダーボタンはL1L2どちらもカチカチと大きめな音がするタクトスイッチ、横並びではありますが段差がついていて押し分けられるよう工夫されています。
画面・スピーカー
画面サイズ・解像度

本モデルでの大きな特徴はディスプレイ。画面サイズは4.7インチの4:3比率はかなり独特で、これまでにない大画面。
解像度に関しては1280×960(Quad-VGA)と、1080Pではないものの4.7インチなので十分に高解像度に感じて良いです。
ベゼル
ベゼルの大きさは上下非対称なのが気になります。下部が大きめで、上はかなり攻めれています。Slideでも同様だったので、ディスプレイの仕様上の問題なのでしょう。
明るさ・発色
輝度は記載がありませんが、高く映せるので非常にありがたいです。私は眩しいくらいの明るさで遊びたい人間なので、助かります。
LTPS液晶というディスプレイを採用していて、液晶でありながら発色の良さがあるように感じます。こちらの液晶は高精細・省電力・応答速度が速いなどの特徴があるらしい。実際リフレッシュレートも120Hz対応です。
スピーカー
スピーカーは下側面なので、ステレオではありますがフロントスピーカーでは無い点が残念です。しかし手にはもちろん干渉しませんし、入れるとしたらどこに入れるんだという感じなので良いです。
音質は低音が弱い音色で、特段良くはありません。ただ音質悪くて気になるということもないので許容といった感じです。
使用感
では早速初回起動からの使い方を紹介していきます。
初回起動時
初めて起動する際にセットアップが開きアプリ・エミュレータが自動でインストールされます。が、まぁ基本的にはAndroidなので細かい設定は全部自力でする必要があります。パーミッションの設定、ディレクトリ設定、そしてエミュレータ自体の設定などなど。
Google純正アプリやPlayStoreも導入されているので、そちらからのインストールも可能です。
メニュー画面

基本的にはピュアAndroidな使い勝手です。デフォルトのランチャーはシンプルなもので、アプリ一覧もなく、アプリをインストールするとどんどん右側に追加されていく形式。あまりにもシンプルすぎるので、別途何か好みのランチャーを導入するのが良さげです。
あとは画面左のボタンを長押しで、エミュ機のようなメニュー画面が現れます。これはAnbernic社のAndroid機に導入されているRG LauncherというAnbernic製のフロントエンドアプリ。
一応テーマ変更や表示項目の変更などは可能ですが、設定できる部分が少ないと感じます。
ちなみに開くメニュー画面は変更することが可能で、私はお気に入りのDaijishoを開くようにしました。
タッチパネル割当て可能

タッチパネルへのボタン割り当ては可能です。
上から下へスワイプして出てきた設定パネルの中にKeymappingの項目があるので、そこを長押し、Switchを押すことでタッチパネルに割り当てできます。
AnTuTuベンチマーク結果
AnTuTuベンチマークV10は
総合スコア 1103330
CPU 267467
GPU 337610
となりました。
総合が約110万点くらい、CPUが26万点くらい、GPUが33万点くらい。
ちなみにパフォーマンスHighモードで再度計測すると120万くらい行きました。
ゲームをプレイ

ゼンゼロもコントローラー対応で動作にも問題なく遊べています。UI周りも文字が潰れることなどはなく見ることができて普通に快適です。
アスペクト比が4:3なのでエミュレータには本当に最適で、性能的にPS2やGCなどはもちろんタイトルや設定にも寄りますが結構遊べるので、良いバランスだなと思います。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。

MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。

ファンの音・熱
デフォルト状態はファンの音がかなりうるさくて驚きました。小さく調整しておけばそこまで気になりません。動かないようにもできますし、調整は効きます。しかしファンを強くしておいても右手側が結構あったかくなるのが気になりました。
感想
まさに正統派の横型ハンドヘルドです。特別新鮮味はなく、あぁいつものかんじだ、とは思うのですが、逆にいうと変わらぬ味のアップグレードモデルという感じなので刺さる人は確実にいると思います。メタルシェルも久しぶりですしね。最近のANBERNICハイエンドシリーズでは一番好きです。
最近は結構高めスペックなAndroid端末がたくさん出てきているので悩みどころだとは思いますが、メタル・画面サイズ・性能・アナログスティックの位置が意外と個性的ではあるので色々検討してみてください。