最近のトレンドと言うと、やはり2画面携帯ゲーム機なんですが、とうとうANBERNICさんも採用したモデルを出しました。その名もANBERNIC RG DS。
見てもらえれば分かると思いますが、見るからにDSそのもので、DSを遊ぶために作られたようなビジュアル。それでいてAndroid搭載、そしてデュアルアナログスティックと、かなりの仕様なモデルとなっています。
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商品提供:ANBERNIC
価格は公式ストアにて通常価格が15,899円+送料、金額はセール等でよく変わるので購入時に各自チェックお願いします。

動画版
スペック&主な特徴
ANBERNIC RG DSとは
ANBERNIC RG DSは、Android 14を搭載した二画面クラムシェル型の携帯型ゲーム機。上下に4インチのタッチ対応IPSディスプレイを備え、ニンテンドーDSライクな操作性を実現しつつ、Androidアプリや多彩なエミュレーションを快適に楽しめる仕様になっています。
ディスプレイは上下とも4インチのIPSパネルを採用し、解像度は640×480の4:3比率。OCA全貼合による高い視認性と発色の良さに加えて、マルチタッチやスタイラス入力にも対応し、DS系タイトルやUI操作にも向いた構成です。同時に上下画面へ違うアプリを表示したり、ワンタッチで操作フォーカスを切り替えられる点も特徴です。
チップセットにはRK3568(Cortex-A55クアッドコア)を搭載し、RAMは3GB、ストレージは32GBを内蔵し、最大2TBまでのmicroSDカードによる拡張にも対応します。
入力面ではABXYボタン、十字キー、L/Rの4ショルダーボタンを搭載し、6軸ジャイロセンサーや振動機能にも対応。さらに磁気スイッチを内蔵しており、カバーを閉じるだけで自動的にスリープへ移行できます。
バッテリーは4000mAhを搭載し、連続駆動時間は約6時間。Wi-Fiは2.4/5GHz、Bluetooth 4.2に対応。重量は約321グラムと軽量で、折りたたみ構造ながら携帯性にも優れています。
カラーはレッド&ブラック、ターコイズブルー、ポーラーホワイトの3色展開。
開封&内容物
では開封していきます。今回はレビューサンプルとなり、製品版とは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください。

今回は本体と別売りのケースも同封されていました。いつも通りの黒いハードケースです。
箱のデザインは商品画像がプリントされたシンプルなデザインです。いつも通りのスタイルといった感じ。

内容物はこちら。USB-Cケーブル、説明書、保護フィルム、ストラップ、タッチペン、本体。タッチペンはいわゆるスマホなど用の、先が透明の円盤が付いているやつ、逆が丸く柔らかいもので、いわゆるDSのタッチペンやApplePencilのようなものとは異なります。
本体外観
ファーストインプレッション

今回はターコイズブルーが送られてきました。いわゆる3DSライトブルー的なカラーリングで、メタリックなブルーでかなり良い色です。
まず驚いたのがヒンジ。いわゆる一定の角度でロックがされるものではなく、比較的硬めで、どんな角度でも固定できるフリーストップ式が採用されています。折りたたみのハードで採用されているのは珍しいと思います。
全体的な質感やボタンの感触もよく、好印象です。サイズ感としては大きいんですが、想定通りの大きさという感じでもあります。いわゆるDSi LLなど、LL系のサイズとほぼほぼ同等。通常サイズのものを想定していると、大きさに驚くと思います。
ボタンレイアウト・インターフェイス

上下同じ画面サイズで、上部ディスプレイの左右にはスピーカーが搭載されています。
ボタンレイアウトは
右側にニンテンドー配置のABXYボタン、アナログスティック、
下部にスタートセレクトボタン、
左側に方向キー、アナログスティック、
下部にファンクションキー、バック・ホームボタンです。
アナログスティックの位置はANBERNICらしく両方とも下の配置。

上ディスプレイパネル裏は光沢感がある仕様で、そのほかはラメラメとした雰囲気。
背面にはロゴ製品情報、滑り止めはありません。ショルダーボタンの出っ張りもなくシンプルな背面です。

上側面には左からL1/L2、MicroSDスロット、コントローラー等用USB Type-C、充電用USB Type-C、R1/R2
下側面にはイヤホンジャック。左右端にはストラップホールがあります。

ボリュームボタン、電源ボタン、インジケーター、
グリップはなくフラットな形状。プロポーションとしてはかなり薄く感じて良いと思います。

開き角度はほぼ180度で、それ以外の角度であればどの角度でも自由に固定できます。閉じている時に開いたりすることもありません。これはかなり好印象です。
他ハードとの比較

DSi LLと並べてみるとほぼほぼ同じサイズです。閉じた時の寸法、開いた時の寸法、画面サイズまで。

DSi LLは4.2インチなので4インチだと若干小さいんですが、ほぼ同じに見えます。それよりも解像度が高く、アナログスティックが追加されたことなどによるレイアウトの密度感が良い感じです。
操作感
重量はジャスト321グラム。重量的にも実機同様で、妥当な重量感です。重量バランスは若干上が重いようにも感じますが、人差し指で支えれるので特に問題なく、許容範囲内です。
操作感としてはSwitchなどで慣れ親しんだバランス。両方スティック下なのが好み分かれそうですね。

ABXYボタンはフラットなボタンで、遊び少なめ、ストローク短めな、プチプチとしたジョイコンや3DSのような感触。気持ちの良い感触です。
スタートセレクト、ホームバックボタンはカチカチとした感触。鳴りは大きめで、若干のチープさを感じます。サイズや硬さはちょうど良く押しやすいと感じます。

十字キーもフラットな形状、ボタン同様プチプチとした押し心地。シーソーも可能で、しっかりと押した感触があり、入力は良好に感じます。若干ストロークが短すぎて滑るような感覚がある気もしますが、個人的には全然問題ないです。
アナログスティックはVitaライクなフォルムで、倒し角度は小さめ。個体差かもしれませんが、若干遊びがあるように感じます。押し込みにも対応しています。

ショルダーボタンはL1L2がカチカチと大きめな音がするマウスクリック系の感触。横並びではありますが、段差があり押し分けやすいです。
画面・スピーカー
画面サイズ・解像度

本モデルでの大きな特徴はディスプレイ。画面サイズは4インチの640×480、4:3比率の定番解像度が上下についています。
レトロゲームを遊ぶ分にはちょうど良い解像度ではありますが、DSを遊ぶ際にはピクセルパーフェクトではないので気になる人は注意です。シェーダーなどでいい感じに調整しましょう。
ベゼルの大きさは特に気になりません。
輝度は記載がありませんが、最大輝度でも若干暗めに感じます。ちなみに明るさは上下一括で変わります。
スピーカー
スピーカーはディスプレイ横なので、ステレオのフロントスピーカーでダイレクトに耳に伝わる聞こえ方が良いです。
音質は低音が弱い音色で、特段良くはありません。ただ音質悪くて気になるということもないので許容といった感じです。
使用感
では早速初回起動からの使い方を紹介していきます。
初回起動時
初めて起動する際にセットアップが開きアプリ・エミュレータが自動でインストールされます。が、まぁ基本的にはAndroidなので細かい設定は全部自力でする必要があります。パーミッションの設定、ディレクトリ設定、そしてエミュレータ自体の設定などなど。
PlayStoreは導入されていないので、別途アプリをインストールしたい場合には野良アプリのインストールが必要です。あと単純に容量が32GBとかなり少ないので、Android用のアプリをガツガツ追加するには厳しいと感じます。
メニュー画面

基本的にはピュアAndroidな使い勝手です。デフォルトのランチャーはシンプルなもので、アプリ一覧もなく、アプリをインストールするとどんどん右側に追加されていく形式。
あとは画面左のボタンを長押しで、エミュ機のようなメニュー画面が現れます。これはAnbernic社のAndroid機に導入されているRG LauncherというAnbernic製のフロントエンドアプリ。
一応テーマ変更や表示項目の変更などは可能ですが、設定できる部分が少ないと感じます。
上下別の操作が可能

基本的に下画面がメイン画面として設定されていて、上画面が拡張画面のような感じ。上下別でアプリを開くことが可能で、いわゆるミラーリングなどではありません。
また、上をタッチすると上画面の操作、下をタッチすると下画面の操作となりますが、それとは別にAnbernicボタンを押すとコントローラー操作が切り替わる機能も搭載されています。これは普通に良いなと感じました。
AnTuTuベンチマーク結果
AnTuTuベンチマークは
総合スコア 162033
CPU 56623
GPU 10491
となりました。
総合が約16万点くらい、CPUが5万点くらい、GPUが1万点くらい。正直かなり低いです。1万円くらいのAndroidタブレットでも20万点くらいはあります。2画面コントローラー付きであることを色々考慮すると価格相応ではあるとは思いますが。
ゲームをプレイ

Android用ゲームを別途導入するのは厳しかったのでエミュレータをプレイしてでの感想となりますが、2Dレトロゲームであればもちろん問題なくプレイすることが可能です。
肝心のDSはデフォルトの状態で2画面プレイできるようになっていて、なんだかUIもちょっと通常のDrasticと違い工夫?されています。
しかし性能的には特段問題ないはずですがノイズが乗ったりラグを感じたりします。特に上画面の遅延が気になり、RPGなど動きが少ないタイトルであれば特段気にならずプレイできるとは思いますが、アクションは気になる人は多いかもしれません。
ちなみにディスプレイ表示設定はなるべくピクセルパーフェクトに見えるように、sharp bilinear のフィルターに変更しています。
熱・バッテリー
熱に関しては若干暖かくなりますがそこまで気になりません。しかしバッテリーは減りが早く、スリープ時の消費電力も比較的大きいような気がします。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
感想
正直2画面ビジュアルと質感、ボタン感触やフリーストップなヒンジなど、本体の作りに関してはかなりレベルが高いと思います。他社のどのモデルよりもDSですし、クオリティは申し分ないです。
遅延やソフトのバグっぽい表示もまぁ直してくれることを期待できます。個人的にはピクセルパーフェクトじゃないディスプレイも気になりますが、特段気になるのはCPUパワーの力不足。本体容量ももう少し増やしてもらって、もう少しいろんな用途で活用できれば良かったのになと思います。
と同時に、1.5万円の価格であることを考慮すると、価格相応な性能な気もしてくるので、よっぽど問題があるパフォーマンスの悪さでもないんですが、もう少し価格を上げて性能を上げても良かったのではと感じました。
