携帯ゲーム機にスクリーンを合体させて、あとから2画面にできたら、楽しいですよね。
Retroidさんがなんと実現してくれました。Retroid Pocket 5などに装着して、DSのような2画面ハンドヘルドに変身できる拡張アクセサリー。
実際に購入してみたので、何ができるか、実用性的にはどうなのかなど、諸々試していきます。
販売ストア
販売は原則公式ストアのみとなっています。金額は通常価格が69ドル、送料別です。クリップは含まれていますが、さらに大きな幅に対応したクリップも別途販売されています。
またRetroid製品はAliExpressでも取り扱われていますが、何かあったときにサポートが受けられない可能性があるので公式ストアを推奨します。
動画版
スペック&主な特徴
Retroid Dual Screen Add-onとは
Retroid Dual Screen Add-onは、Retroid Pocketシリーズに後付けできる外部ディスプレイモジュール。某ダブルスクリーンのような二画面体験を可能にし、エミュレーションやマルチタスク用途に活用できるユニークなアクセサリーです。
ディスプレイは5.5インチのAMOLEDを採用し、解像度は1920×1080。100,000:1の高コントラスト比と500ニトのピーク輝度、107% sRGB色域に対応し、鮮やかで見やすい表示が可能です。タッチ操作にも対応しており、DS/3DSエミュレーションでの操作性を高めています。
接続はUSB Type-C経由で行い、DisplayPort over USB-Cをサポート。パススルー充電に対応しているため、使用中もホスト機器を充電可能です。ヒンジは120°/150°/180°で固定できるclick-stop構造を採用し、用途に応じて角度調整が可能です。
重量は約130gで、バッテリーは内蔵せずホスト機器から給電される仕組み。対応端末はRetroid Pocket Mini / Mini V2 / RP4 Pro / RP5を中心に、6〜7インチサイズでDisplayPort出力を持つ一部のAndroidハンドヘルドにも装着可能です(最大高さ115mmまで対応)。ちなみに当初RP4 Proには対応できない事が判明などの発表がありましたが、しばらくしてアプデがあり対応しました。
カラーはブラック、パープル、クリアホワイト。
開封&内容物
では開封していきます。

箱はこちら。商品画像がプリントされたシンプルなデザイン。いつものRetroidシリーズ通りの、開封する際蓋がマグネットになっている箱ではない、普通に蓋がかぶさった仕様。

内容物はこちら。本体、USB-Cケーブル、簡単なスペックシート。USB-Cケーブルはフラットでかなり固め、両方L字の割と特殊な形状です。
本体外観
ファーストインプレッション

最初手に取った時、個人的にはかなりテンションは上がりました。実用面がどうこういうよりは、この拡張ガジェット感が独特で、Retroid社のビルドクオリティはしっかりと確保され、ヒンジの感触も悪くないです。
ケーブル長すぎだろとか、様々なハンドヘルドに対応させた結果あまりぴったり感は無いだとか、ボタンが塞がれるだとか、確かにバッテリードレインされるなとか、思うところは色々あるのは分かりますが、拡張アクセサリーとしてはかなりユニークでワクワクします。
もっとしっかりとした2画面ハンドヘルドが欲しい場合には今色々と出てきているのでそちら、もしくは今後出るかもしれないRetroidの2画面モデルに想いを馳せるのも良いですし。対応するRetroid製品を持っている人がカジュアルに2画面を楽しむ分には結構ありだなって思います。
インターフェイス

天面にはRetroid Pocketのロゴが入っています。今回購入したのはクリアカラーなので内部のパネルがよく見えていいですね。
背面部分にはケーブルを挟み込むためのスリットがあります。

上側面部分にUSBポートがあります。上下側面には大きめに開口が空いています。

右側面には給電用のUSB-C、左側面には明るさ調整ボタンがあります。
内側、本体と接触する部分はそれぞれラバーが貼られています。
開き角度

固定角度は3段階あり、完全フラット、ちょい傾けた状態、デスクなどに置いて丁度よい状態とで、選択肢的には結構悪くないです。DSシリーズなどに比べると僅かに角度が小さいように感じますが、そもそもフォルムが違いすぎてそれはそこまで気になりません。
使用感
では装着から使用感・専用アプリなどを実際使いながらを紹介していきます。
装着方法

本製品は基本的には端末にバネで固定する、いわゆるスマホ用の挟み込みコントローラーのような仕様で、付属のケーブルで繋いで使います。
下部のUSB-C接続部分は割と大きめに開口があるので、端末によっては中心からズレた位置にあるものの、画面位置はほぼ中心に持ってくることができます。
いろんな端末に装着してみる
とりあえずRP5・RP Mini・RP4 Proなどをはじめとして、所持していてDP出力に対応しているモデルで色々装着してみます。
Retroid Pocket 5
おそらく一番ユーザー数が多い?実際は分かりませんが、大前提で対応しているRP5に装着してみます。今後の検証もこちらがメインでやっていきます。

みてくださいこれ。夢みたいな造形ですね。RP5にはクリアカラーがなかったので黒のディスプレイでも良かったのですが、あえてクリアにしたのでより一体感がなく、無理やり合体させたようなビジュアルになりました。

しかしパット見ではかなりのフィット感があるように見えますが、色々と気になる点はあります。というか気になる点はRP5だけに限らず、すべての端末において共通しています。

まず、これは私が別のスティックに換装している故の問題ではあるのですがスティックが装着位置によっては若干干渉します。純正のものにすれば問題ありませんが、それでもUSBポートの位置が中心ではないのか、若干の調整が必要です。完全に避けれたらピッタリと閉じれます。

またケーブルの長さが気になります。多少の着脱のしやすさも考慮してなのかもしれませんが、にしても眺めで、しっかりとした硬めのケーブルなので結構存在感あります。別途ケーブルを購入してもっと短い感じにして使っているユーザーも居るようです。実際DP出力可能であればなんでもいいので、選択肢としてはありですね。

あとはやはり地味に一番気になるのが、上部のボタンが塞がれる点です。ボタン部分はしっかりと避けてくれる形状にはなっているものの、押すことはできないので、電源ボタンは避けれてもボリュームボタンは完全に塞がれます。
じゃあボリューム調整できないじゃないかって感じなんですが、Androidなので上から下にスワイプしてクイック設定から調整ができます。明るさ調整ボタン以外にも、ボリュームボタンもスクリーン側に搭載してほしかったですね。
Retroid Pocket Mini

収まり的にはMiniの方が良いですが、しかしこちらは厚みが大きい上、しっかりとアナログスティックが干渉するので、蓋はピッタリとは閉じれません。あと位置によっては電源ボタンも押せなくなってしまいます。
Retroid Pocket 4 Pro

Retroid Pocket 4 Proはクリアカラーを買ったので、一番親和性が高くてアガります。外部出力にも対応して使えるようになりましたし、グリップもなく四角い感じがいい雰囲気です。
他ハード

試しにAnbernicのRG477Mに装着してみました。かなり縦幅がギリギリで、ギチギチです。

AYANEO Pocket Sに装着してみたのがこちら。S2はサイズオーバーで装着できませんでしたが、こちらも結構ギリギリです。
色々と装着してみた感想としてはやはりなんやかんやRetroidシリーズが一番収まりが良いというか、バランスが良いように感じます。ディスプレイサイズ感なども含めて。
ゲームをプレイ
ディスプレイ本体の重量は約150グラム、装着したRP5の重量は425グラム。思いと思いきやそこまででもなく、意外と悪くないバランス感です。僅かなグリップの膨らみと本体重量とのバランスでしょうか。流石にフラットにすると後ろに倒れる感覚はあります。
逆に、RP Miniでは結構後ろに倒れる感覚が強めで、ちょっと疲れやすそうです。しかし個人的にはこのこじんまりとしながらゴッツイ感じは嫌いじゃないですね。
気になるなと思っていたケーブルは、実際遊んでいるときには見えてこないので全然気になりません。
結局接続されて行われる動作としては画面のミラーリングで、別のアプリを動作させながら使ったり対応エミュレータで2画面使用がメイン。
対応するエミュレータは
・Azahar
・Drastic
・MelonDS フォーク
・Cemuフォーク
などなど。これらにはDP出力されたディスプレイに画面を出力する機能が搭載されているので、アプリの設定上から2画面プレイが可能です。やはり実機が至高だとは思いますが、高解像度・高発色・バキバキの明るさで遊ぶ体験はそれはそれで新鮮です。
当初は遅延もあったらしいけど解消されたとのこと。バッテリードレインはしっかりとあるので、接続していたらスリープ中であってもずっとバッテリーが減り続けます。ここはアプデでなんとかならないんですかね…。なので使っていない間はケーブルを外しておくことを推奨します。
アプリの同時起動
デフォルトのランチャーもMulti Display Launcherにアップデートされていて、ランチャーでアプリを長押し、起動方法を選択することで、上画面でのみアプリを動かすことができるようになります。
更に、設定アプリから上画面のみに表示することも可能。しかし画面を自由に調整したり交換したり、気軽に片方だけに映したりするのはできないので、あまり使い勝手が良いとは言えません。
感想
1画面のものを無理やり2画面に出来るこの拡張アクセサリー。過去に2画面目を追加できるスマホとかも出ていましたが、そんな雰囲気ですかね。
用途としてはかなり狭めなものですが、そもそもの2画面Android端末自体が、現状そんなに活用できる用途が少ないことを考えると、使いたいなってタイミングに装着できるこの仕様のほうが案外良いのかもしれません。
そういう意味では、もうすこし本体とのフィット感であったり、着脱のしやすさがもっと快適であればよかったなとは思います。
価格もそこまで高くもないので、もう既に対応するRetroid製品を持っていて、別に2画面端末がほしいまでではないけど、なんとなく2画面を試してみたいな、って人はそこそこに楽しめるのではと思います。