変形するってカッコイイですよね。
今回紹介するのはいわゆるROG Allyのような、Windowsを搭載したゲーム機、ポータブルゲーミングPCなのですが、ゲームだけの用途で使うのは勿体ないなぁ・・・と思ってる人も居ますよね
そのニーズに答えたようなハードで、まるでPlayStation Portalのような見た目ですが、Switchのようにコントローラー着脱式、Surfaceのようにキーボードがマグネット着脱可能な、3in1 PCなんです。
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動画版
スペック&主な特徴
ONEXPLAYER X1 miniとは
ONEXPLAYER X1 miniはポータブルゲーミングPCを多く販売しているONEXPLAYER社による新ハードで、
何も装着しない状態でタブレットPC、キーボードを接続してノートPC、コントローラーを装着してWindows携帯ゲーム機と用途変更でき、3in1 PCとなっているのが大きな特徴です。
ディスプレイは8.8インチの2560×1600でリフレッシュレート144Hz、キックスタンドによる角度調整が可能。65.02Whの大容量バッテリー、電源ボタン一体型指紋認証搭載。重量は710グラム、コントローラーと合わせると835グラムとかなりのヘビー級
・・・とは言え、同じく8.8インチのポータブルゲーミングPCのLenovo Legion Goは49.2Whで854gなので、重量に関してはかなり頑張っているのではないでしょうか。
プロセッサはAMD Ryzen 7 8840Uを搭載していて、メモリは16GB / 32GB / 64GB、ストレージは512GB / 1TB / 2TBがあります。
カラーはブラックのみ。
開封&内容物
では早速開封していきます。今回は触ってみたかったのでハイビームさんからレンタルしました。
今回お借りしたのは三点セット。本体、コントローラー、キーボードです。
箱はすべてガッチリとしたリッチな梱包で、近未来ロボット的なデザインが型押し加工で装飾されています。
本体の内容物はこちら。USB Type-Cケーブルと100W充電器、説明書で、他の箱にはそれぞれコントローラー本体と交換用の十字キー、キーボードが入っています。
本体外観
基本的にはゲーム機として使う人がやはり多いと思うので、今回はとりあえず本体+コントローラーの形を基準として見ていきます。
まずビジュアルとしては8.8インチという、携帯ゲーム機としてはかなり大きめなディスプレイにコントローラーがニョキッと生えたようなビジュアル。言ってしまえば、PlayStation Portalと同じスタイルですね。
コントローラーは着脱式ではありますが画面側、背面側共にツライチでピッタリ合っているのでかなり一体感がある点が好印象です。コントローラーとディスプレイのサイズ感のバランスも良いですね。余剰な装飾などもなく、シンプルに仕上げられているのも好印象です。
質感としてもどんどん良くなっていて、マットでしっとりとしたつや消し塗装がされていて滑りにくくグリップ感があります。
ボタンレイアウトは
右側にXBOX配置のABXYボタン、アナログスティック、メニューボタン、キーボードボタン
左側にアナログスティック、十字キー、ビューボタン、ホームボタン
基本的にはXBOXコントローラー同等の機能となっています。
コントローラーは若干間延び感があるようなボタン配置のバランスですが、それぞれのボタンやスティックが干渉しないようこのようなバランスになったのでしょう。
背面には斜めのゲーミングな雰囲気のラインが装飾的に入っていて、排熱ファンの吸気口も装飾に合わせて空いています。
キックスタンドは小さめではありますが金属製で、自由な角度で固定できる安定感のあるものです。
コントローラーにはSwitchのJoy-Conのようにロックボタンが搭載されていてそこを押しながらスライドさせる仕様です。その下にあるのはカスタム可能なボタンが左右にM1とM2とあります。
上側面には左からLBLT、指紋センサー兼電源ボタン、ボリュームボタン、ターボボタン、USB4.0、USB-A 3.2、3.5mmコンボジャック、その上にファンの排気口、RBRT
下側面にはスピーカー、USB 4.0、Oculink、MicroSDスロット、スピーカーです。
本体厚みがかなり大きく感じるのが個人的にはマイナスポイントです。実測値で20mm、SteamDeckも19mmくらいなので数値的には大差無いのですが、薄く見えるようにエッジを面取りなどしておらず、四角いボックスのようなデザインなので、より厚く感じるのかもしれません。
コントローラーのグリップ部分はこのようにエルゴノミックな形状になっています。コントローラーは塗装の質感は悪くないもののかなり軽く、グリップを大きく作っているので内部に空洞感を強く感じます。
コントローラーの端子部分はこのように専用のカバーがあり、コントローラーを装着せずに使う場合にはカバーを付けておくことができます。
キーボードはSurfaceのようにマグネット着脱式で、装着するとこのような形になります。ちなみにスティックのLEDは色や明るさ変更、オンオフ可能です。
他ハードとの比較
みんな大好きSteamDeckと並べたのがこちらです。縦横サイズ的にはほぼ同等で、実際手にとってみた感触としても同等です。が、X1 miniの画面サイズの大きさが圧倒的ですし、重量も圧倒的です。
おそらくデザインの参照源であろうPlayStation Portalと並べたのがこちら。こちらも8インチディスプレイで、外部コントローラーのようなコントローラーが合体したようなデザインなので似た印象を受けます。
これを更にSwitchのようにコントローラー取り外し式にしたものがX1 miniなので、PS PortalとSwitchの間の子のようなハードですね。中身はMicrosoft Windowsなので、XBOX要素もあり。
ちなみにPS5はまだ買ってないので、PS Portalはもちろんまだ遊べてません。
操作感
グリップが大きいおかげで800グラム超えにしては問題なく持てますが、やはり重すぎるので、膝の上やテーブルの上に置いて使わざるを得ないかなと思います。マッチョなら普通に手持ちで使えると思いますが、私は手首よわよわなのですぐに腱鞘炎になっちゃいそうです。
重量バランスも本体部分が若干下寄りになっているので、後ろに倒れる感覚も無くその点では良いですが、やはりコントローラーが超軽量、本体超重量なので、そこのバランスはちょっと気になりますね。まぁ、コントローラー着脱式の宿命という感じもしますが。
ボタンの感触はかなり好みです。ABXYボタンはJoy-Conよりは大きめ、SteamDeckくらいのサイズ感で、押し心地はマイクロスイッチのチャキチャキとした感触。
ストロークは長めなので、感覚的には一般的なコントローラー同様のストロークでありながらも押した感触がダイレクトに伝わる機構となっています。メニューボタンなどはカチカチとしたタクトスイッチ。
アナログスティックはホールセンサースティックではなくALPS社のものが採用されていて、かなり軽い感触です。スティックトップは中央に膨らんでいて、エッジが滑り止めになっているタイプ。
スティックを倒した際に当たるスペーサーが金属で、滑らかな感触になっていて良いです。
十字キーもABXY同様の感触。十字キーはいわゆるコントローラーのようなものではなく、若干浮いていて、押すと傾いて入力されるタイプのもの。そしてこちらのトップ面は交換可能で、交換してXBOXタイプの円形十字キーに変更できます。
バックボタンもカチカチとしたもので、握った際に若干上にくる位置にあるので間違って押すこともありません。良いバランスです。
ショルダーボタンはLBRBはタクトスイッチのカチカチ、LTRTはストロークが長いトリガーボタンです。
ちなみにコントローラーは別売りのコネクターを使用することで、単体のBluetoothコントローラーとしても使用可能です。
画面・スピーカー
画面
ディスプレイはやはり大きいです。アスペクト比率が16:9ではなく、16:10なので、対応していないゲームではこのように上下に隙間ができてしまいますが、だとしてもかなりベゼルが狭いので気になりません。
ちなみにディスプレイの表示部分からシェルの外側までのベゼル幅を簡単に計測すると、上下が5mm、左右が10mmです。この画面サイズでそれなので、めちゃくちゃ幅狭に感じます。
SteamDeck OLEDは7.4インチなので、1インチくらいの差か~って思うかもしれませんが、めちゃくちゃ違います。でかい。これだけ大きければ文句を言う人も居ないでしょう、と感じるレベル。
そして何より画面がとにかく綺麗だな・・・と思います。ディスプレイの解像度は2560×1600で、500nitとかなり明るい、リフレッシュレートも144Hzあるのでヌルヌルしています。まぁ解像度が高い分要設定ではありますが、基本何でも問題なく遊べる性能があります。
720PのSteamDeckと比べるとまるで違うゲームを遊んでいるような感覚になります。
スピーカー
スピーカーも妥協していません。
残念ながらフロントスピーカーではないのでダイレクトに耳に伝わる感触ではないものの、Harman ステレオ 2.0 エフェクティブシステムと、Harmanカスタマイズスピーカーパーツの採用をしているらしく、かなり高音質でダイナミック、SteamDeckやROG Ally等に負けず劣らずなクオリティだと感じます。
もちろんイヤホンジャックも搭載されているので、有線イヤホン派の人も安心して使えます。
使用感
キーボードは着脱容易、配列は独特
充電やペアリングなども不要、簡単に使えるのが良いです。が、キー配置が結構独特で、エンターがかなり小さく、デリートキーとか伸ばし棒がなかったり、右側?の記号等が結構省略されているので慣れが必要だなと感じます。
あとやはりSurface同様膝の上では厳しく、硬い場所、デスクの上などじゃないと使えないという点もあります。
とは言え、Windowsを使う上ではキーボードの有無はかなり便利さが変わってくるので、このハードを買う際には必須なのではと感じます。
まぁとは言え、コントローラーにキーボードボタンが搭載されているのでキーボード入力が必要になった際はスクリーンキーボードをいつでも呼び出すことができます。
指紋センサー・顔認証あり
電源ボタンに指紋センサーが搭載されているので、ログインが容易です。またカメラも実は搭載されているので、顔認証を使うことも可能。
性能・ベンチマーク等
要設定ではあります。設定を落とすか、設定を落とさずに消費電力を上げるか。TDPが30まで出せるので、上げればバッテリーの減りとファンの音は大きくなりますが、基本的に遊べないゲームはないと感じます。発熱に関してはもちろん本体は熱くなりますが、コントローラーには熱は一切ありません。
実際2560×1440という解像度で、30W駆動にしたらサイバーパンク2077のレイトレーシング小設定でもFPS30出ました。とても強い。
ベンチマークを30Wで測ってみると
FF14黄金のレガシー 2560×1600 標準品質(ノートPC) 4116 普通
FF15 2560×1440 軽量品質 3555 普通
となりました。
ちなみにSSDをCrystalDiskMarkで速度を測ってみたところ、リードが4900くらい、ライトが4400くらいでした。
バッテリー持ち
バッテリー残量10%通知が来るまで遊んでみると、FF7Rで2560×1440、20Wで1時間40分で、1080Pの15Wで2時間でした。十分に遊べる持続時間だと思います。本体解像度を落とすなどすれば更に持ちそうですが、現状では変更できませんでした。
専用アプリ
上側面に搭載されているターボキーを押すことで、ポップアップメニューのようなものが表示されます。これはTDPやファンの強さ、明るさやスティックLEDの変更などができるもので、AYANEO社製品やROG Allyに搭載されているものと同等な機能を持つもので、ポータブルゲーミングPCとしては必須の機能だと思います。
コントローラーでのマウス操作などもこちらから可能です。
そしてターボキーを長押しすることで、ゲーム機のインターフェイスのようなものが表示され、ここから直接ゲームを起動したり、背面ボタンの割当を変更したり、アップデートを確認したりできます。
感想
ということで、実際使ってみると、ONEXPLAYER社の製品は抑えるべき箇所をしっかりと抑え、着実にクオリティアップしているなと感じました。余剰な装飾もなるべく減らし、できるだけゲーミング感を薄くしているのも好印象です。
私としては正直、やはりここまでデカくなくて良いな・・・と思ったのが本音ですが、それも結局トレードオフ。
全然重くなっても良いから、とにかくでかい画面がほしい、それとバッテリーも増やして、どうせなら普通にノートパソコンとしても使えるようになってほしい!のような需要は確実にあると思いますし、
実際パソコンとして使うとなるとこのくらいの画面サイズがあると嬉しい、ギリギリのラインを狙っていると思います。自分の嗜好や用途に応じて検討してみてください。