Miyoo Miniっていう最強のエミュ機がありまして、ゲームボーイライクなビジュアルで2.8インチの小ぶりで可愛い、ビルドクオリティも高く質感もかなり良い。
品薄状態というのも相まって、中華機の中でもかなり人気爆発したハード。
そのメーカーことMiyooが最新ハードを作るということで、期待大!結構前からリークが出ていたんですが、とうとう発売したということで即購入。
しかしそれにしても期待しすぎたかもしれない・・・?
販売ストア
Miyooの製品は基本的にAliexpressの専用ストアが本家。買うならここですが、余剰に在庫を抱えているわけではないので基本的に販売開始後売り切れてしまいます。ちまちまチェックもしくは私がTwitterにて在庫に気付き次第報告しているので、よければフォローお願いします。
購入金額は7700円程度で、ここ最近の中華機の中ではかなり安めな部類。あと円安やばい。
動画版
スペック&主な特徴
Miyoo A30とは
Miyoo A30はもともとMiyoo 282という名前でリーク画像が流れていた機種で、OSにLinuxが搭載されているいわゆるエミュレータ機と呼ばれている端末です。
Miyoo Miniとは違い横型モデルではありますが、ディスプレイが2.8インチと小ぶりで携帯性が高く、ファミコン風のメタルプレートが大きな特徴。
CPUはAllwinner A33が搭載されていて、こちらは過去に販売されていたPocket Go S30と同じチップセット。動作感としてはエミュレータ的にはバッチリ動くのはPSまで、PSP、64、DCは一部タイトルのみ快適に遊べるといった性能です。ちなみにPocket Goシリーズ = Miyooなので、Pocket Goの後継機種的な位置付けとも考えられます。
カラーはブラックホワイト、グレー、ブラック、レッドゴールドの4種類。
開封&内容物
では早速開封していきます。
箱は無く、専用ケースに全部入っているMiyoo Miniと同じスタイル。エコで良いですね。専用ケース自体も良い感じで、ファスナー部分はゲーム機風、内部はふわふわの生地になっていて嬉しいです。
内容物はこちら。USB Type-Cケーブル、USB Type-Cのイヤホンジャック変換コネクタ、説明書、本体、そして本体の裏に64GBのMicroSDが隠れてました。
本体外観
最初に手にとった印象は、結構皆言ってますが、軽っ!です。サイズを考慮すると特別軽いわけではないですが、メタルプレートの重厚感のせいか想像以上に軽く感じます。ちなみに重量は実測値で112グラム、同様に2.8インチの丁果A320は105グラム、RG28XXは125グラムです。やはりこのサイズ感のせいか、10グラム大きいだけでRG28XXとの重量差はしっかりと感じます。
そしてこの重量差も相まってか、質感もチープに感じます。
シェルの色、メタルプレートのおかげで写真写りはとても良いんですが、側面や背面のプラスチックシェルはMiyoo Miniなどとは違ってつや消し塗装は無し、特別クオリティが低いわけではないですが、Anbernic製品に比べるとプラが薄いのか、密度感は少なめ空洞感を感じます。
Miyoo Mini(V4)やMiyoo Mini Plusの質感の良さはエミュ機の中でも最高レベルだと感じていて、そのMiyoo Miniの横型モデル!くらいに思って手にすると質が下がったような印象を受けます。
ボタンレイアウトは右側にABXY、スタートセレクト、スピーカー、左側に十字キー、アナログスティック。
スタートセレクトが逆では?と言われることが多いですが、この点に関しては個人的には慣れれば平気かなという感覚です。
あとミスなのか、メタルプレート上のプリント無しモデルが届くこともあったようです。問い合わせれば正常なモノが届くらしいですが、無しは無しでレア!?なんて思ったり思わなかったり。
背面にはモデル情報がプリントされています。
上側面には左からL、L2、メニューボタン、USB-C、ボリュームボタン、R2、Rと並んでいて、
下側面にはMicroSDスロットがあります。
左側面には何もなく、右側面には電源ボタンとインジケーター。
他ハードとの比較
ではRG28XX、丁果A320と並べてみます。短手、長手、幅と全体的に大きめに感じますが、寸法的にはほぼ同等で、画面サイズも同一です。
比較の上でのA30の大きなメリットは、アナログスティックあり、RG28XXに比べるとボタンが大きい点。そしてデメリットはイヤホンジャックが無い点でしょうか。A320は今見てもかっこよすぎ。
比較して感じた点はもう一つ、A30と同じようにメタルプレート採用機種のRG280Vと比較していた時です。ボディの臙脂っぽい色味、そしてメタルプレートの質感などほぼ同等ではあるんですが、僅かな作りの差異があります。
RG280Vではメタルプレートの切断面がほぼ見えてこない、シェル側が勝っているディテールですが、A30ではメタルプレートの方が勝ち、切断面が光っています。ただまぁ手触り的には飛び出ている感触は無いので、切断面の粗さの問題?もしくは個体差かもしれません。文字通り粗探しのようになってきてしまいますが、個人的には結構気になります。
ただまぁ、ここで気付いたのはMiyooはもともとPocketGoを作っていた会社という点。昔買ったPocketGoを久々に出してきて並べてみたところ、なんだかめちゃくちゃしっくり来ました。
ボタンの配置、スタートセレクトの順序、スピーカー開口デザイン、ショルダーボタンのデザイン、そして側面がバンパー状になっているデザインなど、様々な点において踏襲している事を感じます。
操作感
ボタン十字キーの大きさは十分あるので、その点においてはRG28XXよりもかなり快適です。ボタンの感触はザラッとしていて、押し心地は軽めですがしっかりと押した感覚があり、ボタンの戻りは良いです。
スタートセレクトボタンはポコポコと低めの音が鳴るタクトスイッチです。
十字キーも柔らかめ、若干軸低め・・・な感じはしますが、シーソーは可能ですし、基本的にはMiyoo Miniと似たような感触ですね。斜め入力入りやすいとの意見も見かけましたが、個人的には気になりません。
アナログスティックはスイッチライクなものが使われていて、初回起動時は誤入力がありましたが設定からキャリブレーションを行うことで入力が正しく戻りました。
ショルダーボタンがかなり特殊で、一応タクトスイッチ的なカチカチとした押し心地ではあるんですが、かなり音小さめ。
指先でLRL2R2を押すと音は鳴りますが、普通にグリップした際に当たる指の関節部分くらいでLRを押すと、完全に無音です。押した感触が薄すぎるので、もう少し固めなタクトスイッチが良いかなと思いました。
画面・スピーカー
画面
個人的一番の不満点はディスプレイです。ベゼルや画面占有率に関しては申し分無いんですが、まずこの画面のディテール。
ディスプレイはフラットでも液晶保護ガラス勝ちでもなく、シェル勝ちの組み方で、これがなんとも一昔前のハードっぽい仕様で気になります。隅にホコリが溜まりますし・・・。
まぁでも、この組み方のおかげで、中華機でたまにある、画面が剥がれてくる現象がおきる心配が無いというのは安心点ですね。実際内部基板はネジ一本も使われていないようなので、組み立てやすさを優先したのかもしれません。
あと流石に直接液晶が露出しているわけでは無いとは思いますが、押したら滲むのでちょっと気になります。
そしてバチバチに明るいディスプレイで遊びたい人間としてはちょっと画面暗すぎです。所持しているハードの中でも一番暗いと感じます。もうちょっと明るければな~と思っていたどのハードよりも暗く感じます。勿論最大輝度で。
感覚的には、暗めの室内でちょうどいいかな?くらいの明るさ。発色や画面解像度は問題なく良いですが、この明るさはちょっと耐えられません。個人的にはかなり残念なポイント。いや、そんな?って言ってる人も居るので、もしかしたら個体差もあるのかもしれませんが・・・。
スピーカー
スピーカーは標準的で、レトロゲームを遊ぶ際には十分な音質、音量、シングルではありながらもフロントスピーカーなのでダイレクトに音が聞こえる点は良いと感じます。
音が出ていない時でもノイズが乗ったり、音が割れたりすることがありますが、これはファームウェアの問題もあると思うのでなんとも言えません。
使用感
基礎知識・注意点等
本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。付属するMicroSDは質が高くない(突然壊れる可能性が高い)上、内部にゲームイメージが含まれている場合が有るので非推奨です。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
Miyoo Miniと同様の独自OS
本端末はMiyoo Miniとおそらく同様のOSが搭載されていて、Miyoo Miniユーザーであれば難なく使いこなせるかと思います。
メニューのレイアウトは左からRecent(履歴)、Favorite、Game、RetroArch、App、Setting。一応設定タブから日本語化も可能です。
基本的にはハードやアプリを選択し、遊びたいゲームタイトルを選んでプレイ。Gameタブから立ち上げても、RetroArchタブから立ち上げても大体はRetroArchで動くスタイルです。
ゲーム中にメニューボタンを押すことでMiyooの専用メニュー画面、もしくはRetroArchのメニュー画面が表示されます。ゲーム終了やステートセーブなどのボタンショートカットが初期搭載されていないのもちょっと使い勝手イマイチだと感じます。
OSの不具合多々
使っていて感じるのはまずエミュレータの最適化不足。64やPSPの軽めのタイトルは普通に遊べるのにスーファミが重いので、完全に最適化不足かなと思います。
他にも動くには動くけど音割れがすごいなどあり、要アップデートorカスタムファームウェア待ちかなと思います。
あとこれもおそらくファームウェアの問題ですが、電源が一発じゃつかず、二回くらい長押ししないと立ち上がりません。他にも最初からSDが壊れていたなどの報告も上がっていました。
アナログスティックがあるので、PSPや64が良い感じに遊べるかなと思うかもしれませんが、性能的にもう一つといった具合なので、64で言うとマリオ64は遊べるけどスマブラは厳しい、PSPはクライシスコアはギリ遊べるけど零式は厳しいといった感じで、かなりタイトルを選ぶ感じです。
感想
かなり楽しみにしていました。アナログスティック付いてるし、なんだかんだRG28XX超えてきちゃうんでしょ?とワクワクしながら購入しましたが、ちょっと期待外れな点が多い印象です。
中にはファームウェアアップデートや量産による品質改善も見込める点は多くあります。実際私が一番ガッカリしたディスプレイに関しても、結構Miyoo(に限らず中華ゲーム機)はマイナーチェンジで明るさや色味が変わる事がよくあるので、というかここまでバチバチに明るさを求める人は大多数では無いと思うので問題ないでしょう。
あくまでこのハードはコンパクトな2.8インチ。ビジュアルが気に入り、動かしたいゲームが動かせればそれで十二分に満足できるでしょう。金額を考慮して冷静に考えるとそこまで悪いハードではなく、期待しすぎた面が大きいのかなと思います。
ネガキャンをしたいのではなく・・・Anbernicによる対抗機種の発売タイミングを気にする事はなく、しっかりと完成度を上げてバッチリのモノを出してほしかった、というのが切なる思い、愛です。