Androidゲーム機を最近たくさん出しているAYANEOが、また別のブランドを出しまして、その名もKONKR Pocket FIT。
これまではデザインやリッチ感を重視したつくりであったモデルが多かったのですが、今回のこのKONKR Pocket FITは使ってみた感じ、抑えるところおさえつつ、実用性重視であり、そしてAYANEOのシステムはしっかりと入っている、また別のコンセプトのモデルといった感じ。
実際どういった使い勝手なのか見ていきます。
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価格はクラファンの最安、G3 Gen3の8GB/128GBモデルが239ドルから。国内販売予定もあります。
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スペック&主な特徴
KONKR Pocket FITとは
KONKR Pocket FITは、Snapdragon 8 Elite または Snapdragon G3 Gen 3 を搭載した、AYANEO傘下ブランド「KONKR」による初のAndroid携帯ゲーム機です。6インチ・144Hzディスプレイ、ホールセンサー操作系、8000mAhバッテリー、アクティブ冷却などを備えた“高性能&軽量設計”が特徴で、エルゴノミクスデザインによる携帯性とゲーミング性能を両立したモデルとして登場しました。
ディスプレイは6インチ・1920×1080解像度のTrueColor LCDで、144Hzリフレッシュレート対応。反射防止強化ガラス採用により屋外でも視認性を確保し、色域表現・応答速度に優れた映像体験を実現しています。
SoCは2モデル構成で、上位版にSnapdragon 8 Elite、標準版にSnapdragon G3 Gen 3を搭載。どちらもLPDDR5Xメモリ、UFS 4.0ストレージ対応で、AAAタイトルからエミュレータ、クラウドゲーミングまで快適に動作。Androidベースに加えてAYASpace・AYAHomeによるゲーム管理・キーマッピング・性能調整が可能です。
操作面ではRGB対応ホールジョイスティック、ホール効果リニアトリガー(デュアルモード対応)、フィードバック強化ボタン、デュアルX軸リニアモーターを搭載。トリガーはアナログ/デジタル切替が可能で、FPS・レトロゲーム双方に最適化できます。
冷却システムは大型銅板+高密度フィン+アクティブファンによる最適化エアフロー設計を採用し、最大20W動作時でも安定したフレームレートを維持。バッテリーは8,000mAhでPD急速充電・バイパス充電にも対応し、長時間プレイを支えます。
接続面ではUSB4(10Gbps+DP1.4映像出力)、3.5mm端子、microSD、デュアルスピーカー、デュアルマイク、Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0を搭載し、ゲーム機としての拡張性も高い設計です。
筐体は386g・17mm厚の軽量設計で、Ultra-FITエルゴノミクスグリップ採用。滑りにくいUVコーティングとカーブ形状により長時間プレイでも疲れにくい仕様となっています。
開封&内容物
では開封していきます。今回はデモ機をお借りしてのレビューとなり、製品版とは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください。

箱はこちら。グラフィカルでしっかりとした高級な箱です。

内容物はデモ機というのもあり、本体とUSB-Cのみでした。
本体外観
ファーストインプレッション

今回紹介するのはブラック。モデルはG3 Gen3の12GB+256GB版。
真っ黒でシンプルなボディに赤いボタン。前面ガラスでマット塗装な質感と、これまでのAYANEO製品とは質感としては似ていますが、金属フレームが採用されていなかったり、また独自なフォルムとカラーリングで別ブランドを感じさせます。
造形的にはAYANEOのメインラインの雰囲気やAYANEO AIRシリーズの造形を感じさせながらもより洗練されて、持った時のしっくり感や重量の軽さもかなりよく、よくできていると思います。グリップの良さもあり、純粋な操作性だけで言うとPocket S2よりも優れています。
ボタンレイアウト・インターフェイス

ボタンレイアウトは
右側にモードボタン、ABXYボタン、アナログスティック、AYA Spaceボタン、=ボタン。
左側にホームボタン、アナログスティック、方向ボタン、ビューボタンとメニューボタン。
下部左右にスピーカーがあります。
基本的な構成はAYANEOシリーズとほぼ変わりません。XBOX準拠のABXYやメニューボタンとなっています。
モードボタンは消費電力の切り替えなどで、=ボタンはホームボタンとなっていて、これらは割当変更が可能です。

本機にはファンがついていて、しっかり冷やすことができます。背面中央にあるのが吸気口で、上部にあるのが排気口。
あとはバックボタンが左右にあり、トリガースイッチが上部にあります。

上側面には左からLB/LT、LC、ボリュームボタン、電源ボタン、RC、RB/RT
下側面には、MicroSD、イヤホンジャック、USB Type-C。
しっかりとイヤホンジャックがありますが、電源ボタンは指紋センサー付きではありません。

左右側面には何もなし。
他ハードとの比較

ではAYANEO Pocket S2と並べてみましょう。画面サイズが6.3インチのAYANEOですが、パット見の見た目のサイズ感はそこまで変わりません。
高級感は手に持つとやはり金属の感触がリッチではありますが、KONKRが劣っているようには感じません。

Switch Liteと比べたのがこちら。Liteよりも大きく感じますが、ケースを付けると割と似たようなサイズ感だと感じます。
操作感

重量は実測値で386グラムと結構軽め。Switch有機ELモデルが420グラムなので軽く、更にグリップもしっかりしているので軽く感じます。重量バランスに関しては悪くなく、持ちやすく感じます。
ボタンレイアウト的にはなるべく上側に詰まっているのも良いポイントです。

ABXYボタンはフラットな形状で、遊び少なめ。軽めのグニッとラバーの押し心地。良い感触ではありますが、パチパチと音が鳴ります。
ファンクションボタン類はプチプチとした感触です。ボタン自体がかなり小さめでほぼ無音。硬さもちょうど良く押しやすく、チープで安っぽい感触や音ではありません。
メニュー・ビューボタンは2つのボタンが一体になった形状ではありますが、それぞれ独立したボタンのように押すことができます。。

方向ボタンの感触はABXY同様に軽めのグニッとラバーの押し心地。滑らかな感触で、しっかりとした入力感、シーソーも可能で、入力は良好に感じます。
アナログスティックはホールセンサーで、中央が凹んだもの、というかフラットよりな形で、Joy-Conや一般的なハードとは違った形状、倒れ角度が大きめです。過去のRetroid Pocket 4/ProやOdin2と似たようで若干違う小さめなトップ。Pocket ACEなどと同じものですね。
干渉を避けるために小さいスティックトップにしているんだと思いますが、個人的には本体サイズの割に見た目も操作感も小さすぎる気がするので、スティックカバーを装着してプレイするのが良さそうです。

ショルダーボタンはLB/RBがラバーのスコスコとした感触、LC/RCはカチカチ。感触は良いです。

LTRTはストロークの長いアナログトリガーですが、トリガースイッチがあるのでボタンのような操作感に切り替えることができます。ちなみに切り替えた感触は若干ストロークがあり、奥にボタンがカチッとあるような感じで独特です。
バックボタンはポコポコとした感触のボタンで、ちょうどいい位置にあって押しやすいです。
画面・スピーカー
画面サイズ・解像度

本モデルのディスプレイの画面サイズは6インチの解像度は1080P、アスペクト比は16:9比率。ディスプレイ仕様としては標準的。
ベゼルはかなり小さく、見え方として気持ち良いです。全面ガラスなのも相まって、高級感を強く感じさせてくれます。
有機ELではなく液晶ですが綺麗です。発色も文句なし、明るく良いディスプレイだと思います。
スピーカー
スピーカーはフロントスピーカーのステレオ、手にはもちろん干渉しませんし、ダイレクトに耳に伝わるのが良いです。
音質も比較的よく、広がりのあるダイナミックなサウンド。好みの問題もあるとは思いますが特別音質が良いとは感じませんので、過度な期待は禁物ですが、AYANEO Pocket S2同様に良いスピーカーだと思います。
使用感
では機能周りについて紹介していきます。
メニュー画面

メニューランチャーはAYA Homeという独自のものが初期搭載されています。Switchのように横並びでアプリを並べられて、下に行くことでアプリ一覧を見れるシンプルなデザイン。コントローラー対応しているので使いやすいです。
気に入らなければ、もちろん通常のAndroid用ホームランチャーアプリを使うことも可能です。
Android用のAYA Spaceというアプリもプリインストールされています。こちらは設定することでいわゆるエミュ機のように使えるフロントエンドアプリです。
AYAボタンによる独自機能

AYA Spaceボタンを押すことで、横から簡易メニュー画面のようなものが現れ、パフォーマンスやファンの設定、コントローラ設定、明るさなどなど、さまざまな設定をすることができて便利です。
コントローラー対応してないアプリでもコントローラーで遊べるように、タッチパネル操作をコントローラーに割り当てる機能が搭載されていて、それの設定もここでできます。他にも、特定のボタン割り当ての変更なども可能。
AYANEO Pocketシリーズと共通の仕様ですね。よく使うのは画面明るさ、スクショ、パフォーマンスモードの変更でしょうか。
AnTuTuベンチマーク結果
AnTuTuベンチマークは
総合スコア 2506381
CPU 724624
GPU 846044
総合250万、CPU72万、GPU84万となりました。
チップセット自体はPocket S2と同じもの。スマホゲームを遊ぶのにしても十分な性能だと感じます。エミュレータも大体のゲームは動かせると考えて良いでしょう。
ちなみにスコアは全てパフォーマンスMaxモードのスコアです。通常モードではもう少し控えめになるかもしれません。
こちらとは別にSnapdragon 8 Elite版もあるのでお間違えないよう。
ゲームをプレイ

パワーもあるおかげでゼンゼロも鳴潮もコントローラー対応で動作にも問題なく遊べています。UI周りも文字が潰れることなどはなく見ることができて普通に快適です。
エミュレータで遊んでも快適で、どのようなハードも問わず携帯機で遊びたい人にとっては非常に良い選択肢だと思います。性能的にもPS2やGCなど、ヘヴィなハードを遊べるくらいのパワーはあります。
ファンの音・熱
ファンの音はMAXにすると高い風切り音が大きくはなります。結構大きめで、正直MAXであまり遊びたくないなと思う程度には大きいです。ほぼ動かないようにもできますし、調整は効くので、発熱や遊ぶゲームとの調整次第といった感じでしょうか。
発熱はグリップ周りは全く熱くならずに快適です。グリップの大きさに加えてファンも強く回る分、抑えられているような印象です。
エミュレータで遊ぶには
エミュレータで遊ぶためには原則以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
感想
ビジュアル・サイズ感的な好みで言うと、AYANEO Pocket S2シリーズのほうが好みなのですが、軽量さや操作性の良さ、トリガースイッチの採用など、諸々考えると普通にこちらのほうが快適です。
新しいもの、ロマンを追い求めているAYANEOシリーズに対して、普通にゲームを快適に遊ぶために作られたKONKRシリーズという感じでしょうか。特筆してユニークな点は無いものの、全てがバランス良いように感じます。
個人的にはAYANEOの独自機能、AYA Spaceまわりは結構好きなので、そこら辺をしっかりと活用できるのもポイントだと思います。

