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【レビュー】スマホをゲームボーイにする夢と現実『Hyperkin SmartBoy』

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スマホをゲームボーイにできるSmartBoy。なんともロマン有るガジェットで、ずっと欲しいと思っていてたまたまセールをやっているのを見つけてようやく購入!したんですが、まぁ・・・ずっと放置してました

というのも、コンセプトは非常に面白く、頑張って作り上げた感じは有るので大体の事は多めに見れるんですが、どうしても1点だけこれは・・・と感じる部分があり、正直おすすめしにくいガジェットです。

どういった仕様なのかといった事も含め詳しく説明していくので、欲しいなと思っている方は参考にしてみてください。

動画版レビュー

そもそもHyperkin社とは

Hyperkin.com / Let's Game!
Hyperkin is an American video game peripheral manufacturer and distributor based in Los Angeles, California. They distri...

Hyperkinは2006年に設立されたアメリカの会社で、ビデオゲームハードウェアおよびアクセサリーの開発および製造を行っています。

Hyperkinは、レトロゲームの互換機やアクセサリーをメインで作っていて、古いゲームやゲームシステムを現代のテクノロジーと組み合わせて楽しめるようにしています。日本で言うとレトロフリークなどを作っているサイバーガジェットに近い感じですかね(多分)。

主な製品には、Retronシリーズのコンソール(複数のレトロゲームカートリッジをサポートするレトロフリークのような互換機)や、Hyperkin SmartBoy(スマートフォンをゲームボーイ互換機に変換するデバイス)などがあります。

Hyperkin SmartBoyとは

SmartBoy Mobile Device for Game Boy/ Game Boy Color (Android USB Type-C Version) - Hyperkin

Hyperkin SmartBoyは、2017年にHyperkin社から発売されたデバイスで、もともとは2015年にエイプリルフールのネタとして発表された商品でしたが、あまりにも反響があったため製品化されたらしいです。

Androidスマートフォンゲームボーイおよびゲームボーイカラーカートリッジ(カセット)をプレイすることが可能となるガジェット。これにより、カセットを刺して遊ぶ懐かしのゲーム体験をスマートフォンで楽しむことが可能となります。

Hyperkin SmartBoyの主な特徴

  1. 対応スマホ: USB Type-C接続のAndroidスマートフォンに対応しています。ただし、一部の機種では正常に動作しない場合もあるため、購入前に互換性を確認することが重要です。
  2. カートリッジスロット: SmartBoyには、オリジナルのゲームボーイおよびゲームボーイカラーのカートリッジを挿入できるスロットが搭載されています。
  3. コントローラー: SmartBoyには、初代ゲームボーイに似た物理的なコントローラーが付属しており、Dパッド、Aボタン、Bボタン、スタートボタン、セレクトボタンが搭載されています。これにより、タッチスクリーンでは得られない従来のゲームボーイの操作感を再現します。
  4. ゲームプレイ: SmartBoyは、専用アプリを使ってゲームをエミュレートします。なので一部のゲームでは、エミュレーション上での不具合が発生することがあります。

SmartBoyのしくみ

間違ったSmartBoyの認識:
SmartBoyがゲームボーイを読み込む → スマホを画面にして遊べる
正しいSmartBoyの認識:
SmartBoyがゲームボーイを吸い出す → スマホをエミュにして遊べる

一見、スマホをゲームボーイにする!と言われると、このSmartBoyと呼ばれる機械がゲームボーイの互換機として働いていて、画面スマホに映す!みたいに思えますが全然違って、

SmartBoyのしくみを簡単に説明すると、コントローラー吸い出し機(ダンパー)一体型になったモノ』という感じです。

ダンパーの例

なのでゲームを遊ぶ際にはスマホ側にゲームイメージデータが保存され、スマホ側のエミュレータで遊ぶ、といった形式になります。「一部のソフトで不具合が有る」というのも、エミュレータ側での非対応ということ。

「カセットを刺すだけで簡単に遊びたい!」とか、「エミュなんか嫌だよ~」って人にはそもそもオススメできません。

また、これを使うのに必須のアプリ『SmartBoy Companion』の互換性があったりなかったり、そもそもアプリ自体が2017年から更新されていなかったりでそのあたりも要事前チェックです。

開封&内容物

では簡単に箱と内容物を見ていきます。

▲こちらが箱。ちゃんとしたアメリカの会社なだけあり、箱にも詳細な説明が書かれていてしっかりとデザインされています。

▲こちらが内容物。本体、説明書、設定用のUSB-C延長ケーブル。あとで説明しますがケーブルは主に事前設定用です。

今回試すスマホはEssential Phone と Redmi note 9Sの2種類です。

本体外観

質感は割と良い

▲さわり心地はサラサラとしたプラスチックで質感は結構よく、安っぽさは感じません。

▲値段を考慮してもしなくてもよくできており、ビルドクオリティも高めです。

初代ゲームボーイそっくりなデザイン

▲全面にはABボタン、十字キー、スタートセレクトボタンが配置されていて、背面には開くためのボタンが付いています。全体的に初代ゲームボーイに似たデザインで作られています。

▲側面から背面にかけて、初代ゲームボーイライクな線が入っています。またショルダーボタンがLRと搭載されています。

▲背面はこのように、使用するスマホの幅によってが広くなり、固定できるしくみとなっています。なので逆に言うと、細すぎるスマホではグラグラとしてしまって安定しません。

初代ゲームボーイとの比較

▲実際に初代ゲームボーイと比較してみます。ボタン類の配置や大きさはほぼ同じですが、スタートセレクトボタンだけ違い、SmartBoyの方が大きく、傾きが強いものとなっています。

画面下に青でロゴが入っているのも初代ゲームボーイ風、左下にHyperkinのロゴが彫り込まれているのもオマージュでしょうか。

▲背面はこちら。本体シェルの色味としてはかなり近めで、若干グレー寄りの白。ちなみにこちらの初代ゲームボーイは漂白済み。なので、SmartBoyの方が若干黄色めに感じます。

▲側面のカーブはSmartboyの方が小さく、角張ったデザインとなっています。

▲近距離で見るとこのような感じ。初代ゲームボーイよりも凹凸が少ない触り心地のシェルです。

操作感

初代ゲームボーイにかなり近付けている

▲ボタンの押し心地に関してもかなり初代ゲームボーイに近く、ストロークが長い軽めのボタンです。スタートセレクトボタンはラバーではなく大きなプラスチックボタンなので、感触としては異なりますが、だいたい同じ雰囲気だと感じます。

問題を言うとすると、前面部分が固定されていないので、厚みが少ないスマホで遊ぶと、ボタンを押した時に、前面側が動いてしまいます。アクションゲームで熱くなり遊んでいると、本体側の耐久性が気になりますし、スマホの画面に傷が付きそうなのが多少不安です。

地味に便利なショルダーボタン

▲初代ゲームボーイには無いショルダーボタンが付いていて、ゲームボーイしか遊べないハードなのでこれは特別使う必要無いんですが、中断セーブ・ロードなどを割り当てて使うことができるので、地味に便利です。

しかし押し心地は硬めで細いので、指に刺さる感じがあり、頻繁に使うように設計はされていない感じです。

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使い方

では使い方を紹介します。

対応端末サイズ

SmartBoy Mobile Device for Game Boy/ Game Boy Color (Android USB Type-C Version) - Hyperkin

▲上記リンクに対応端末が書いてありますが、アプリがインストール・使用可能、そしてサイズが合うようであれば使うことができます。

USB-C端子が画面下、中央
厚み:10mm以下
幅:70mm~80mm

▲こちらの条件を満たすのであれば使えそうです。厳しいのは、厚み。10ミリちょっとあるZenfone9では入りますが、ぴったりミッチリしています(ちなみに、公称値は9.1mm。太ったのか?)

また、幅が70mm以下の細すぎるスマホも、使うことはできますが安定しないので、やめておいたほうが良さそうです。

アプリをインストール

SmartBoy Companion - Google Play のアプリ
SmartBoyのためのコンパニオンアプリ
My OldBoy! Lite - Google Play のアプリ
リンクケーブルエミュレーションを備えた、高速でフル機能のGB/GBCエミュレーター。

SmartBoy専用アプリの『SmartBoy Companion』と実際にゲームを動かすために必要なエミュレータアプリ『My OldBoy! Lite』をPlayStoreからインストールしておきます。

初期設定

起動すると、

他のアプリの上に重ねて表示

と出るので、SmartBoy Companionのを選択して許可。

▲更に、設定のために付属のコードでスマホとこのように接続します。端子の長い方をスマートボーイ、短い方をスマホに接続。

接続した際に

SmartBoy Companionを起動して MT-DB-U6を処理しますか?
□MT-DB-U6を接続したら常にSmartBoy Companionを起動する

と出るので、チェックマークを入れてOK。

データアクセスを要求される場合にも許可してください。

ちなみにこの写真は別のエミュアプリでキーマッピングをしている様子です。

スマホを差し込む

背面ボタンを押すことでこのようにがばっと開くので、スマホを差し込みます。接続部にはUSB-C端子があるので、そこに差し込む感じです。

幅が細すぎる楽天ハンドで試してみたところ、グラグラしてまったく安定しませんでした。

▲スマホサイズの薄さによってはこのように多少グラつきますが、まぁこれに関しては両サイドにクッションが付いているのでそこまで気になりません。

自動でアプリが立ち上がる

▲スマホを差し込むと、自動的にアプリが立ち上がります。

カートリッジを挿入

▲カートリッジはこんな感じで実際にゲームボーイに使うように挿入します。

▲差し込みを行うとこのようにカートリッジデータがロードされて

データを読み込む

▲ロード完了となると、

ロンチソフトウェアを実施

と出てくるので、タップします。すると『My OldBoy! Lite』が立ち上がり右のような画面が現れ、smartboy.gbを選択すると起動できます。

ちなみに設定から別のエミュアプリが立ち上がるように変更することもできます。

▲できました。もちろんスマホ画面なのでバキバキに綺麗です。

有線コントローラーとしても使える

▲このように、有線コントローラーのような形でも使うことができます。

セーブはできない

さて、そしてここが最大の問題点です。なんと、セーブができませんアプリ側でセーブできるんじゃないの?って思う人も居ると思いますが、それにも問題があります。

SmartBoyと同様に『吸い出し機+エミュレータ』での動作を行っているレトロフリークを例に出しながら説明していきます。

SmartBoyはゲームデータを吸い出し、削除している

まずこのSmartBoy自体の仕組みなんですが、

①カートリッジ内のゲームイメージセーブデータを吸い出し
smartboy.gb、smartboy.savという名前で一時的にスマホに保存
③SmartBoyもしくはカートリッジを取り外すと吸い出したデータsmartboy.gb削除

という形式のもの。

(名前を変えて別ファイルで保存しておけば…というのはある)

遊ぶたびに、カートリッジを差し込む必要がある

なので、ゲームをインストールできるレトロフリークとは違い、一度吸い出したゲームだとしても、もう一度遊びたい場合には再びカートリッジを差し込んで遊ぶ必要があります。

セーブデータが保存されるのはスマホ上のファイル

いくらゲーム内でセーブを行っても、更新されません。セーブしても、セーブデータが保存されるのはスマホ上のファイル。

セーブデータはカートリッジを抜いても削除されませんが、カートリッジを差し込むたびにセーブデータが上書き保存されるので、絶対に更新できません(名前を変えて別ファイルで保存しておけば…というのはある)

セーブデータを書き込む機能は無い

更にいうと、レトロフリークには、遊んだゲームのセーブデータをカートリッジに書き込む機能がありますが、SmartBoyにはありません。なので、吸い出したセーブデータファイルsmartboy.savをカートリッジに戻す手段はありません

ステートセーブ(中断セーブ)はできる

じゃあセーブする手段が全く無いのかと言われると一応はあって、エミュレータに備わっている中断セーブ機能を使うことで途中から再開できます。有料アプリのみ対応ですが。

中断セーブ10個までしか保存できない

そしてここにも問題があり、吸い出したゲームファイルの名前はsmartboy.gbなので、中断セーブも同じ名称となります。

つまり、どんなゲームを遊んだとしても同じ中断セーブファイルになってしまい、一つのゲームタイトルで一つの中断セーブデータを使ったとしても、最大10個ゲームタイトルまでしか使えないということになります。(名前を変えて別ファイルで保存しておけば…というのはある)

じゃあ別のエミュレータ使えばいいんじゃない?って思うかもしれませんが、それはそれで画面表示が良い位置に来ない、ボタン設定を全部しなければならない・・・といった事があり、微妙でした。

ゲームで遊ぶ以外のことがほとんどなにもできない

コントローラーで画面が埋まっている

あとこちらも重要な問題です。まぁある程度想定していたので、大したダメージではありませんでしたが、smartboycompanionでゲームを遊ぶ、以外のことがなにもできません。

つまり、アプリ側がSmartBoyに対応していない上、スマホの画面がほとんどコントローラーで埋まっているので、設定できません。

ゲームを終了すら、コントローラーで行えない

こちらは微妙に気になる点なんですが、ゲームを中断とか終了コントローラーで行えません。SmartBoyをしっかりと外してからスマホ側でメニュー画面を開いて終了する必要があります。

感想:オススメできない

ということで、非常におすすめしにくいガジェットです。

一応簡単にゲームを遊べるように工夫しているものの、色々調整しようと思ったら知識が必要だったり、頑張って色々やろうと思ったらそもそも無理だったり・・・使っていれば色々な問題にぶち当たります。

あと、結局はAndroid用のエミュレータで動かしているので、エミュレータで動かないものは動かない・・・といった事以外にも、システム上絶対に生じてしまう遅延が発生します。なのでアクションゲームなどをやりたい方にとっては、気になるかもしれません。

『実家を漁ってたら昔持ってたゲームボーイのテトリスとかカービィが出てきた!かる~く遊んで試したいな!』

くらいな方にとっては良いかもしれませんが、

ガッツリ遊びたい、もちろんRPGも遊びたい、ポケットカメラ使いたい(非対応)』

みたいな場合にはなんとかして実機、もしくはAnalogue Pocketを買うのが良いと思います。

Androidスマホだけでゲームボーイとゲームボーイカラーのソフトの吸い出しをしたい~って場合には・・・いや、どうでしょう・・・分かりません。

ヨシダ

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