ゲームボーイ等用のカスタム(改造用)パーツを生産・販売しているFunnyPlayingという会社がありまして、なんとそこがゲームボーイカラーの互換基板を販売開始しました。その名もFPGBC。
通常のGBCに比べて特大の画面サイズ、価格も安く購入できて、基本的にはGBCなのでボタンなどのパーツは選び放題、シェルは専用ですがカラバリ豊富と、カスタムパーツ屋ならではの楽しみもできてメリットしか無いように感じますが、
未完成感があります。
販売ストア
FPGBC KIT&シェル:
GBCボタン:
GBCラバー:
eXtremeRateボタン:
精密ドライバーセット:
電動精密ドライバー:
ドライバーは精密ドライバーセットのビットを電動精密ドライバーにセットして使っています
動画版
スペック&主な特徴
FPGBCとは
FPGBCはFunnyPlaying社によるゲームボーイカラー互換基板です。なのでこれの他に専用シェル・ボタン・ラバーを購入する必要があります。シェルの形状は通常のゲームボーイカラーと同様なフォルムに見えますが、実際は違うので一緒に購入しましょう。
そして届いてすぐ遊べるわけではなく、自分で組み上げる必要があります。
どういう仕組みなのかは謎ですが基本的にはFPGAで動いていて、GBモードで動かしたりGBCモードで動かしたりと、Analogue Pocketのような使い方ができます。
ファームウェアアップデートも可能で、手に入れた当初は音がおかしくてアレぇ・・・ってなっていましたがアプデで改善されました。
すべてのゲームが遊べるわけではなく、まだまだ非対応タイトルもあります。今後もしっかりと更新されるかどうか分かりませんし、アップデートに失敗することもあるらしいです。FunnyPlaying初のハードですしね。(えっ?RetroPixelPocket?なんですかそれぇ???)
なので現状、カジュアルにゲーム遊びたい人向けではなく、ある程度自分でなんとかできたり失敗しても諦めれるタイプの人じゃないと正直オススメできないかもしれません。
ファームウェアのダウンロード先
開封&内容物
では早速開封していきます。
ダンボールを開封するとFPGBCのセットが箱に、そして選択したシェルが入っていました。この感じもカスタムパーツらしいですね。
内容物はこちら。シェルとネジ一式、基板、ディスプレイ、バッテリー、スピーカー、ステッカーです。ボタンは他メーカーのものを組み合わせようと思ったので一緒に購入していません。
ボタンはeXtremeRateのカメレオングリーンカラーを購入しました。Amazonでも普通に購入可能なので気軽に買いやすくて助かります。
組立方法
組立方法は慣れていれば超簡単、慣れていなくてもはんだ付け不要なのでドライバーさえ用意できていれば簡単です。はじめてのカスタムにもってこいの難易度。サクッと説明すると、液晶、基板、スピーカー、バッテリーを繋げるだけです。
公式ガイドが無いので手順を紹介していきます。
まずディスプレイをシェルに貼り付けます。このディスプレイはラミネーションディスプレイなので位置合わせなどの神経を使う作業も有りません。付いている両面テープを剥がし、シェルに差し込むだけです。
その後ABボタン、十字キー、スタートセレクトボタンを入れて、ラバーを上から載せておきます。画面上部のセンサー部分もお忘れなく。
基板側のフレキを差し込む部分はロックがかかっているので、黒い部分を持ち上げてから差し込み、黒い部分を倒してロックします。
そして基板を正しい位置に当てて、下部二箇所をねじ止めします。
その後はスピーカーをシェルに入れて、ケーブルを差し込むだけで完了。電源スイッチもこのタイミングで入れておきましょう。
そして背面シェルを組みネジを締め、バッテリーを接続します。バッテリーは正しい向きでぎゅって押し込めばハマります。あとはバッテリーを収納して完了。超シンプルです。
あえて言うならネジ締めが高難易度。かなり硬めなので、ネジが斜めに入ったり過剰な力を入れたりしてシェルを壊さないように気をつけたいですね。いつもゲームボーイ系をカスタムする時は、シェル付属ネジではなくオリジナルのネジを使ったりするんですが、それもできないので結構苦労しました。
本体外観
では組み上がった本体を見ていきましょう。というか、まぁ状態としてはそっくりそのままIPS化したGBCって感じなんですが、持っていない方も居ると思うので紹介していきます。
ボタンのカメレオングリーンカラーはカメレオンという名前のように、見る角度で色が変わる偏光カラーとなっています。とてもかっこいい。
ちなみにこれは塗装のカラーなので、スタートセレクトボタンが若干大きくなってしまっているのかシェルに入らず、どうしようかと思っていましたがシェルをリューターでめちゃくちゃ軽く削ることでスムーズに入りました。なので普通に何も加工せず使いたい場合はファニプレ純正のボタンを使ったほうが絶対に良いです。
ベゼルやボタン、スピーカー等の、基本的な仕様はオリジナルのGBCと同様です。ABボタン、十字キー、スタートセレクトボタンがあり、その下にシングルスピーカー。
今回クリアシェルを選んだのは、オリジナルのGBCの基板が白だからです。あとで並べた写真で比較しますが、結構印象としては異なります。黒い基板なので引き締まった感じになり、白よりも強く透け感を感じて良いです。本当は半透明のシェルじゃなくて光沢の完全に透明なクリアカラーが欲しかったほどです。
ただこの場合ディスプレイの余り?部分が透けて見えてしまい、人によっては気になるかもしれません。気になる場合はシェルにディスプレイを貼り付ける前に黒いシールかなにかで覆ってしまうか、そもそもクリアシェルを辞めるのが良いかと思います。ちなみに私は、これはこれで味だろ…!派です。
背面はこのように付属のバッテリーが透けてきます。オリジナルのゲームボーイカラーのようにステッカーを貼り付けることも可能ですが、なんとなくカートリッジのラベルを見たいので、私はいつも貼り付けていません。
左側面には通信ケーブル用の端子とボリューム兼設定ボタンの機能となるトグルスイッチ、右側面には電源スイッチ。
画面上部には赤外線センサーのプレート、下には充電用のUSB-Cとイヤホンジャックがあります。赤外線センサーが使えるのかどうかは不明です。基板にそれっぽいものが付いていないから使えないかもしれない?
オリジナルのゲームボーイカラーIPS化、今回のFPGBC、Analogue Pocketと並べてみたのがこちら。やはりアナポケの本体の大きさと画面の大きさ、明るさが目立ちますが、今回のFPGBCでフルスクリーン表示にした際の画面の大きさ、ベゼルの小ささなどもかなり良い感じです。
しかしゲームの再現性や手間、入手性やかかる費用など、様々な面でアナポケや実機とは異なるので一概にどちらが良いとは言いにくいです。
使用感
従来のゲームボーイカラー同様、カセットで遊ぶ
この端末はいわゆるオリジナルのゲームボーイカラー同様、カセット(カートリッジ)で遊ぶものです。対応するのはゲームボーイとゲームボーイカラーですが、タイトルによってはまだ完全には対応していないようで、本気で遊びたいのであればやはり実機もしくはアナポケとなります。
またAnalogue Pocket同様、GBコアとGBCコアを選択できて、ゲームボーイカラーの外観でありながらもかなりゲームボーイに近付けて遊ぶこともできます。このあたりは実機にはない機能ですし、今はまだOSが未完成ながらも将来性を非常に感じます。
またフラッシュカートリッジはほとんど対応していません。私が所有しているEZ Flash Jr.とEverdrive GB X7を試しましたが、使えませんでした。しかしアリエクで買ったエバドラクローンのカートリッジは使用可能で、LSDjや自作タイトルなどの動作も確認しました。
ディスプレイは大きい、しかし
このハード最大の特徴が画面サイズ。みてくださいこれ、従来のゲームボーイカラー同様のフォルムでありながらもベゼルが小さめ、かなり画面占有率が高いです。約3インチの画面サイズでゲームボーイを遊ぶことができます。
しかしよく見てみるとわかるかもしれませんが、そう。ピクセルパーフェクトじゃないんですよね。正方形が崩れています。
このハードは従来のゲームボーイカラー用IPS液晶と同じものが採用されていて、そちらではゲームボーイカラーの解像度に合わせて画面サイズが設定されていたので、液晶の解像度よりも小さい表示となっていました。
しかし今回、そのディスプレイの画面解像度をフルで活用できるという形になったので、結果としては画面サイズが大きく表示できるけど解像度は一致しないのでピクセルは崩れてしまいます。
Analogue Pocketなんかはゲームボーイの解像度の10倍の解像度を持つディスプレイを使っているので一致している・・・というか解像度高すぎて、多分解像度が合わないハードを遊んでも良い感じに見えると思いますが、こちらはわりとしっかりピクセルの崩れを感じます。
しかしその場合でも、このようにIPSGBCと同様の画面サイズで表示したり、なんならピクセルグリッド表示ができたりと、選択肢はあります。なのでどちらを取るかという選択になってきてかなり悩ましいです。使いながらも悩んでいます。
他にもゲームボーイコアを使ったときのパレットを変更できたり、クロックスピードを変えられたりと、オリジナルのゲームボーイカラーではありえないような設定変更も可能なのはかなりグッと来ます。これでまだファームウェアバージョン0.89ですからね。1が待ち遠しい。
スピーカーは大きいしクリア
スピーカーに関しては圧倒的にオリジナルのGBCよりも良いです。ゲームボーイカラーは音質というよりボリュームがかなり小さいんですよね。ボリュームを大きくするカスタムパーツなどを搭載することで大きくできますが、無改造で手を加えずそこそこのボリュームが出るので結構良い感じです。
イヤホン接続した際のノイズも少なく、オリジナルそのままよりは快適です。ただ接触のせいなのか乗ったり乗らなかったりしますし、ゲームタイトルによっては気になります。これがシステムのせいなのか、そもそもこういうものなのか判断はできません。
ボリュームはオリジナルのようにダイヤル式ではなく、トグルです。そして何故かボリュームの大小が逆で、小さい方に傾けると大きくなります。あと先程紹介したメニュー画面はこちらを押し込むことで表示されます。操作方法は普通に十字キーで上下にカーソルを動かして、ABで左右に切り替え、ゲームに戻る際は再度トグルを押し込みます。
私個人としてはボリュームはダイヤルが好きなのでちょっとだけ残念ですが、メニュー画面に移行するのがABボタンの組み合わせなどではなく専用のボタンが有るという点においては快適かつ面白いので良い仕様だと感じました。
感想
めちゃくちゃ正直な話をすると、過去にFunnyPlaying社から発売したファニプレ初のハードとなるRetroPixelPocketを私は最高にワクワクしながら購入したらかなり残念な出来だったので、今回も不安しか無かったのですが、
まぁこのFPGBCも届いて組み上げた最初は音が半音下がりで再生されて衝撃を受けましたが、ファームウェアアップデートで改善されて、まぁ普通に使えるし、通常のゲームボーイカラーとは違った楽しみ方ができるし、今後も期待できるハードかもしれないと思いました。
何より価格が安く購入できるのが最大の魅力ですよね。キットが現在セール価格で69.9ドル、つまり約1万円、そしてシェルとボタン合わせても1.2万円程度。
実際オリジナルのゲームボーイカラーをIPS液晶とバッテリーにしようと思うと、そもそもオリジナルのゲームボーイカラーが現在5000円くらい、IPS液晶が約7000円、バッテリー約3000円、シェルとボタンとラバーで2000円くらいと、合計17000円くらいかかります。
アナログポケットは3.5万円くらいだし、そう考えるとダントツで安いです。
本気で遊びたいならオススメはしませんが、ハード自体で遊んだり、OSのアップグレードに一喜一憂する楽しみが出来るのであればかなり楽しいハードだと思います。
まぁでも、アナポケはゲームボーイに加えてゲームボーイアドバンスも遊べる、FPGA機能でも遊べる事を考えるとめっちゃ安い気もしてきますけど。