手に入れてしまいました最強のAndroidゲーム機。
これは誇張表現でも煽りでもなんでもなく、実際現在販売されているAndroid搭載のゲーム機の中では最高の性能を持つハードで、競合が居ない上、販売価格もだいぶおかしい。
価格破壊して大丈夫か?本当に届く?お金足りなくなっちゃったからとかで追加で徴収されない?と不安になりましたがかなりテンポよく進んでいたようで普通に届きました。
実際手に入れたら若干の想定外はありましたが、圧倒的CPUパワーでねじ伏せられました。
販売ストア
現在クラファンIndiegogoでも出資可能、もしくは後日AYN公式ストアのみになると思うので、絶対にインディーゴーゴージェーピーやゲームガジェット等といった詐欺サイトで買わないようにしてください。販路もっと広げて欲しいとは思いますけどね。
・Indiegogo Odin2
・AYN 公式ストア
動画版
スペック&主な特徴
AYN Odin2 とは
AYN Odin2とは、AYN社によるスイッチライクな携帯ゲーム機で、OSにAndroidが搭載されているので、スマホのような使い方ができるゲーム機です。
主な特徴としては6インチディスプレイのAndroid13を搭載、スイッチのような配列のコントローラーレイアウトとなっていて、最大の強みはチップセットにSnapdragon 8 gen 2を搭載していること。このチップセットは現状最上位のCPU性能を持ち、原神を最高画質で遊べるくらいのパワフルさがあります。
カラー展開やストレージ・RAMの展開も豊富な上恐ろしいのが金額で、
現在普通に販売されている8gen2を搭載したスマホは大体10万円くらいする中、クラファンの最安モデルが299ドル。現在のレートで4.5万円。正気か?という安さ。そんな価格破壊して平気なのか?
AYN Odin2 のスペック
項目 | Odin2 |
---|---|
システム | Android 13 |
対応ゲーム | Android用ゲーム、エミュレータ |
ディスプレイ | 6インチ IPS LCD (1080p) |
CPU | Qualcomm Snapdragon 8Gen2 |
RAM | 8GB / 12GB / 16GB |
ストレージ | UFS 4.0 128GB / 256GB / 512GB |
バッテリー | 8000mAh, 65W Qualcomm Quick Charge 5.0 |
インターフェース | USB 3.1, Micro HDMI, 3.5mm ヘッドフォンジャック, Wi-Fi 7, Bluetooth 5.3 |
サイズ | 225 x 98 x 17mm |
重量 | 420g |
開封&内容物
では早速開封していきます。今回レビューするのはOdin2 Pro 12+256GBのブラックです。Indiegogoにて出資していましたが、レビュアーで有ることをAYN社に伝えて早く送っていただきました。
▲箱はこちら。非常にシンプルかつラグジュアリーな箱です。開封もぱかっと分離するのではなく、引き出しのようにスライドさせて取り出すのもリッチな演出です。
▲内容物はこちら。別個で付いてきた電源、変換アダプタ、USB-C to USB-C、保護フィルム、本体です。
本体外観
質感はかなり良い
▲初めてのAYN製品だったので、質感、ビルドクオリティはかなり高くて正直驚きました。そこらの中華エミュ機とは一線を画すクオリティで、ハイエンドなAndroid機としては十分性能・金額に見合ったクオリティのモデルです。
あまり言いすぎるのは過剰に期待させてしまうかもしれないので良くないですが、元々質感良いとは聞いていましたし、他の人の写真からも良さはヒシヒシと伝わっていましたが、まさかここまでとは・・・といった感情になりました。素晴らしい。
シェルはしっとりとしたつや消しのブラックで若干の光沢感が美しい、プラスチックのスカスカ感も無く、シェルの前面背面とのかみ合わせも良い。
サイズ感は大きめ
▲正直最初に手に取った時に大きいなとは思いました。AYANEO AIRと同等のサイズ、そしてNintendo Switch Liteをひとまわり大きく重くしたようなサイズ感なので、他の携帯ゲーム機やエミュ機に比べると最大級に大きいモデルで、ポータブルゲーミングPCやSteamDeckなどと比べると最小レベルのサイズ感です。
表面には右側にスタートボタン、Switch配列のABXYボタン、アナログスティック、戻るボタン
左側にはセレクトボタン、アナログスティック、十字キー、ホームボタンで、画面側左右にスピーカーが付いています。
▲背面にはグリップ部分にバックボタンがあり、中央にAYNのロゴとファンの吸気口があります。
▲上側面には左からL1L2、MicroSDスロット、MicroHDMI、ファンの排気口、ボリュームボタン、指紋センサー兼電源ボタン、R1R2で、
下側面にはイヤホンジャックとUSB-C
▲側面には装飾用のLEDがあります。背面にはこのようにグリップしやすいようしっかりとカーブが付いています。
他ハードとの比較
▲Switch Liteと並べてみた写真がこちらです。並べた印象では若干大きくなったかな?程度ですが、実際に手にするとグリップ部分の厚みや重量の違いからかなり大きく感じます。
▲最小クラスのポータブルゲーミングPCであるAYANEO AIR 1Sと並べてみるとこちらです。実際のサイズも、手にした体感も、重量もすべて同等です。若干AIRよりも軽いな?くらいの印象。
▲試しにスマホRedmagic 8S ProにBackbone Oneを装着して並べてみるとこちらです。やはりスマホのアスペクト比は基本的に20:9もしくは21:9とかなり長いので、Odin2の16:9のディスプレイにゲーム機らしさを強く感じますね。
操作感
ゆったりとしたグリップ
▲重量は420gと、Nintendo Switch有機ELモデルくらいありますが、背面のグリップ部分によってそちらよりも軽く感じます。過剰に大きく感じることはなくしかし大きくゆったりとしたバランスが非常に良いと感じます。
▲グリップ部分は横に広く膨らんでいるので、手全体で包み込み持てるような設計となっていて、背面ボタンは中指が当たる位置で軽く押せるので使いやすく感じます。
ボタンも上質
▲ABXYボタンは一般的なラバーのメンブレンスイッチで、遊びが少なく戻りも良いです。引っかかりもなく、バチバチとしっかりと押した感触もある良いボタンですね。ボタンサイズ自体はJoy-Conサイズで小さめです。ABXYの文字は塗装ではないので剥げる心配もありません。
▲十字キーはいわゆるVitaのような形状・サイズ感のボタンで、ドームスイッチのカチカチとした押し心地。若干遊びが大きく感じますが、それが問題と感じることはありません。
アナログスティックはJoy-Con程度の大きさの小さいもので、中央が凹んだ珍しい形状のものではありますが、ひっかかりやすく使いやすいですし、スティック自体はホールセンサーで耐久性的にも安心です。
▲ショルダーボタンL1R1はカチカチとした音大きめのタクトスイッチ。安っぽさは感じませんがマウスのクリックのような音はするので気になる人はきになるかもしれません。トリガーボタンL2R2はストロークが長いもの。
他、スタートセレクトボタンやホームボタンなどはカチカチとしたボタンで、若干音は大きめなものの安っぽさなどはありません。
画面・スピーカー
画面
▲画面は6インチの1080Pなので、解像度としては完璧で大きくて見やすいです。輝度も高く、視野角も良好、綺麗なディスプレイです。
ベゼル幅は若干厚めに感じますが、はしの方までガラスで覆われているので厚く感じにくいデザインになっていて良いです。とはいうものの、もう少し縦幅は抑えれたらよりスマートな印象になったかも・・・と感じます。
スピーカー
スピーカーは若干こもり気味の音色で特別高音質とは感じませんが、十分な音質で何と言ってもステレオスピーカーで画面側についているフロントスピーカーなので直接音が聞こえてくる感じがあり、ゲーム体験としては非常に良いです。
使い方
基礎知識・注意点等
Androidスマホユーザーならスムーズ
基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等を導入する際には初期設定などが必ず必要となってくるので、知識と調べる力が必要です。
Androidにはシステムレベルの遅延がある
Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。
また、本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
指紋認証ができる
▲この端末は一般的なAndroidスマホのように、指紋センサー付きの電源ボタンを搭載していて、持ち運びのためパスワードをかけていてもロック解除が簡単です。ちなみにスマホ同様、触れるだけでスリープ解除&ロック解除がされるのでアクセスが良くなって便利です。
独自ランチャー搭載
▲デフォルトのランチャーアプリとして、かなり一般的なQuickstepのほかにOdin Launcherというランチャーがデフォルトでインストールされています。こちらはいわゆるコントローラー操作がしやすいように工夫されたメニュー画面で、
▲このように画面端から左右にスワイプもしくは左右のアナログスティック押し込みで様々なサブメニューが表示され、端末自体の設定を変更したりできます。メニュー画面の使い勝手としてはそこまで完成されていない感はありますが、すぐにこのようにLEDライトや明るさ、Wifi、Bluetoothなど、設定し直せるのは便利ですね。
別途エミュレータフロントエンドなどのランチャーを導入することでエミュ機として使ったり、馴染みがあるランチャーを導入してカスタマイズして使うのもアリです。
簡単にパフォーマンス・LED設定可能
▲パフォーマンス設定、LEDもいつでも通知バーから設定変更する事ができます。LEDはアナログスティック部分と側面部分をオンオフ切り替えることができ、明るさ、色も変更可能です。
パフォーマンス設定はデフォルトがスタンダードで、簡単に言うとバッテリー持続時間重視の設定。原神など重いゲームをやる際にはパフォーマンス・ハイパフォーマンスと変更することでファンもガッツリ動き、快適に遊べるようになります。
タッチパネルをボタンに割り当て可能
▲そしてゲーム中に画面右から左にスワイプすることでフローティングメニューのようなものが表示され、様々な設定が行えるようになります。そしてタッチパネル操作をコントローラーに割り当てることも可能で、コントローラー対応していない原神や崩壊スターレイルも結構快適に遊べるようになります。
ボタンテスト・アナログ調整もシステム側で可能
▲ちょっとアナログスティックの調子悪いかな?と思ったらデフォルトでボタンテストやアナログスティック・アナログトリガーの調整アプリがあるので、各自でリキャリブレーションすることが可能です。
AnTuTuベンチマーク結果・バッテリー持ち
▲AnTuTuベンチマークは脅威の150万点。うせやろって思うかもしれませんが、Snapdragon 8 Gen 2の平均値くらいなので間違ったり詐称したりしていることはなさそうです。
バッテリーは現在検証中ではありますが、かなり持つ印象です。そもそも8gen2の省電力性が高い上に、搭載バッテリーが通常のスマホで多い場合は5000mAhであるのに対して、8000mAhあるのでたっぷり。
届いて5日間くらい色々動作検証しながら使っていましたが、一度も充電せず持ちました。どうなっているんだ。
動作検証
▲流石現状最高のチップセットを積んでいるだけあり、原神の最高画質プレイは余裕ですし、遊べないものは特に無い最強感があります。もちろん互換性の問題でインストールできないアプリなどはありますが、基本的に不自由することはありません。
もちろんあれやこれやのエミュレータも解像度3倍で余裕の動作で、かなりゲームを遊びたい気持ちが沸き上がっています。
▲スマホで良くない?という意見はよくありますし、実際ハイエンドスマホを持っていたらコントローラーさえ買えば十分・・・ではありますが、やはりこのコントローラーと一体になった専用ハードっていうのがやはり良いんですよね。
あとはこのディスプレイ。大体のゲームは4:3もしくは16:9なので、16:9のディスプレイであれば左右に余分に黒帯ができることもなく、まさにゲーム機らしいゲーム体験。
▲このようにクラウドプレイ・リモートプレイをする際にもやはり余分な黒帯が左右にできないので、一体感があって良いですよね。
感想
最初はやはり想像を超える大きさだったので驚きましたが、その驚きも一瞬。
ビルドクオリティの高さ、質感の良さ、ボタン類の操作性の良さといったハード的な良さに加え、システム面でも結構しっかりしていて使いやすく、そして何よりもパワフルな性能が圧倒的に魅力です。
正直な話をすると私は携帯ゲーム機としてはもう少し小さい方が好み・・・ではありますが、力でねじ伏せられてしまったような感じです。
ハイエンドスマホ同様の10万円レベルで販売となってしまうとスマホやUMPC買ったほうが良くない?と思ってしまうので正直おすすめしにくいですが、
現状小売価格が最安モデルで339ドル予定、送料も含めると現在のレートで6万円行かないくらいで購入できるはずなので、それくらいならめちゃくちゃありどころか、Android機ならとりあえずOdin2!くらいの品となりそうです。
ちなみに入手方法としては現在クラファンもしくは後日AYN公式ストアのみになると思うので、絶対にインディーゴーゴージェーピーやゲームガジェットといった詐欺サイトで買わないようにしてくださいね。