コントローラーレイアウトって、いろんな派閥がありますよね。
例えばスティックの位置が左右対称であったり、ボタンの配列がSwitchとXBOXで違ったり。
その問題にとうとう終止符を打つ携帯ゲーム機が登場しました。
今回のAYANEO 3は、なんとボタン部分がポンッと飛び上がり、お好みのコントローラーレイアウトに変更することが出来ます。私は格ゲーをあまりプレイしませんが、それでも6ボタンレイアウトにして試したくなります。流石に浪漫過ぎる。
販売ストア
・ハイビーム
・クラウドファンディング

・公式サイト
現在メーカーによるクラファンが実施中で、最安モデルで定価が899ドルのところ699ドルから販売されていて、全モデル2025年4月出荷予定。国内販売はハイビームの先行予約にて、最安モデルが159,600円から。
動画版
スペック&主な特徴
AYANEO 3とは
AYANEO 3はポータブルゲーミングPCを多く販売しているAYANEOによる新ハードで、モジュール式コントローラーを採用した世界初のWindowsハンドヘルドゲーム機です。
4種類の交換可能なモジュール(ジョイスティック、タッチパッド、八方向キー、六ボタンファイトパッド)により、最大56通りのレイアウト変更が可能。ABXYボタンは取り外しや並び替えに対応し、好みに応じてカスタマイズができます。
ディスプレイは7インチ 1080PのLCD(120Hz)とOLED(144Hz)の2種類から選択可能。CPUにはAMD Ryzen™ AI 9 HX370 または Ryzen™ 7 8840Uを搭載し、TDPは最大35W。今回はOLED・HX370モデルをレビュー。
操作性にもこだわり、ホールセンサー搭載ジョイスティックや2段階のトリガー、独自開発の磁気浮上モーターによる振動機能を採用し、操作性にこだわった設計。モジュールごとに最適化された操作方法で、幅広いジャンルのゲームに対応します。
AYASpace 3.0を活用することで、キーボード&マウスモードやカスタムマッピングが可能。USB4、OCuLink、MicroSDスロットを備え、拡張性も充実。重量は約690gと重め、50.25Whの大容量バッテリーを搭載。
カラーはスカイホワイト、スターリーブラック、レトロパワーの3色展開。
開封&内容物
では早速開封していきます。今回は試作機のレビューとなり、製品版とは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください。

紹介するのは本体とデラックスパッケージ。AYANEO マジックモジュール、HD保護フィルム、ジョイスティックキャップ 、AYANEO 3専用ケース。
ジョイスティックキャップはスティックトップに被せるタイプのもので、より大きくするためのものですね。HD保護フィルムはディスプレイエリアのみをカバーするタイプのもので、せっかくの全面ガラスデザインが勿体無いので、とりあえずは使用しないでおこうと思います。

そして専用ケースはしっかりとしたハードケースで、表面に細かい粒状のテクスチャがあり、一見レザーのような質感。高級感があります。かなり大きいですが、そもそも本体が大きいのでそこはやむなし。
マジックモジュールは交換用のボタンモジュールなので後述します。

それに加えて、おまけ?のなんかステッカー・バッグ・マット・ロンTも入っていました。画角に入り切らないよぉ

箱はガッチリとしたリッチな梱包で、やはりコントローラーユニットを強調したデザインとなっています。
本体の内容物はUSB-C to USB-Cケーブルと65W充電器、各種変換アダプター、USB-A to USB-C変換コネクタ、ボタンプラー、説明書です。充電器は変換アダプター無しで使用できます。
本体外観
ファーストインプレッション

まず思ったのはやはりいつも通りAYANEOさん、めちゃくちゃデザインが良い。気持ちの良いカーブを描く柔らかなシェル形状、そしてマットでしっとりとした質感に、ディスプレイからコントローラー部分まで全面を覆うガラスが組み合わさったデザインとなっていて、リッチな雰囲気。全面ガラスは最近中華ゲーム機では流行りのデザインではあるものの、また違ったバランスになっていて気持ち良いです。
あととにかくでかい。でかいくて重いって思いました。いわゆるSteamDeck級のサイズ感で、重量の話はまた後ほどしますがかなりのヘヴィー級です。
ボタンレイアウト・インターフェイス

ボタンレイアウトは、変更していないデフォルトの状態では
右側にABXYボタン、アナログスティック、スピーカー、AYAメニューボタン、イコールボタン、
左側にアナログスティック、十字キー、スピーカー、ビューボタン、メニューボタン、上部にホームボタンがあります。
基本的にはXBOXコントローラー同等の機能となっています。
ぱっと見で言うと前モデルAYANEO 2を踏襲したデザインとなってはいますが、ボタンに角度が付き、フロントスピーカーが付いたりと、ゲーム体験をより快適でリッチにするための変更がされています。

背面にはグリップ部分に独特なバックボタン、その上にはトリガーストップスイッチがあります。中央左にはグラデーショナルな開口の排熱ファンの吸気口、右側に製品情報やロゴなど。

上側面には左からLBLT、LC、指紋センサー兼電源ボタン、ボリュームボタン、Oculinkポート、USB4.0、ファンの排気口、RC。
下側面には、コントローラーモードインジケーター、コントローラーモード切り替えボタン、マイク、USB-C、SDカードスロット、3.5mmヘッドフォンジャック
上下に充電用ポートがあり助かりますね。
本体厚みが実測値で22.6mmとかなり厚めなのですが、側面が丸く作られているのでそこまで気になりません。ちなみにSteamDeckは19mmくらい。ただこれは黒だからというのもありそうです。
OCuLinkを活用すれば、据え置きゲーミングPCとしての運用も可能ですが、外部GPUを所有していないので未検証です。

コントローラーのグリップ部分はこのようにエルゴノミックな形状になっています。コントローラーは塗装の質感は悪くないもののかなり軽く、グリップを大きく作っているので内部に空洞感を強く感じます。しかしまぁ、これはグリップ形状を大きくすればするほどだと思うので、仕方ない問題でしょう。
他ハードとの比較
他ハードと並べてサイズ感や印象の違いを見ていきましょう。
Nintendo Switchとの比較

とりあえずSwitchと並べてみました。こちらのSwitchは7インチで有機ELなので、画面サイズは同じです。解像度はAYANEO 3の方が高いんですけれども。
こうして並列させた写真上はSwitchよりもちょっと大きいくらいかな?と思うかもしれませんが、やはり厚みの違いが大きいので、かなり大きく感じます。
SteamDeckとの比較

みんな大好きSteamDeckと並べたのがこちらです。体感的には同じくらいで、手にとってみた感触としてはAYANEOが丸っこく、SteamDeckは四角いな、という印象です。ちなみにデックは7.4インチなので、わずかに画面が大きいです。
Playstation Portalとの比較

PlayStation Portalと並べたのがこちら。こちらは8インチディスプレイで、外部コントローラーのようなコントローラーが合体したようなデザインなのでもう完全に別物って印象ですね。
操作感
グリップ感・重量バランス

グリップが大きいおかげで約700グラムにしては問題なく持てていますが、やはり重すぎる。Steam Deckも大差ない重量感で同じくかなり重いのですが、あちらのグリップ形状はカメラグリップのように握る感覚、こちらは手のひら全体で受け止めるような感覚で、さらに言うと若干背面の指の置き場に困る印象を受けます。
私は手首よわよわなので短時間であれば持ち上げて遊ぶこともできますが、7インチあるので膝の上やテーブルの上に置いて遊ぶのが快適かなと思います。マッチョなら普通に手持ちで使えると思いますが。
重量バランスは後ろに倒れる感覚も無く、その点では良いです。中指で引っ掛けて手のひらでしっかりとホールドするような感覚ですね。
逆に言うと、下部のボタンをメインのレイアウトにして遊ぶと、手のひらの部分が空いてしまい手に負担が強くかかります。試しにPS的な両方下スティック、WiiU的な両方上スティックなどで遊んでみましたが、上部をよく使うスティック・ABXYにしておくのが一番快適かなと感じました。
モジュールボタン
モジュール一覧

モジュールを外した状態がこう。剥き出し感がありますが、割とシンプルな構成をしているのでこうしてみてみるとそこまで不安感はないですね。
ボタンの感触は現在調整中で、製品版で多少変わる可能性があるとの事のでざっくりの説明、参考程度にしてみてください。
モジュールは4セットあり、それぞれのユニットで感触も変わってくるので、解説していきます。
Model 01 アナログスティック・メンブレンラバードームタイプ

デフォルトの状態のアナログスティックユニットはメンブレンボタン・十字キーとなっていて、ラバーの押し心地。いわゆるスタンダードなコントローラーっぽい使い勝手。感触としてはいつも通りのAYANEO製品で、比較的軽めのサクサクとした感触、ボタン形状はフラット寄りの若干丸め。
そしてアナログスティックは全て共通でホールセンサーのフルサイズスティック。Switch Joy-Conのような小さなものではなく、通常の外部コントローラーと大体同じサイズ・同じ倒れ角度のものとなっています。
デフォルトのスティックは、いわゆる棒部分が金属で滑らかなものではなく、一般的なプラスチックで、ぐるぐると回すとざらっとした感触になっています。
スティックトップはフチにラインが入っている凹型の形状。かなりサラッとしていて、滑りやすいように感じます。またスティックトップは引っ張ると外れて交換可能で、凸型のもの、少し小さめの凹型のものに変更することができます。個人的には、凹型でフチがザラっとしているものがあれば良かったなーと思います。
Model 02 アナログスティック・薄膜マイクロスイッチタイプ
見た目は01と同じですが、ボタン感触が異なります。こちらではラバードームの感触ではなく、コツコツとしたクリック感のあるもの。Joy-ConやPSVitaなどのメタルドームスイッチの感触に近く、静音性高めです。
Model 03 タッチパッド・メンブレンラバードームタイプ
タッチパッドをコントローラーとして活用できるモデルです。過去のAYANEO製品でも採用されていたほか、Steam Deckでも採用されています。FPSでのカメラ操作やカーソル操作が必要なゲームやソフトで活躍してくれそうです。
ボタンはメンブレンでタッチパッド部分はクリックも可能。円形が独立した物理ボタンになっているのではなく、モジュール全体、下部が浮いていて傾く感じになっています。
Model 04 8方向キー(8D)・六ボタンファイティングタイプ

8方向キーというのは円形のXBOXコントローラーライクなビジュアル、そしてボタンが上下左右ついているのではなく、若干宙に浮いているような形状となっています。そして右側は6ボタン。横並びで右下側が左からABC、左上がXYZとなっています。いわゆる格ゲー特化、セガのファイティングパッドスタイルです。
XYZがABCよりも若干小さめになっていたり、ボタン形状も違ってABCは膨らみがある凸型、XYZは凹んでいる凹型となっています。
ボタン感触は全て薄膜マイクロスイッチタイプ。
注意点
これらのモデルの中からどの組み合わせでも、どの向き(上下回転)でも使うことができます。その場合、ABXYがごちゃごちゃになっちゃうじゃないかと思うかもしれませんが、取り外しが可能なので、物理的に変更できます。並びをSwitch、XBOXと変更することも可能。しかしなんでもできるわけではありません。具体的には
・左右のモジュールを入れ替えることはできない
・6ボタンを上下回転させることはできない
と言う点です。することはないとは思いますが、そこだけはご注意をと言った感じでしょうか。
気に入った組み合わせ
個人的に気に入ったのは、右上マイクロスイッチ・右下アナログスティック・左上アナログスティック・8方向キーですね。シンプルに、クリッキーなボタンが好きなので。ビジュアル的には左右上アナログスティックが奇抜でよくなーい!?って思ったりもしたんですが、ちょっと試して、ちょっと厳しいかもと思いやめました。右の親指を常に折り曲げるような使い方になるので、かなり負担が大きそうだなと。
ショルダーボタン

ショルダーボタン、LBRBは画面側を軸に回転するような動き、サクサクとしたメンブレンラバーの感触で、細いもののかなり長めなので、持ち方に左右されずに押しやすいです。
LTRTは滑らかでストロークが長いトリガー。比較的軽めに使えます。そして背面のトリガーストップスイッチを入れると、ボタンのように使うことができます。
いわゆるトリガーストップはただストロークを短くするような感じですが、本機のトリガーストップは若干の反発があるような感触になるので非常にいい感じ。感触自体も結構独特で、柔らかいタクトスイッチがコトコトするような感じです。
LCRCはカチカチとしたタクトスイッチですが、ちょっと遠いんですよね。常用するキーでは無いのでそこまで不満はありませんが、キーボードを出したい時など一々手を持ち替えて押さなければいけないので、もうちょっと良い位置に欲しかったなと。
あとそれで言うと、ちょっと今回のモデル電源ボタンの位置がわかりにくいんですよね。LCのさらに奥にあるので、気軽に電源を付けにくく、電源かと思ったらLCだったり、さらにその隣のボリュームボタンだったり、逆も然り。ちょっと持ち運ぼうと思って持ち上げると間違えて電源をつけちゃったりしています。
バックボタン

エルゴノミクス形状を完全に無視したようなこのビシッと横一直線のバックボタンですが、意外にもいい位置にありまして、ちょうど中指と薬指の間くらいに来るんですよね。なので普通に使っている分に誤って押してしまうことは起きにくく、中指を動かして押す、もしくは人によっては薬指で押したりもできるかもしれません。
感触は柔らかめストローク少し大きめのタクトスイッチでコツコツした感じ。
画面・スピーカー
画面サイズ・解像度

ディスプレイは大きいです。なんかちょっと違うな?ベゼルが大きいのかな?と思っていましたが、どうやら全モデルAYANEO 2Sまでは7インチディスプレイ解像度が1920×1200のアスペクト比率が16:10でした。今回のモデルでは1920×1080の16:9と、解像度的には下がっています・・・が、実際ゲームを遊ぶとなると大体16:9なのでその点においては特に問題ないかなと。むしろ大きくなったまであります。
解像度は十分、むしろ720Pに下げたほうがパフォーマンス的には良いので、下げる人も多そうです。
ベゼル

ベゼルはやはりちょっと大きいかな?と感じはするものの、遊んでいたらそこまで気になりません。多分黒だからっていうのが大きそうですね。ほかのカラーの写真を見るとやはりベゼルを感じます。
しかしやはり全面ガラスデザインは良いですね。非常に好きなんですが、まぁ指紋を気にする人は黒ではないカラーを選んだほうが良いと思います。防指紋加工されているのか、光沢ガラスディスプレイにしては指紋付きにくいような気はしますけどね。
明るさ・発色
明るさも十分、有機ELの強い発色も気持ち良いです。液晶の発色のほうが好きなんだよなという人は、液晶モデルも選べるので選択肢があっていいですよね。値段は変わらないんですけど、LCD版はVRR(可変リフレッシュレート)に対応しています。
スピーカー
過去のAYANEO製品はスピーカーの音質がややこもった印象があり、そもそもフロントスピーカーじゃなかったりと、個人的には気になっていた、というかSteamDeckが良すぎるせいなんですが、ちょっと不満だったんですよね。しかし今回のモデル、かなりスピーカーが良く、大満足です。しかも出るボリュームもかなり大きく、なるべくスピーカーで遊びたい民としてはかなり良い。
そしてフロントスピーカーなのでダイレクトに耳に伝わる感触があり、SteamDeckやROG Ally等に負けず劣らずなクオリティだと感じます。
もちろんイヤホンジャックも搭載されているので、有線イヤホン派の人も安心して使えます。
使用感
モジュールの着脱

ボタンモジュールは手動ではなく、内蔵マイクロステッピングモーター搭載でボンッと飛び出す、流石にオタク過ぎるギミック。しかし手動じゃないお陰でしっかりと固定されますし、誤ってパーツを破壊する可能性も低そうで良いなと思います。
ただ手動ではない分、取り外しは電源がついていないと不可なのだけ注意。
着脱は専用アプリAYA Spaceにマジックモジュールの設定項目があるので、そこからPop Upを押す、もしくは下側面にあるコントローラーモード切り替えボタンを長押しすることで外せます。装着したい場合は押し込むだけで自動認識され、設定は特に必要ありません。簡単ですね。
頻繁な着脱による耐久性への影響は不明ですが、内部ロック機構の耐久性は今後使っていく上で気になってくるポイントですね。
コントローラーモード切り替え
これは地味に良いなと思う機能で、コントローラーモードを三種類切り替えることができて、カスタマイズ可能なカスタムモード(LED白)、マウスモード(LED青)、コントローラーモード(LED黄)と変更できます。カスタムモードは、デスクトップではキーボード&マウスモードとして動作し、ゲームが起動すると自動でXboxコントローラー機能に切り替わる仕様なので、基本的にはこれを使っておけば良さそうだな、という感じです。
マウスモードはコントローラーをキーボード・マウスに割り当てたモードでカスタマイズ不可、コントローラーモードはXBOXコントローラーとして固定でカスタマイズ不可。
指紋センサー搭載
電源ボタンに指紋センサーが搭載されているので、ログインが容易です。ちょっと認証がうまくいかないことがありますが、まぁ個体差か?製品版では良くなっていることを期待します。実際多分同じ指紋認証のAYANEO製品はもうちょっと感度が良いように感じるので・・・。
性能・ベンチマーク等
どのくらい動くか

基本的に動作に関しては要設定ではあります。設定を落とすか、設定を落とさずに消費電力を上げるか。TDPが30(電源接続時は35)まで出せるので、上げればバッテリーの減りとファンの音は大きくなりますが、基本的に遊べないゲームはないと感じます。発熱に関してはもちろん本体は熱くなりますが、コントローラーには熱は伝わりません。
今話題のモンハンワイルズも問題なくプレイできます。個人的にはモンハンはあまりプレイしませんが、この機会に試してみたくなりました。
ベンチマーク
モンハンワイルズベンチマークではすべてTDP30W設定で、ベンチマークではFHD解像度、最低画質設定、フレーム生成ありで70FPSのスコア12000程度。中画質設定、フレーム生成無しでは30FPSのスコア10000程度。てかフレーム生成、ヌルヌルになってすごい・・・。
サイバーパンク2077ではレイトレーシング小設定でも平均FPS50出ました。十分とても強いです。
FFベンチマークを測ってみると
FF14黄金のレガシー 1920×1080 高品質(デスクトップPC) 5035 普通
FF15 1920×1080 標準品質 4303 普通
となりました。
SSD速度
ちなみにSSDをCrystalDiskMarkで速度を測ってみたところ、リードが約4800、ライトが約4400でした。
バッテリー持ち
さすがに30Wで使うとかなりバッテリーを消耗するので、大体1時間くらいしか遊べません。なので、バッテリー駆動ではTDP設定を落として使うようにし、
モンハンでは15Wくらいでギリ快適に動かせたので、それでようやく1時間半くらい遊べました。
しかしこの端末は設定からバッテリーに供給しないで使えるバイパス充電が可能なので、電源がある場所であれば最大出力の上、バッテリー持ちやバッテリー劣化を気にせず遊ぶのが良さそうです。
高負荷時でも発熱を抑える設計とはなっていますが、ファンノイズはゲーミングPCくらい大きめ、そして30Wで負荷をかけ続けたら落ちることがありました。静音性やバッテリー持ちを求める場合は、TDPを下げて使用する必要があります。
専用アプリAYA Space 3.0
最初に立ち上がる

専用アプリ、AYA Spaceはデフォルトで立ち上がるようになっており、これによってゲーム機ライクなインターフェイスで使うことが可能です。こちらでは様々なプラットフォームからインストールしたゲームを全て一覧で見れるようになっているソフトで、他にも本体の設定やボタンのカスタマイズやアップデートなど様々な事が可能で、本端末を使う上では必須です。
基本的な使い方
使い方としては単純で、Home、Game Library(ゲーム一覧)、Smart Control(コントローラー設定など)、Game Gallery(スクリーンショット一覧)とならんでいて、アップデートなど詳細設定は右上、電源を切ったり再起動したりもできます。
再度AYA Spaceメニューを開きたい場合には、AYAメニューボタンを長押しします。
結構多機能なので今回は割愛しますが、ゲームの追加はライブラリーからメニューボタンでAdd Game、Scan Gameで自動追加されます。
クイック設定が革新的
右下に搭載されているAYAメニューボタンを押すことで、クイック設定が表示されます。これはいわゆるSteamDeckにもある簡易的なメニューで、ここからTDPやファンの強さ、明るさなどを変更することが可能。
そして驚いたのが、いつの間にかフリーズ機能が追加されていたんですよね。これまではクイック設定を開いても、ゲームが動き続けていて、しかもクイック設定内での操作も動かしているゲームと被ったりしてしまっていて、便利ではあるものの使いにくいと感じることが多いものでした。
しかしフリーズ機能のお陰で、クイック設定を開くと完全にゲームがストップするんです。これが超便利で、ゲーム機的な使い方をしにくいWindowsハンドヘルドをゲーム機たらしめる要素になってると思います。素晴らしい。
感想
AYANEO 3は、やはりモジュール式コントローラーが最大の特徴であり、これが圧倒的に面白いと感じました。ハンドヘルド機全体で見ても、正直これ以上の進化は頭打ちかと(勝手に)思ってた中で登場した「マジックモジュール」は、まさにゲーム機の新しい可能性を示したと言えます。
この仕様は、過去のどの携帯ゲーム機にもなかった独自性を持っており、AYANEOのチャレンジ精神は評価に値します。大手メーカーを含め、多くの企業がポータブルゲーミングPCをリリースしていますが、その中でもAYANEO 3は独自路線を貫いた製品になっています。
ただし、ストレージ容量を増やし、マジックモジュールを追加すると他製品と比べてかなり割高になるのも事実。コストパフォーマンスを重視する人にとっては、Steam DeckやROG Allyなど他の選択肢も検討すべきだとは思います。
とはいえ、「ポータブルゲーミングPCが欲しいけれど、単なるコスパではなく、独自の付加価値を求める人」には、AYANEO 3は十分に検討する価値がある一台だと思います。