スケルトンって・・・本当に良いですよね。
いわゆるクリアシェルの端末って、マットな透け感で、半透明なボディなのが一般的だと思うんですが、RG556は本当にスケスケ。スッケスケ。たまりませぬ。
久しぶりにAnbernic・・・やるなぁ!!!と思いました。サイズ・スペック的にRP4ProやOdin2と比べてどうなのか?が気になってくるハードだと思うので、積極的に比較して紹介していきます。
販売ストア
提供:ANBERNIC
金額は公式ストアにて27,999円+送料2299円なので30,298円。
動画版
スペック&主な特徴
ANBERNIC RG556とは
RG556はAnbernic社による携帯ゲーム機で、Androidを搭載したいわゆるエミュ機と呼ばれている端末です。
横型の5.5インチ(正確には5.48インチ)、そして6代目のプロセッサを積んでいるので556。
ディスプレイはAMOLED、つまり有機ELディスプレイを採用しているのが大きな特徴で1080P、プロセッサはUnisoc T810というものを採用していて、CPU性能はAnbernic社のAndroid製品の中では過去最高です。
RAMは8GB、ストレージは128GB、MicroSDスロット搭載でバッテリーは5500mAhです。カラーはブラックとクリアブルーの二色展開。
開封&内容物
では早速開封していきます。
今回も本体と別売りのケースも同封されていました。ものすご〜く既視感のあるデザイン。何ッチですかね?アンバーニッチ?
箱のデザイン自体はいつも通りのシンプル線画デザイン。
内容物はこちら。USB Type-C、保護ガラスフィルム、説明書、本体です。
本体外観
やっぱAnbernicさんすげえや・・・!!!!とかなり興奮しました。トゥルットゥルの完璧なスケルトン。スッケスケです。これまであったスケルトンの端末はこのように光沢感のあるボディではなく艶消しで、まぁそれはそれで良かったんですけど、すごく光沢クリアが好きで、嗜好にブッ刺さりまくりです。
触り心地も滑らかなトゥルットゥルなのでとても良い。ついつい手に取りたくなる気持ち良さです。たまらん。この一点だけでも超評価できます。
色味も良いんですよね、結構濃いめのブルーで、おもちゃっぽさを感じさせないカラーで、めちゃくちゃ新鮮です。願わくばこのクリアボディで小さめのハードを作って欲しいですね。是非お願いします。
ボタンレイアウトは右側にニンテンドー配置のABXYボタン、アナログスティック、スタートセレクトボタン、
左側にアナログスティック、十字キー、バック・ホームボタン、ファンクションキーです。
アナログスティックの位置はいわゆるSwitch型の配列ですが下側は若干画面寄り、上側は若干外側にと、少しでも操作しやすいように、ボタンが干渉しないようにと工夫されています。
ちなみにアナログスティックはビッカビカに光ります。透明度の高いシェルなので、LEDライトが拡散されずに直接発光しているのが見えて、結構眩しいです。今後明るさ調整できるようになれば良いんですが、現状はオンオフしかできません。
クリアシェルの醍醐味、背面。
背面もスケスケです。たまらん。金属プレート?ヒートシンク?に覆われていて基板が直接見えている訳ではないですが、これもこれで光沢感があり綺麗でたまらんです。
クリアではない普通のシェルだとやはりこれくらいのサイズになってくると背面は寂しく感じてしまうことが多いんですが、内部がデザインのように見えてきて良いですよね。
上側面には左からLBLT、電源ボタン、ボリュームボタン、ファンの排熱穴、RBRTと並んでいて、
下側面にはイヤホンジャック、USB Type-C、MicroSDスロットと並んでいます。
またスピーカーは下側面、左右のグリップ部分に搭載されています。
グリップ形状はこのような形。結構大きめのグリップなので、本体画面部分の厚みが薄く感じます。実際に測ってみると約15mm、スイッチライトが約14mmなので、結構薄いほうだと思います。
他ハードとの比較
とりあえず現行の携帯ゲーム機代表としてニンテンドースイッチライトと並べてみます。スイッチライトも同じ画面サイズ、5.5インチのハードですが、不思議とRG556の方が画面が大きく感じます。
そもそもグリップ周りが大きいことによるサイズ感自体の違いはまぁもちろんありますが、ディスプレイの周りが黒い事による印象、そして解像度の高さ有機ELの明るさなどが関係していそうです。
比較対象としてよく挙げられるハードとしてRetroid Pocket 4Proを並べてみます。こうして並べると、RP4Proは特に小さく感じますね。
Odin2と並ぶと、ほぼ同じサイズだと感じます。Odin2は6インチなので、若干こちらの方が画面が大きいのですが、比較して小さいなと感じるようなことはありません。
操作感
グリップ感
重量はガラスフィルム込みで357グラム。流石にスイッチライトよりは重いですが、Switchの有機EL版が420グラムであることを考慮すると結構軽いです。
更にたっぷりとした大きさのグリップがあるので負担になりにくく、疲れにくくて良いです。
滑り止めテクスチャ的なものもありませんが、滑る感じはありません。
ボタン
ボタンの配置もバランスよく、指が窮屈に感じることもありません。ボタン各種はいつものAnbernic。全体としてスイッチライト、Joy-Conと同じサイズ感のものが採用されています。
ABXYはツルッとした触り心地のボタンでラバーの押し心地、遊びも少なくて反発力も良く、気持ちの良い感触です。
アナログスティックはホールセンサースティックなので耐久性的にも安心で、縁につぶつぶテクスチャが付いているもので、倒し角度など使い勝手的にはJoy-Conのスティックと同等です。
十字キーもツルッとした、SteamDeckの十字キーっぽいものが使われていて、ボタン同様ラバーの押し心地。シーソーも可能で、しっかりと押した感触がある良い十字キーだと思います。まぁドームスイッチのプチプチが好みではあるんですけど。
スタート・セレクト、ホームボタンなどはカチカチとしたタクトスイッチです。軽く押せて文句なしです。
ちょっとだけ気になるのがボリュームボタンですね。なんか位置が絶妙なのと、ちょっと小さすぎる?のか、押し間違えます。右側が電源で、左がボリュームとかだとありがたかったなぁと感じます。
ショルダーボタンはLBRBがカチカチとしたタクトスイッチ、LTRTはストロークの長いトリガーボタンです。トリガーはちょっと硬すぎるような気がします。多用するゲームを遊ぶと疲れそうです。
画面・スピーカー
有機ELディスプレイは本当に良いです。まず輝度の高さが非常にありがたい。私は眩しいくらいの明るさで遊びたい人間なので、助かります。
有機ELらしく発色も良く、若干青みが強いので好みによっては要調整かもしれませんがバチバチのコントラストをキメれますし、そもそも5.5インチでありながら1080Pなので解像度高く感じて良く、ベゼルも薄いとは言えませんが、フチの方までガラスで覆っていて、ベゼルが小さく見えるようにデザインされていて良いです。
ディスプレイに関しては十分というか、わざわざこのハードで遊びたいなと思うくらいに良いと思います。
あと地味に優れていると思うのが、ディスプレイと本体の段差についてですね。通常は保護ガラスフィルムを貼るとその分大きくなって出っ張ると思いますが、本端末、というかANBERNICのAndroid端末ではよくあることなんですが、なんと付属の保護フィルムを装着してツラになる設計なんです。隙間もなくピッタリ装着できるので、本当に素晴らしい。
スピーカー
スピーカーはフロントスピーカーではありませんが、グリップ下なので手に干渉せず、側面にあるタイプにしては聞こえやすいと感じます。
音質は低音が弱くてこもった感じの音色で、良くはありませんが音量は大きく出せますし、スピーカーの位置がかなり左右幅広いので、ステレオ感強めで楽しめるのが良いです。でももう少しクリアな音で聴ければ嬉しいかなと思いました。
使用感
基礎知識・注意点等
Androidスマホユーザーならスムーズ
基本的にはAndroidスマートフォン同様な使い勝手で使用することができます。エミュレータ等を導入する際には初期設定などが必ず必要となってくるので、知識と調べる力が必要です。
Androidにはシステムレベルの遅延がある
Androidはこの端末に限らず、システムレベルで遅延が有り、人によっては気になるといったことが注意点としてあります。私は別に気にならないんですが、アクションゲームや格闘ゲームなどを重要視する場合には、留意しておきましょう。
また、本端末はレビュー時点では技適未取得なので「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、様々な検証を行っていきます。
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1、PS2等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。有ったほうが間違いなく便利ですが、Androidスマホと同じなので、無くても頑張れば使えます。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。PS2とかを遊ぶ場合では512GBくらいあっても良いかと。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
メニュー画面について
基本的にはピュアAndroidな使い勝手です。デフォルトのランチャーはシンプルなもので、アプリ一覧もなく、アプリをインストールするとどんどん右側に追加されていく形式。あまりにもシンプルすぎるので、別途何か好みのランチャーを導入するのが良さげです。
あとは左下のボタンを押すとこのように、エミュ機のようなメニュー画面が現れます。これはAnbernic社のAndroid機に導入されているRG LauncherというAnbernic製のフロントエンドアプリなんですが、正直使い勝手はそこまで良くないと感じます。
一応テーマ変更や表示項目の変更などは可能ですが、設定できる部分が少なく、ゲームイメージの拡張子によっては表示されなかったりします。
私のお気に入りはDaijishoなので、とりあえずそれをインストールするところから始めています。
バグっぽいのが多い
使っていて、バグっぽいなぁと感じる挙動が多いように感じました。例えばトリガーボタンが入力され続けてしまったり、CPUモードの変更が効いているのか効いていないのかよく分からなかったり、充電されなくなったり。
まぁどれも再起動すれば解決するんですが、再起動したらしたで、ボタンの割り当て変更が初期化されたり。著しく何かがおかしくなって遊べなくなるような事はないですが、細かいバグがちょいちょいあるように感じます。
バグ以外で気になる点は、日本語ロケールに未対応な事でしょうか。一応言語設定に日本語はありますが、システム自体は日本語になりません。まぁ、なんかAnbernic製品はいつもそうな気がしますけど。
タッチパネル割当て可能
タッチパネルへのボタン割り当ては可能です。
上から下へスワイプして出てきた設定パネルの中にKeymappingの項目があるので、そこを長押し、Switchを押すことでタッチパネルに割り当てできます。ちなみに原神などは設定済みのプリセットがあるので、そちらを適用すれば考えることもなくそのままコントローラーで遊べます。
ベンチマーク
AnTuTuベンチマークV10は
総合スコア 488948
CPU 178538
GPU 94249
となりました。
Geekbench 6のスコアは
マルチコア 2455
シングルコア 863
となりました。
動作検証
やはり気になる面は性能だと思うので、検証していきます。まずGC、Wiiのタイトルをいくつか遊んでみましたが、概ねグラフィックをVulcan、解像度2x、その他ちょっとの設定で動きます。タイトルによって、シーンによっては処理落ちしますが、十分遊べています。
同じ設定でもOpenGLだと処理落ちするなぁ、といった感触です。
気になるPS2ですが、こちらは若干厳し目。解像度を1xで、Vulcanにして遊べば軽いタイトルであれば一応遊べますが、 T618とそこまで大きな違いがあるかと聞かれたら微妙です。
そして何より画面がいいので、この有機EL1080Pを活かして、できれば解像度は2xで遊びたい・・・となるとやはり性能的に物足りないと感じてしまいました。まぁこれに関しては、RP4Proがもっと動くから比較してしまう、というのも大きいですね。
感想
筐体に関しては文句なしどころか、Anbernic社の5インチ機の中では過去最高だと思います。もちろんスケスケボディが好き過ぎて刺さっているというのはありますが、グリップの作りとボタン配置、そしてディスプレイの良さ、スピーカーの位置の良さと、全体的にレベルが高くてうまくまとまっています。
なので尚更CPUスペックの弱さが物足りなく感じてしまいました。わざわざこのハードで遊びたいな〜と感じるほどに良いディスプレイなのに、微妙に弱いな〜と感じることが多々。
バグはまぁそのうち直してくれるでしょうと思うのでさておき、GCくらいまでを遊ぶ専用機として扱うのであればまぁ許容できるかな、とは思うので、それくらいをターゲットにしていて、操作性の良さ、画面の良さを重視している、もしくはとにかく透けていて欲しい人には刺さるハードかなと思いました。
このスケスケシェルで小さいハードを(二回目)