なんとなんとなななんと
あの最大手PCゲームプラットフォームのSteamさんがコントローラーを出しました。まるでSteam Deckのコントローラー部分を取り外して、独立したコントローラーのようにしたモデルで、スティックとボタンが横並びの配置、そしてなにより左右両方にトラックパッドがあったり、価格が高いだけあってかなり様々な要素が詰め込まれています。
実はSteam Controllerって二代目で、初代の評判はかなり中々曲者って感じだったんですが、今回は正直ありえないくらいに良いです。世界はスチコン以前スチコン以後で分かれるくらいには感動しています。エポックメイキング的なコントローラー。
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スペック&主な特徴
Steam Controller とは
Steam Controllerは、Steamを運営するValveが設計・製造した、PCゲーマー向けの専用コントローラーです。その歴史は2015年にさかのぼります。
初代(2015年)
初代Steam Controllerは、右アナログスティックを排除してデュアルトラックパッドを搭載するという非常に野心的なデザインでした。しかし特異な形状ゆえに学習コストが高く、賛否が分かれる結果となりました。
新型(2026年)
2025年11月に、Valveは新型Steam Controllerを小型PC「Steam Machine」およびVRヘッドセット「Steam Frame」とあわせて発表しました。当初は2026年初頭に出荷予定でしたが、メモリ・ストレージの供給不足の影響を受けてスケジュールが見直され、部品不足の影響を受けにくいSteam Controllerが3製品の中から先行して発売される形となりました。
新型モデルは初代の反省とSteam Deckで培われた知見をすべて詰め込んで開発されており、方向ボタン・ABXYボタン・左右のスティックを備えつつ、トラックパッド・ジャイロ・背面ボタンを追加した「全部盛り」の仕様となっています。
スティックはTMR(トンネル磁気抵抗)です。磁気でスティック位置を検出する仕組みにより、感触・応答性・長期的な信頼性が向上するよう設計されており、従来のポテンショメーター式スティックよりも摩耗によるドリフトが起きにくく、長期的な信頼性にも期待できます。
トラックパッドはアナログスティック下部に2面配置される形となっており、コントローラー操作に非対応あるいは部分対応のゲームに対しても、マウス入力として操作することが可能です。それぞれにハプティクスフィードバックが内蔵されており、押し込みによるクリックにも対応しています。
接続方法も充実しており、Bluetoothに加えて付属のSteam Controller Puckを使った2.4GHz低遅延ワイヤレス接続が可能です。PuckはUSBポートに挿しておくだけで、コントローラーを近づけると充電できる磁気充電ドックも兼ねています。バッテリーは35時間以上持続し、Windows・Mac・Linuxに対応するほか、Steam Linkを経由してiOS・Androidでも使用可能です。
一方で注意点もあります。3.5mmオーディオジャックやトリガースイッチは非搭載で、最大の注意点としてはネイティブXInputコントローラーではない点です。Steam上ではSteam Input経由でXboxコントローラー風に扱えますが、Steamを介さない環境では互換性に注意が必要です。
PS5やXboxとの互換性も基本的になく、Steam専用設計となっています。 Xbox Game Passなど、Steam Inputを通しにくい環境では相性問題が出る可能性があります。
日本での販売状況
日本での価格は17,800円(税込)で、KOMODOが運営する「KOMODO STATION」にて取り扱われています。発売直後はサーバーが止まるくらいに注文が殺到し、現在すでに売り切れ状態となっています。
価格はコントローラーとしては高めではありますが、Switch2プロコン・PS DualSense・Xbox Wireless Controllerなどの通常コントローラーが約1万円、DualSense Edge・Xbox Elite Series 2などの上位ハイエンドモデルは3万円前後。トラックパッド・ジャイロ・TMRスティック・背面4ボタン・Puck充電といった機能をまとめて考えれば価格的には妥当だと感じます。
開封&内容物
では早速開封していきます。

箱はこちら。段ボールベースの箱で、Steam Deckなどとほぼ同じデザインですね。

内容物はこちら。
Steam Controller本体、Steam Controller Puck(ワイヤレス受信機兼磁気充電ドック)、USB-A → USB-Cケーブル、クイックスタートガイドです。
本体外観
ファーストインプレッション

手に取った瞬間にわかるこのしっくり感。絶対に良いんだろうなと贔屓目に見ていましたが、実際触ってもその評価は変わりませんでした。これだよこれ、完全にこれが欲しかったんだよ。
まさにSteam Deckのコントローラー部分をコントローラーに落とし込んだような、求めていたものそのものです。たまんねえ。すばらしい。
質感もSteam Deckそのもので、ざらつきのあるシンプルな素地感で、良い手触りです。
ボタンレイアウト

ボタンレイアウトは、
右側にXBOX配列のABXY、アナログスティック、メニューボタン、トラックパッド
左側に方向ボタン、アナログスティック、ビューボタン、トラックパッド
中央上部がSteamボタン、下にQAM(クイックアクセスメニュー)ボタン。

背面にはグリップ部分にボタンが4つあり、上部にはController Puck用の充電端子があります。
また、スティックとグリップには静電容量式タッチセンサーが搭載されていて、触っているかどうかを検知し、指にスティックが触れた時だけジャイロ照準を有効にする、などが可能となっています。

上側面にはL1L2、USB-C、R1R2
下側面・左右側面には何もありません。

比較

まず見た目は完全にSteam Deckです。が、実際は細かく微調整されています。例えばグリップを八の字に広げたのに合わせて、完全に横並びだったボタンとスティックを僅かに角度を振ったり、それに合わせてトラックパッドも斜めになっていたり。
細かいことを言うと、ABXYボタン・方向ボタンのサイズがわずかに大きくなっています。

正直どのコントローラーと比べれば?という感じ。対称レイアウトなので一見PSっぽくもあるんですが、実際使っている感触としては何とも被ってないです。Steam Deckを愛用している身としては違和感なく使っていますが、冷静に考えると、なんなんやこれ…?という気持ちになってきます。
操作感
グリップ感は良く、手のひらがまんべんなく密着するような形状なおかげか、300g近くある重量に対して軽く感じます。不思議ですね。
一般的なコントローラーがグリップを握るような持ち方をするのに対して、本コントローラーは手でふわっと包むようなグリップ感で、重量が満遍なく分散されるんだと思います。非常に良い。
質感はザラザラとしたテクスチャ、全面背面すべて同じ感触で滑りやすいとは感じません。

ABXYボタンはフォルムはコントローラーに合わさった立体的な形状。ボタンサイズはSteam Deckよりは大きいものの、いわゆる一般的なコントローラーと比べるとやや小さめです。しかし小さい分指の移動距離も小さくなるので、大きいよりも良いんじゃないか?という気がしてきました。
ボタン形状は丸みを帯びていて、ABXYボタンはラバーの感触、いわゆるコントローラーらしい標準的なメンブレンボタンです。パチパチとしっかりと押した感触があります。
メニュービューSteamボタンあたりはSteam Deckと比べると大きくなっていて押しやすくなり、感触は軽いラバー。

方向ボタンも同様のラバー。重たいしっかりとした感触で、シーソー可能、入力も良好に感じます。
アナログスティックトップは中央が凹でツルっとしていて、フチがザラザラとした形状。質感もいいです。モノとしてはSteam Deckのと同じですかね。
スティックの軸は金属ではないですが、ぐるぐる回してもなめらかな感触です。スティックに関しても一般的なコントローラーと比べると僅かに小さめで、倒し角度もほんの少しだけ小さいように感じます。

そしてやはりSteam Deckと言えばこれでしょう、トラックパッドです。正直に言うと使わなくても何ら問題はないんですが、しかしあると非常に便利なのがこのトラックパッド。
まぁ細かいことは後述するとして、トラックパッドもSteam Deck同様。いわゆるPCのようなトラックパッドではあるんですが、機能がオンになっていると触るとコロコロとした振動があり気持ちよく、それでいてボタンがあるわけではなく感圧式?のセンサーで、押し込むとしっかりとクリック感があります。どうなってるんだこれは。気持ち良すぎるだろ、という感じです。
微妙に窪んだ位置にあるおかげで誤タッチも少なく、よく考えられた形状だなと思います。

ショルダーボタンはLBRBがコツコツとしたタクトスイッチかと思いきやラバーで、軽め。
LTRTはトリガーボタンなのでストロークは長め。正直ここまできたらトリガースイッチも欲しかったんですが、まぁそれはやむなしでしょう。デュアルセンスのアダプティブトリガーほどの振動感触はありませんが、設定によってはフィードバックがあり、多少のクリック感を得られます。

バックボタンは中指薬指に当たる位置にあり、コントローラー自体をゆるくホールドできるバランスも相まってちょうどよいように感じます。感触はちょっとだけ硬さがあるカチカチとしたタクトスイッチ。大体のバックボタンはお好みで使いましょうという雰囲気ですが、本コントローラーにおいては積極的に使いたいなと感じさせる丁度よさがあります。
使用感
では使用方法などざっくり紹介していきます。
起動・初期設定・ペアリング

基本的には設定不要で使えます。Puckを使いたいデバイスに接続して、Steamボタンを長押しして起動するだけ。
Bluetoothペアリングやモード切替などを行いたい場合はボタンの組み合わせで行います。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
| Steam + Y | コントローラー電源オフ |
| Steam + A + R1 | Puckワイヤレスモード、右スロット |
| Steam + A + L1 | Puckワイヤレスモード、左スロット |
| Steam + B + R1 | Bluetoothモード |
| R4 + R5 + L4 + L5 + Steam | Storage Mode切り替え(保管・輸送モード) |
Puckのモードが2つあるのは、なんか別の使い方に変更できるのではなく、どうやらそもそも複数のPuckに接続できるし、Puck自体も4つのスチコンを登録できるらしい。どういうことですか。
あとは通常のDeckと同じショートカット系は使えそうなので、以下の項目も頭に入れておくと便利かもしれませんね。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
| Steamボタン | 電源ボタン兼、ライブラリ・ストア・設定・ゲームコントロールなどへの入口 |
| QAMボタン | 通知、フレンド、Steamチャット、クイック設定などを開くボタン |
| QAM長押し | ショートカット一覧を表示 |
| Steam + X | ソフトウェアキーボード表示 |
| Steam + R1 | スクリーンショット |
| Steam + L1 | 拡大鏡 |
| Steam + B 長押し | ゲーム終了・強制終了系 |
| Steam + R2 | 左クリック |
| Steam + L2 | 右クリック |
| Steam + 方向ボタン右 | Enter |
| Steam + 方向ボタン下 | Tab |
| Steam + 方向ボタン左 | Esc |
| Steam + 左スティック上下 | 明るさ調整 |
| Steam長押し / QAM長押し | ショートカット確認 |
Steam Deckで使ってみる

しばらく実際に遊んでみました。もちろん最初はSteam Deckで。Puckを活用して遊ぶぞーと思ったんですが、しかしよくよく考えてみるとDeckにはUSB端子が一つしかありません。なのでとりあえずBluetooth接続。全く問題なく遊べます。実際遅延とか気になるかなと思っていましたが、特にシビアに遊ぶタイプではないのでさほど気になりませんでした。
やはり普通に使いやすくて助かります。何やかんやDeckで遊ぶ場合にはSteamボタンやQAMボタンをちまちま使うので、それが純正対応しているだけで助かります。あと地味にコントローラー側でスリープ復帰できるのもありがたいです。Windowsであってもスリープ復帰できたり、できなかったりするらしいので、もしできる場合はかなりアツいように思います。
トラックパッドは地味に助かる

あとはやはりトラックパッドの強さですね。コントローラーに最適化されていない、もしくはゲームデザイン的にカーソル操作が必要なゲームにおいてはかなり頼もしいです。慣れれば全然マウス操作の代わりとして使えるので、普通に何でも遊べると思います。個人的にはノベルゲームすら快適なのがありがたい。
トラックパッドとしていらねって思ったとしても、実は普通に方向ボタンとして割り当てたりだとか、他にもスティックっぽい使い方ではなく、トラックボールっぽい動作感にして使ったりもできるので、使う側の想像力が試されるデバイスでもあると感じます。ここをこう割り当てれば良いんじゃないかと設定を試行錯誤しているだけでかなり時間を持ってかれそう。正直左側のトラックパッドの活用法は思いついていない。
Puckはありがたい

コントローラーによくある充電兼レシーバーって大体置くタイプのもの、つまりドック。普通にドックの方が良くないかと思ったり思わなかったりしたんですが、しかしよくよく考えてみるとこのApple Watchを充電する端子くらいのサイズでレシーバーと充電を担ってくれるのはかなりコンパクトでありがたい気がします。ドックって結局結構場所取りますからね。早くPuck単品で売って欲しい。
ちなみにバッテリー持ちは非常に良く、今のところ、といってもまだ届いてすぐではありますが、一度も充電切れになっていません。
注意点はポーリングレートとXInput

弱点として言われているのは、やはり競技向けコントローラーでは無い点。私はそもそも競技ゲームをやらないので全く問題はないんですが、ポーリングレートはPuck接続時で250Hzくらいですし、ボタンもメカニカルではなくメンブレンなので現代の競技用コントローラーと比べると劣っています。
あと完全にSteam依存しているのもよく言われていますね。これに関しても、現在私はほとんど全てのゲームをSteamで買っているので特に問題はないんですが、Epic、Xboxゲームパス、エミュレーターなどで遊びたい場合には厳しいかもしれません。XInput対応していないので、使うとしてもSteamに追加して遊ばなきゃいけないし、それはそれで機能しないことがあったりするので、現状あまり快適ではなさそうです。
と言うかそもそも、本コントローラーは基本Steam Machineと合わせて作られたものなので、当然と言えば当然なのかもしれません。
あと落とすと悲鳴あげる機能もあります。落とさないようにしましょう。
感想
Steam Deckもそうですが、そのトリッキーな造形や下部のトラックパッドが目立つのでそちらが目に行って使い勝手が気になるかもしれません。しかし実態としては、むしろトラックパッドが無かったとしてもかなり使いやすいコントローラーだと思います。
手全体で覆えるようなコントローラーの形状とゆとりのあるボタン・スティック配置。これらにより圧倒的快適なゲームプレイを楽しめます。
それに加えて気持ちの良いトラックパッドのフィードバック、一見ただのトリガーに見えてフィードバックがあるおかげでクリック感が存在するなど、付加価値もモリモリ。
Steam Deckの良さって、もしかしたらコントローラーの良さが大多数を占めていたのかもしれないと強く感じました。
いわゆるFPSなど、競技デバイスとしては怪しいんですが、ただノベルゲームをやるだけの人であっても快適。万人受けではないものの刺さる人は多いはず。Steamユーザーであれば手放しでおすすめです。買って良かった。
