パソコンって結局キーボード欲しいなってなりますよね。それと同時に、ゲームをするのであればコントローラーも欲しいなってなりますよね。
今回はそんな夢を同時に叶えたような、叶えてないような、オレの考えた最強のパソコン!『OneXPlayer G1』の紹介です。
キーボードとゲームパッドが融合した“ハイブリッド型”デバイス。見た目はノートPC、でもキーボードを取り外すと携帯ゲーム機という新しいスタイル。かなり頭おかしい。
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最安モデルのRyzen 8840U 32GB/1TBで163,000円から。
動画版
スペック&主な特徴
OneXPlayer G1とは
OneXPlayer G1は、ポータブルPCブランドOne-Netbookによる最新のWindowsハンドヘルドゲーミングPCで、脱着可能な物理キーボードとゲームパッドを融合させた“2 in 1”構造が特徴のモデルです。
ゲーム機のように扱える下部一体型のホールジョイスティック、ABXYボタン、リニアモーター、ジャイロスコープなどを内蔵しながらも、必要に応じて物理キーボードを装着してノートPCスタイルでも使用可能。さらにタッチパネル式のバックライトキーボードも選択でき、使用スタイルに応じた柔軟な切り替えが可能です。
ディスプレイは8.8インチのLTPS液晶(2560×1600 / 144Hz)を採用し、DCI-P3カバー率は97%、輝度は500cd/m²と、映像・色再現性も高水準。プロセッサにはAMD Ryzen™ AI 9 HX370(Strix Point)またはRyzen™ 7 8840Uを搭載し、TDP最大54W設定に対応する高性能設計。内蔵GPUはRadeon™ 890Mまたは780M。
本体は約880g(+物理キーボード約140g)とやや重量級ながら、13500mAh(51.975Wh)の大容量バッテリーを搭載し、Wi-Fi 6EやBluetooth 5.2、USB4×2、Oculink、microSDスロットなど拡張性も潤沢。放熱面では6000RPM・油圧ベアリングファン+2本ヒートパイプによる冷却機構を備え、排熱効率も高い設計です。
専用アプリ「OneXConsole」を使えば、パフォーマンス設定やRGBライト制御、ファンコントロールなど細かなカスタマイズも可能。Windows Hello対応の2MPカメラや電源ボタン指紋認証など、セキュリティ・利便性にも配慮されています。
カラー展開は黒のみ。
開封&内容物
では早速開封していきます。今回はデモ機をお借りしてのレビューとなります。ちなみにモデルはHX370/32GB/1TBモデルです。

箱はレザー調の上品なデザイン。本体サイズが大きいのもあり、箱もかなり大きめです。

内容物はこちら。USB Type-Cケーブル、100W充電器、説明書、本体です。
本体外観
ファーストインプレッション

まず開いて思ったのは、普通にパソコンじゃん、という感想。8.8インチで小さめなノートパソコン、厚みは大きめでゴツさはありますが、キーボードが普通にあってタッチパッドもある。ノートPCとしてはかなり小さめではありますが必要なものは揃っていて、携帯ゲーム機としては大きめなバランスです。

ディスプレイ背面と側面パネルは金属製、開閉の安定感もあり。ちなみに三角形で囲われた部分は光ります。

底面はマットな感触のプラスチックです。ファンの給気口があり、滑り止めがついています。
インターフェイス

上側面には左からLBLT、USB4 Type-C2つ、USB3.2 Type-A、OcuLinkポート、3.5mmヘッドフォンジャック、RBRT。背面側にはファンの排気口があります。
下側面にはデュアルスピーカーのみ。インターフェイスが集約されているのもパソコンらしくていいですね。
OCuLinkを活用すれば、据え置きゲーミングPCとしての運用も可能ですが、外部GPUを所有していないので未検証です。

左側面にはSDカードスロット、指紋センサー兼電源ボタン。独特な位置に電源ボタンがあります。
本体厚みが実測値で26mmとかなり厚め、ディスプレイ部分最薄部分が4mm程度です。背面側の質感は悪くないもののやはり手に持ったときには厚みの大きさが気になります。

ディスプレイの最大開き角度は180度ではありませんが十分大きく、そして自由な角度で固定できます。

キーボードは薄い、ノートPCでよく使われているパンタグラフ式で、US配列ベース。キーサイズはかなり小さめではあるものの、慣れれば問題なく入力できるように感じます。注意点としては、USなのでエンターキーサイズの小ささであったり、日本語切り替えなどの不便さを感じるかもしれません。

下に隠れているコントローラーを露出させます。
ボタンレイアウトは、
右側にアナログスティック、ABXYボタン、上部に明るさ上下ボタン、下部にメニューボタン、キーボード切り替えボタン、ターボボタン
左側にアナログスティック、十字キー、上部にボリュームボタン、下部にマウスクリック左右、ホームボタン、ビューボタンとあります。
基本的にはXBOXコントローラー同等+アルファの機能となっています。
さらにユニークなのが、下部にタッチパネル式のキーボードが搭載されていて、ボタンワンクリックで全面タッチパッドに変更できたりと、使い方に応じて切り替えることが可能です。
操作感
グリップ感・重量バランス

重量はキーボード込みの実測値で1010グラム。数字で見るよりは重く感じませんが、1キロ越えはかなり重量級なので、長時間手に持って遊ぶのは私は厳しいと感じました。なので手に持って遊ぶにしても、テーブルや膝の上で支えて遊ぶようなスタイルが必須です。
特にグリップがあるわけでもないので、本当に小さいPCを支えているような感じ。
ボタン

キーボードを取り外して出てきたボタンは干渉しないように若干窪んで奥まっていて、コントローラーとしてはかなり奥まった位置にあるように感じます。
ボタンの形状はフラット寄り、メンブレンスイッチでラバーの感触。遊び少なめで柔らかめな押し心地です。
メニューボタン類は軽く推せる感触のタクトスイッチで、チープな感触ではないですが奥まっていて押しやすいとは言えません。

十字キーも同じくメンブレンのラバー感触。ちょっと硬いような、沈み込みが深いような感触です。シーソーは可能。
アナログスティックは壊れにくいホールセンサーを採用、スティックトップは中央が凸で周囲が粒々しているもの。サイズは小さめの、Joy-Conライクなスティックとなっています。
ショルダーボタン

ショルダーボタンはLBRBはタクトスイッチのカチカチで音は大きめ、LTRTはストロークが長いトリガーボタンです。
ちなみにキーマッピングは自由に変更することが可能です。
画面・スピーカー
画面サイズ・解像度

ディスプレイは非常に大きいです。個人的によく使っている8インチタブレットと同じような大きさです。アスペクト比は16:10、解像度も2560×1600で大きめ、リフレッシュレートも144Hzまで対応。
どこまで活用できるかはゲームタイトルにもよるとは思いますが、小さめノートPCとして考えると良いサイズ感と高解像度だと感じます。タッチパネルも対応していますしね。
ベゼル
ベゼルも上下左右均等幅ではないものの、小さく攻めているので画面占有率も高めで良い感じの見え方です。ベゼルが浮き出ているような構成でもなく、画面と一体のガラスで綺麗です。
明るさ・発色
明るさも500nitあり十分すぎる明るさ、発色も有機ELではないものの綺麗で良いと感じます。ちなみにディスプレイは珍しいIPS液晶ではなく、LTPSというものらしい。高精細・省電力・応答速度が速いなどの特徴があるらしいです。
ちなみに画面は反射防止仕様ではなく、光沢です。
スピーカー
スピーカーは下側面にあり、残念ながら画面側のフロントスピーカーではないので、ダイレクトに耳に伝わる感触ではないものの、十分良いと感じます。低音が少し弱いですがクリアな音質。SteamDeckやROG Ally等には劣ると感じます。
もちろんイヤホンジャックも搭載されているので、有線イヤホン派の人も安心して使えます。
使用感
キーボードの着脱&無線キーボードとして

本機の最大の特徴、着脱式のキーボードですが、どうやって着脱するかというと右端にあるオレンジの部分を軽く引っ張るだけ。特別カチッとハマっているなどもなく、本体との接続もポゴピンで接触しているだけなので本当に気軽に着脱できます。しっかりはまっているので落ちることもありません。
正直、キーボード自体は、本機に限らず全ての小型PCがそうだとは思いますが小さく、キー数も少ない、独特な配列なので結構慣れ&Powertoysなど使って各自でのカスタマイズが必要だと思います。あとタッチパッドは小さいので別途マウスがないと厳しいかなと思います。
あと面白いのが、じゃあこの外した時のキーボードどうすりゃ良いんだ、という話なんですが、実はこれ外部Bluetoothキーボードとして活用できるので、なんとそのまま外した状態でも使えます。強い。もちろん外した先?にもタッチキーボードがあるので、無理に使う必要はないですが、さまざまな方法で楽しめるのが無理してるなぁって思って楽しいです。
タッチキーボード切り替え
これは地味に良いなと思う機能で、タッチキーボードを、キーボードからタッチパッドに変更することができます。一気に広いタッチパッドになり、結構快適です。
正直タッチキーボードは入力がかなり厳しいと感じるので、こちらも違う方法で活用できて楽しいなと感じました。
指紋センサー搭載
電源ボタンに指紋センサーが搭載されているので、ログインが容易です。カメラがついているので顔認証にも対応しています。
性能・ベンチマーク等
どのくらい動くか

基本的に動作に関しては要設定ではあります。設定を落とすか、設定を落とさずに消費電力を上げるか。TDPが30まで出せるので、上げればバッテリーの減りとファンの音は大きくなりますが、基本的に調整すればどんなゲームでも遊べると感じます。発熱に関してはもちろん本体は熱くなるので、それも含めて要設定ですね。
ベンチマーク
ベンチマークを30Wで測ってみると
FF14黄金のレガシー 2560×1600 標準品質(ノートPC) 4966 普通
FF15 2560×1440 軽量品質 3805 普通
となりました。
サイバーパンク2077ではレイトレーシング小設定でも平均FPS37出ました。
SSD速度
ちなみにSSDをCrystalDiskMarkで速度を測ってみたところ、リードが約6900、ライトが約5800でした。かなり速い。
バッテリー持ち
さすがに30Wで使うとかなりバッテリーを消耗するので、大体1時間くらいしか遊べません。なので、バッテリー駆動では画質・TDP設定を落として使うようにする工夫が必須です。
高負荷時でも発熱を抑える設計とはなっていますが、ファンノイズは大きめ。静音性やバッテリー持ちを求める場合は、TDPを下げて使用する必要があります。
専用アプリ

ターボキーを押すことで、ポップアップメニューのようなものが表示されます。これはTDPやファンの強さ、明るさやスティックLEDの変更などができるもので、AYANEO社製品やROG Allyに搭載されているものと同等な機能を持つもので、ポータブルゲーミングPCとしては必須の機能だと思います。
コントローラーでのマウス操作などもこちらから可能です。
そしてターボキーを長押しすることで、ゲーム機のインターフェイスのようなものが表示され、ここから直接ゲームを起動したり、背面ボタンの割当を変更したり、アップデートを確認したりできます。
感想
相変わらずONEXPLAYER社は尖っていますね。様々な使い方に変更できるポータブルゲーミングPCという枠で、一人戦い続けているような。流石に予想外なギミックのハンドヘルドです。というか、ハンドヘルドなのか…?
確かにこれまで、キーボード着脱式のモデルを出したり、他社からはコントローラー部分にカバーを被せれるPCが出ていたりと、確かに既存の技術の組み合わせだとは思うのですが、それを実現してしまうのがなんとも面白い。実用性や快適性はさておき。
ポータブルゲーミングPCはあらゆるバリエーションが出てきてかなり混沌としてきているので、自分の嗜好や用途に応じて検討してみてください。