さて、久々の中華タブレット。今回はスペック詐称なり、何なりでちょっと問題になったCHUWIの最新モデル『HiPad Pro』の2022年版をレビューします。
軽く感想を言うと、めっちゃ良い点も気になる点も山程ある、非常にアンバランスなタブレットって印象。
販売ストア
販売価格はBanggoodで37000円程度。もうちょい足せばxiaomi pad 5。円安勘弁して欲しいが、まぁこれでもgalaxy tab等と比べれば格安タブレットの部類に入るんだと思います。
▲Amazonのほうが安い可能性・・・。
CHUWIのスペック詐称事件
CHUWI(ツーウェイ)は中国の会社で、タブレットやノートPCなどを専門的に販売してるメーカーです。
ここ近年で出したモデルは同価格帯の他メーカー商品よりも品質が高く、格安タブレットを出しているメーカーの中でも一目置かれる存在でした。
しかしHiPad Proの前モデルで、端末解像度の詐称、widevine L1に対応してることでAmazonプライムビデオなどでHD再生できる(実際はL1に対応しているだけで、HD再生できなかった)との詐称など行い、その対応があまりに酷かったとかで、もしかして駄目なメーカーなのでは…?と信頼感が失われました。
今回のこの端末は、その信頼を取り戻そうと出した(であろう)機種で、全体的にスペックアップしています。
スペック・主な特徴
基本スペック | |
---|---|
OS | Android 11 |
画面 | 10.8 インチ (2560 × 1600) |
SoC | MediaTek Helio G95 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB(MicroSD対応) |
バッテリー | 7,000mAh |
寸法 | 245 × 157.7 × 7.4mm |
重量 | 447g(実測値) |
認証 | 顔認証・指紋認証無し |
カメラ | アウトカメラ8.0MP インカメラ:5.0MP |
Wi-Fi | 802.11 ac / a / b / g / n 2.4GHz / 5GHz |
Bluetooth | 5.0 |
SIM | nanoSIM対応 |
SoCは所謂スマホによく使われているSnapdragonではなく、MediaTekのHelioが採用されています。なので直感的に分かりにくいかもしれませんが、割と十分に高いスペックで、同価格帯のタブレットとしてはxiaomi pad 5が大きな比較対象として挙げられます。
動画版レビュー
開封&内容物
では早速開封していきます。
▲タブレットの箱にしてはかなり簡易な梱包で、高級感は低め。もうちょい金かけたほうが良いような気もするけど、徹底的にコストを抑えているように感じます。削れるところは削る精神。
▲内容物はこちら。本体、電源の変換プラグ(箱とは別)、説明書類、USB-Cケーブル、電源プラグ。あとSIMを取り外すためのピン?も入ってました。
本体外観
iPad Proを意識した高級感が有るデザイン
▲箱とは相反して、本体はかなり高級感がありテンションが上がる見た目です。前面はかなり狭いベゼル。横向きに持った際には左上にインカメラが来ます。
▲背面は金属板(おそらく)になっていて良い触り心地。これまで手にしてきたどの中華タブレットよりも高級感があります。
背面には素材の切り替わり
▲背面中心にはさりげなく白でロゴが入っています。素材が切り替わっているのは組み立ての問題でしょうか。触った感触的にはおそらく下側(ロゴ側)が金属板、上側がプラスチックっぽい?ですが違いはほとんど分かりません。
▲エッジは丸まっているのではなく、ipadのように四角くなっているのでそこまで薄くは感じませんが、ipadやiphoneの方向性に追従したデザインという印象。
まって、めちゃくちゃ歪んでません?
▲下側面にはSIMカード・MicroSD用のスロットがあり、上側面にはボリュームボタンが有ります。ってか、マジでこれ上側面めちゃくちゃ歪んでません?
個体差なのかなんなのか分かりませんが(多分個体差)、ちょっとこれはどうなの…?まぁ画面の滲みとか歪みとかは感じないので使っている分には現状特に問題はないですが…。
精度もあまり良くない気がする。ベゼルの淵の部分はがたがたしているように見えます。個人的にはちょい気になる。
▲スピーカーは左右側面に合計4つ付いていて、左側面に電源ボタンとUSB-Cがあります。こちらは特に問題なし。
画面
画面は見やすい
▲液晶解像度は 2560 × 1600 とある通り、結構高めでボヤッとした感じもありません。輝度も高く、見やすい印象。
ベゼルが狭い故の弱点
▲この端末の大きな特徴として、ベゼルの狭さ。液晶の隅から端末の外側までで6mm程度。ipadproとかが9mmくらい?なので、めちゃくちゃ狭く抑えれています。
しかし狭いからいいわけではなく、片手で持つ際画面に親指が触れてしまい誤タップっていうのがかなりあります。
スマートフォンであれば側面を持つことができるのでベゼルが無くてもなんとかなりますが、タブレットはサイズ感的にグリップできるくらいのベゼル幅あったほうがいいのかもしれませんね。
インカメラ要る?
▲インカメラもパンチホールだし、背面にも立派に見えるカメラが付いています。
しかし顔認証に対応しているわけではなく、指紋認証も搭載されていないのでよく持ち運ぶ人にとってはワンクッション必要になるのが少し難点。
あとそもそもインカメラ要る?って話。顔認証できるわけでもない、画質もそんなに良くないので特に用途として使うことはありません。
▲しかしこいつがあるせいでこのようにパンチホール対応していないアプリ(ほとんどのアプリ)でカメラ側に無駄な黒いスペースが出来てしまう。
せっかくこんなに狭いベゼルで設計されてるのに勿体なさすぎる。白いベゼルでより目立ってしまうので、そういった意味でも購入する場合はせめて黒(ブルー)を選ぶことをおすすめします。
▲しかしこの無駄なスペースのおかげで横向き片手持ちした際には誤タップされないという皮肉。いや、計算なのか?よくわからない。
使い方
原神も高画質で遊べるスペック
▲スペック的にはかなり十分で、原神は高画質で普通に動くし、何なら原神をやりながら画面分割でYouTubeなどを見ることも可能です。
ベンチマークスコアを見ると、Xiaomi Pad 5の半分くらいではありますが特に問題なくサクサク使えるので、マルチタスクで色々やりたい場合は選択肢として割とありかと。
▲試しにDolphin EmulatorやAetherSX2でGCやPS2を遊んでみましたが、通常設定で普通に動きます。画質を上げると処理落ちしますが、設定を模索すればいい感じに使えそうです。
バッテリーは普通に持つ
バッテリーは大容量な割にはあまり持たないと見ましたが、普通に動画視聴やブラウジングをしている場合には普通に持つ印象。
ただ高負荷な3Dゲームなどを遊んでいると結構発熱が大きいため、それで無くなってしまうのでは?と。
まぁxiaomi padなどと比較できていないので、持つ方なのか持たない方なのかは一概に言いにくいですが・・・。
プライムHD再生対応
最初は対応していなかったみたいですが、アップデートによりAmazonプライムビデオ・NETFLIX等でHD再生が可能になりました。これは有り難い。中華タブレットの最大のデメリットがHD再生非対応だと思っているので、これはかなり評価できます。
でもなんかネットフリックスでHD画質にならないな~アプリ内再生仕様のところを見るとFull HDって書いてあるのになんでだろうと思っていたら、一番安い会員だったからでした。ポンコツミス。
SIMカード・MicroSD対応
そしてSimカード&MicroSDにも対応しているので、Xiaomi Pad 5くらいのスペックのタブレット欲しいけどSim使いたいよな~、ストレージ拡張したいよな~って人にも良いかも。Xiaomi Pad 5にはどちらも搭載されていないので。
スピーカーは優しい
クアッドスピーカーの音質は凄く自然に聴こえる感じです。耳に刺さる感じも無ければ、低音も強くない。個人的にはすごく丁度いいスピーカーです。
感想:悪くは無いが気になる点も多い
それなりに高いスペックやめちゃ狭ベゼル、この価格にしては高級感の有るシェル、プライムHD再生など、グッドポイントはいくつも有るProに相応しいモデルだと思います。
しかしパンチホールの恩恵をあまり受けれていない、ビルドクオリティが微妙など、無理にスペックを詰め込んだ結果ひずみが生じているような印象を受けました。何事もバランスが大事なんだなって感じます。
まぁでも価格によってはコスパおばけみたいな端末にもなりうるので、セールなどをチェックしながら購入検討するのが良いかと思います。