友人から突然、『AYANEO SLIDE』買ったんだけど・・・触ってみる?と連絡が来ました。
AYANEO SLIDEと言えば、某GPU WIN3、4のようにスライド式キーボードを備えた結構変態仕様のUMPC。
触りたいかと聞かれたら、そりゃ触りたいですよね。ということで、AYANEO SLIDEを軽く触ってみたファーストインプレッション的な感想+友人の感想的な感じのライトなレビューをしていきたいと思います。
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スペック&主な特徴
AYANEO SLIDEとは
AYANEO SLIDEはポータブルゲーミングPCを多く販売しているAYANEO社による新ハードで、スライド式キーボードを搭載したWindows搭載の携帯ゲーム機です。もちろん一般的なPCのような使い方も可能。
ディスプレイは6インチの1080Pで、角度調整が可能。46.2Whのバッテリー、キーボードにはライトエフェクトあり、持つ際の負担が少なくなるグリップ形状、電源ボタン一体型指紋認証搭載。重量は650gとかなりのヘビー級。
プロセッサは最新モデルでは定番のAMD Ryzen 7 7840Uを搭載していて、メモリ・ストレージは16GB / 512GBと32GB / 2TBがあります。
カラーはサンライズホワイト、ブライトブラックの二種類展開。
開封&内容物
では早速開封していきます。(といっても開封済みなので嘘開封ですが)
箱からまずかなり面白いです。
何が面白いかというととにかくでかい。ここまででかいのは見たことがないです。普通にデスクが埋まりました。
そしてこのギミック。内箱を引き出すと中からテープのようなビジュアルの箱が現れました。そう、VHSモチーフなんです。中々にテンション上がりました。何故VHSなのかは分かりません。『スライド』だからですかね?いや、分かりませんけど・・・。
内容物は、電源、USB-Cケーブル、変換コネクタ各種、USB-A to USB-Cの変換コネクタ2つ、説明書類、本体です。
本体外観
サンライズホワイトは、つや消しの白をベースにオレンジの差し色が入っている爽やかなカラーリング、おしゃれな雰囲気が有り良いです。
完全な真っ白、というわけではなく若干柔らかな白といった色味。後にROG Allyとの比較画像を挙げるのでそちらを見ると分かりやすいかと。
ボタンレイアウトは
右側にXBOX配置のABXYボタン、アナログスティック、AYAボタン、=ボタン。
左側にアナログスティック、十字キー、ビューボタン、メニューボタン。
AYAボタンはAYASPACEを呼び出すためのボタン、そして=ボタンはデフォルトではデスクトップに戻るボタンとして設定されています。このあたりもAYANEOシリーズ共通ですね。
基本的にスイッチライクなボタンレイアウト、XBOXボタン同等の機能なので馴染みやすいです。
背面には排熱ファンの給気口があり、AYANEOのロゴなどがプリントされています。給気口のスリットはかなり大きめではありますが、驚くのは排気口
かなり大きめな排気口で驚きました。それだけ排熱に力を入れているということでしょうか。まぁ確かに、GPD WIN4では熱のせいでキーボードが溶けた!なんて投稿も見かけたので、キーボードを搭載している以上普通のUMPC以上に熱には気を付けないといけないのかもしれませんね。
上側面には左からLB、LT、LC、電源ボタン兼指紋センサー、ボリュームボタン、USB-C、RC、RB、RT
下側面にはデュアルスピーカー、USB-C、MicroSDスロットです。
地味に気をつけないといけないのが、イヤホンジャックが搭載されてない点です。有線イヤホンを使いたい場合は一応USB-Cが2つ搭載されているので、変換ケーブルでなんとかするしかありません。
グリップ部分はこのようにエルゴノミックな形状になっています。
ディスプレイをスライドさせるとキーボードが現れます。カシャっと開くのが良いですね。
他ハードとの比較
ROG Allyと比べるとこう。ROG Allyのほうが若干白さが強い気がしますが、SLIDEが黄色っぽいと感じることはありません。それにしてもサイズ差です。ROG Allyは7インチと、画面が大きいというのもありますが一回り小さい感が有り良いサイズ感です。
Nintendo Switch有機EL版と比べたのがこちらです。こうしてみるとSwitchよりも小さいように見えますが、
厚みがすごい。重量もすごいので、ポータビリティといった観点から見ると、薄くて軽いSwitchの方が良いかもしれません。しかしSlideはあくまでPCなので、ゲーム機 + PC的なガジェットであることも考慮しましょう。
操作感
やはりというかなんというか、ちょっと重すぎると感じました。重量は実測値、ガラスフィルム込で665グラム、一応重量が分散するようにエルゴノミックなフォルムになっていますが、それにしても重いです。
同様にスライドキーボードを備えたGPD WIN 4も重いと感じましたが、それでも約600グラムなので、更に60グラム多い、しかもこのサイズ感でとなると、とても顔に近付けて遊ぶような遊び方はできません。少なくとも私は手首がよわよわなので厳しいです。
なので基本的に遊ぶ場合にはデスクやテーブルの上に置いて握るようなスタイルになると思います。そしてこのハードは
このようにディスプレイに角度を付けることが可能で、この仕様もそれを考慮してのギミックなのかなと思いました。デスクに置いて遊ぶ際の負担をより減らすのに確かに適していると思います。
ボタンはメンブレンスイッチのラバーで、比較的軽めでポコポコとした押し心地。アナログスティックはNintendo SwitchのJoy-Con同等の小さめ、操作感としても同等だと感じます。
十字キーも同様にラバーの押し心地です。
対してGPD WIN4はABXYも十字キーもクリッキーな押し心地、PSVitaのようなドームスイッチなのでボタンの好みも判断材料になりそうですね。
ショルダーボタンはLBRBはボタン同様のラバー系の押し心地、LTRTはストローク長めのアナログトリガー。
そしてその隣にRCLCという割当可能なファンクションキーが搭載されているのがAYANEOシリーズの特徴です。
個人的にはバックボタンよりもショルダーに追加される方が好きかもしれません。
キーボードはこのサイズにしてはほどよく広めで、GPD WIN4よりも打ちやすく感じました。WIN4はキーがそもそも小さい上、キーとキーの隙間がかなり狭いので難しいんですよね、使えるには使えますけど。
ただSLIDEはキーとキーの隙間が結構柔らかく、なんか割れちゃうんじゃないか・・・と若干の不安はあります。
写真の比率が正確では無いので比較としては微妙ですが、こちらが過去に撮ったGPS WIN4との比較。
画面・スピーカー
画面
ディスプレイは上下のベゼルがかなり狭めなので良い感じです。左右は若干上下よりも大きめですが、そこまで気になるほどではありません。
逆に気になる点を挙げると、ディスプレイから側面までの幅が上下同じではなく、下部が若干大きいんですよね。GPD WIN4も下の方が大きかったような気がしますが、機構的に仕方ないんでしょうか?まぁ確かにPSP GOも画面下部が大きいですね。
それはさておき、ディスプレイは6インチの1080Pなので十分なサイズ感、解像度で良いと感じます。スライド、そして角度を付けることで自分のお気に入りのバランスを探れるのも良いですよね。
ちなみに、使っていて気になる点として、この角度の付ける固定があまり強くなく、角度をつけた状態で遊んでいる際ちょっとした手の動きや揺れでバタンと倒れてしまうとのこと。
スピーカー
スピーカーは結構こもり気味、そして画面側ではなく下側面にあるので少しもったいなく感じました。そういった意味でもイヤホンジャックが無いのが少しマイナスになってしまいますね。
しかしまぁ手で塞がれる位置には無いのでその点は良いですね。
使用感
スペックは文句なし
動作感としては、流石Ryzen 7 7000台だけあり文句なしの動きです。最新のAAAタイトル、ホグワーツレガシーまで普通に遊べますし、めちゃくちゃ重いタイトルであっても設定を行えば基本的には動くと思います。
発熱・ファンの音は普段使用していて特に気になるような事は無いとのこと。
指紋センサーあり
電源ボタン兼指紋センサーを搭載しているので、電源を押せばそのまま認証された状態で起動できます。ここの快適さは洗練されていて良いかと感じます。
物理キーボード
やはりふとした瞬間の物理キーボードの便利さに気付くんですよね。ちょっとしたゲーム内の入力であったり、そして何かしらゲームでフリーズしたりした際、キーボードがあればとりあえずなんとかなる。やはりWindowsである限り、物理キーボード存在は有用だと感じます。
AYA Space 2は快適
AYA Space 2はAYANEO製品専用に開発されたランチャーアプリのようなもので、これを活用することで簡単にTDPを調整したりすることが可能です。
このアプリは順調にアップデートされていて、次々と新機能が使えるようになってきているのでWindows機をゲーム機らしく使うのに適しています。ちなみにROG Allyにも同様なアプリはありますが、GPD WIN4にはありません。
感想
AYANEO社による物理キーボード付きWindowsゲーム機ということで、画面がスライドして、しかもその画面が傾くという、かなり変態的なギミックを持つハード・・・かと思いきや、
実際UMPCはバッテリー持ち、排熱、そしてそれに伴い重量の大きさがどうしても出てきます。
あのめちゃくちゃにデカいと言われているSteamDeckの有機ELモデルも公称値で640グラムなので、正直このサイズでほぼ同じ重量は重すぎやしないかいと、最初手に取ったときには思っちゃいました。
しかしだからこそテーブルや膝の上に置いて使う前提として、画面のティルト機能でより見やすく使えるようにしている、そういった意味で重量をカバーしようとしている独自の工夫を見せたハードだと思いました。