GKDPixelっていう結構期待していた縦型のミニマムなエミュ機が有るんですけど、それがいつの間にかサイレント発売していて、いつ届くか分からんけどとりあえず買ってみるか~くらいの軽い気持ちでAmazonで買ったら普通に翌週届いて、しかも想像以上に良かったんですよね。
サイズ感から質感から、所有欲は満たされまくるしもう脳という脳からドーパミンが溢れまくりですよ。まぁそもそもMiyoo Miniのような小さな縦ハードが刺さるってのはありますが、それを除いてもこの新鮮さはピカイチで、絶対今年・・・
いやとりあえずレビューしていきます。
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スペック&主な特徴
GKD Pixelとは
GKD Pixelは中華エミュレータ機としては結構老舗のブランドGame Kiddy社から発売された縦型のゲーム機で、いわゆるエミュ機と呼ばれている端末です。
小さくて、ゲームボーイライクな縦型で、そして金属シェルを採用しているのが大きな特徴です。システムはLinuxの独自UIのものを搭載、ディスプレイは2.4インチの320×240、SoCはIngenic X1830、バッテリーは1300mAh。
CPU性能的には高くなくアナログスティックは搭載されていないので、あくまでPS1まで遊べるレトロゲーム機です。
カラーはブラック、レッド、ブルー、グリーンがメインカラー。そして一応エヴァ風のパープルもあるらしいですが、数量限定のようで現在在庫を見かけません。
価格は記事執筆時点Amazonにて12,999円で販売されています。
開封&内容物
では早速開封していきます。今回は自腹です。
箱はこちら。緑をベースにピクセルでデザインされた可愛い箱です。高級感の有る箱ではなく、普通の厚紙の軽い素材です。
内容物はこちら。簡易的なガイドと本体です。
本体外観
たまんねえっす。
はぁ~
高いビルドクオリティ、金属の重くて高級感の有る質感、エッジが効いた角、ゴツゴツしたメカメカしい雰囲気がありながらも手に収まるサイズ感、マジでたまりません・・・。天才か?
眺めているだけで買って良かったと思えるハードは久しぶりです。
ボタンレイアウトもシンプル、ABXYに十字キー、スタートセレクトボタン。ABXYボタンはアルファベットが彫り込まれていますが、その彫り込みもピクセルな直線的な文字。素晴らしいこだわり。
ちょっと間の抜けた感じに見えるスタートセレクトボタンの位置だけは気になりますが、それよりもコントローラー部分が小さめで、画面の方が大きいこのプロポーションも堪らなく好きなんですよね。本当に最高か。
背面はゲームボーイライクに縦線・溝が入り、左下には同じデザインでストラップホール、上にピクセルのロゴがあります。かっこいいしかわいい。すべてを兼ね備えている(すべてではない)
上側面には左からL1L2、R2R1と並び、下側面にはスピーカー、USB-C、イヤホンジャックと並んでいます。
左側面にはボリュームボタン、MicroSDスロット、右側面にはメニューボタン、電源ボタン、そして同じデザインでバッテリー残量のインジケーターがあります。残量がインジケーターの本数で分かるのは普通に分かりやすいしイケてる。
他ハードとの比較
すっかりGKDファンなのでGKD MiniとGKD Mini Plusを並べてみました。圧倒的小ささ、そしてどれもデザインの良さが際立ちます。
分かりやすいように、縦ハードで代表的なもの?をピックアップして並べてみました。左からAnalogue Pocket、RG35XX Plus、Miyoo Mini、GKD Pixel、RG NANOです。
サイズ感的にはRG Nanoよりも大きく、Miyoo Miniよりも小さいちょうど中間のサイズ感。これが良いんですわ。本当に。これまで無かったサイズ感の所に切り込んできたというのも、新鮮さを大きく感じる要素の一つですね。
操作感
やはり小さい上、縦型のハードなので操作性は良いとは言えません。ボタン周りがかなりコンパクトなので、十字キーやABXYボタンを使っていても左右の親指が触れ合うほどのミチミチ感。しかし激しいアクションゲームでなければ別に普通に操作できますし、むしろこの小ささだからこそのプレイフィールの面白さはあると感じます。
このハード以上に小さなRG Nanoでは正直小さすぎて縛りプレイレベルですが、こちらは普通に遊べます。普通に遊べるギリギリ最小サイズといった感じ。
またボタン類も結構独特です。サイズ感自体はVitaよりも若干小さいくらいのサイズで小さいながらも普通に遊べるバランスですが押し心地がユニークで、かなり反発力が強めなラバーの押し心地で金属シェルの音が鳴る感覚があるんですよね。
遊びも少ないしひっかかりも無い、しっかりと押した感覚が有るので悪い感触ではないのですが、このサイズ感と金属シェル、強めのラバーによってこれまで無かった感触に感じます。
十字キーも同様なラバーの感触で、やはりこちらもVitaより若干小さいので十字キーとしてはかなり小さい部類ではありますが、シーソーもできる軸感のある動きなのでこのサイズにしては遊びやすいようにしっかりと設計されているように感じました。
スタートセレクトボタンはかなりボタン十字キーと近い位置にあるので干渉するのでは?と思うかもしれませんが、かなり高さが抑えられている上タクトスイッチのカチカチとした押し心地なので誤って押してしまった!ということにはなりません。ギリギリですが。
ショルダーボタンも結構良いです。若干ストロークがある柔らかめのラバーが挟まったタクトスイッチという感じで、こちらもあまり無い押し心地。音もさほど大きくなく、チープに感じるような硬さがあったり甲高い音が鳴ったりするわけではないのでかなり良いかと感じます。
ただやはり形状的にはかなり特殊な位置にあるので、LRを多用するゲームは中々厳しいように感じます。
画面・スピーカー
画面
このハードでの唯一の不満はディスプレイですね。画面サイズは小さくて良いのですが、解像度が320×240。なのでPS1などを遊ぶ場合には良いのですが、やはりGBやGBAを遊ぶ際にはピクセルの崩れがちょっと気になります。
まぁ、それでも結局画面が小さいので許せるし、これはこれでドット感のあるディスプレイでゲーム機っぽくて良いという気持ちも有るのですが、640×480のディスプレイに目が慣れてしまっていてですね・・・。
もう一点、見てもらうと分かると思うのですが、ディスプレイがラミネーションではあるもののシェルの内側にある、シェル勝ちの構成なんですよね。なので画面がちょっと遠くにあるような印象になりますし、隅に汚れやホコリが溜まってしまうのではないか・・・とかちょっと気になります。
しかしそれをわかった上でのデザイン、画面側も面取りしてあります。あとこういう構成のおかげで画面が剥がれてくる心配が不要であるとか、落とした際に割れにくい、分解・修理しやすいとかメリットもあるので、何を取るかですね。
スピーカー
スピーカーはクリアで大ボリュームが出るので、このサイズのゲーム機ということを考えると結構良いと感じました。ストックOSで遊んでいた際は音が割れたりしたので気になる人は気になるかもしれませんが、別のFWを導入したら多少マシになりました。
使用感
エミュレータで遊ぶには
一般的にエミュレータで遊ぶためには以下のものが必要となります。
吸い出し機(ダンパー)
エミュレータを使う際にはゲームイメージの吸い出しを各自行う必要があります。(中華ゲーム機のざっくりとした解説はこちら)
ダンパーには色々ありますが、一台だけでゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・スーファミ・64のゲームイメージとセーブデータの吸い出しが可能なCartridge Reader(レビュー記事はこちら)をおすすめします。
(サイトは英語ですが、日本でも購入可能です)
また少しでも安く済ませたい方はGAMEBANK-web.comのダンパーを必要なハードだけ購入する、PS1等だけを遊びたい!って人はDVDリーダー+PCがあればなんとかなります。
PC(あると快適)
データを管理するのに必要となります。
MicroSD
ゲームイメージ用に推奨。
MicroSDリーダー
MicroSDをPCで読み込むために必要となります。
メニュー画面の構成
ファームウェアはどうやらOpendinguxをベースにカスタムしたようなビジュアル。ゲームやツールなどが並び、進むとハード一覧が現れる形式。はじめて使う人はよくわからないかもしれませんが、慣れていれば分かりやすく、ビジュアル的にも結構良いと感じます。
そこまでは良いのですが、問題はほとんど中国語って事ですね・・・。一応設定項目からEnglishにできますが、したところでエミュレータ自体が中国語なので、保存とか退出くらいしか分かりません。
公式ファームウェア・カスタムファームウェア等
公式ファームウェア
英語版の公式ファームウェアです。こちらを導入することで、エミュレータも英語で使えるようになります。
GKD pixel用 Gmenu2x
伝統的なGmenu2xが使えるようになります。
MinUI
こちらは結構古くからあるカスタムファームウェアで、シンプルさ、速さを重要視したもの。導入方法はReadmeファイルがあるのでそちらを参考に。英語ですけど。
元々はTrimui Model S用に開発されたカスタムランチャーなので、このような小さいハードには相性ぴったしでしょう、ということですぐに試したのですが快適のなんの。
エミュレータの各種設定はデフォルトで良い感じですし、本体の起動、ゲームの開始・終了が爆速、ゲーム中に電源を切ると中断セーブされて落ち、電源を付けると中断ロードされて再開されます。
ただ対応エミュレータが少なかったり、ちょっとエミュの動きが悪かったり、軽くするために壁紙すら無いなど、あらゆる要素を削ぎ落とされているのでその点に関しては注意ですね。
ちなみにMinUIにて特定のゲームタイトルにおけるエミュ動作の悪さに関しては、対応できるようにRetroGameCorps氏がアドオンを公開しているので、使っていて気になれば導入してみるのが良さそうですね。
感想
これは爆裂に良いです。
Miyoo Miniのような小ささを持ちながらさらに小さい金属シェルのハードとしてRG Nanoが出現しましたが、しかしこちらは正直遊ぶのには苦労するハードで、キーホルダーサイズでも遊べちゃうゲーム機といった側面が大きい、小ささに重心が置かれたハードでした。
しかしやはりゲーマーとしては遊びたいよね、ということで作られたようなハードだと感じました。手のひらに収まるサイズ感でありながらもちゃんと遊べて、それでいてメタルシェル、質感はバリ良いです。デザインもエッジが効いたカッコイイフォルムで、そのすべてが刺さりまくりました。
相変わらず使いやすいとは言えないUI(言語的な問題も含め)で困惑しましたが、相性の良さそうなMinUIが速攻で対応してくれたおかげで超快適。
小さくて遊べて所有欲を満たしてくれると言った意味ではネクストミヨーミニといっても良いでしょう。よくぞやってくれましたGKD、他のカラーも買います。ありがとうGKD。