Retroid社から待望の5が出たんですが、それのシェルはそのまま、チップセットがSnapdragon G2 Gen2へとアップグレードされたモデルが改めて出ました。その名もRetroid Pocket G2。
同時にRetroid Pocket 6も出たので注目度は少し低めの端末ではありますが、新作、そして全く新しいチップセットなので一応チェックと、新カラーも追加されたのでそちらをチェックする意味でも購入してみました。
実際5と全く同じ外観、同じ価格での販売ではあるのでほぼ同じレビューにはなってきますが、コストパフォーマンス的には優れた機種だと感じます。
販売ストア
販売は原則公式ストアのみとなっています。金額は通常価格が219ドル、送料別。なんとRetroid Pocket 5と同じ金額での販売です。
新しく販売開始した、より性能が高いRP6がプレセールで209ドルとなっているのでそちらの方が明らかにコスパがよく、方向ボタンの位置を変更できるオプションや12+256GBの上位モデルなどもあり、複雑な心境ではあります。
動画版
スペック&主な特徴
Retroid Pocket G2とは
Retroid Pocket G2はRetroid Pocketシリーズの最新モデルで、Androidを搭載した携帯ゲーム機です。
5.5インチの1920×1080、有機EL(AMOLED)ディスプレイを採用していて、鮮やかな発色と高コントラストが特徴的なモデル。
チップセットにはSnapdragon G2 Gen 2というゲーム向けのSoCを搭載し、メモリ8GB、ストレージ128GB、microSDカードにも対応。Androidバージョンは最新の15。
バッテリーは5000mAhで、アクティブ冷却ファンを採用しているので長時間プレイにも強く、通信はWi-Fi 6 & Bluetooth 5.4、操作系はホールセンサースティックとアナログL2/R2トリガーにも対応しています。
先代のRetroid Pocket 5との違いとしては、SoCの刷新、RAMがLPDDR5Xに、OSがAndroid 13から15へなどが挙げられます。
カラーはGC、ブラック、16Bitの3色が5から元々あったもので、新色にイエローとターコイズが追加されています。また、ホワイトは無くなっています。
開封&内容物
では早速開封していきます

箱はこちら。いつものRetroidシリーズ通りのしっかりとした箱です。開封する際蓋がマグネットになっている点など、独自のこだわりで魅せています

内容物はこちら。簡易的なマニュアル、USB-Cケーブル、本体です。
フィルムは付属しないので、保護したい場合は別途公式のものを購入するか、サードパーティ製のものを購入する必要があります。
本体外観

今回選んだカラーはターコイズ。イエローもそうですが、めっちゃくちゃ某イッチライトのカラーリングです。実際に手に取ってみてもライト感が強くあります。
相変わらず全面ガラス+有機ELの組み合わせが綺麗です。ターコイズも良いカラーではありますが、黒ボディの方がよりベゼルがわかりにくくなり良いとは感じます。その代わり指紋は目立ちますけどね。
サイズ感は最高で、ギュッ詰まった感じがあり、ベゼル幅も小さくコントローラー部分もかなり小さくまとまっているので、視覚的にも手に取った感触的にもコンパクトです。
重量は結構軽く感じながらも、チープには感じない密度感があります。

ボタンレイアウトは右側に、スタート、ABXY、アナログスティック、バック、
左側に、セレクト、十字キー、アナログスティック、ホーム。バック・ホームの隣はスピーカーです。フロントスピーカー良いですね。
アナログスティックはほぼ縦並びですね。

背面には大きくファンの吸気口、排気口もその上にあります。Retroid Pocketのロゴが彫り込みで入っています。
ネジ穴はありますが、手が当たる部分には無いように工夫されています。

上側面には左から、L1L2、ボリュームボタン、電源ボタン、R1R2、
下側面には、MicroSDスロット、イヤホンジャック、USB-C。
電源ボタンは最初若干離れすぎのように感じていましたが、もう完全に慣れています。

今回のモデルでは過去のシリーズとは違い、グリップが大きく作られています。miniも5も同様ですね。
ディスプレイ部分の厚みは約15.5mmで薄め。緩やかなカーブのデザインになっているので、より薄くリッチなビジュアルに見えます。
ちなみに3+では14.6mm、4Proでは16mm。グリップの膨らみもなく圧倒的に薄いスレート型のデザインが独特で、かなり好みだったのでそこはちょっと…ではありますが、グリップにしてはさりげない膨らみなので悪く無いです。

他モデルとの比較はRetroid Pocket 5と全く同じなので割愛します。ちなみにこの写真のアナログスティックは別のものを装着しています。大きくなった。
Retroid Official Dock

今更ではありますが、ついでに専用ドックRetroid Official Dockも購入してみました。こちらはRetroidシリーズの一部モデルで使えるもので、充電だけでなくディスプレイ出力・有線LANの使用なども可能なものとなっていて、テレビで使いたい場合などに活躍します。

複数機種に対応するため完全にぴったりサイズに設計されたわけではないですが、まぁ純正のドックということで持っていても良いのではないでしょうか。価格も特段高くはなく、フィットするようであれば他社のモデルなどでも活用できそうです。
操作感

グリップは最近よくみる隆起したデザインで、中指がこの隙間に収まるようなフィット感です。本体側面のカーブ具合がいい感じに指にフィットして持ちやすいです。
滑り止めテクスチャはよくあるコントローラーなどに採用されているものよりもかなり優しめの粒々感。
重量は約270グラムと軽くは無いもののサイズを考慮すると十分軽め。グリップも効いていて、より軽く感じているんだと思います。

ABXYボタンはサラッとして平たいボタンで、遊び少なめ、しっかりとした硬めのラバーの押し心地。十分な感触ではありますが、パチパチと音が鳴る感じと、若干戻りにくい感じ気がします。miniよりも若干硬さは軽めなような。
スタートセレクト、ホームバックボタンはカチカチとしたタクトスイッチです。ボタン自体がかなり小さめ、若干硬めではありますが、押しやすく、チープで安っぽい感触や音ではありません。

十字キーはVitaライクな形状・寸法、感触もドームスイッチのプチプチとした押し心地。シーソーも可能で、入力は良好に感じます。
アナログスティックは中央が凹んだもので、Joy-Conや一般的なハードとは違った形状、倒れ角度が大きめです。過去のRetroid Pocket 4/ProやOdin2と同様なトップ。
あと左アナログスティックが下なので、遊ぶタイトルや持ち方、操作のクセによっては快適度が変わります。結構密なレイアウトなので、倒れ角度が大きいこのスティックは疲れやすいと感じる人もいそうです。
やはり左アナログスティックをメインで使うゲームであるとSwitchのようにスティックが上の方が快適だと感じます。
しかしカーブがかった形状とグリップの膨らみがあるおかげでRP 4 Proよりは負担がかかりにくいように感じます。

ショルダーボタンはL1R1カチカチと音がするタクトスイッチ。感触は良いと感じます。
L2R2はストロークが長いアナログトリガー。
画面・スピーカー
画面

とにかく綺麗です。でかい輝度、有機ELによるバキバキの発色、画面サイズにしてはめちゃくちゃ高い解像度、そして全面ガラスが視覚的に満たしてくれます。ありがたい。
画面上下のベゼルの厚みもMiniと違って薄く気持ちの良い見え方。
スピーカー
スピーカーはフロントスピーカーで音質はそこまで良くないですが、ステレオサウンド感が心地良いです。手が覆い被さることもないので塞がれる位置でもなく、スピーカーにおいても満足度が高めです。
イヤホンジャックがあるのでもちろんイヤホンで遊ぶことも可能。
使用感
では早速初回起動からの使い方を紹介していきます。
初回起動時

初めて起動する際にセットアップが開き日本語を設定可能、アプリ・エミュレータを選んでインストールできます。が、まぁ基本的にはAndroidなので全部自力で設定する必要があります。パーミッションの設定、ディレクトリ設定、そしてエミュレータ自体の設定などなど。
Google純正アプリやPlayStoreも導入されているので、そちらからのインストールも可能です。
メニュー画面

デフォルトのランチャーは一般的なAndroid用のランチャーを超シンプルにしたようなもので、アプリ一覧や検索などはなく、時計ウィジェットだけがある、必要最低限なもの。
他にもエミュ専用のランチャー(メニュー画面)があり、そちらを使うといかにもエミュ機なインターフェイスで使えるようになります。
こちらはエミュレータ一覧やアプリ一覧などをカスタマイズしながら設定できる、エミュ機のフロントエンドとしての機能をメインとしたランチャーです。
スイッチライクなビジュアルでシンプル、使い勝手としては悪くありませんが、エミュレータ用のフロントエンドランチャーは他にも様々あるので個人で気に入るものがあれば変更してみるのも良いかと思います。ちなみに私のお気に入りはDaijisho。
設定変更など
上から下にスワイプしてクイック設定から簡単に変更可能な項目がいくつかあり、
パフォーマンスモードで消費電力を上げて強くしたり、ファンの強さを変更したり、スティックのLED色を変更したり、明るさを変えたり、消したりが可能。
他にもゲーム中に画面右から左へスワイプする事でフローティングメニューのようなものが表示され、様々な設定が可能となります。その中でタッチパネル操作をコントローラーに割り当てることも可能。
DP出力でモニターやテレビに繋ぐことも可能
AnTuTuベンチマーク結果
AnTuTu ベンチマークスコアは
総合スコア 1471485
CPUスコア 584125
GPUスコア 222836
総合約147万・CPU58万・GPU22万となりました。最新のハイエンドと比べるとあれですが、十分戦える数値です。Android携帯ゲーム機としては強めな部類。
ゲームをプレイ

動作感自体は十分動きます。ゼンゼロなどのコントローラー対応スマホゲームも動作します。
あまり深く検証はできていませんが、GC・Wii・PS2のタイトルをいくつか遊んでみると、タイトルによっては厳しいこともありますが、設定を適切に行えば十分遊べる感じです。
しかしこちらに採用されているSoCは新しいものなので、GPUドライバによるアプリやエミュレータの不安定さがあったりするようです。
実際、動作感としてはRP5から大差があると聞かれると少し微妙で、ゼンゼロ最高画質でのプレイは厳しく、たまに落ちたりすることもありました。でもあとからバックグラウンドで他のアプリが動いていることに気付いたので、それが原因なのかも…?どちらにしろメモリの少なさも感じるような。
ファンの音・熱・バッテリー持ち
ファンの音はSportにすると多少大きくはなりますが、小さい方だと思います。音有りで遊んでいれば気になりません。ほぼ動かないようにもできますし、Smartにしておけば自動で熱くなったら動くようになります。
発熱は高負荷のゲームを遊ぶとほんのりと画面側が暖かくなりますが、手元はまったく熱くなりません。
バッテリー持ちはPCMarkで持続時間を測ってみたら約14時間でした。あくまで参考までなんですが、同様にRP5も測ってみたところ、10時間くらいだったので、計測上では増えていますし、実際ゲームで遊んでいても伸びていると感じます。
感想
評価せざるを得ないクオリティと満足感はRP5から顕在。
16:9ディスプレイのAndroidハードは他にも多く出ていますが、Vitaサイズにグッと詰め込まれている感が相変わらず良いバランスだと感じます。
RP5から買い替えるほど明確な差があるかと聞かれたら個人的にはそんなに無いんですが、しかし今買う人やもう少し性能がほしいと思っていた人にとっては朗報、といった感じでしょうか。
個人的には、ここまで性能が上がってくるとストレージが256GBは欲しいなと思っちゃいました。まぁ、RP6では256GBモデルがあるので、今買うなら普通にRP6の方が良いような気がします。変わったチップを搭載したモデルに飛び込みたい人向けといった感じでしょうか。
